JPH0747502A - 卓上丸鋸盤 - Google Patents

卓上丸鋸盤

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JPH0747502A
JPH0747502A JP14179194A JP14179194A JPH0747502A JP H0747502 A JPH0747502 A JP H0747502A JP 14179194 A JP14179194 A JP 14179194A JP 14179194 A JP14179194 A JP 14179194A JP H0747502 A JPH0747502 A JP H0747502A
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line
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克彦 佐々木
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三好 新家
Yoshinori Shibata
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    • B23D47/00Sawing machines or sawing devices working with circular saw blades, characterised only by constructional features of particular parts
    • B23D47/02Sawing machines or sawing devices working with circular saw blades, characterised only by constructional features of particular parts of frames; of guiding arrangements for work-table or saw-carrier
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23D45/04Sawing machines or sawing devices with circular saw blades or with friction saw discs with a circular saw blade or the stock carried by a pivoted lever
    • B23D45/042Sawing machines or sawing devices with circular saw blades or with friction saw discs with a circular saw blade or the stock carried by a pivoted lever with the saw blade carried by a pivoted lever
    • B23D45/046Sawing machines or sawing devices with circular saw blades or with friction saw discs with a circular saw blade or the stock carried by a pivoted lever with the saw blade carried by a pivoted lever the pivoted lever being mounted on a carriage
    • B23D45/048Sawing machines or sawing devices with circular saw blades or with friction saw discs with a circular saw blade or the stock carried by a pivoted lever with the saw blade carried by a pivoted lever the pivoted lever being mounted on a carriage the saw blade being adjustable according to angle of cut

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来、刃口をすみ線合わせ用のラインとして
利用していたので、角度切りを行った場合にはこの刃口
が太くなって、正確なすみ線合わせができなくなってし
まうという問題があったので、この問題を解消して、常
に正確なすみ線合わせをして精度のよい切断作業を行う
ことができるようにする。 【構成】 ベース2と、該ベース2に回転可能に支持さ
