JPH0747776A - 透過原稿作成用被熱転写シート - Google Patents

透過原稿作成用被熱転写シート

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JPH0747776A
JPH0747776A JP6181843A JP18184394A JPH0747776A JP H0747776 A JPH0747776 A JP H0747776A JP 6181843 A JP6181843 A JP 6181843A JP 18184394 A JP18184394 A JP 18184394A JP H0747776 A JPH0747776 A JP H0747776A
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dye
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正樹 沓掛
Yoshinori Saito
順教 斎藤
Masanori Akata
正典 赤田
Mineo Yamauchi
峰雄 山内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーマルヘッドを用いて印字し、透過光で見
ることが可能な被熱転写シートを提供することを目的と
する。 【構成】 加熱により移行する昇華性染料を含有した染
料層が設けられた熱転写シートと組み合わせて用いられ
る透過原稿作成用被熱転写シートであって、透明基材
と、加熱された際に熱転写シートから移行してくる染料
が受容される厚さ2〜10μmの染料定着性樹脂塗膜の
受容層とからなり、該受容層の表面に染料透過性の離型
剤が含有されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオーバーヘッドプロジェ
クター(OHP)やスライド投影機用に用いるか、ジア
ゾコピーや写真製版等にも用いることができ、透過光で
見ることが可能な印刷物、換言すれば透過原稿を熱転写
シートからの色材の転移により作成するのに適した透過
原稿作成用被熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】透過原稿作成用シートとしては、従来、
(イ)銀塩写真フィルム、(ロ)ジアゾ写真フィルム等
の、主に写真フィルムが用いられている。しかし、
(イ)及び(ロ)等の写真フィルムにおいては画像の形
成は光学的に行なうものであり、それぞれの材料により
多少異なるものの露光及び現像、必要に応じ定着の各工
程を要する。ところで近年、CRT上の画像のごとき電
気信号から直接ハードコピーを作成して用いたという要
求が高まっている。これらの要求に対し、加熱により移
行する性質を有する昇華性分散染料層が設けられた熱転
写シートを被熱転写シートと組み合わせて用い、該昇華
性分散染料をコントロールしながら被熱転写シート上に
移行させて階調のある写真のような画像を得る方法が提
案されている。この方法は、熱転写シートを用いてポリ
エステル繊維製の被熱転写シートの染着方法として使用
されている方法の応用であるが、繊維への転写は加熱時
間が充分に長く、一方、電気信号から直接ハードコピー
する際の代表的な加熱手段としてはサーマルヘッドが用
いられるが、サーマルヘッドによる加熱は通常極めて短
い。一例としてポリエステル繊維への転写条件は200
℃で1分間程度であるが、サーマルヘッドの印字条件は
400℃で数msec程度である。このためポリエステ
ル繊維への転写を従来の熱転写シートとポリエステル繊
維との組み合わせ、及びサーマルヘッドの使用によって
行なうこと自体が不可能であり、透過原稿を作成するこ
とも不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、サーマルヘッドを用いて印字し、透過光で見るこ
とが可能な被熱転写シートを提供することを目的として
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱により移
行する昇華性染料を含有した染料層が設けられた熱転写
シートと組み合わせて用いられる透過原稿作成用被熱転
写シートであって、透明基材と、加熱された際に熱転写
シートから移行してくる染料が受容される厚さ2〜10
μmの染料定着性樹脂塗膜の受容層とからなり、該受容
層の表面に染料透過性の離型剤が含有されていることを
特徴とする透過原稿作成用被熱転写シートに関する。
【0005】以下、本発明を図面に示す好ましい具体例
について説明する。本発明に係る第1の態様の透過原稿
作成用被熱転写シート(以下、しばしば被熱転写シート
と言う)1は、第1図に示されるように、透明基材2上
に受容層3が設けられて構成されている。また本発明に
係る第2の態様の被熱転写シート1は、第2図に示され
るように、基材2上に受容層3が設けられ、この受容層
3の少なくとも一部上に離型剤層4が設けられて構成さ
れている。この離型剤層4は受容層3の全面に設けられ
ていてもよいが、第3図に示されるように受容層3の一
部上にのみ設けられていてもよいし、又は受容層3の内
部に離型剤が含有されていてもよい。
【0006】(基材)基材2は受容層3を保持するとい
う役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられる
ため、加熱された状態でも取扱い上支障のない程度の機
械的強度を有し、かつ、透明性を有していることが望ま
しい。このような透明基材2の具体例としては、ポリエ
チレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビ
ニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニ
ルアルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム、ポリカーボネイトフィルム、ナイロンフィル
ム、ポリスチレンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合
体フィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィル
ム、アイオノマー等のプラスチックフィルムのうち、透
明もしくは半透明のもの(これらは有色透明もしくは有
色半透明でもよい)が挙げられ機械的装置により取り扱
い時の破断防止性や耐熱性を重視する場合にはポリエチ
レンテレフタレートフィルム、ポリカーボネイトフィル
ム、ナイロンフィルムが好ましく、中でもポリエチレン
テレフタレートフィルムが優れている。この基材2の厚
みは、通常3〜50μm、好ましくは5〜15μm程度
である。
【0007】(受容層)被熱転写シート1の受容層3
は、前述のごとく、加熱された際に熱転写シートから移
行してくる染料を受け入れる働きをしており、具体的に
は、以下のようなものが用いられる。 (イ)エステル結合を有するもの ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ
カーボネイト樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアク
リレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂など。 (ロ)ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂など (ハ)アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂など。 (ニ)尿素結合を有するもの 尿素樹脂など。 (ホ)その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど。 上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あるい
は共重合体なども使用しうる。
【0008】また、受容層3を、性質の異なる2種類の
樹脂から形成することもできる。たとえば、−100〜
20℃のガラス転移温度を有するとともに極性基を有す
る合成樹脂により受容層の第1領域を形成し、また40
℃以上のガラス転移温度を有する合成樹脂により受容層
の第2の領域を形成することができる。この第1領域お
よび第2領域はともに受容層表面に露出しており、第1
領域が該表面の15%以上を占め、第1領域は互いに独
立して島状に存在しており、その島状部のそれぞれの長
手方向の長さは0.5〜200μmであることが好まし
い。
【0009】本発明の第1の態様の被熱転写シート1
は、上記のような樹脂からなる受容層3中に染料透過性
の離型剤が含有されている。このような離型剤として
は、固形ワックス類、フッ素系あるいはリン酸エステル
系の界面活性剤、シリコーンオイル類などが用いられ
る。これらの化合物は受容層を形成する樹脂に予め添加
され、得られた樹脂混合物溶液を基材上に塗布乾燥して
受容層が得られるが、以下に各離型剤を具体的に説明す
る。
【0010】固形ワックスは、受容層3を形成する樹脂
中に微細な粒子として分散させることが好ましく、した
がって固形ワックスは前記樹脂に添加する以前に、ボー
ルミル、サンドミル、などによって処理することが好ま
しい。固形ワックスとしては、ポリエチレンワックス、
アミドワックス、テフロンパウダーなどが用いられる。
この固形ワックスは、前記樹脂中に、樹脂重量の5〜5
0重量%好ましくは10〜20重量%の量で添加され
る。添加量が5重量%未満であると、充分な離型効果が
得られず、熱転写層が受容層に熱接着することがある。
またその添加量が50重量%を超えると、加熱時に熱転
写層から移行してくる染料を充分に受容できなくなり、
したがって得られる画像が充分な解像力を有さない場合
が生ずる。
【0011】フッ素系あるいはリン酸エステル系の界面
活性剤もまた、受容層を形成する樹脂中に離型剤として
添加される。前記樹脂中に添加された界面活性剤は、受
容層表面にその一部が現れ、したがって離型効果が得ら
れると考えられる。このような界面活性剤としては、具
体的にリン酸エステル系化合物として、プライサーフA
208S、プライサーフA210G、プライサーフDB
−01(以上第1工業製薬)、ガフアックRS−41
0、ガフアックRA−600、ガフアックRE610
(以上東邦化学工業)、またフッ素系界面活性剤とし
て、ユニダインDS501、ユニダインDS502(ダ
イキン工業)、FC430、FC431(住友3M)な
どが挙げられる。この界面活性剤は、前記樹脂中に、樹
脂重量の0.5〜10重量%の量で添加される。添加量
が0.5重量%未満であると、充分な離型効果が得られ
ない。またその添加量が10重量%を超えると、受容層
表面がべとついたり、ゴミが該表面に付着しやすくな
り、また転写層と受容層とが接触した場合に、加熱しな
くとも転写層の染料が受容層に移行してしまうなど、地
汚れが起こる。
【0012】また、シリコーンオイル類も受容層を形成
する樹脂中に離型剤として添加される。シリコーンオイ
ルとしては、油状のものも用いることはできるが、硬化
型のものが好ましい。硬化型のシリコーンオイルとして
は、反応硬化型、光硬化型、触媒硬化型などが挙げられ
る。このうち反応硬化型のシリコーンオイル類が特に好
ましい。このような硬化型のシリコーンオイル類を離型
剤として用いる場合には、前述の界面活性剤系の離型剤
の場合と比較して、受容層表面がべとついたりゴミが付
