JPH0749220Y2 - ロースターにおける逆火防止板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、外箱の外側に位置する
バーナーの基端部において、異常燃焼による危険を防止
する様にしたロースターにおける逆火防止板に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、かかるロースターにおいてはバー
ナーから生ガスを噴出し、この生ガスに着火させて調理
しているために、特開平２ー２５１００９号公報に見ら
れる様に、未燃焼ガスの放出防止のために炎センサーを
設けて点火ミス或いは立消えを検出してバーナーへのガ
ス供給を遮断する様な安全装置を設置する様に改善され
る様になってきた。

【０００３】しかし、上記の安全装置はバーナーでの立
消えには効果を有するものであるが、例えばバーナーの
火口の一部の目詰まり時には炎を検出するために万全で
はなく、この様な時にはバーナーに生ガスを供給し続け
るためにバーナーの基端より生ガスが逸出する欠点を有
していた。

【０００４】又、ロースターは外箱と内箱の二重構造と
成しており、内箱の内部に収容されたバーナーの基端部
は外箱と内箱の連結部を挿通して外箱の外側に位置して
おり、他方コックユニットはテーブルの下面に取付け、
コックユニットの外箱に近い先端には支持体を垂下固設
しており、該支持体に取付孔を開口形成し、該取付孔に
メインノズル、スパーカー及びパイロットノズルを取付
け、メインノズルをバーナーの基端部に挿入している。

【０００５】そして、バーナーの基端部とメインノズル
は着脱自在であると共に、空気吸入、混入口と成してお
り、その結果バーナーの火口に肉汁等が付着して火口の
一部を塞いだ時には、上記のバーナーの基端にメインノ
ズルを接続した接合部から生ガス、未燃焼ガスが上記支
持体に向かって逸出して異常燃焼を励起する危険性を有
していた。

【０００６】又、バーナーの点火時には、パイロットノ
ズルからバーナーまで生ガスを飛ばすと共に、パイロッ
トノズルの近接位置に配設されたスパーカーより火花を
発火させて飛翔ガスに点火し、かかる点火した飛翔ガス
がバーナーに到達し、バーナーの生ガスに点火してお
り、従って点火操作時の点火ミスにより、パイロットノ
ズルから勢いよく未燃焼ガスが放出されたり、バーナー
からの未燃焼ガスが飛翔ガスの通過経路（通気路）や連
結部を通って外箱とコックユニット（支持体）間に充満
して、再点火時に滞留ガスの異常燃焼を励起する危険性
を有していた。

【０００７】上記の様に構成されたロースターにおい
て、バーナーの火口の目詰まり等により、バーナーの基
端部において発生した異常燃焼は、外箱と支持体間に位
置するテーブルの下面が焼ける欠点を有していたり、支
持体の取付孔内に火が入り、コックユニットを損傷した
り、コックユニットを取付けたテーブルの下面が焼ける
欠点を有していた。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、バーナーの
火口の目詰まりと、立消え後の再点火時等の逆火、異常
燃焼による火熱が、テーブル下面又はコックユニット内
に到達することを防止し、防災面を強化する様にしたロ
ースターにおける逆火防止板を提供せんとするものであ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記従来技術
に基づく、目詰まり、立消え後の再点火時等の逆火、異
常燃焼による危険性が存在する課題に鑑み、バーナーの
基端が位置する外箱の外側とコックユニットの支持体の
間に逆火防止板を設けることによって、火熱がテーブル
下面又はコックユニット内に到達することを防止して安
全性を向上する様にして、上記課題を解決せんとしたも
のである。

【００１０】

【作用】本考案にあっては、バーナーの火口の目詰まり
等によりバーナーの基端とメインノズルの接合部より生
ガスが逸出し、異常燃焼が発生しても、接合部を囲繞す
る逆火防止板により生ガス、燃焼ガスの上昇、拡散が防
止され、テーブル下面等の損傷を防止するのである。