れた、被切断材を載置するためのテーブル6と、該テー
ブル上を跨がって配置された、前記被切断材位置決め用
のフェンス14と、前記テーブル6の上方において上下
方向に移動可能に前記ベースに支持された丸鋸盤本体4
とを備えた卓上丸鋸盤であって、前記テーブル6の上面
の、前記フェンス14の被切断材当接面14bよりも後
方の範囲において、前記被切断材の前記丸鋸盤本体4に
対する位置決めをするためのすみ線合わせ用のライン9
bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は卓上丸鋸盤に関し、詳
しくは駆動モータにより回転される丸鋸を備えた丸鋸盤
本体が、被切断材を載置するベースにスライド可能に支
持された、いわゆる「スライドソー」と称される卓上丸
鋸盤に関する。
【0002】この発明は、テーブルに載置した被切断材
に対して丸鋸盤本体を下方に押し下げてこの被切断材を
所定の位置で切断する卓上丸鋸盤に関する。
【0003】
【従来の技術】従来より、この型式の卓上丸鋸盤にあっ
ては、例えば固定側となるベース側に軸受筒体部を設け
る一方、移動側となる丸鋸盤本体側に、この軸受筒体部
と相互にスライド可能なスライドバーを取り付けて、こ
の軸受筒体部とスライドバーとによりスライド支持部を
構成し、これにより丸鋸盤本体をベースに対してスライ
ド可能に支持した構成とされている。
【0004】このようなスライド支持部によれば、スラ
イドバーの前後部は軸受筒体部から露出するためこの露
出部分のスライド面の防塵あるいは防錆をする必要があ
り、このため通常この露出部分すなわち軸受筒体部の前
端とスライドバーの前端との間、および軸受筒体部の後
端とスライドバーの後端との間の前後二箇所に蛇腹が取
付けられる。この場合の蛇腹は円筒状のものが用いら
れ、その内周側にスライドバーが挿入されてその露出部
分が外部と閉塞されるように取付けられる。
【0005】ところが、このようにしてスライドバーの
前後を覆うようにして蛇腹を取り付けるために蛇腹の内
側はほぼ気密に近い状態に閉塞されることとなり、従っ
てスライドバーが移動して前後の蛇腹が伸縮すると収縮
側の蛇腹の内側の空気が圧縮されることとなり、結果的
にスライドバーのスムーズな移動が阻害されてしまう。
そこで、従来は前後双方の蛇腹に微小な空気孔を形成
し、この空気孔を通じて蛇腹の内側と外側との間で空気
の移動を行うようにし、これによりスライドバーがスム
ーズに移動できるようにしていた。
【0006】従来、この種の卓上丸鋸盤にあっては、当
該丸鋸盤の使用開始にあたり、刃口板に丸鋸の刃先を切
り込ませて刃口を形成し、この刃口をすみ線合わせ用の
ラインとして利用していた。これによれば、すみ線を刃
口に位置合わせした状態で被切断材をテーブル上に位置
決めしておけば、刃先は被切断材のすみ線に沿って食い
込むこととなり、これにより被切断材を所望の位置で切
断できた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成においては、空気孔を通じて蛇腹の内外が連通
されているので、スライドバーの移動に際して伸長側の
蛇腹においてはこの空気孔を通じて外部の空気が塵埃と
一緒に内側に吸入されてしまい、従って蛇腹の主たる機
能である防塵等の機能が損なわれるという問題があっ
た。
【0008】また、蛇腹の伸縮に際しては、この空気孔
を通じて空気が移動していわゆる呼吸作用をするため、
丸鋸盤本体のスライド操作にあたって不快な呼吸音を発
生するという問題があった。
【0009】さらに、この空気孔を設けることによりス
ライドバーをある程度スムーズに移動させることができ
るようにはなるものの、蛇腹の主たる機能をも確保する
ため空気孔は極力微小なものであることが望ましく、こ
のためこの空気孔はごく微小径に形成されるのでこの空
気孔を通じて行われる空気の移動には抵抗を伴い、従っ
てスライドバーひいては丸鋸盤本体のスムーズな移動に
は限界があった。特に、丸鋸盤本体を速く移動させた場
合には空気の移動抵抗が高まり、依然としてスムーズに
移動させることが困難であった。
【0010】本発明は、これら従来の問題を解決すべく
なされたもので、蛇腹の主たる機能を損なうことなく、
丸鋸盤本体をスムーズに移動させることのでき、しかも
移動にあたって不快な呼吸音を発生することのないスラ
イド支持部を備えた卓上丸鋸盤を提供することを目的と
する。
【0011】このように、従来は使用開始当初に刃口板
に丸鋸の刃先を切り込ませて形成した刃口をすみ線合わ
せ用のラインとして利用していたため、丸鋸を刃口板に
対して直角に切り込むいわゆる縦切り(直角切り)を行
う場合にはさほど問題がなかったのであるが、丸鋸を斜
めに切り込むいわゆる角度切り(傾斜切り)を行った場
合には刃口の幅が太くなってしまうので、以後すみ線合
わせ用のラインとしては位置合わせ精度が低下し、従っ
て現実にはこの刃口をすみ線合わせ用のラインとして利