着するようなことがなく、したがって多量に用いること
もできる。硬化型シリコーンオイル類は、前記樹脂中
に、樹脂重量の0.5〜30重量%の量で添加できる。
添加量が0.5重量%未満であると、充分な離型効果が
得られず、熱転写層が受容層に熱接着することがある。
また、その添加量が30重量%を超えると、加熱時に熱
転写層から移行してくる染料を充分に受容できなくな
り、したがって得られる画像が充分な記録濃度を有さな
い場合が生ずる。
【0013】反応硬化型シリコーンオイルとしては、ア
ミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオ
イルとを反応硬化させたものが好ましい。アミノ変性シ
リコーンオイルとしては、具体的に、信越化学工業
(株)製のKF−393、KF−857、KF−85
8、X−22−3680、X−22−3801Cなどが
用いられ、一方エポキシ変性シリコーンオイルとして
は、KF−100T、KF−101、X−60−16
4、KF−103などが用いられる。触媒あるいは光硬
化型シリコーンオイルとしては、KS705F−PS
(触媒)、KS705F−PS−1(触媒)、KS−7
20、KS770−PL−3(触媒)、KS774−P
L−3などが挙げられる。
【0014】本発明の第2の態様の被熱転写シート1
は、前述のように、基材2上に前記樹脂からなる受容層
3が設けられ、さらにこの受容層3の少なくとも、一部
上に離型剤層4が設けられて構成されているが、この離
型剤層4は、前述の離型剤を適当な溶媒に溶解あるいは
分散させ、得られた溶液あるいは分散液を受容層3上に
塗布し、次いで乾燥することによって形成できる。この
離型剤層の膜厚は、0.01〜5μm好ましくは0.0
5〜2μmであることが好ましい。離型剤層の膜厚が
0.01μm未満であると、充分な、離型効果が得られ
ず、一方5μmを超えると、染料の透過性が妨げられる
ため好ましくない。
【0015】前述のごとく、離型剤層4は受容層3の全
面に設けられていてもよいが、受容層3の一部上にのみ
設けられてよい。一般に離型剤層はその上に説明文など
を印刷することは困難であるのに対し、受容層上に印刷
することは可能である。したがって被熱転写シート上に
印刷する必要があるような場合には、離型剤層を受容層
の一部上にのみ設けることが好ましい。
【0016】本願発明に係る第3の態様の被熱転写シー
トは、上述のような受容層中にシリカの微粉末を含んで
いることを特徴としている。本発明においてシリカと
は、二酸化珪素または二酸化珪素を主成分とする物質を
いう。受容層中に含有させる微粉末シリカとしては、平
均粒径10〜100mμ、比表面積250m2 /g未満
のもの、より好ましくは、平均粒径10〜50mμ、比
表面積20〜200m2 /gのものが用いられる。微粉
末シリカの平均粒子径がこの範囲より大きいと、受容層
形成に用いる被熱転写層用塗料組成物における微粉末シ
リカの分散安定性が低下し、かつ被熱転写シートの受容
層表面の平滑性が著しくそこなわれ、熱転写で得られる
画像が不鮮明となる。また、微粉末シリカの平均粒子径
がこの範囲より小さいと、受容層形成に用いる被熱転写
層用塗料組成物の流動性が低下し、かつ被熱転写シート
への微粉末シリカ添加効果が十分に発揮されない。この
ような条件を満足する微粉末シリカの具体例としては、
AEROSILR972、AEROSIL 130、A
EROSIL 200、AEROSILOX50、AE
ROSIL TT600、AEROSIL MOX8
0、AEROSIL MOX170(アエロジル(株)
社製シリカ粉末)などが挙げられる。
【0017】また、微粉末シリカの含有量は、受容層の
重量に対して、5〜20重量%、より好ましくは、5〜
10重量%の範囲である。これらの微粉末シリカは、受
容層を形成する樹脂に予め添加され、得られた樹脂混合
物溶液を基材上に塗布し乾燥して受容層が形成される。
受容層を形成する際には、上記微粉末シリカ以外にも種
々の添加剤を加えうるが、それらの成分は、加熱時に熱
転写シートから移行してくる染料の定着を妨げないよう
なものから選択されるべきである。このような添加剤と
しては、熱転写シートとの離型性を高めるものとして、
シリコーン化合物の硬化物たとえばエポキシ変性シリコ
ーンオイルとアミノ変性シリコーンオイルとの硬化物な
どが挙げられる。これら各変性シリコーンオイルの詳細
は前記した通りである。
【0018】あるいは受容層としては、少なくとも1種
の樹脂と水とからなる分散液塗膜を基材上に設け、次い
で乾燥することによって形成されたものも使用しうる。
水との分散液を構成する分散質としての樹脂としては、
(イ)単一種類の被染色能を有する樹脂、(ロ)同一種
類の樹脂であって、被染色能の高いものと低いものとの
混合物、(ハ)少なくとも1種は被染色能を有し、相互
に相容性がない1種以上の樹脂の混合物、などが用いら
れうる。樹脂が有する被染色能の大小は、樹脂の物性、
特にガラス転移温度にほぼ比例していると考えられる。
一般に、ガラス転移温度が−100℃〜20℃の樹脂は
一般に被染色能が低く、ガラス転移温度が40℃以上の
樹脂は一般に高い被染色能を有しているということがで
きる。なお、本発明において、「分散液」という場合
は、液−液分散系(エマルジョン)と液−固分散系(サ
スペンジョン)との双方を含むものとする。
【0019】上述した、樹脂−水分散液の好ましい具体
例としては、以下のようなものが挙げられる。 (a)天然ゴムラテックス(天然ゴム樹液の濃縮物) (b)合成ゴムラテックス(乳化重合で得られる合成ゴ
ム水分散液) SBR(スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス)、