【００１１】又、バーナーの熱気と外箱に作用する吸引
力による空気の流れによって、連結部にも外箱の外側か
ら内箱の内側に空気が流れて逆火防止板内に滞留した生
ガス、燃焼ガスはロースター本体の内部に流入して排気
され、又支持体に向かってバーナーの基端から生ガスが
噴出しても、上面壁の傾斜により生ガス、燃焼ガスを効
率良く連結部内に案内するのである。

【００１２】

【実施例】以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明
すると、１はロースター本体であり、テーブル２の略中
央位置に上部が調理部３に開口し下部が排気部４に開口
した外箱５を嵌合支持し、該外箱５の内部に所定間隔の
吸引流路６を外箱５との間に有する様にして内箱７を取
付け、排気部４を介して吸引流路６に吸引作用を付与し
ている。

【００１３】上記外箱５と内箱７は共に円形状であり、
テーブル２と外箱５の間には断熱材８を介在しており、
外箱５の下方部には支持部９を内方突設して内箱７を支
承し、又外箱５と内箱７の一側には夫々に貫通した連結
筒10、11により、外箱５の外側と内箱７の内側を連結開
口した連結部12を形成している。

【００１４】上記外箱５側の連結筒10は逆門型状で外箱
５の内方側に突出し、他方内箱７側の連結筒11は四角筒
状で内箱７の外方側に突出し、連結部12は外箱５側の連
結筒10内に内箱７側の連結筒11が上方向から嵌入して構
成しており、そして清掃時等に内箱７を着脱する際には
連結部12も外箱５側の連結筒10と内箱７側の連結筒11に
分離して着脱する。

【００１５】又、内箱７の連結筒11の外側先端部には隔
壁13を一体形成しており、該隔壁13の下方中央部にはバ
ーナー挿通孔14を穿設すると共に、該バーナー挿通孔14
の両側には通気孔15、15a を開口形成し、更に隔壁13の
上方部には通気孔16を開口形成し、又連結筒11の両側及
び上部側には連結筒11より前方に若干突出した門型板17
（外箱５の連結筒10内に嵌入可能）を固設し、該門型板
17の上部は外箱５の内面に接する様に湾曲突出してい
る。

【００１６】18、18a は内箱７の上端開口部内周壁面か
ら中心方向へ突出した適宜数の突片であり、該突片18、
18a 上にドレンパン19の外周縁部に周設された鍔部20を
載置し、該鍔部20と内箱７壁面により環状の段部21を形
成している。

【００１７】22は多数のスリット（図示せず）を規律的
に穿設して成る焼肉用のロストル、23は円形筒状に形成
した整流板24と中心部方向へ適宜数の突片25、25a を突
設して成る鍋載置用の五徳26を一体化して成る整流板五
徳であり、ロストル22及び整流板五徳23は互いに前記段
部21上に選択載置する様に成している。

【００１８】上記ロストル22は中央の平坦部27と、該平
坦部27から周縁部に向かう傾斜部28と、該傾斜部28に平
面状の周辺部29を介して前記平坦部27より若干高い立ち
上がり部30を一体形成して成り、該立ち上がり部30によ
り多数のロストル22を積み上げても中央でなく周辺部で
あるために安定し、且つ立ち上がり部30により油脂の横
方向への逸出を防止しており、又ロストル22の下面には
リング状の油切り用の凸部31、31a を一体形成してい
る。

【００１９】上記整流板五徳23の整流板24は、所定高さ
の円形薄板筒状の筒状部32の下端で内側にリング状に折
曲して載置部33を形成し、該載置部33に続いて内側に垂
下部34を一体形成し、上記載置部33を内箱７の段部21へ
載置してロースター本体１へ整流板五徳23を載置してお
り、又筒状部32の上端で外側に膨出したテーパー部35を
介して、外側に鍔部36を突出状態に一体形成している。

【００２０】又、整流板24の載置部33上には中心方向へ
所定高さを有する五徳26の突片25、25a を固設し、筒状
部32の内側には突片25、25a を延設して所定幅分を内側
に突出した間隙形成部37を固設し、更に間隙形成部37に
続けてテーパー部35と鍔部36の上部には所定幅分を上方
に突出した載設部38を固設している。