用できなかった。このため従来は、やむを得ず片手で一
旦丸鋸を押し下げ、この状態でもう一方の手で被切断材
を把持し、すみ線を直接刃先に位置合わして被切断材の
位置決めを行っていた。このため、両手で被切断材を把
持できない等の位置決め作業がしづらく、また手間がか
かるという問題があった。本発明は、この問題に鑑みな
されたもので、角度切りを行った場合であっても、常に
正確かつ簡単に被切断材のすみ線合わせを行うことので
きる卓上丸鋸盤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、スラ
イド支持部のスライドバーの前後に、内側と外側とが気
密に閉塞された状態で取付けられた蛇腹の前記内側を相
互に連通したことを特徴とし、特に、前記スライドシャ
フトを支持する軸受筒体部の肉厚部に連通路を形成し、
この連通路を経て前記前後の蛇腹の内側を連通したこと
を特徴とする。
【0013】請求項1記載の発明は、ベースと、該ベー
スに回転可能に支持された、被切断材を載置するための
テーブルと、該テーブル上を跨がって配置された、前記
被切断材位置決め用のフェンスと、前記テーブルの上方
において上下方向に移動可能に前記ベースに支持された
丸鋸盤本体とを備えた卓上丸鋸盤であって、前記テーブ
ルの上面の、前記フェンスの被切断材当接面よりも後方
の範囲において、前記被切断材の前記丸鋸盤本体に対す
る位置決めをするためのすみ線合わせ用のラインを設け
たことを特徴とする。
【0014】
【作用】この構成によれば、丸鋸盤本体を前方または後
方に移動させて、スライドバーとこのスライドバーを支
持する軸受筒体部とを相対移動させると、前後の蛇腹間
で空気の移動が行われて一方が収縮し他方が伸長する。
この際に、蛇腹の内側と外側とは気密に閉塞されている
ので空気の移動は行われない。従って、蛇腹の主たる機
能である防塵機能等を損なうことなくかついわゆる呼吸
音を発することなく両蛇腹はスムーズに伸縮し、よって
スライド支持部は何ら空気抵抗を受けることなくスムー
ズに機能する。
【0015】特に、軸受筒体部の肉厚部に連通路を形成
し、この連通路を経て前記前後の空気室を相互に連通す
ることにより、卓上丸鋸盤の外観をなんら損なうことな
く上記作用を奏するものとすることができる。
【0016】請求項1記載の構成によれば、すみ線合わ
せ用のラインはテーブルに描かれているので、角度切り
をしたために刃口が太くなってもこのテーブル上のライ
ンを利用してすみ線合わせを行うことができ、従って常
に正確なすみ線合わせを行うことができる。しかも、こ
のすみ線合わせ用のラインは、フェンスの被切断材当接
面よりも後方の範囲において描かれているので、テーブ
ル上に被切断材を載置した時隠れて見えなくなることは
ない。このことから、被切断材の大きさに関係なく、常
に正確なすみ線合わせができる。ここで、上記フェンス
の被切断材当接面よりも後方の範囲とは、図5において
フェンスの被切断材当接面よりも上側の範囲、すなわち
テーブルの上面であって被切断材が載置されない側の範
囲をいう。
【0017】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、常に正確
なすみ線合わせを行って精度のよい切断作業を行うこと
ができる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例を図1〜図6に基づい
て具体的に説明する。図3には本例の卓上丸鋸盤1(以
下、単に「丸鋸盤」という)の側面図を、図4にはその
平面図を示した。
【0019】図示するようにこの丸鋸盤1は、被切断材
を載置固定するためのベース2と、このベース2にスラ
イド支持部Sが組み込まれた支持アーム3を介して支持
されてこのベース2の面方向に沿ってスライド可能な、
丸鋸Cを有する丸鋸盤本体(以下、単に「本体部」とい
う)4とから構成されている。以下、各構成について説
明する。
【0020】ベース2の上面には、ターンテーブル6が
左右約45°の範囲で水平回動可能に支持されており、
このターンテーブル6の回動角度は、ベース2の正面に
表示された目盛り2a(図5参照)を読み取ることによ
って正確に設定できるようになっている。
【0021】ターンテーブル6の上面にはそのほぼ中心
部から半径方向外方(図示右方)に突出した状態で刃口
板7が取り付けられており、ターンテーブル6にはこの
刃口板7の突出部分を支持する、断面略U状をなす支持
突部8が対応して半径方向に突出形成されている。刃口
板7の上面には刃口の形成に先立って、図4に示すよう
にその長手方向にすみ線合わせ用ライン9a〜9aが互
いに平行かつ適宜間隔をおいて複数本描かれている。
【0022】上記支持突部8の先端にはターンテーブル
6の回動操作のための操作ロッド11が回動可能に取付
けられ、この操作ロッド11の先端にはさらにグリップ
