JPH0748512Y2 - 包装用箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は包装用箱、とくに収納物品をある一定の雰囲
気中に置いて、望ましい状態を保持するために用いられ
る包装用箱、例えば、ケーキ等の生菓子類の包装に好適
に用いられる包装用箱に関する。

従来の技術と課題 従来、ケーキ等の生菓子類を持ち帰る際に、ケーキ等に
用いられている生クリーム、フルーツ等の鮮度を保つた
めに、ドライアイス等の保冷用冷却媒体を収納する保持
体を備えた包装用箱は種々提案されている（例えば、実
開昭59-191357号、実開昭59-191358号等）。

ところが、従来のこの種の包装用箱は、ドライアイス等
の保冷用冷却媒体を収納する保持体を包装用箱とは別体
のものとし、使用に際して箱本体に取り付けるものとな
されているために、その取り付けに若干手間がかかると
いう難点があった。

また、使用に供する迄の保管スペースの問題から、箱本
体の多くは折畳式となされているで、使用に供するまで
の間、箱本体と保冷用冷却媒体保持体とをワンセットに
した保管、管理を合理的に行うことが難しかった。

この考案は、このような問題点に鑑みてなされたもの
で、使用に際しての組み立てが容易に行うことができ包
装作業の能率を向上しうると共に、使用に供するまでの
保管、管理も合理的に行うことのできる包装用箱を提供
することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 而して、この考案は上記目的を達成するために、上面が
開口した折畳式箱本体の後壁の上端縁から折目を介して
蓋片が連設され、この蓋片の下面側に、箱本体内の雰囲
気を調整するドライアイス、防虫剤等の雰囲気調整用媒
体保持体が設けられ、この雰囲気調整用媒体保持体が前
記蓋片の前端縁から連設されかつ折り畳み自在に構成さ
れてなる構成を採用するものである。

実施例 以下、この考案を図示実施例に基いて説明する。

この考案に係る包装用箱は、全体が厚紙または合成樹脂
シート等の腰のあるシート材料から作製され、上面が開
口した折畳み式の箱本体（１）と、箱本体（１）の後壁
（22）から折目（40）を介して連設された蓋片（２）
と、この蓋片（２）の下面側に設けられ、箱本体（１）
内の雰囲気を調整するドライアイス、防虫剤等の雰囲気
調整用媒体保持体（３）とから構成されている。

この雰囲気調整用媒体保持体（３）は、蓋片（２）の前
端縁から折目（41）を介して連設された前面壁（４）
と、この前面壁（４）の下端縁から折目（42）を介して
連設され複数個の通気孔（６）（６）……が穿設された
雰囲気調整用媒体載置板部（５）と、この雰囲気調整用
媒体載置板部（５）の後端縁から折目（43）を介して連
設された後面壁（７）と、雰囲気調整用媒体載置板部
（５）の左右両側縁から折目（44）（45）を介して連設
された左右両側板部（８）（９）とを備え、前記後面壁
（７）の上端縁から折目（46）を介して連設された接合
片（10）が蓋片（２）の下面に貼着されると共に、前記
左右両側板部（８）（９）の上端縁から折目（47）（4
8）を介して連設された折返し片（11）（12）が内方に
折返されて蓋片（２）の下面に当接することにより、雰
囲気調整用媒体保持体（３）が組み立て形成されてい
る。

（13）は前面壁（４）の中央部に切起こし形成された半
円状の摘まみ片で、（14）はこの摘まみ片（13）を切起
こし形成する為の円弧状切目である。（15）（16）は前
記前面壁（４）の左右側端から延設された差込み舌片
で、後述する箱本体（１）の前側壁（21）に係りあっ
て、蓋片（２）の閉蓋状態を保持するものとなされてい
る。

箱本体（１）は、底壁（20）の前後左右の側縁から折目
（49）（50）（51）（52）を介して前後左右側壁（21）
（22）（23）（24）が連設されている。後壁（22）と左
右両側壁（23）（24）とは、後壁（22）の左右両側端か
ら縦折目（53）（54）を介して連設された接合片（25）
（26）が左右両側壁（23）（24）の内面に貼着されるこ
とにより、相互に連結されている。また、左右両側壁
（23）（24）と前壁（21）とは、左右両側壁（23）（2
4）の各前端縁及び前壁（21）の左右両側端から折目（5
5）（56）（57）（58）を介して連設された連結片（2
7）（28）により連結されている。この連結片（27）（2
8）は、連結片（27）（28）を等分する斜状折目（29）
（30）が下隅部から上隅部に向かって設けられ、この斜
状折目（29）（30）により等分された折半部（27a）（2
7b）（28a）（28b）を互いに重ね合わせるようにして内
方に折り込みうるものとなされている。（27c）（28c）
は各折半部（27a）（27b）（28a）（28b）の上端の対応
位置に設けられた切欠部で、雰囲気調整用媒体保持体
（３）の雰囲気調整用媒体載置板部（５）及び前面壁
（４）と連結片（27）（28）との接触を避けるためのも
のである。

（31）（32）は左右両側壁（23）（24）の上端縁から連
設された内フラップで、連結片（27）（28）に対向する
側端に折返し片（33）（34）が折目（61）（62）を介し
て連設され、この折返し片（33）（34）を下向きに折返
しておくことにより、組立時にこの折返し片が連結片
（27）（28）に当接して、連結片（27）（28）が箱本体
（１）の内方に向かってケーキ等の生菓子類を損傷する
のを防止できるものとなされている。