ポリクロロプレンラテックス、ポリブタジエンラテック
ス、ブチルゴム(ポリブテン)ラテックスなど (c)合成樹脂エマルジョン(乳化重合で得られる合成
樹脂水分散液) ポリアクリル酸エステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル
エマルジョン、エチレン/酢酸ビニル共重合体エマルジ
ョン、ポリスチレンエマルジョン、ポリ塩化ビニルエマ
ルジョンなど。 (d)合成樹脂水分散液(合成樹脂溶液または合成樹脂
溶融物を水に分散して得られる合成樹脂水分散液) ポリエステル水分散液、ポリウレタン水分散液、ポリエ
チレン水分散液など。
【0020】また、上述した樹脂水分散液には、分散を
安定化させるための分散剤が含有されていてもよい。添
加する分散剤の好ましい具体例としては以下のようなも
のが挙げられる。 (1)乳化剤 カルボン酸塩、スルフォン酸塩、硫酸エステル塩、リン
酸エステル塩、フォスフォン酸塩などのアニオン界面活
性剤、アミン塩、第4級アンモニウム塩、フォスフォニ
ウム塩、スルフォニウム塩などのカチオン界面活性剤、
ベタイン、スルフォベタインなどの両性界面活性剤、脂
肪酸モノグリセリンエステル、脂肪酸ポリグリコールエ
ステルなどのノニオン界面活性剤。 (2)保護コロイド ポリビニルアルコール、エチレン/ビニルアルコール共
重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
メチルセルロース、エチルセルロースなど。 (3)自己乳化性樹脂 極性基含有ポリウレタンなどのように、分散樹脂自身が
極性を有しこれが粒子表面に局在して分散安定性を賦与
するもの。 上述した樹脂水分散液の組成は、重量比で、樹脂成分2
0〜70%、より好ましくは30〜60%、水分30〜
80%、により好ましくは40〜70%の範囲である。
また、分散剤は、樹脂成分に対して重量比で0.1〜1
0%好ましくは1〜5%添加される。
【0021】上記樹脂水分散液中には種々の添加剤を加
えうるが、それらの成分は、加熱時に熱転写シートから
移行してくる染料の定着を妨げないようなものから選択
されるべきである。このような添加剤としては、熱転写
シートとの離型性を高めるものとして、シリコーン化合
物の硬化物たとえばエポキシ変性シリコーンオイルとア
ミノ変性シリコーンオイルとの硬化物などが挙げられ
る。
【0022】上記組成の樹脂水分散液による受容層の形
成は、まず、基材上に、適宜な印刷方法あるいは塗布方
法、たとえばワイヤーバーコーティングなどの方法によ
り樹脂水分散液塗膜を設け、次いでこれを乾燥すること
により行われる。受容層の厚さは基材の種類等に応じて
適宜選択され得るが、通常、乾燥後の厚さが1〜20μ
m、好ましくは2〜10μmの範囲であることが望まし
い。
【0023】さらに必要に応じて、受容層の表面に、熱
転写シートとの離型性を高めるための離型層を形成する
こともできる。このような離型性を形成する組成物とし
ては、シリコーン化合物の硬化物たとえばエポキシ変性
シリコーンオイルとアミノ変性シリコーンオイルの硬化
物などが好ましく用いられる。これら各変性シリコーン
オイルの詳細は前記した通りである。
【0024】(熱転写シート)上述のような被熱転写シ
ート1は、熱転写シートと組み合わされて使用される。
代表的な熱転写シート5は、図4に示されるように、支
持体6の片面に熱転写層7が設けられて構成されてお
り、この熱転写層7は加熱された場合にその中に含まれ
る色材が被熱転写シート上に移行するようになってい
る。このような色材としては、約150〜400程度の
比較的小さい分子量を有する分散染料、オイル染料、あ
る種の塩基性染料、あるいはこれらの染料に変化しうる
中間体などが挙げられ、これらの中から熱転写温度、熱
転写効率、色相、演色性、耐候性などを考慮して選択し
て用いられる。
【0025】上記の色材は、熱転写層を形成する適宜な
合成樹脂バインダー中に分散されて、支持体6上に設け
られる。このような合成樹脂バインダーとしては、通
常、耐熱性が高くしかも加熱された場合に起こる色材の
移行を妨げないものを選択することが好ましく、例えば
以下のようなものが用いられる。 (1)セルロース系樹脂 エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチ
ルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロ
ースなど。 (2)ビニル系樹脂 ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリ
アクリルアミドなど。 上記の合成樹脂バインダーのうち、耐熱性などの点か
ら、ポリビニルブチラール樹脂あるいはセルロース系樹
脂が好ましい。
【0026】熱転写層7を支持体6上に設けるには、色
材および合成樹脂バインダーを溶剤あるいは希釈剤とと
もに混練して熱転写層用塗料組成物とし、これを適宜な
印刷方法あるいは塗布方法により支持体6上に設ければ
よい。なお、必要に応じて、熱転写層用塗料組成物中に
任意の添加剤をくわえてもよい。
【0027】熱転写シートの基本的な構成は上記のとお
りであるが、サーマルヘッドのような接触型の加熱手段
により、支持体の表面を直接加熱する場合には、図5に
示すように、支持体6の熱転写層が設けられていない側
にワックスなどの滑剤あるいは離型剤を含む滑性層8を
設けることによって、サーマルヘッドなどの加熱手段と
支持体との融着を防止するとともにすべりを良好にする
ことができる。
【0028】上記のようにして準備された熱転写シート
および被熱転写シートは、図6に示すごとく熱転写シー
トの熱転写層と被熱転写シートの受容層とが接するよう
に向かい合わせて重ね合わされ、熱転写層と受容層の界
