JPH0747893Y2 - レ−ザ装置の同期装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、レーザ発振器とレーザ増幅器とを備えるレー
ザ装置に関し、より詳しくはレーザ発振器とレーザ増幅
器との同期装置に関する。

「従来の技術」 従来、レーザ装置として、レーザ光線をパルス状に発振
放射するレーザ発振器と、このレーザ発振器からの同期
信号を入力して作動され、上記レーザ発振器からパルス
状に放射されたレーザ光線を増幅するレーザ増幅器とを
備えたものは知られている。

この種のレーザ装置においては、レーザ発振器側の電源
回路によってレーザ光線をパルス状に発振放射させると
ともに、レーザ光線をパルス状に発振放射させる際の電
源回路の励起信号を上記レーザ増幅器の電源回路に同期
信号として入力し、この同期信号でレーザ増幅器の電源
回路を同期作動させて上記レーザ光線を増幅させるよう
にしている。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、上記レーザ発振器の電源回路における励
起信号をレーザ増幅器の同期信号として入力するように
した場合には、その入力時に電気的なノイズが混入し易
く、常に正確な同期関係を保ってレーザ増幅器を作動さ
せるのが困難となることがあった。

「問題点を解決するための手段」 本考案はそのような欠点に鑑み、光ファイバを上記レー
ザ発振器に接続してそのレーザ発振器内で上記レーザ光
線が放射される際に生じる散乱光を検出させ、該光ファ
イバで検出された光を光電変換素子で電気信号に変換し
てこれをレーザ増幅器の電源回路への同期信号としたも
のである。

「作用」 そのような構成によれば、レーザ発振器の電源回路とレ
ーザ増幅器の電源回路とを電気的に分離することがで
き、したがってレーザ発振器の電源回路から直接に同期
信号を入力するようにした場合に比較して、その同期信
号に電気的ノイズが混入する可能性を低減でき、したが
って常に安定してレーザ増幅器をレーザ発振器に同期さ
せて作動させることが可能となる。

「実施例」 以下図示実施例について本考案を説明すると、図におい
て、TEレーザ発振器１はチャンバー２内に一対の電極
３、フロントミラー４およびリアミラー５を備えてお
り、上記フロントミラー４はチャンバー２に形成した開
口2aを閉鎖してそのチャンバー２内を密封している。

上記TEレーザ発振器１は電源回路６を備えており、従来
周知のように、上記チャンバー２内に混合ガスを供給し
た状態で上記電源回路６によって一対の電極３間に放電
を生じさせ、それによってレーザ光線Ｌを励起させるこ
とができるようになっている。そして一対の電極３間で
励起されたレーザ光線Ｌはフロントミラー４とリアミラ
ー５との間でパルス状に発振され、フロントミラー４を
透過して外部にパルス状に放射されるようになる。

上記レーザ発振器１には、このレーザ発振器１からパル
ス状に放射されたレーザ光線Ｌを増幅するレーザ増幅器
11を一体に設けてあり、このレーザ増幅器11は、チャン
バー12内に設けた一対の電極13と、チャンバー12の右方
に形成した開口12aを閉鎖し、かつレーザ光線Ｌの透過
を許容するフロント透過部材14とを備えている。

上記チャンバー12にはその左方にも開口12bを形成して
あり、この開口12bから他方の開口12aへ向けて上記レー
ザ発振器１からのレーザ光線Ｌを通過させることができ
るようにしている。そしてこの開口12bは上記フロント
ミラー４で閉鎖してあり、それによってチャンバー12内
を密封して内部に供給した混合ガスが外部に漏洩しない
ようにしている。

然して、上記レーザ増幅器11も電源回路16を備えてお
り、この電源回路16を上記レーザ発振器１と同期作動さ
せるために、光ファイバ17の一端を上記レーザ発振器１
に接続してそのレーザ発振器１内で上記レーザ光線Ｌが
放射される際に生じる散乱光を検出できるようにしてい
る。

そして上記光ファイバ17の他端は光電変換素子18に接続
してあり、上記光ファイバー17で検出した光を上記光電
変換素子18で電気信号に変換してこれを上記レーザ増幅
器11の電源回路16の同期信号とし、該同期信号でレーザ
増幅器11を上記レーザ発振器１に同期して作動させるよ
うにしている。

なお、上記電源回路６、16の構成は従来既に周知である
ので、その具体的な説明は省略する。

以上の構成において、電源回路６によって上記レーザ発
振器１が励起され、フロントミラー４とリアミラー５と
の間で発振されたレーザ光線Ｌがフロントミラー４を透
過してレーザ増幅器11内に導入されると、そのレーザ光
線Ｌが放射される際に生じる散乱光が上記光ファイバ17
によって検出される。

そしてこの光ファイバ７で検出された光は、上記光電変
換素子18で電気信号に変換されて上記レーザ増幅器11に
おける電源回路16の同期信号となるので、レーザ光線Ｌ
がレーザ発振器１からフロントミラー４を透過してレー
ザ増幅器11内に導入されると、それに同期してレーザ増
幅器11が作動され、導入されたレーザ光線Ｌを増幅して
フロント透過部材14から外部に放射させるようになる。

このように、上記レーザ増幅器11の電源回路16の同期信
号を光ファイバ17によって得ているので、レーザ発振器
１の電源回路６から直接レーザ増幅器11の電源回路16へ
同期信号を入力する場合に比較して、同期信号に電気的
ノイズが混入する可能性を低減することができる。

加えて本実施例においては、レーザ発振器１のフロント
ミラー４をレーザ増幅器11のリア透過部材に兼用させて
いるので、上記レーザ発振器１で発振されてフロントミ
ラー４を透過したレーザ光線Ｌは、フロント透過部材14
のみを透過してレーザ増幅器11から外部に放射されるよ
うになり、したがって従来のようにレーザ発振器１のフ
ロントミラー４とは別個に上記開口12bを閉鎖するリア
透過部材を設け、レーザ光線Ｌをそのリア透過部材と上
記フロント透過部材14とに透過させる場合に比較して、
エネルギーロスを低減することができる。

「考案の効果」 以上のように、本考案によれば、レーザ増幅器の同期信
号に電気的ノイズが混入する可能性を低減することがで
きるので、レーザ増幅器を確実にレーザ発振器に同期作
動させて安定したレーザ光線を得ることができるという
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す概略構成図である。 １……TEレーザ発振器、２、12……チャンバー ３、13……電極、６、16……電源回路 11……レーザ増幅器、17……光ファイバ 18……光電変換素子、Ｌ……レーザ光線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】レーザ光線をパルス状に発振放射するレー
   ザ発振器と、このレーザ発振器からの同期信号を入力し
   て作動され、上記レーザ発振器からパルス状に放射され
   たレーザ光線を増幅するレーザ増幅器とを備えたレーザ
   装置において、 光ファイバを上記レーザ発振器に接続してそのレーザ発
   振器内で上記レーザ光線が放射される際に生じる散乱光
   を検出させ、該光ファイバで検出された光を光電変換素
   子で電気信号に変換してこれを上記同期信号としたこと
   を特徴とするレーザ装置の同期装置。