10が取付けられている。この操作ロッド11は支持突
部8との間に設けられた図示しないネジ手段により、回
動に伴って他端をベース2の外壁の一部に対し離接動可
能であり、グリップ10を介する自身の回動により、上
記ターンテーブル6をベース2に対して任意の回動位置
で位置固定可能となっている。
【0023】また、図5に示すようにターンテーブル6
の上面にも、すみ線合わせ用のライン9bが描かれてお
り、このライン9bは、ターンテーブル6の中心から半
径方向内方すなわち上記刃口板7から後方へ描かれてい
る。換言すれば、このライン9bは、フェンス14の被
切断材当接面14bよりも後方の範囲におけるターンテ
ーブル6の上面、すなわち被切断材が載置されない側の
ターンテーブル6の上面に描かれている。
【0024】ベース2の左右側部(図4において上下)
には、台部12,13が張出し状に一体形成されてい
る。この両台部12,13の上面はターンテーブル6の
上面とほぼ一致するようにその高さが揃えられており、
従って、この台座部12,13の上面も被切断材の載置
面として利用されるようになっている。また、この台部
12,13の上面には、被切断材の側面をあてがってそ
の位置決めをするためのフェンス14がターンテーブル
6を跨いだ状態に取り付けられている。図4においてこ
のフェンス14の右端面が被切断材が当接される被切断
材当接面14bとされており、この被切断材当接面14
bは、ターンテーブル6の中心を通る面に一致してい
る。従って、図4においてこのフェンス14の右側であ
ってターンテーブル6の右半分の範囲に被切断材が載置
され、左半分の範囲は被切断材が載置されない範囲とな
っている。
【0025】このフェンス14の中央の円弧部にも、タ
ーンテーブル6の回動角度を指し示すための目盛り14
aが表示されており、この目盛り14aの上記すみ線合
わせ用のライン9bが指し示す値を読み取ることによっ
てもこのターンテーブル6の回動角度が判るようになっ
ている。
【0026】次に、図3および図4に示すように本体部
4は支持アーム3を介して上記ベース2に支持されてい
る。この支持アーム3は、ターンテーブル6の後端部
(図3において左端部)、すなわち上記刃口板7の支持
突部8を設けた側と反対側の端部に当該ターンテーブル
6と一体で形成されたブラケット31を介して左右方向
に回動可能に支持されており、その回動中心軸は上記ベ
ース2の上面とほぼ同一高さに位置するとともに、刃口
板7の長手方向とほぼ平行に延びている。このように支
持された支持アーム3は、ハンドル41を緩めることに
より任意の位置に回動可能であり、逆にハンドル41を
締め付けることにより支持アーム3は一定の位置に固定
されるようになっており、これにより図6に示すように
本体部4を垂直位置(図中実線で示した位置)から左右
に最大で約45°だけ傾斜させた位置(図中二点鎖線で
示す位置)で固定できるようになっている。
【0027】さて、このようにしてターンテーブル6ひ
いてはベース2に支持された支持アーム3の先端に、本
体部4を前後方向にスライド可能に支持するスライド支
持部Sが組み込まれている。本例のスライド支持部S
は、スリーブとしての二つの軸受筒体62,63とこの
軸受筒体62,63が軸線方向に摺動可能かつ軸線回り
に回転不能に装着されたスプライン軸としての一本のス
ライドバー60からなる一組のアンギュラ形ボールスプ
ラインを主体として構成されている。
【0028】このスライド支持部Sの構成を図1および
図2を参照して説明すると、支持アーム3の上部には中
空円筒状の支持筒部61が一体で形成されており、この
支持筒部61の内側に二つの軸受筒体62,63が同軸
に嵌め込まれている。本例において軸受筒体部は、上記
支持筒部61と二つの軸受筒体62,63とにより構成
されている。
【0029】支持筒部61の内周面には、図2に示すよ
うに通気溝61bが円周方向四等分位置に形成されてい
る。各通気溝61bは、図1に示すように支持筒部61
の軸線方向全幅にわたって形成されている。
【0030】二つの軸受筒体62,63のうち図示右側
の軸受筒体62は、フランジ部62aを支持筒部61の
右端面に当てた状態でボルト62b〜62bによって固
定されている。このボルト62bが締込まれるネジ孔6
1aは、図2に示すように支持筒部61の右端面上の円
周方向四等分位置に形成されている。一方、上記フラン
ジ部62aには、上記ボルト62bを挿通可能な径の挿
通孔62cが、上記ネジ孔61aと同一径の円周上で円
周方向八等分位置に形成されており、この八箇所の挿通
孔62cのうち一つおきの四箇所のものが上記ボルト6
2bの挿通孔として用いられている。そして、図2にお
いて二点鎖線で示した、それ以外の四箇所の挿通孔62
cは、上記支持筒部61側に形成された通気溝61bに
位置合わせされた状態でこの図示右側の軸受筒体62が
取付けられており、従ってこの通気溝61bと挿通孔6