【００２１】39は空気混合ガスを噴出するバーナーであ
り、該バーナー39はドレンパン19の中央部に形成した開
口部40を通して内箱７内に据え付けられ、バーナー39の
基端は連結部12を貫通して外箱５の外側に位置してい
る。

【００２２】41は後方にコックユニット（図示せず）が
位置する支持体であり、該支持体41は連結部12の対向位
置である外箱５の外側でテーブル２の下面に断熱材42を
介して垂下固設し、支持体41の上方部にはパイロットノ
ズル43とスパーカー44の取付孔45を開口しており、一方
ドレンパン19には通気孔46を開口形成してパイロットノ
ズル43の前方部に連結部12、連結筒11の隔壁13の通気孔
16、通気孔46により通気路47を形成している。

【００２３】48は支持体41の下方中央部に開口した取付
孔であり、該取付孔48にはガス供給管49のメインノズル
50を取付け、該メインノズル50の先端は外箱５と支持体
41の間でバーナー39の基端に接続している。

【００２４】51は外箱５と支持体41間に位置して支持体
41の内方側に取付けた逆火防止板であり、該逆火防止板
51はメインノズル50とバーナー39の基端の接合部52を囲
繞する様な略門型の形状であり、支持体41の内方側に一
対の側面壁53、53a を突出すると共に、内方側が高くな
る様に傾斜させた上面壁54を突出固定している。

【００２５】55は内箱７上端開口部（調理部３）に対向
した開口部56を有する円形状のトッププレートであり、
該トッププレート55は外箱５の上方開口部57を被冠閉塞
すると共に、外箱５の上端内周壁面に固設されたトップ
プレート受け58に載置する断面横Ｌ字状の閉塞枠体59を
形成し、該閉塞枠体59より内方側の傾斜部60を介して内
箱７の上部周囲に接する様に垂設された周壁61を一体形
成し、該周壁61の上端方部位置に全周に渉り外箱５内に
連通する所定数の吸気孔62、62a …を貫設形成してい
る。

【００２６】次に本考案に係るロースターにおける逆火
防止板の作用について説明すると、バーナー39の火口の
目詰まり等によりバーナー39の基端とメインノズル50の
接合部52より生ガスが逸出し、異常燃焼が発生しても、
接合部52を囲繞する逆火防止板51により生ガス、燃焼ガ
スの上昇、拡散が防止され、テーブル２下面等の損傷を
防止するのである。

【００２７】又、バーナー３９の熱気と外箱５に作用す
る吸引力（後述する吸気孔６２、６２ａ…の通過）によ
る空気の流れによって、連結部１２にも外箱５の外側か
ら内箱７の内側に空気が流れて逆火防止板５１内に滞留
した生ガス、燃焼ガスはロースター本体１の内部に流入
して排気され、又支持体４１に向かってバーナー３９の
基端から生ガスが噴出しても、上面壁５４の傾斜により
生ガス、燃焼ガスを効率良く連結部１２内に案内するの
である。即ち、逆火防止板５１はバーナー３９の基端に
おける異常燃焼時に、バーナー３９以外への火炎の伝播
を防止すると共に、バーナー３９の基端から逸出した生
ガス等を調理部３方向に誘導する。

【００２８】次に熱気の吸引とその他の作用について説
明すると、内箱７の環状の段部21にロストル22又は整流
板五徳23を選択載置して焼肉又は鍋のいずれかの料理に
供し、整流板五徳23を使用した鍋料理の場合には、五徳
26の突片25、25a 上に鍋を載置してバーナー39の直火に
より鍋の底面及び側面を加熱して調理する。

【００２９】この鍋調理時には整流板24の内側と鍋の外
側間には整流板24に固設した間隙形成部37が存在するた
めに、整流板24と鍋は直接密接せずに両者間には間隙形
成部37の幅の排気経路が確保され、バーナー39の燃焼ガ
スは上記排気経路より排気され、内箱７内に燃焼ガスが
滞留することなく、且つ連結部12及び通気路47より外箱
５外側の空気が供給されてバーナー39からの生ガスの完
全燃焼が促される。