面に画像情報に応じた熱エネルギーを与えることによ
り、熱転写層中の色材を該熱エネルギーに応じて受容層
に移行させることができる。
【0029】
【実施例】
(実施例1)下記組成の受容層形成用インキ組成物を調
製し、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(東レ製、ルミラー#100)に乾燥塗布量が
4.0g/m2 になる様に塗布し、ついで乾燥して被熱
転写シートを得た。 ポリエステル樹脂:Vylon200(東洋紡) 1重量部 アミノ変性シリコーン:KF−393(信越化学工業) 0.03重量部 エポキシ変性シリコーン:X−22−343(信越化学工業) 0.03重量部 メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン(重量比4:4:2) 9.0重量部 ついで、下記組成の熱転写層形成用インキ組成物を調製
し、背面に耐熱処理を施した9μm厚のPETに、乾燥
塗布量が1.0g/m2 になる様に塗布、乾燥して熱転
写シートを得た。 分散染料:KST−B−136(日本化薬) 0.4重量部 エチルヒドロキシエチルセルロース(ハーキュレス) 0.6重量部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1:1) 9.0重量部
【0030】得られた熱転写シートの熱転写層と、前記
被熱転写シートの受容層とを向かい合わせの状態で重ね
合わせ、サーマルヘッドで熱転写シート側から加熱し
て、印字した後、両シートを剥離したところ、受容層と
転写層が簡単にはがれ、転写層樹脂の受容層へのハガレ
などは全く発生せず、連続的な階調を有する記録画像が
得られた。
【0031】(実施例2)下記組成の受容層形成用イン
キ組成物を調製し、実施例1で用いたのと同じポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に乾燥塗布量が4.0g
/m2 になる様に塗布、乾燥し受容層を形成した。 ポリエステル樹脂:Vylon200(東洋紡) 1.0重量部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1:1) 9.0重量部 次いで、下記組成の離型剤層形成用溶液をミヤバー#6
を用いて、上記ポリエステル樹脂層の上に塗布し、10
0℃で5分間乾燥した。 アミノ変性シリコーン:KF−393(信越化学工業) 1.0重量部 エポキシ変性シリコーン:X−22−343(信越化学工業) 1.0重量部 エタノール 25.0重量部 イソプロピルアルコール 23.0重量部 この際の離型剤層形成用溶液は、乾燥塗布量が約0.1
5g/m2 になるように塗布された。これを実施例1と
同様な印字条件で記録したところ、熱転写層の受容層へ
の熱融着は発生せず、良好な離型性を示し、得られたも
のはオーバーヘッドプロジェクター用原稿として使用で
きた。
【0032】(実施例3)実施例2と同様な組成のポリ
エステル溶液をA5判サイズ(148mm×210m
m)のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み10
0μm)の全面に塗布し、乾燥して受容樹脂層を形成し
た。(乾燥塗布量4.0g/m2 )。次いで、実施例2
と同組成の離型剤層インキ組成物を、グラビア印刷法に
より、半分のA6判の面積に塗布、乾燥して、離型剤層
を形成した(離型剤層厚:約0.1μm)次いで、離型
剤層を形成した部分にのみ、前記実施例と同様に昇華転
写記録を行ったところ、この場合も同様に転写層のハガ
レは全く発生せず、良好な離型性を示した。次いで、残
りのポリエステル樹脂層のみの部分に熱転写プリンター
TN5000((株)東芝)で、ワックスによる熱転写
印字したところ、鮮明な黒色の印字が得られ加筆性が確
認され、オーバーヘッドプロジェクター用原稿として使
用できた。
【0033】(実施例4)下記組成の受容層形成用イン
キ組成物を調製し、基材であるポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(厚み100μm)に塗布して100℃で
10分間乾燥した(乾燥塗布量:約4.5g/m2 )。 ポリエステル樹脂:Vylon103(東洋紡Tg=47℃) 0.8重量部 EVA系高分子可塑剤:エルバロイ741P 0.2重量部 (三井ポリケミカル Tg=−37℃) アミノ変性シリコーン:KF857(信越化学工業) 0.04重量部 エポキシ変性シリコーン:KF103(信越化学工業) 0.04重量部 メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン(重量比4:4:2) 9.0重量部 次いで、実施例1と同様に印字したところ、良好な離型
性を示し、転写層のハガレは一切発生せず、得られたも
のはオーバーヘッドプロジェクター用原稿として使用で
きた。
【0034】(実施例5)下記組成の受容層形成用イン
キ組成物を調製し、ベースとなるポリエチレンテレフタ
レートフィルム(厚み100μm)に塗布乾燥した(乾
燥塗布量:約4.0g/m2 )。 ポリウレタンエラストマー 0.5重量部 (大日本インキ化学パンデックスT5670 Tg=−35℃) ポリビニルブチラール 0.2重量部 (積水化学、エスレックBX−1 Tg=83℃) メチルエチルケトン/トルエン/エチルセロソルブ(重量比4:4:2) 9.0重量部 次いで、実施例2と同組成の離型剤層形成用溶液を同条
件で受容層上に塗布、乾燥し、離型剤層を形成した。こ
れを実施例1と同様にして、サーマルヘッドで印字した
ところ、転写層が受容層に融着することなく、良好な離
型性を示し、得られたものはオーバーヘッドプロジェク
ター用原稿として使用できた。