2cが対となって後述する前後の空気室V1 ,V2 を連
通するための連通路とされている。
【0031】なお、軸受筒体62の内周面には、図2に
示すように軸受ボール65を転動させるための半円形の
溝部62eが後述するスライドバー60のガイド溝60
aに対向して形成され、両溝部62eはそれぞれリター
ンホール62dに接続されて、それぞれ二組の軌道が形
成されている。
【0032】図示左側に装着された軸受筒体63は、フ
ランジ部62aがない点以外は上記した図示右側の軸受
筒体62と同一に構成されたものであるが、上記右側の
軸受筒体62はボルト62bによって支持筒部61に固
定されている一方、フランジ部62aを有しない図示左
側の軸受筒体63は、単に支持筒部61に挿入されただ
けの状態となっている。従って、後述するスライドバー
60に負荷される軸回りの荷重は図示右側の軸受筒体6
2によって受けられ、軸方向のモーメントは双方の軸受
筒体62,63によって受けられるようになっている。
【0033】一方、このように構成された両軸受筒体6
2,63と対をなす、スプライン軸としてのスライドバ
ー60は、本体部4側に取付けられている。すなわち、
このスライドバー60の前端部は、本体部4を支軸69
を介して上下傾動可能に連結する二又状の連結部70
(図3参照)が一体形成されたブラケット71に嵌着固
定されている。
【0034】このスライドバー60は、本体部4に必要
とされるスライド量を確保し得る長さを有しており、そ
の外周面には上記軸受筒体62,63の溝部62eに対
応したガイド溝60a,60aが直径方向に対向する部
位に一対(図は一方のみを示す)設けられている。両ガ
イド溝60aは、スライドバー60の軸線に沿って長手
方向全長にわたって一直線に形成されている。このガイ
ド溝60aと軸受筒体62,63の溝部62eが対をな
して軸受ボール65〜65を転動可能に挟み込んだ状態
で、このスライドバー60は両軸受筒体62,63の内
周側に一定の予圧が与えられた状態で挿入されており、
これにより一組のアンギュラ形ボールスプラインが構成
されている。
【0035】なお、支持筒部61の外周面にはカバー7
2がそのほぼ全面を覆うようにして取付けられており、
またこの支持筒部61の上部には、スライドバー60を
移動不能に固定するための固定ボルト66が上記カバー
72を貫通して螺入されている。また、上記スライドバ
ー60は、その軽量化を図るために中空軸とされている
(図2参照)。
【0036】スライドバー60の後端部にはキャップ6
7aが取付けられる一方、前端寄りの上記ブラケット7
1にも同一形状のキャップ67bが取付けられている。
そして、後ろ側(図示左側)のキャップ67aとカバー
72の後端部との間、及びカバー72の前端部とキャッ
プ67bとの間には、円筒状タイプの蛇腹73、74が
取付けられており、これにより支持筒部61から露出す
る部分のスライドバー60が覆われて外部から閉塞され
た状態となっている。ここで、両蛇腹73,74の両端
部はそれぞれ全周にわたってキャップ67a,67bお
よびカバー72に密着状態に取付けられており、これに
より両蛇腹73,74の内側が気密に保たれてその防塵
機能等を発揮し得るようになっている。このことから、
支持筒部61の前後にはこの蛇腹73,74によって、
それぞれ外部から閉塞された空気室V1 ,V2 が形成さ
れ、両空気室V1 ,V2 は、前記した通気溝61bおよ
び挿通孔62cによって相互に連通された状態となって
いる。
【0037】次に、本体部4について説明する。この本
体部4は、前記したようにその基端部68が支軸69に
よって二又状の連結部70に支持されており、この支軸
69を中心にして上下方向に傾動可能に支持されてい
る。そして、基端部68と前記ブラケット71との間に
装着された圧縮コイルスプリング75によって常時上方
へ付勢された状態で支持されている。また、基端部68
には傾動方向に沿ってボルト78が螺入される一方、ブ
ラケット71側にはこのボルト78の端部が当接可能な
ストッパ部79が設けられて、これらの当接により本体
部4の下方への傾動限を規制しかつボルト78の螺入度
を調節することにより傾動限を調節可能となっている。
【0038】この本体部4は、図3、図4および図6に
示すように駆動源としてのモータMを収容するモータハ
ウジング5を一体で有している。このモータハウジング
5およびモータMは、丸鋸Cに対し斜状に配置されてお
り、このような配置に伴い、モータハウジング5は、丸
鋸Cがベース2に対し垂直に位置した状態(図6におい
て実線で示する状態)では、本体部4の側部に斜め上方
に突出している。このモータハウジング5の上部には、
本体部4を移動させる際の便宜のためにハンドル96が
設けられている。
【0039】また、本体部4は丸鋸Cのほぼ上半分を覆
って収容するブレードケース88を有し、該ブレードケ
