JPH0748152A - 速水硬性結合剤 - Google Patents

速水硬性結合剤

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JPH0748152A
JPH0748152A JP5176604A JP17660493A JPH0748152A JP H0748152 A JPH0748152 A JP H0748152A JP 5176604 A JP5176604 A JP 5176604A JP 17660493 A JP17660493 A JP 17660493A JP H0748152 A JPH0748152 A JP H0748152A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 珪酸カルシウムセメント、特にポルトランド
セメント、反応性アルミン酸カルシウム、特にアルミナ
セメント並びに場合により自体公知の添加物及び/又は
混和剤を含有する、従来技術による速硬性結合剤の欠点
を有しない新規の速水硬性結合剤を提供する。 【構成】 該速水硬性結合剤は、a)珪酸カルシウムの
水和のための有機及び/又は無機促進剤0.1〜2.0
重量%、b)珪酸カルシウムの水和を抑制する、場合に
より液化作用を有する有機及び/又は無機凝固遅延剤
0.10〜2.00重量%、c)アルミン酸カルシウム
水和物の有機及び/又は無機凝固促進剤0.01〜0.
05重量%、及びd)硫酸アルミニウムカルシウムアル
ミニウム水和物の形成の抑制剤0.01〜0.20重量
%を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DIN1045及びD
IN4226の定義に基づく、珪酸カルシウムセメン
ト、特にポルトランドセメント、反応性アルミン酸カル
シウム、特にアルミナセメント並びに場合により自体公
知の添加物及び/又は混和剤を含有する速水硬性結合剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】添加物及び/又は混和剤には、例えば加
工性を改良する物質、気孔形成剤、液化剤、付着助剤、
顔料、充填剤及び同種のものが該当する。本発明による
速水硬性結合剤から製造されるコンクリート又はモルタ
ル混合物のための混和剤は、例えば石粉、トラス、フラ
イアシュ、シリカダスト及び同種のものであってよい。
【0003】アルミナセメント及びポルトランドセメン
トを含有しかつ速硬性混合物として使用される多数の組
成物が公知である。
【0004】詳細には、従来技術には以下の技術が属す
る:例えば米国特許第4012264号明細書から、場
合により種々の促進剤を使用して、ポルトランドセメン
ト及びアルミナセメントを混合することにより極めて急
速に結合しかつ硬化するセメントを製造できることが記
載されている。更に、遅延剤及び/又は促進剤を含有す
るアルミン酸カルシウム及びポルトランドセメント組成
物が記載されている。
【0005】アルミナセメントには、既に、より強固な
成形体及び鋳造物を得るために、焼成した石膏又は無水
石膏が添加された:T. D. Robson, High Alumina Cemen
ts and Concretes, John Willey & Sons, N. Y., 1962
参照; この文献の第126〜127頁に、リチウム塩が
アルミナセメントのための促進剤として適当であると記
載されている。
【0006】しかしながら、アルミナセメント、石膏及
び促進剤としてのリチウム塩を含有する組成物は単独で
は硬化状態で過剰の収縮及び 湿式膨張を示すことが判
明した。
【0007】欧州特許第0228595号明細書から、
ポルトランドセメントクリンカ、反応性アルミン酸カル
シウム及び/又はアルミナセメント、反応性硫酸カルシ
ウム、有機結合遅延剤並びにアルカリ金属炭酸塩を含有
する速水硬性結合剤混合物が公知である。
【0008】この結合剤混合物においては、可使時間の
終了後に極めて高い早期強度及び高い最終強度を有する