【0035】(実施例6)基材として片面にコロナ処理
が施された厚み9μmのPETフィルム(東洋紡製S−
PET)を使用し、コロナ処理されたフィルム面上に、
下記組成の熱転写層用塗料組成物をワイヤーバーコーテ
ィングにより、乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布
形成し、背面にシリコーンオイル(X−41・4003
A、信越シリコーン製)を少量塗布して背面処理を行い
熱転写シートとした。 熱転写層塗料組成 分散染料(日本化薬製カヤセットブルー136) 4重量部 エチルヒドロキシエチルセルロース(ハーキュレス製) 5重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 ジオキサン 10重量部
【0036】基材として厚み100μmのポリエチレン
テレフタレートフィルムを用い、この表面上の下記組成
の被熱転写層用塗料組成物をワイヤーバーコーティング
により、乾燥時の厚みが5μmとなるように塗布して被
熱転写シートを形成した。乾燥は常温付近での予備乾燥
の後100℃で1時間行った。 被熱転写層用塗料組成 バイロン290(東洋紡製ポリエステル樹脂) 8重量部 アエロジル130(日本アエロジル製微粉末シリカ:比表面積130m2 /g、 平均粒径16mμ) 0.4重量部 KF−393(信越シリコン製アミノ変性シリコンオイル) 0.2重量部 X−22−343(信越シリコン製エポキシ変性シリコンオイル)0.2重量部 トルエン 35重量部 メチルエチルケトン 35重量部 シクロヘキサノン 30重量部
【0037】上記のようにして得られた熱転写シートと
被熱転写シートを組み合わせて、熱転写プリンターにて
熱ヘッドの出力1W/ドット、パルス幅0.3−4.5
msec、ドット密度1mmの条件で熱転写を行い、マ
クベスRD918反射濃度計にて高発色濃度記録部の光
学反射濃度を測定したところ、2.0という値を得、オ
ーバーヘッドプロジェクター用原稿として使用できた。
上記熱転写済み被熱転写シートと被熱転写シートの基材
として用いたポリエチレンテレフタレートフィルムとを
重ね合わせて、10g/cm2 の荷重をかけて60時間
静置したところ、被熱転写シートから染料の移行による
ポリエチレンテレフタレートフィルムの汚染は認められ
なかった。
【0038】(比較例1)実施例6で得られたのと同様
の熱転写シートと、実施例1において被熱転写層用塗料
組成物から微粉末シリカを除外した以外は実施例6と同
様にして作製した被熱転写シートとを組み合わせて、実
施例6と同様の方法で熱転写を行ったところ、高発色濃
度記録部の光学反射濃度として2.2という値を得た。
上記熱転写済み被熱転写シートと、実施例6で被熱転写
シートの基材として用いたポリエチレンテレフタレート
フィルムとを重ね合わせて、実施例6と同様の条件で静
置したところ、被熱転写シートから染料の移行によるポ
リエチレンテレフタレートフィルムの汚染が顕著であっ
た。
【0039】(比較例2)実施例6と同様の方法で作製
した熱転写シートと、実施例6において被熱転写層用塗
料組成物の微粉末シリカとしてアエロジル130のかわ
りに同重量部のアエロジル380(日本アエロジル製微
粉末シリカ:一次粒子の平均粒径約7mμ、比表面積3
80m2 /g)を用いた以外は実施例6と同様にして作
製した被熱転写シートとを組み合わせて、実施例6と同
様の方法で熱転写を行ったところ、高発色濃度記録部の
光学反射濃度として2.3という値を得、オーバーヘッ
ドプロジェクター用原稿として使用できた。上記熱転写
済み被熱転写シートと、実施例6で被熱転写シートの基
材として用いたポリエチレンテレフタレートフィルムと
を重ね合わせて、実施例6と同様の条件で静置したとこ
ろ、被熱転写シートの染料の移行によるポリエチレンテ
レフタレートフィルムの汚染が顕著であった。
【0040】(実施例7)実施例6で得られたのと同様
の熱転写シートと、実施例6において被熱転写層用塗料
組成物の微粉末シリカとしてアエロジル130のかわり
に同重量部のアエロジルOX50(日本アエロジル製微
粉末シリカ:平均粒径約40mμ、比表面積50m2
g)を用いた以外は実施例6と同様にして得られた被熱
転写シートとを組み合わせて、実施例6と同様に熱転写
を行ったところ、高発色濃度記録部の光学反射濃度とし
て1.5という値を得、オーバーヘッドプロジェクター
用原稿として使用できた。上記熱転写済み被熱転写シー
トと実施例6で被熱転写シートの基材として用いたポリ
エチレンテレフタレートフィルムとを重ね合わせて、実
施例6と同様の条件で静置したところ、被熱転写シート
から染料の移行によるポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの汚染は、ほとんど認められなかった。
【0041】(実施例8)基材として100μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを用い、この表面上に
下記組成の被熱転写層用塗料組成物をワイヤーバーコー
ティングにより、乾燥時の厚みが7μmとなるように塗
布して被熱転写シートを形成した。乾燥は常温付近での
予備乾燥の後100℃で1時間行った。 被熱転写層用塗料組成 エスレックBX−1(積水化学製ブチラール樹脂) 8重量部 アエロジル200(日本アエロジル製微粉末シリカ:比表面積200m2 /g、 平均粒径12mμ) 0.8重量部 KF−393(信越シリコン製アミノ変性シリコンオイル) 0.2重量部 X−22−293(信越シリコン製エポキシ変性シリコンオイル)0.2重量部 トルエン 35重量部 メチルエチルケトン 35重量部 シクロヘキサノン 30重量部
【0042】実施例6で得られたのと同様の熱転写シー