ース88は上記基端部68を下部に一体で備えている。
ブレードケース88には丸鋸Cのほぼ下半分を覆うため
の安全カバー89が丸鋸Cの回転中心と同軸で回動可能
に取り付けられており、この安全カバー89は一端をブ
ラケット71に枢支されたレバー90に連係されて、本
体部4の下方への傾動に伴い丸鋸Cを露出させる方向に
回動可能となっている。
【0040】ブレードケース88の右側部にはギヤハウ
ジング91が一体で形成されている。このギヤハウジン
グ91内には丸鋸Cを取り付けたスピンドル92が支承
され、このスピンドル92には減速ギヤとしてのベベル
ギヤ93が取り付けられている。上記モータハウジング
5はこのギヤハウジング91のさらに右側部に斜め上方
に一体で形成され、このモータハウジング5内にはモー
タMがその出力軸94を丸鋸Cに対し斜め上方に約45
°の角度をなして配置されており、出力軸94の端部に
はベベルギヤ93と噛み合うピニオンが形成されてい
る。
【0041】次に、以上のように構成された本例の丸鋸
盤1の操作について説明する。先ず、被切断材は、例え
ばベース2の台部12、13間を跨いだ状態で載置し、
フェンス14の被切断材当接面14bにその側部をあて
がって、あるいはすみ線合わせ用のライン9aまたは9
bを基準として位置合わせした状態で固定する。
【0042】ここで、本例の丸鋸盤1においては、通常
支持アーム3をベース2に対し直立状態とした縦切りに
より、刃口板7に丸鋸Cの切込を入れ、刃口7aをその
場で形成するものであるが、支持アーム3をベース2に
対し右方及び左方に傾斜させて行う角度切りも行われる
ことから刃口7aは幅広となり、被切断材のすみ線を刃
口7aを基準として切断位置に精度よく合わせることが
できなくなる。従って従来は、被切断材のすみ線を直接
刃先に対比させて両者が合致するように被切断材の位置
を調整していた。
【0043】しかしながら、本例の丸鋸盤1では、刃口
板7に予めすみ線合わせ用のライン9a〜9aが描いて
あり、これらのライン9a〜9aと丸鋸Cとの位置関係
を例えば最初に刃口7aを形成する際に算出しておくこ
とにより、ライン9a〜9aを基準として被切断材のす
み線を切断位置に正確に合わせることができる。
【0044】また、本例の丸鋸盤1にあっては、ターン
テーブル6の上面にもすみ線合わせ用のライン9bが描
かれており、このライン9bはターンテーブル6の中心
を通る位置すなわち刃先に合致する位置に描かれている
ので、このライン9bにすみ線を合致させることにより
簡単かつ正確に被切断材の位置合わせをすることができ
る。
【0045】このようにして被切断材を所定の位置に位
置合わせし固定した後、切断操作が行われるのである
が、これには丸鋸Cをベース2に対し垂直状態(図6に
おいて実線で示した状態)とした縦切り操作と、本体部
4を支持アーム3とともにベース2に対し右方もしくは
左方に傾斜させ、丸鋸Cをベース2に対し斜め状態(図
6において二点鎖線で示した状態)とした角度切り操作
の二通りの操作を行うことができる。
【0046】縦切り操作を行う場合には、支持アーム3
を垂直状態とし、これをハンドル41を締め込んで固定
した後、操作者が本体部4のハンドル96を圧縮コイル
スプリング75の付勢力に抗して上側から押圧し、本体
部4を支持アーム3に対し支軸69を中心として下方に
傾動させると、安全カバー89が回動して丸鋸Cを次第
に露出させ、被切断材に達すると完全に露出状態となっ
て被切断材が切断される。そして、基端部68側のボル
ト78がストッパ部79に当たることにより規制される
下降限に達すると、丸鋸Cはその下部が刃口板7を貫通
してその下方に突出した状態となる。
【0047】一方、図6において二点鎖線で示したよう
に支持アーム3を右側に傾斜保持した状態で、操作者が
本体部4のハンドル96を圧縮コイルスプリング75の
付勢力に抗して上側から押圧すれば、被切断材の角度切
りを行うことができる。この際、基端部68側のボルト
78とストッパ部79との当接により規制される下降限
では、丸鋸Cの下部は上記縦切りの場合とほぼ同様な距
離だけ刃口板7の下方に突出する。
【0048】このように支持アーム3を右側に傾斜させ
て角度切りを行う場合であっても、モータハウジング5
は斜め上方に傾斜した状態に取付けられているので、タ
ーンテーブル6等と干渉することなく最大で約45°程
度までの範囲内で角度切りを行うことができる。また、
支持アーム3を右側に傾斜させて角度切りを行う場合に
はモータハウジング5の干渉の問題はなく、図示するよ
うに最大で約45°の範囲内で角度切りを行うことがで
きる。
【0049】次に、本例の丸鋸盤1にあっては、本体部
4はスライド支持部Sによりターンテーブル6の面方向
に沿って移動可能に支持されているので、上記した縦切
りあるいは角度切りのいずれの場合であっても本体部4
を前後方向に移動させて切断操作をすることができる。