極めて急峻な硬化特性を生じる。
【0009】この結合剤の欠点は、出発物質の選択に関
する厳しいないしは狭い要求にある。即ち、主成分とし
て市販のポルトランドセメントでなく、粉砕したポルト
ランドセメントクリンカが制限された硫酸カルシウム量
の添加下に使用される。
【0010】欧州特許第0211362号明細書には、
結合剤及び通常の混和剤及び添加物を含有する速硬性モ
ルタルを製造するための混合物が記載された。この乾燥
モルタル混合物からは、調合水を加えることにより、古
いコンクリート内の破断箇所の亀裂のない充填のため及
び粗い修理箇所の亀裂のない充填のために適当である速
硬性結合剤を製造することができる。
【0011】欧州特許第0211365号明細書は、反
応性珪酸カルシウム及び反応性アルミン酸塩を含有し、
かつ高い早期強度で、但し比較的低い最終強度をもった
極めて迅速な凝固を示す速硬性セメントを開示した。
【0012】更に、欧州特許第0213390号明細書
により、通常の混和剤及び添加物の他に反応性珪酸カル
シウム、反応性アルミン酸塩、水酸化カルシウム、硫酸
カルシウム水和物、無水硫酸カルシウム(II)及び有
機結合遅延剤を含有するモルタル混合物が開示され、こ
の場合反応性アルミン酸塩の量の増大は早期強度及び最
終強度の上昇をもたらすが、但し該手段は、材料コスト
の著しい高騰を生じる。
【0013】既存のタイプの速硬性結合剤混合物内の反
応性アルミン酸カルシウムもしくはアルミナセメントの
含量に関しては、前記の特許明細書は、当業界は、50
%Al23含量を有する典型的アルミナセメント5重量
%以上、一般にそれより著しく高い割合を無条件で維持
することを示唆している。ところが意想外にも本発明に
よる速硬性結合剤の開発の過程で、アルミナセメントの
含量を上記値未満に減少させると、圧縮強さ発生の明ら
かな改善と同時にごく僅かな早期強度の低下が生じるこ
とが判明した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、組成
物の一定の配合を選択することにより、従来の技術水準
の前記速硬性結合剤の欠点を有せず、利点を達成する速
水硬性結合剤を提供することであった。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題は、冒頭に記載
した形式の速水硬性結合剤において、 a)珪酸カルシウムの水和のための有機及び/又は無機
促進剤0.1〜2.0重量%、 b)珪酸カルシウムの水和を抑制する、場合により液化
作用を有する有機及び/又は無機凝固遅延剤0.10〜
2.00重量%、 c)アルミン酸カルシウム水和物の有機及び/又は無機
凝固促進剤0.01〜0.05重量%、及び d)硫酸アルミニウムカルシウム水和物の形成の抑制剤
0.01〜0.20重量% を含有することにより解決される。
【0016】
【発明の効果】本発明による速硬性結合剤は、例えば、
一方では可能最低の割合のアルミナセメントと、他方で
は市販のポルトランドセメントを使用して、高い早期強
度並びにまたポルトランドセメントに関して典型的な高
い強度成長を呈するという特別の利点により優れてい
る。
【0017】その他の利点は、以下に記載する:本発明
による速硬性結合剤を製造するために出発物質のベース
は、著しく広い。それというのも、使用されるポルトラ
ンドセメント及びアルミナセメントに対する通常の程度
を越える要求が課せられないからである。
【0018】珪酸カルシウム、特に種々の強度等級のポ
ルトランドセメントを使用することにより、本発明によ
る速硬性結合剤の達成される圧縮強さをその都度の使用
目的に相応して調整することができる。
【0019】本発明による速硬性結合剤中のアルミナセ
メントの含量が著しく低いことにより、材料コストの明
らかな低下が達成される。
【0020】ポルトランドセメント/アルミナセメント
類の市販の速硬性セメントは経験によれば空気と接触す
ると既に数時間以内で水と捏和した後の凝固時間が明ら
かに延長されるが、本発明による速硬性結合剤はこの点