【００３０】又、上記作用と同時にロースター本体１に
は店内の排気システムの関係で常に引圧が作用してお
り、この引圧によりトッププレート55（内箱７）と整流
板24の間隙部より室内の空気をトッププレート55の吸気
孔62、62a …より吸引し、従って鍋の使用時にも当該ロ
ースター本体１での吸気は確保されて、店内に配置され
た他の多数のロースター及び排気システムに対して悪影
響を与えることがなかったり、店内の排気システムの再
調整が不要となる。

【００３１】又、鍋は整流板24の内部に載置する他に、
更に直径が大きなすきやき鍋、鉄板等は整流板24の鍔部
36の載設部38上に載置して調理に供し、この時にはすき
やき鍋等の底面と整流板24の鍔部36との間には載設部38
が存在して載設部38の高さの排気経路が確保される。

【００３２】又、焼肉料理に供するロストル22の使用時
には、調理物の焼き上げに伴って立ち上がる焼煙は排ガ
スと共に、ロストル22の上部周囲に位置したトッププレ
ート55の周壁61に穿設された吸気孔62、62a …から吸引
され、その際に生じる層流効果により室内の空気を同時
に巻き込み、排ガスは冷却されながら吸引流路６、外箱
５及び排気部４を通る。

【００３３】

【考案の効果】要するに本考案は、テーブル２の略中央
位置に、外箱５と該外箱５の内部に所定間隔の吸引流路
６を有する様にして内箱７を取付けると共に、吸引流路
６に吸引作用を付与し、外箱５と内箱７には連結部１２
を設け、内箱７の内部にはバーナー３９を収容し、外箱
５の外側でテーブル２下面には支持体４１を取付け、上
記バーナー３９の基端は連結部１２を貫通して外箱５の
外側に配置すると共に、支持体４１にはメインノズル５
０を取付け、バーナー３９の基端にメインノズル５０を
接続した接合部５２を囲繞する様に、支持体４１の内側
には一対の側面壁５３、５３ａと上面壁５４より成る逆
火防止板５１を取付けたので、バーナー３９の火口の目
詰まり等により、バーナー３９の基端で異常燃焼が発生
しても、生ガス、燃焼ガスは逆火防止板５１に阻止され
てテーブル２下面又はコックユニット内に到達せず、バ
ーナー３９以外への火炎の伝播を防止して安全性を確保
することが出来る。又、逆火防止板５１により支持体４
１外部への拡散を阻止された生ガス、燃焼ガスは、吸引
流路６、調理部３、内箱７の内部を介して連結部１２に
作用する吸引力で、連結部１２内に強制吸引された後、
店内の排気システムにより店外へ排気され、店内環境を
良好に保持することが出来る。

【００３４】又、上面壁54は内方側が高くなる様に傾斜
させたので、支持体41に向かってバーナー39の基端から
噴出した生ガス、燃焼ガスを効率良く連結部12内に案内
することが出来る等その実用的効果甚だ大なるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る逆火防止板を装備したロースター
の断面図である。

【図２】逆火防止板を固設した支持体の正面図である。

【図３】図１のＡーＡ断面図である。

【符号の説明】

１ ロースター本体 ２ テーブル ５ 外箱 ６ 吸引流路 ７ 内箱 12 連結部 39 バーナー 41 支持体 50 メインノズル 51 逆火防止板 52 接合部 53、53a 側面壁 54 上面壁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 テーブルの略中央位置に、外箱と該外箱
   の内部に所定間隔の吸引流路を有する様にして内箱を取
   付けると共に、吸引流路に吸引作用を付与し、外箱と内
   箱には連結部を設け、内箱の内部にはバーナーを収容
   し、外箱の外側でテーブル下面には支持体を取付け、上
   記バーナーの基端は連結部を貫通して外箱の外側に配置
   すると共に、支持体にはメインノズルを取付け、バーナ
   ーの基端にメインノズルを接続した接合部を囲繞する様
   に、支持体の内側には一対の側面壁と上面壁より成る逆
   火防止板を取付けたことを特徴とするロースターにおけ
   る逆火防止板。
2. 【請求項２】 上面壁は内方側が高くなる様に傾斜させ
   たことを特徴とする請求項１のロースターにおける逆火
   防止板。