すなわち、固定ボルト66を緩めてスライドバー60の
支持アーム3に対する固定状態を解除し、本体部4のハ
ンドル96を持って前方に引き出すと本体部4がスライ
ドバー60の支持筒部61に対する摺動を伴って前方に
移動し、これにより例えば被切断材の幅が広い場合に、
丸鋸Cの前方への移動を伴って全幅にわたる切断操作を
行うことができる。
【0050】以上説明したように、本例の丸鋸盤1によ
れば、スライド支持部Sにおいて、スライドバー60の
支持筒部61から露出する部分は蛇腹73,74によっ
て外部から閉塞されており、これにより同部分の防塵あ
るいは防錆がなされている。しかも、これによって支持
筒部61の前後には外部と気密に閉塞された空気室V1
,V2 が形成されるのであるが、両空気室V1 ,V2
は、支持筒部61に形成した通気溝61bおよび軸受筒
体62のフランジ部62aに形成した挿通孔62cによ
って相互に連通され、かつこの通気溝61bおよび挿通
孔62cは周方向四箇所に形成されてその合計開口面積
は十分に大きく設定されているので、スライドバー60
の相対移動に伴って前後の蛇腹73,74が伸縮する時
には、両空気室V1 ,V2 間で空気のやり取りが行わ
れ、かつこの空気の移動が十分速くなされるようになっ
ている。このことから、スライドバー60は何ら空気抵
抗を受けることなくスムーズにかつ素早く移動させ得る
ので、本体部4を移動させる際の操作性は従来に比して
格段に向上し、また、従来のような不快な呼吸音を発す
ることもなくなる。
【0051】ここで、本例では一組のアンギュラボール
スプラインからなる、いわゆる一本支持構造のスライド
支持部を例示して説明したが、本発明はいわゆる二本支
持構造のスライド支持部に対しても適用可能なものであ
る。
【0052】次に、スライド支持部Sは、スリーブとし
ての軸受筒体62,63とスプライン軸としてのスライ
ドバー60とからなる一組のアンギュラボールスプライ
ンを用いたいわゆる一本支持構造とされている。このた
め、従来のような左右方向に一定の間隔をおいて二組の
リニアスライド機構を配置した二本支持構造(例えば実
開昭62−162001号公報、実開平3−12940
1号公報参照)の場合に比してスライド支持部Sの左右
幅は小さくなり、また、前方に引き出されるスライドバ
ー60は一本であるので、角度切りを行う場合の傾斜角
度を大きく設定することができ、また板厚の厚い被切断
材を角度切りすることができるようになる。
【0053】また、本体部4の左右方向のガタつきは、
軸受筒体62,63とスライドバー60との間に一定の
予圧を与えて両者間のバックラッシュをなくすことによ
り解消されるので、従来のようにそのための特別な機構
を別途設ける必要はなく、この点でもスライド支持部S
をコンパクトに構成することができる。
【0054】さらに、アンギュラ形のボールスプライン
を用いているので、切断時に負荷されるアキシャル方向
の切断荷重を軸受筒体62,63によって受けることが
でき、これにより丸鋸盤1の耐久性を高めることができ
る。
【0055】なお、本例では前記両空気室V1 ,V2 を
連通するための手段として、支持筒部61に通気溝61
bを、軸受筒体62に挿通孔62cを形成する構成を例
示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例
えば図示は省略したが、両蛇腹間に通気管を掛け渡し、
この通気管を経て両空気室V1 ,V2 を連通する構成と
してもよい。
【0056】また、本例では、アンギュラボールスプラ
インを構成するスリーブとしての軸受筒体62,63を
ベース2側に、スプライン軸としてのスライドバー60
を本体部4側に取付ける構成で例示したが、これに限ら
ず逆に取付ける構成であってもよい。
【0057】本例は以上のような構成としたことから、
角度切りを行ったために刃口7aが太くなり、このため
この刃口7aをすみ線合わせ用のラインとして利用でき
なくなっても、テーブル6の上面に描かれたライン9b
をすみ線合わせ用のラインとして利用することができる
ので、常に正確かつ簡単にすみ線合わせすなわち被切断
材の位置決めを行うことができ、従って精度の高い切断
作業を効率よく行うことができるようになる。しかも、
このライン9bは、フェンス14の被切断材当接面14
bよりも後方の範囲におけるターンテーブル6の上面、
すなわち被切断材が載置されない側の上面に描かれてい
るので、例えば大型の被切断材を載置してもこのライン
9bが被切断材に隠れて見えなくなるといったことはな
く、この点でも常に正確なすみ線合わせを行うことがで
きる。
【0058】また、フェンス14には、ターンテーブル
6の回転角度表示用の目盛り14aが表示されており、
この目盛り14aを上記ライン9bが指し示す値を読み
取ることによりターンテーブル6の回転角度を正確に知
ることができるようになっている。このように上記ライ
