JPH0748914B2 - デジタルプリアンプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、デジタルで信号の伝達および信号処理を行な
うデジタルプリアンプに関するものである。

従来の技術 近年、アナログ・デジタル変換器（以後、A/Dと記す）
の出現とデジタルICの普及によってオーディオ分野にお
ける信号のデジタル化がめざましく、デジタル信号処理
によってオーディオ信号の振幅あるいは位相周波数特性
を変化させることのできるデジタルプリアンプ、あるい
はデジタル・アナログ変換器（以後、D/Aと記す）を内
蔵するデジタルパワーアンプが出現している。

以下図面を参照しながら、上述した従来のデジタルアン
プの一例について説明する。

第２図は従来のデジタルプリアンプを示すものである。
第２図において、10a,10b,10c,10dは変調デジタル信号
入力端子、２は入力信号選択手段、3aはオーディオ信号
復調手段、7aは信号変換手段、3cはデジタル信号変調手
段、10eは変調デジタル信号出力端子であり、また、4a
は周波数特性入力手段、９は信号変換制御手段である。

第２図に示した従来のデジタルプリアンプにおいて、周
波数特性入力手段4aは外部から入力された周波数特性に
適する信号変換係数を内蔵する係数テーブルからの選択
あるいは演算によって求め、信号変換制御手段９に出力
する。一方、デジタル信号復調手段3aによって復調され
たオーディオ信号は、信号変換手段7aで信号変換制御手
段９により設定される信号変換係数に従って信号処理さ
れる。その後再び、転送に適した信号にデジタル変調さ
れ外部に変調デジタル出力端子10eから出力される。

発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のようなデジタルプリアンプでは、信
号処理前後のオーディオ信号が異なり、信号処理の内容
が後には伝わらないとともにデジタル・オーディオ信号
の情報幅が限られるために、例えば振幅を小さくすると
いう信号処理を行なったときには非常に小さい信号は完
全になくなってしまうため、再び元の信号に戻すことが
できないという問題点を有していた。

本発明は上記問題点に鑑み、新たに振幅制御入力を行な
う必要のないデジタルプリアンプを提供するものであ
る。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために、本発明のデジタルプリアン
プは、入力された複数の変調デジタル信号から１つの信
号を選択出力する入力信号選択手段と、周波数特性入力
手段と、振幅入力手段と、前記周波数特性入力手段と前
記振幅入力手段からの信号をもとに、周波数特性を表わ
す信号変換係数と振幅値を表わす振幅変換係数の少なく
とも一方をデジタル情報信号に変換する入力特性変換手
段と、前記入力信号選択手段で出力された信号からオー
ディオ信号を復調するオーディオ信号復調手段と、この
復調されたデジタルオーディオ信号と前記入力特性変換
手段から出力されたデジタル情報信号とを混合するデジ
タル信号混合手段と、この混合された信号を再びデジタ
ル変調するデジタル変調手段とを備えたものである。

作用 本発明は、周波数特性入力手段によって入力され求めら
れた信号変換係数あるいは振幅変換係数を用いて実際に
オーディオ信号をプリアンプで変換することなく、これ
ら係数をデジタル情報信号に変換し、さらに、オーディ
オ信号と独立の状態で混合して後段に転送するので、信
号処理していない原オーディオ信号をそのまま後段で得
ることができる。

実施例 第１の実施例の目的は、入力された周波数特性および振
幅値を実現する信号変換係数と振幅変換係数をデジタル
情報信号とし、これを入力された信号を復調して得たオ
ーディオ信号にデジタル混合し、デジタル信号変調した
後に外部に出力するデジタルプリアンプを提供すること
である。

以下、本発明の一実施例のデジタルプリアンプについ
て、図面を参照しながら説明する。第１図は本発明の一
実施例におけるデジタルプリアンプのブロック図であ
る。第１図において、10a,10b,10c,10dは変調デジタル
信号入力端子、2aは入力信号選択手段、４は信号制御部
であり、4aは周波数特性入力手段、4bは振幅入力手段、
4cは入力特性変換手段、また３は振幅処理部であり、3a
はオーディオ信号復調手段、3bはデジタル信号混合手
段、3cはデジタル信号変調手段、さらに、10eは変調デ
ジタル信号出力手段デある。