い関して注目すべき不感性を有する。低い材料及び周囲
温度により、本発明による速硬性結合剤の凝固時間は僅
かに延長される。
【0021】
【実施例】次に、図面及び表を参照して実施例及び比較
結果を示す。
【0022】実施例1 ポルトランドセメント/アルミナセメント系の4種類の
速硬性結合剤を、4種類の異なった製造工場由来の4種
類のポルトランドセメントを使用する点でのみ区別され
る以下の調合に基づき製造した: ポルトランドセメント(PZ) 92.45重量% アルミナセメント(TZ) 4.7 重量% 珪酸塩促進剤としての炭酸ナトリウム 0.5 重量% 硫酸ナトリウム 0.3 重量% 水酸化カルシウム 1.6 重量% アルミン酸塩のための促進剤としの炭酸リチウム 0.05重量% アルミン酸塩のための遅延剤としてのKNa酒石酸塩 0.20重量% 珪酸塩遅延剤としてのリグニンスルホン酸カルシウム 0.20重量% 以下の第1表には、EN196に基づく規格モルタルで
20℃でW/Z値0.50で測定した圧縮強さ及び凝固
時間並びにスランプ値を示す。速硬性結合剤1型は、付
加的になお5℃で48時間まで圧縮強さ成長を示す。
【0023】 4種類の速硬性セメント(SZ)型のEN196に基づく圧縮強さ 第1表(図1に対応) TZ分の少ないSZ型(4.7%) 比較SZ(TZ15%)SZ型 1 2 3 4 PZ タイプ1 タイプ2 タイプ3 タイプ4 タイプ2 PZ/TZ 95/5 95/5 95/5 95/5 84/16 W/Z 0.50 0.50 0.50 0.50 0.50スランプ値(cm) 15.4 14.2 15.9 14.3 凝固(DIN164/モルタル) A 11min 14min 7min 14min 15min E 13min 16min 10min 17min 18min 圧縮強さ(N/mm2) 20℃/5℃ 1h 3.0/2.4 3.1 3.6 2.8 4.0 2h 5.0/3.0 4.1 4.9 5.3 5.4 4h 9.2/4.5 7.5 9.3 8.1 6.8 6h 18.1/7.2 15.9 16.5 12.5 7.7 8h 23.9/ - 21.5 24.2 19.1 9.8 24h 33.4/20.6 34.0 32.2 32.1 25.7 2d(日) 37.5/36.4 37.0 37.2 35.9 27.7 7d 40.6/ - 42.3 41.2 39.1 32.6 28d 48.0/ - 47.9 49.8 47.0 38.6 また比較のために、高いアルミナセメント含量及び以下
の調合を有する速硬性結合剤に関する20℃値を示す: 本発明によらない比較例No.2 ポルトランドセメント 78.8 重量% アルミナセメント 15.0 重量% 炭酸ナトリウム 2.0 重量% 硫酸ナトリウム 1.0 重量% 水酸化カルシウム 3.0 重量% 炭酸リチウム 0.05重量% KNa酒石酸塩 0.05重量% リグニンスルホン酸カルシウム 0.10重量% 図1は、W/Z値0.50でのDIN1164に基づく
規格モルタルでのアルミナセメント4.7%を有する4
種類の速硬性結合剤及びアルミナセメント15%を有す
る混合物の圧縮強さを比較して示す。これに対応するデ
ータは、第1表に示されている。
【0024】図2は、2種類の本発明による結合剤A及
びBでの凝固時間の調整可能性を示す。これに対応する
データは、以下の第2表に示す: 第 2 表(図2に対応) 組成: 重量% 混合物 A B ポルトランドセメント 92.5 96.26 アルミナセメント 4.7 1.9 炭酸ナトリウム 0.5 0.4 硫酸ナトリウム 0.3 0.2 水酸化カルシウム 1.6 0.8 炭酸リチウム 0.05 0.02 KNa酒石酸塩 0.20 0.02 リグニンスルホン酸カルシウム 0.20 0.40 総計 100.00 100.00 以下に、保存の凝固時間に対する影響を示す:4種類の
アルミナセメント分の少ない速硬性結合剤型を厚さ3m
mの層で室温23℃及び相対空気湿度45%で空気に2
4時間曝した。1,2,8及び24時間後に、W/Z値
0.35を有する試料で凝固を試験した。
