JPH0749004Y2 - 燃料供給装置におけるジョイントホースの連結装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、燃料ポンプとこの燃料ポンプで吸引された燃
料を車両等のエンジン側へと供給する吐出パイプとを弾
性材料から成るジョイントホースで連結するようにした
燃料供給装置におけるジョイントホースの連結装置に関
する。

〔従来の技術〕

従来、この種の燃料供給装置は例えば特開昭61−65067
号、特開昭62−61999号公報等で開示されているよう
に、燃料タンク内に取付ブラケットを介して燃料ポンプ
を設け、前記取付ブラケットには金属材料から成るリタ
ーンパイプと供給パイプとをろう付け等によって一体的
に固着するとともに、前記燃料ポンプの吐出口と前記供
給パイプの吸込口とを耐油性を有するゴム等の弾性材料
から成るジョイントホースで連結している。そして、周
知の如く前記燃料タンク内の燃料を燃料ポンプで吸引
し、前記ジョイントホース並びに供給パイプを介して車
両等のエンジン側へと供給するとともに、その燃料の一
部をリターンパイプを介して再び燃料タンクへと戻すよ
うにしている。

また、この場合、前記燃料ポンプの吐出口から燃料が高
圧噴射され、燃料ポンプの吐出口と連結するジョイント
ホース内では燃料が高圧（約6kg/cm²）となるため、ジ
ョイントホースと燃料ポンプの吐出口及び供給パイプの
吸込口との嵌合箇所から燃料漏れが発生する危険性があ
り、通常は前記取付ブラケットに装着する燃料ポンプ側
の吐出口と供給パイプの吸込口との外径を合わせ、か
つ、その各外径に対応して前記ジョイントホースの内径
を形成することにより、ジョイントホースを供給パイプ
の吸込口及び燃料ポンプ側の吐出口に嵌入した際、ジョ
イントホースの内周面を前記吸込口並びに吐出口の外面
に密着させ、かつその嵌合部分を例えばバネ性を有する
環状のクランプで締着することにより、ジョイントホー
スと燃料ポンプ及び供給パイプとの気密性を高め、燃料
漏れ等のトラブルを防ぐようにしている。そして、ジョ
イントホースを燃料ポンプ側の吐出口と供給パイプの吸
込口とに装着する際には、第６図（Ａ）で示すように予
めクランプ30を燃料ポンプ31の吐出口32と供給パイプ33
の吸込口34との何れか一方、この例では供給パイプ33側
に挿通させてから、第６図（Ｂ）に示すようにジョイン
トホース35の両端を燃料ポンプ31の吐出口32と供給パイ
プ33の吸込口34とにそれぞれ嵌入し、この後、第６図
（Ｃ）に示すように前記クランプ30を工具などによって
その弾性力に抗して広げた状態で前記クランプ30を前記
ジョイントホース35の嵌合部分に位置させるとともに、
クランプ30に加えた力を解除することによってクランプ
30を元の状態に復元させてその復元力によってジョイン
トホース35を締付けるようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記従来例では、ジョイントホース35と燃料ポンプ31の
吐出口32及び供給パイプ33の吸込口34との気密性を良好
に保つために、燃料ポンプ31の吐出口32の外径と同じ外
径の吸込口34を有する供給パイプ33を用意し、これを取
付ブラケット（図示しない）に固着し、その各外径より
も若干径少となる内径を有するジョイントホース35によ
って両者を連結するものである。ところで、前記燃料ポ
ンプ31は、装備する車両毎にそれぞれ異なるものであ
り、また燃料ポンプ31に形成する吐出口32の外径はその
燃料ポンプ31の吐出量等によって各種サイズに設定され
ている。従って、供給パイプ33は、燃料ポンプ31の吐出
口32の外径寸法に合致したものを選択的に取付ブラケッ
トに固着しなければならず、部品管理及び取付作業に煩
わしい手間がかかるとともに、供給パイプ33の共通化を
図ることができずコスト的にも不利であった。

このため、燃料ポンプ31側の吐出口32の外径寸法にかか
わらず、取付ブラケットに固着する供給パイプ33の吸込
口34の外径寸法を予め所定の寸法に統一しておくことに
よって部品の共通化を図り、燃料ポンプ31の吐出口32と
その取付ブラケットに固着する供給パイプ33の外径寸法
が必然的に異なる場合であっても、ジョイントホース35
の内径寸法を予め統一された供給パイプ33の吸込口34の
外径に合わせて形成し、このジョイントホース35によっ
て、前記燃料ポンプ31側の吐出口32と供給パイプ33の吸
込口34を連結し、クランプ30にて締着することによって
気密性を確保することが考えられている。しかし、例え
ば燃料ポンプ31の吐出口32の外径がジョイントホース35
の内径より径少となった場合には、たとえクランプ30に
て締めつけたとしても、吐出口32側は高圧となるため両
者が密着せずに両者の気密性が低下して燃料漏れが生じ
てしまう。また、逆に吐出口32側が径大となった場合、
燃料ポンプ31の吐出口32とジョイントホース35との嵌め
合いがきつくなり、その連結作業に手間がかかり、その
作業性の悪化を招くものである。