トと、上記の被熱転写シートとを組み合わせて、実施例
6と同様に熱転写を行ったところ、高発色濃度記録部の
光学反射濃度として1.8という値を得、オーバーヘッ
ドプロジェクター用原稿として使用できた。上記熱転写
済み被熱転写シートと被熱転写シートの基材として用い
たポリエチレンテレフタレートフィルムとを重ね合わせ
て、実施例6と同様の条件で静置したところ、被熱転写
シートから染料の移行によるポリエチレンテレフタレー
トフィルムの汚染は認められなかった。
【0043】(比較例3)実施例6で得られたのと同様
の熱転写シートと、実施例7において被熱転写層用塗料
組成物から微粉末シリカを除外した以外は実施例7と同
様にして得られた被熱転写シートとを組み合わせて、実
施例6と同様に熱転写を行ったところ、高発色濃度記録
部の光学反射濃度として1.7という値を得た。上記熱
転写済み被熱転写シートと、実施例6で被熱転写シート
の基材として用いたポリエチレンテレフタレートフィル
ムとを重ね合わせて、実施例6と同様の条件で静置した
ところ、被熱転写シートからの染料の移行によるポリエ
チレンテレフタレートフィルムの汚染が顕著であった。
【0044】(実施例9)実施例6において、熱転写層
用塗料組成物の分散染料として日本化薬製カヤセットブ
ルー136のかわりに2.5重量部の日本化薬製カヤセ
ットレッドBを用いた以外は実施例6と同様にして、熱
転写シートを得た。基材として100μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを用い、この表面上に下記組
成の被熱転写層用塗料組成物をワイヤーバーコーティン
グにより、乾燥時の厚みが5μmとなるように塗布して
被熱転写シートを形成した。乾燥は常温付近での予備乾
燥の後100℃で1時間行った。 被熱転写層用塗料組成 バイロン200(東洋紡製ポリエステル樹脂) 4重量部 バイロン290(東洋紡製ポリエステル樹脂) 4重量部 アエロジルR972(日本アエロジル製微粉末シリカ:比表面積110m2 /g 平均粒径16mμ) 0.6重量部 KF−393(信越シリコン製アミノ変性シリコンオイル) 0.2重量部 X−22−293(信越シリコン製エポキシ変性シリコンオイル)0.2重量部 トルエン 35重量部 メチルエチルケトン 35重量部 シクロヘキサノン 30重量部
【0045】上記のようにして得られた熱転写シートと
被熱転写シートとを組み合わせて、実施例6と同様の方
法で熱転写を行ったところ、高発色濃度記録部の光学反
射濃度として1.1という値を得、オーバーヘッドプロ
ジェクター用原稿として使用できた。上記熱転写済み被
熱転写シートと実施例6で被熱転写シートの基材として
用いたポリエチレンテレフタレートフィルムとを重ね合
わせて、実施例6と同様の条件で静置したところ、被熱
転写シートからの染料の移行によりポリエチレンテレフ
タレートフィルムの汚染は認められなかった。
【0046】(実施例10)基材として片面にコロナ処
理が施された厚み9μmのPETフィルム(東洋紡製S
−PET)を使用し、コロナ処理されたフィルム面上
に、下記組成の熱転写層用染料組成物をワイヤーバーコ
ーティングにより、乾燥時の厚みが1μmとなるように
塗布形成し、背面にシリコーンオイル(X−41・40
03A、信越シリコーン製)を少量塗布して背面処理を
行い熱転写シートとした。 熱転写層塗料組成 分散染料(日本化薬製カヤセットブルー136) 4重量部 エチルヒドロキシエチルセルロース(ハーキュレス製) 5重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 ジオキサン 10重量部
【0047】基材として100μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルムを用い、この表面上の下記組成の被
熱転写層用塗料組成物をワイヤーバーコーティングによ
り、乾燥時の厚みが7μmとなるように塗布し、60℃
で1時間乾燥した。 被熱転写層用塗料組成 バイロナールMO−1200(東洋紡製ポリエステル樹脂) 75重量部 (固形分換算) アイゼラックスS−1040(保谷化学社製ポリウレタン分散液) 25重量部 (固形分換算) 次に、上記のようにして形成した受容層の表面に下記組
成からなる離型剤層用塗料組成物をワイヤーバーコーテ
ィングにより乾燥時の厚みが0.2μmとなるように塗
布して、100℃で1時間乾燥することにより被熱転写
シートを形成した。 離型層用塗料組成 KF−393(信越シリコン製アミノ変性シリコンオイル) 3重量部 X−22−393(信越シリコン製エポキシ変性シリコンオイル) 3重量部 エチルアルコール 100重量部
【0048】上記のようにして得られた熱転写シートと
被熱転写シートを組み合わせて、熱転写プリンターにて
熱ヘッドの出力1W/ドット、パルス幅0.3−4.5
msec、ドット密度3ドット/mmの条件で熱転写を
行い、マクベスRD918反射濃度計にて高発色濃度記
録部の光学反射濃度を測定したところ、2.1という値
を得、オーバーヘッドプロジェクター用原稿として使用
できた。上記熱転写済み被熱転写シートと被熱転写シー
トの基材とを重ね合わせて、10g/cm2 の荷重をか
けて60℃で60時間静置したところ、被熱転写シート
から染料の移行による汚染は認められなかった。また、
被熱転写シート内部での染料の拡散による、熱転写され
た画像の乱れも認められなかった。
【0049】(実施例11)実施例10で得られたのと
同様の熱転写シートと、実施例10において被熱転写層
用塗料組成物からバイロナールMD−1200を除外し
た以外は実施例1と同様の方法で得られた被熱転写シー
トとを組み合わせて、実施例10と同様に熱転写を行っ
たところ、高発色濃度記録部の光学反射濃度として2.