【0025】比較試料として、同様にしてポルトランド
セメント/アルミナセメントをベースとする市販の速硬
性セメントを試験した。
【0026】 結果 速硬性結合剤試料 凝固終了時間(分) 0試料 1 2 8 24(時間後) 1型 7 7 7 6 6 2型 5 6 5 5 5 3型 8 7 8 7 6 4型 12 11 10 11 9 PZ/TZベースの市 販の速硬性セメント 20 42 75 110 165 上記結果から、本発明によるアルミナセメント4.7%
アルミナセメント分の少ない速硬性セメントは1日の空
気中貯蔵により実際に変化せずかつ部分的に凝固時間の
僅かな短縮をもたらす。それに対して、ポルトランドセ
メント/アルミナセメントをベースとする市販の速硬性
セメントは不利にも新しいセメントで1日の貯蔵後のほ
とんど3時間で20分の凝固時間の、急激に開始する著
しい延長を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】W/Z値0.50でのDIN1164に基づく
規格モルタルでのアルミナセメント4.7%を有する4
種類のアルミナセメント15%を有する混合物の圧縮強
さを比較して示す図である。
【図2】2種類の本発明による結合剤A及びBでの凝固
時間の調整可能性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 22:10 22:14 A 22:06 Z 24:04 24:18) A 103:20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪酸カルシウムセメント、反応性アルミ
    ン酸カルシウム並びに場合により常用の添加物及び/又
    は混和剤を含有する速水硬性結合剤において、 a)珪酸カルシウムの水和のための有機及び/又は無機
    促進剤0.1〜2.0重量%、 b)珪酸カルシウムの水和を抑制する、場合により液化
    作用を有する有機及び/又は無機凝固遅延剤0.10〜
    2.00重量%、 c)アルミン酸カルシウム水和物の有機及び/又は無機
    凝固促進剤0.01〜0.05重量%、及び d)硫酸アルミニウムカルシウム水和物の形成の抑制剤
    0.01〜0.20重量% を含有することを特徴とする速水硬性結合剤。
  2. 【請求項2】 珪酸カルシウムセメント 92.45重量% アルミナセメント 4.7 重量% アルカリ金属炭酸塩 0.5 重量% アルカリ金属硫酸塩 0.3 重量% 水酸化カルシウム 1.6 重量% アルミン酸カルシウム水和物の無機凝固促進剤 0.05重量% 有機凝固遅延剤 0.20重量% 場合により液化作用を有する有機凝固遅延剤 0.20重量% を含有する、請求項1記載の速水硬性結合剤。
  3. 【請求項3】 珪酸カルシウムセメント 98.1〜99.1重量% アルカリ金属炭酸塩 0.5〜1.5 重量% 場合により液化作用を有する有機凝固遅延剤 0.1〜0.4 重量% を含有する、請求項1記載の速水硬性結合剤。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の結合剤 95〜5 重量% 請求項3記載の結合剤 5〜95 重量% を含有する、請求項1記載の速水硬性結合剤。
  5. 【請求項5】 焼結及び溶融法で製造しかつAl23
    量40〜80重量%を有するアルミナセメントを含有す
    る、請求の範囲第1項から第4項までのいずれか1項記
    載の速水硬性結合剤。
  6. 【請求項6】 有機凝固遅延剤がオキシカルボン酸及び
    /又は該オキシカルボン酸の易水溶性塩からなる、請求
    の範囲第1項から第5項までのいずれか1項記載の速水
    硬性結合剤。
  7. 【請求項7】 凝固遅延剤が少なくとも1種のリグニン
    スルホン酸の塩からなる、請求の範囲第1項から第5項
    までのいずれか1項記載の速水硬性結合剤。
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