そこで本考案は燃料ポンプ側の吐出口と供給パイプの吸
込口との外径が相互に異なったとしても、ジョイントホ
ースの連結部の気密を良好に保つことのできる燃料供給
装置におけるジョイントホースの連結装置を提供するこ
とを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は燃料タンク内に配置する燃料ポンプと、この燃
料ポンプを前記燃料タンクに取り付ける取付ブラケット
と、この取付ブラケットに設けられ前記燃料ポンプで吸
引する燃料を車両等のエンジン側へと供給する供給パイ
プと、この供給パイプの吸込口と前記燃料ポンプの吐出
口とを連結する弾性材料から成るジョイントホースとを
有し、前記ジョイントホースの両端に前記供給パイプの
吸込口と前記燃料ポンプ側の吐出口とを嵌入するととも
に、このジョイントホースの嵌合部分を環状のクランプ
で締着するようにしたジョイントホースの連結装置にお
いて、前記供給パイプの吸込口と前記燃料ポンプ側の吐
出口との外径が相互に異径となるように形成し、この各
外径に対応して前記ジョイントホース両端の内径を互い
に異径となるように形成し、かつ前記ジョイントホース
の端部の一方には前記クランプが挿通不能な鍔部を設け
たものである。

〔作用〕

前記構成によって、ジョイントホースの内径と燃料ポン
プ側の吐出口及び供給パイプの吸込口とが密着嵌合され
る。また、ジョイントホースの連結方向を誤って連結し
たとすると、予め燃料ポンプの吐出口側あるいは供給パ
イプの吸込口側に挿入配置されたクランプがジョイント
ホースの鍔部によってジョイントホース側へ移動するこ
とができずジョイントホースの誤組が判別できる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示し、同図にお
いて１は燃料となる例えばガソリンを貯える燃料タンク
であり、この燃料タンク１の上面に設けた開口部２の前
面周縁にはパッキン３を介して平板状の取付ブラケット
４をねじ５によって取付固定している。また、取付ブラ
ケット４の下面には取付腕６が一体的に垂設され、この
取付腕６の先端に直流モータ（図示せず）を内蔵する従
来からの周知の構造の燃料ポンプ７が取付金具８を介し
てねじ９により取付固定されている。この燃料ポンプ７
は上面及び下面側に吐出口10と吸引口11とを突出形成
し、その吸引口11にはゴミ除去用フィルタ12が設けられ
ている。

また、前記取付ブラケット４には例えば黄銅等から成る
リターンパイプ13と供給パイプ14とがろう付け等によっ
て一体的に固着され、前記取付ブラケット４から突出す
る各パイプ13、14の外側先端には夫々ゴム製の移送ホー
ス15が連結されている。尚、前記燃料ポンプ７の吐出口
10及び前記供給パイプ14の吸込口16にはスプール加工に
よって側方に突出する膨出部17、17Aが形成されるとと
もに、この場合、前記燃料ポンプ７の吐出口10の外径が
例えばφ7mmに、供給パイプ14の外径が例えばφ8mmに、
それぞれ異なった寸法で形成されている。

18は耐油性を有するゴム等から成るジョイントホースで
あり、このジョイントホース18の両端内周面には前記燃
料ポンプ７の吐出口10と、前記供給パイプ14の吸込口16
の各外径に対応して径少部19Aと径大部19Bとを形成し、
径少部19Aを吐出口10側に、径大部19Bを吸込口16側にそ
れぞれ嵌入することにより、燃料ポンプ７の吐出口10と
供給パイプ14の吸込口16とをジョイントホース18を介し
て連結するとともに、その嵌合箇所におけるジョイント
ホース18の外周をバネ性を有する環状のクランプ20で締
付けることにより、ジョイントホース18と前記燃料ポン
プ７並びに供給パイプ14との気密性を良好に保つように
している。また、この実施例では前記ジョイントホース
18の径少部19A側、すなわち燃料ポンプ７との連結側の
端部には側方に突出する環状の鍔部21を形成している。

尚、前記クランプ20は前記従来例と同様に予め供給パイ
プ14側に挿通させた状態で前記ジョイントホース18を燃
料ポンプ７の吐出口10と供給パイプ14の吸込口16とにそ
れぞれ嵌入して連結し、この後、クランプ20を広げた状
態でジョイントホース18と吐出口10及び吸込口16との嵌
合部に移動させてクランプ20の復元力によってジョイン
トホース18を締付けるようにしている。