以上のように構成されたデジタルプリアンプについて、
第１図と第３図を用いて以下その動作を説明する。

第１図において、周波数特性入力手段4aではボリュウム
あるいはスイッチなどによって操作者が望む振幅・位相
等の周波数特性を入力するものであり、入力された特性
に信号変換するための信号変換係数を内蔵する係数テー
ブルから選択するかあるいは演算によって求める。ま
た、振幅入力手段4bでも同様な手段で再生音の大きさを
決める振幅値を入力し、振幅値を実現するための振幅変
換係数を求める。求まった係数は両方とも入力特性変換
手段4cに送られ、ここで係数がデジタル信号として転送
されるに適したデジタル情報信号に変換される。

第３図に情報信号とオーディオ信号が混合されている様
子を簡単に示している。サンプリング周期毎に同図に示
された様にオーディオ信号と共に情報信号が混合されて
いる。１サンプルデータで送れる係数情報には限りがあ
り、より複雑な係数を送るためには、例えば第３図
（ｂ）に示しているように、t0〜t3の４サンプルデータ
についてb0〜b9のビットデータで上記全ての係数を送る
というようなブロックデータ構造を取ることも可能であ
る。

以上のように本実施例によれば、１周波数特性入力手段
によって入力され求められる信号変換係数あるいは振幅
変換係数を用いて実際にオーディオ信号をプリアンプで
変換することなく、したがって信号処理していない原オ
ーディオ信号をそのままに後段で得ることもできるもの
である。

以下、本発明のデジタルプリアンプの後段に接続される
デジタルパワーアンプの一例について、図面を参照しな
がら説明する。第４図は本発明の一実施例におけるデジ
タルパワーアンプを示すブロック図である。第４図にお
いて、６はデジタル信号復調手段、７は信号変換部であ
り、7aは信号変換手段、7bはD/A変換手段、7cは振幅変
換手段、7dは電力増幅手段、８は制御信号解読手段、９
は信号変換制御手段である。

以上のように構成されたデジタルパワーアンプについ
て、以下その動作を説明する。

第４図において、デジタル信号復調手段６は、デジタル
プリアンプで変調されたオーディオ信号と信号変換制御
のためのデジタル情報の混合信号から、再びオーディオ
信号とデジタル情報信号を分離復調し、信号変換部７お
よび制御信号解読手段８に出力する。制御信号解読手段
８は信号変換に用いられる信号変換係数と振幅変換係数
をデジタル情報信号から求め、信号変換制御手段９にこ
れら係数を設定するものである。

発明の効果 以上のように、本発明のデジタルプリアンプは、周波数
特性入力手段によって入力され求められた信号変換係数
あるいは振幅変換係数を用いて実際にオーディオ信号を
プリアンプで変換することなく、したがって信号処理し
ていない原オーディオ信号をそのままに後段で得ること
ができるものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例におけるデジタルプリアンプ
を示すブロック図、第２図は従来のデジタルプリアンプ
を示すブロック図、第３図は本発明のデジタルプリアン
プにおけるデジタル混合信号の概念図、第４図は本発明
のデジタルプリアンプの後段に接続されるデジタルパワ
ーアンプの一例を示すブロック図である。 １……デジタルプリアンプ、２……入力信号選択手段、
3a……オーディオ信号復調手段、3b……デジタル信号混
合手段、3c……デジタル信号変調手段、4a……周波数特
性入力手段、4b……振幅入力手段、4c……入力特性変換
手段、５……デジタルパワーアンプ、６……デジタル信
号復調手段、7a……信号変換手段、7b……D/A変換手
段、7c……信号変換手段、7d……電力増幅手段、８……
制御信号解読手段、９……信号変換制御手段、10……デ
ジタル信号入力および出力端子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入力された複数の変調デジタル信号から１
   つの信号を選択出力する入力信号選択手段と、周波数特
   性入力手段と、振幅入力手段と、前記周波数特性入力手
   段と前記振幅入力手段からの信号をもとに、周波数特性
   を表わす信号変換係数と振幅値を表わす振幅変換係数の
   少なくとも一方をデジタル情報信号に変換する入力特性
   変換手段と、前記入力信号選択手段で出力された信号か
   らオーディオ信号を復調するオーディオ信号復調手段
   と、この復調されたデジタルオーディオ信号と前記入力
   特性変換手段から出力されたデジタル情報信号とを混合
   するデジタル信号混合手段と、この混合された信号を再
   びデジタル変調するデジタル変調手段とを備えたことを
   特徴とするデジタルプリアンプ。