図中、（35）（36）は左右両側壁（23）（24）の後端下
隅部から内フラップ（31）（32）に跨がって設けられた
斜状折目で、この斜状折目（35）（36）から左右両側壁
（23）（24）を各々二分して、折畳みうるものとなされ
ている。

而して、上記構成を有する包装用箱は、使用に供する迄
は、第５図に示す展開状態から箱本体（１）の後壁（2
2）の左右両側端に連設された接合片（25）（26）を左
右両側壁（23）（24）の後端内面に貼着されて、後壁
（22）と左右両側壁（23）（24）とが接合されると共
に、雰囲気調整用媒体保持体（３）の後面壁（７）に連
設された接合片（10）が蓋片（２）の下面に貼着され、
蓋片（２）と後壁（22）とが、左右両側壁（23）（24）
及び連結片（27）（28）を間に挟んで、底壁（20）及び
前面壁（21）に重ね合わされて全体が二つ折に折畳まれ
た状態で取扱われる。

そして、使用に際して、例えばケーキ等の生菓子類を収
納する場合は、後壁（22）及び左右両側壁を（23）（2
4）を立ち上がらせ、底壁（20）上にケーキ等の生菓子
類を載置した後、雰囲気調整用媒体保持体（３）の雰囲
気調整用媒体載置板部（５）と蓋片（２）との間にドラ
イアイス等の雰囲気調整用媒体を入れ、左右両側板部
（８）（９）を立ち上がらせると共に、折返し片（11）
（12）を雰囲気調整用媒体保持体（３）の内方に折曲げ
て蓋片（２）に当接させる。次に、前壁（21）と左右両
側壁（23）（24）との間の連結片（27）（28）を斜状折
目（29）（30）から各折半部（27a）（27b）（28a）（2
8b）を重ね合わせて内方に折込んで前壁（21）を起立さ
せる。この時、内フラップ（31）（32）の前端縁から連
設された折返し片（33）（34）を下向きに折曲げておけ
ば、連結片（27）（28）が前壁（21）の内面に沿った状
態で折込まれ、箱本体（１）内に突き出ることがないの
で、ケーキ等の生菓子類が傷付けられることがない。そ
して、差込み舌片（15）（16）を前壁（21）と連結片の
折半部（27b）（28b）との間に差込んで、摘まみ片（1
3）を前方に突出させた状態で閉蓋し、最後に摘まみ片
（13）を前壁（21）の外面にシール等で貼りつけて包装
が完了する。

この包装状態から、前記シールを剥がして開蓋すると前
壁（21）が自動的に前傾して箱本体（１）の前面が開か
れた状態となり、ケーキ等の生菓子類を前方からも取出
し易い。

なお、この考案に係る包装用箱は、上記実施例のよう
に、ケーキ等の生菓子類に限らず、その他、肉、魚等の
保冷すべき生鮮食料品の包装用箱としても好適に用いら
れる。あるいは、この考案に係る包装用箱を衣料品の包
装用箱として用いれば、消費者がその衣料品を着用した
後、収納保存する際に、雰囲気調整用媒体保持体（３）
に防虫剤、防黴剤等を入れて衣裳箱としても用いること
ができる。

また、箱本体（１）の構造は折畳み式のものであれば上
記実施例に限定されるものではなく、例えば、前後左右
の各側壁から底蓋片が連設され各底蓋片の組合せによっ
て、底蓋が組み立て形成されるものとなされたものでも
良い。

考案の効果 この考案は上述のような構成を有するものであるから、
全体を偏平に折畳んだ状態としうることはもとより、ド
ライアイス、防虫剤等の雰囲気調整用媒体保持体（３）
が、蓋片（２）から連設されているものであるから、箱
本体（１）と雰囲気調整用媒体保持体（３）とを常に一
体的に取扱うことができ、使用に供するまでの保管、搬
送等の際の合理的な取扱いを可能とする。

また、使用に際しては簡単な操作で容易に組み立てるこ
とができ、包装作業の能率を向上しうる。

さらには、雰囲気調整用媒体保持体（３）が蓋片（２）
の下面側に設けられているので、箱本体（１）内のスペ
ースを有効活用しうると共に、雰囲気調整用媒体保持体
（３）にドライアイス等の保冷用媒体を収納する場合
は、冷気が箱本体（１）内にいきわたり、収納物品を効
率良く冷却保冷することができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図はこの考
案に係る包装用箱の組み立て途上の全体斜視図、第２図
は同閉蓋状態を示す斜視図、第３図は第２図III-III断
面図、第４図は第２図IV-IV断面図、第５図は展開状態
を示す平面図である。 （１）……箱本体、（２）……蓋片、（３）……雰囲気
調整用媒体保持体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面が開口した折畳式箱本体の後壁の上端
   縁から折目を介して蓋片が連設され、この蓋片の下面側
   に、箱本体内の雰囲気を調整するドライアイス、防虫剤
   等の雰囲気調整用媒体保持体が設けられ、この雰囲気調
   整用媒体保持体が前記蓋片の前端縁から連設されかつ折
   り畳み自在に構成されてなることを特徴とする包装用
   箱。