この場合、前記ジョイントホース18の径少部19A側に設
けた鍔部21の外径を前記クランプ20より径大に形成する
ことにより、仮に第４図で示すようにジョイントホース
18の径少部19A側を供給パイプ14の吸込口16側に径大部1
9Bを燃料ポンプ７の吐出口10側に誤って連結した場合、
前記鍔部21が供給パイプ14の吸込口16側、すなわち、前
記クランプ20の挿入方向側に位置するため、その鍔部21
によってクランプ20をジョイントホース18側に挿入する
ことができず、ジョイントホース18の連結方向が逆であ
ることを容易に判別することができる。

従って、ジョイントホース18の連結作業時に燃料ポンプ
７の吐出口10と取付ブラケット４に設けた供給パイプ14
の吸込口16との各外径が異なる場合であっても、ジョイ
ントホース18の連結方向を誤ることなく確実に連結する
ことができ、これによりジョイントホース18と燃料ポン
プ７及び供給パイプ14との気密を良好に保持して燃料漏
れ等のトラブルを未然に防ぎ、燃料ポンプ７の作動を安
定状態で保つことができる。

尚、本考案は前記一実施例に限定されるものではなく本
考案の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であり、例
えば燃料ポンプの吐出口及び供給パイプの吸込口の各外
径は適宜選定すればよく、また、前記実施例では吸込口
側を吐出口管より径大に形成したものを示したが逆に吐
出口側を吸込口より径大に形成してもよい。

また、ジョイントホースに設けた鍔部を環状に形成した
ものを示したが第５図で示すように断続的な複数の鍔部
21Aを形成してもよい。

また、前記実施例ではジョイントホース両端に相互に異
なる吐出口及び吸込口に対応させて径少部と径大部を段
差状に設けたものを示したがテーパ状に形成してもよ
い。

また、クランプはバネ性を有するものを示したが、これ
に限らず締付ボルトを備えたクランプを用い、その締付
ボルトの締付けによってジョイントホースを締着しても
よく、各種タイプのクランプを適宜選定すればよい。

〔考案の効果〕

本考案は燃料タンク内に配置する燃料ポンプと、この燃
料ポンプを前記燃料タンクに取り付ける取付ブラケット
と、この取付ブラケットに設けられ前記燃料ポンプで吸
引する燃料を車両等のエンジン側へと供給する供給パイ
プと、この供給パイプの吸込口と前記燃料ポンプの吐出
口とを連結する弾性材料から成るジョイントホースとを
有し、前記ジョイントホースの両端に前記供給パイプの
吸込口と前記燃料ポンプ側の吐出口とを嵌入するととも
に、このジョイントホースの嵌合部分を環状のクランプ
で締着するようにしたジョイントホースの連結装置にお
いて、前記供給パイプの吸込口と前記燃料ポンプ側の吐
出口との外径が相互に異径となるように形成し、この各
外径に対応して前記ジョイントホース両端の内径を互い
に異径となるように形成し、かつ前記ジョイントホース
の端部の一方には前記クランプが挿通不能な鍔部を設け
たことにより、燃料ポンプの吐出口と供給パイプの吸込
口との外径が相互に異なったとしても、ジョイントホー
スが吐出口と吸込口とに確実に密着するため、ジョイン
トホースの連結部の気密を良好に保つことのできる。ま
た、ジョイントホースは鍔部によってクランプの挿通を
規制することができるので誤組を防止できる燃料供給装
置におけるジョイントホースに連結装置を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示し、第１図は
断面図、第２図は要部の斜視図、第３図は要部の拡大断
面図、第４図はジョイントホースの誤組状態を示す要部
の拡大断面図、第５図は鍔部の変形例を示す要部の斜視
図、第６図（Ａ）乃至（Ｃ）は従来例の組付状態を示す
要部正面図である。 １…燃料タンク、４…取付ブラケット ７…燃料ポンプ、10…吐出口 14…供給パイプ、16…吸込口 18…ジョイントホース、20…クランプ 21、21A…鍔部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】燃料タンク内に配置する燃料ポンプと、こ
   の燃料ポンプを前記燃料タンクに取り付ける取付ブラケ
   ットと、この取付ブラケットに設けられ前記燃料ポンプ
   で吸引する燃料を車両等のエンジン側へと供給する供給
   パイプと、この供給パイプの吸込口と前記燃料ポンプの
   吐出口とを連結する弾性材料から成るジョイントホース
   とを有し、前記ジョイントホースの両端に前記供給パイ
   プの吸込口と前記燃料ポンプ側の吐出口とを嵌入すると
   ともに、このジョイントホースの嵌合部分を環状のクラ
   ンプで締着するようにしたジョイントホースの連結装置
   において、前記供給パイプの吸込口と前記燃料ポンプ側
   の吐出口との外径が相互に異径となるように形成し、こ
   の各外径に対応して前記ジョイントホース両端の内径を
   互いに異径となるように形成し、かつ前記ジョイントホ
   ースの端部の一方には前記クランプが挿通不能な鍔部を
   設けたことを特徴とする燃料供給装置におけるジョイン
   トホースの連結装置。