0という値を得、オーバーヘッドプロジェクター用原稿
として使用できた。上記熱転写済み被熱転写シートと、
実施例10で被熱転写シートの基材とを重ね合わせて、
実施例10と同様の条件で静置したところ、被熱転写シ
ートから染料の移行による汚染は認められなかったが、
被熱転写シート内部での染料の拡散による、熱転写され
た画像の乱れが若干認められた。
【0050】(実施例12)実施例10において、熱転
写層用塗料組成物の分散染料として日本化薬製カヤセッ
トブルー136のかわりに2.5重量部の日本化薬製カ
ヤセットレッドBを用いた以外は実施例10と同様にし
て、熱転写シートを得た。実施例10において被熱転写
層用塗料組成物の組成を下記の如く変更する以外は実施
例10と同様にして、被熱転写シートを形成した。 被熱転写層用塗料組成 バイロナールMD−1930(東洋紡製ポリエステル樹脂水分散液)67重量部 (固形分換算) アクナロールYJ−1100D (油化バーデイツシュ製アクリル系エマルジョン)(固形分換算)33重量部 上記のようにして得られた熱転写シートと被熱転写シー
トとを組み合わせて、実施例10と同様にして熱転写を
行ったところ、高発色濃度部の光学反射濃度として1.
2という値を得、オーバーヘッドプロジェクター用原稿
として使用できた。上記熱転写済み被熱転写シートと実
施例10と同様の条件で静置したところ、被熱転写シー
トからの染料の移行による汚染ならびに被熱転写シート
内部での染料拡散による、熱転写された画像の乱れは認
められなかった。
【0051】(実施例13)実施例10で得られたのと
同様の熱転写シートと、実施例10において被熱転写層
用塗料組成物の組成を下記の如く変更する以外は実施例
10と同様にして得られた熱転写シートとを組み合わせ
て、実施例10と同様に熱転写を行ったところ、高発色
濃度記録部の光学反射濃度として1.8という値を得、
オーバーヘッドプロジェクター用原稿として使用でき
た。 被熱転写層用塗料組成 アクロナールYJ−2730D (油化バーデイツシェ製アクリル系エマルジョン)(固形分換算)33重量部 ビニゾールDU−230(大同化成製ポリウレタン水分散液) 67重量部 (固形分抱算) 上記熱転写済み被熱転写シートと実施例10で被熱転写
シートの基材として用いたポリエチレンテレフタレート
フィルムを重ね合わせて、実施例10と同様の条件で静
置したところ、被熱転写シートからの染料の移行による
ポリエチレンテレフタレートフィルムの汚染ならびに被
熱転写シート内部での汚染による、熱転写された画像の
乱れは認められなかった。
【0052】(実施例14)実施例12で得られたのと
同様の熱転写シートと、実施例10において被熱転写層
用塗料組成物の組成を下記の如く変更する以外は実施例
10と同様にして得られた熱転写シートとを組み合わせ
て、実施例10と同様に熱転写を行ったところ、高発色
濃度記録部の光学反射濃度として1.1という値を得、
オーバーヘッドプロジェクター用原稿として使用でき
た。 被熱転写層用塗料組成 アイゼラックスS−0180(保土谷化学製ポリウレタン水分散液)67重量部 (固形分換算) アイゼラックスS−4040N(保土谷化学製ポリウレタン水分散液) (固形分抱質)33重量部 上記熱転写済み被熱転写シートと実施例10の被熱転写
シートの基材とを組み合わせて、実施例10と同様の条
件で静置したところ、被熱転写シートからの染料の移行
による汚染ならびに被熱転写シート内部での染料の拡散
による、熱転写された画像の乱れは認められなかった。
【0053】
【発明の効果】本発明の透過原稿作成用被熱転写シート
は、以上の構成から成っており、透明基材及びその上に
設けられた透明受容層とから成っているので、熱転写シ
ートを用いてサーマルヘッド等により転写することによ
り、オーバーヘッドプロジェクター、スライド投影機等
に使用するか、又はジアゾコピーや写真製版のためのポ
ジもしくはネガとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透過原稿作成用被熱転写シートを示す
断面図
【図2】本発明の透過原稿作成用被熱転写シートを示す
断面図
【図3】本発明の透過原稿作成用被熱転写シートを示す
断面図
【図4】熱転写シートの断面図
【図5】熱転写シートの断面図
【図6】転写の際の熱転写シートと透過原稿作成用被熱
転写シートとを重ね合わせた状態を示す断面図
【符号の説明】
1 透過原稿作成用被熱転写シート 2 透明基材 3 受容層 4 離型剤層 5 熱転写シート 6 支持体 7 熱転写層 8 滑性層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱により移行する昇華性染料を含有し
    た染料層が設けられた熱転写シートと組み合わせて用い
    られる透過原稿作成用被熱転写シートであって、透明基
    材と、加熱された際に熱転写シートから移行してくる染
    料が受容される厚さ2〜10μmの染料定着性樹脂塗膜
    の受容層とからなり、該受容層の表面に染料透過性の離
    型剤が含有されていることを特徴とする透過原稿作成用
    被熱転写シート。
  2. 【請求項2】 受容層中に平均粒径10〜100mμ、
    比較表面積250g/m2 未満のシリカ粉末が含まれて
    いることを特徴とする請求項1記載の透過原稿作成用被
    熱転写シート。
  3. 【請求項3】 受容層は、少なくとも1種の樹脂と水と
    からなる分散液塗膜を前期基材上に設け、乾燥すること
    により形成されているものであることを特徴とする請求
    項1記載の透過原稿作成用被熱転写シート。
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