ン9bは、単にすみ線合わせ用のラインとしての機能に
止まらず、ターンテーブル6の回転角度を表示する指針
としての機能をも有している。特に、大型の被切断材を
切断する場合であって、ベース2の正面に表示された目
盛り2aが被切断材によって隠れてしまう場合におい
て、フェンス14の目盛り14aを指針としてのライン
9bが指し示す値を読み取ることにより正確にターンテ
ーブル6の回転角度を設定できるという点で目盛り14
aおよびライン9bが有効に機能する。
【0059】
【発明の効果】本発明は、蛇腹の内側と外側を気密に閉
塞した状態とした上で両蛇腹の内側を相互に連通して、
スライド操作の際には両蛇腹の内側間で空気の移動を行
って両蛇腹を伸縮させる構成としたので、蛇腹の主たる
機能である防塵等の機能を損なうことなくスムーズなス
ライド操作性を得ることができ、また不快な呼吸音を発
することもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示し、スライド支持部の縦断
面図である。
【図2】図1のB−B線断面図であって、軸受筒体およ
びスライドバーの縦断面図である。
【図3】卓上丸鋸盤の全体側面図である。
【図4】卓上丸鋸盤の全体平面図である。
【図5】ターンテーブルおよびベースの平面図である。
【図6】丸鋸盤本体が左右に傾動した状態を示す、卓上
丸鋸盤の正面図である。
【符号の説明】
1…卓上丸鋸盤 S…スライド支持部 2…ベース 3…支持アーム 4…丸鋸盤本体 6…ターンテーブル 7…刃口板 60…スライドバー 61…支持筒部 61b…通気溝 62,63…軸受筒体 62c…挿通孔 73,74…蛇腹 V1 ,V2 …空気室
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テーブルに載置した
被切断材に対して丸鋸盤本体を下方に押し下げてこの被
切断材を所定の位置で切断する卓上丸鋸盤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の卓上丸鋸盤にあっては、
当該丸鋸盤の使用開始にあたり、刃口板に丸鋸の刃先を
切り込ませて刃口を形成し、この刃口をすみ線合わせ用
のラインとして利用していた。これによれば、すみ線を
刃口に位置合わせした状態で被切断材をテーブル上に位
置決めしておけば、刃先は被切断材のすみ線に沿って食
い込むこととなり、これにより被切断材を所望の位置で
切断できた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は使
用開始当初に刃口板に丸鋸の刃先を切り込ませて形成し
た刃口をすみ線合わせ用のラインとして利用していたた
め、丸鋸を刃口板に対して直角に切り込むいわゆる縦切
り(直角切り)を行う場合にはさほど問題がなかったの
であるが、丸鋸を斜めに切り込むいわゆる角度切り(傾
斜切り)を行った場合には刃口の幅が太くなってしまう
ので、以後すみ線合わせ用のラインとしては位置合わせ
精度が低下し、従って現実にはこの刃口をすみ線合わせ
用のラインとして利用できなかった。このため従来は、
やむを得ず片手で一旦丸鋸を押し下げ、この状態でもう
一方の手で被切断材を把持し、すみ線を直接刃先に位置
合わして被切断材の位置決めを行っていた。このため、
両手で被切断材を把持できない等の位置決め作業がしづ
らく、また手間がかかるという問題があった。本発明
は、この問題に鑑みなされたもので、角度切りを行った
場合であっても、常に正確かつ簡単に被切断材のすみ線
合わせを行うことのできる卓上丸鋸盤を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、ベースと、該ベースに回転可能に支持され
た、被切断材を載置するためのテーブルと、該テーブル
上を跨がって配置された、前記被切断材位置決め用のフ
ェンスと、前記テーブルの上方において上下方向に移動
可能に前記ベースに支持された丸鋸盤本体とを備えた卓
上丸鋸盤であって、前記テーブルの上面の、前記フェン
スの被切断材当接面よりも後方の範囲において、前記被
切断材の前記丸鋸盤本体に対する位置決めをするための
すみ線合わせ用のラインを設けたことを特徴とする。
【0005】
【作用】請求項1記載の構成によれば、すみ線合わせ用
のラインはテーブルに描かれているので、角度切りをし
たために刃口が太くなってもこのテーブル上のラインを
利用してすみ線合わせを行うことができ、従って常に正
確なすみ線合わせを行うことができる。しかも、このす
み線合わせ用のラインは、フェンスの被切断材当接面よ
りも後方の範囲において描かれているので、テーブル上
に被切断材を載置した時隠れて見えなくなることはな
い。このことから、被切断材の大きさに関係なく、常に
正確なすみ線合わせができる。ここで、上記フェンスの
被切断材当接面よりも後方の範囲とは、図5においてフ
ェンスの被切断材当接面よりも上側の範囲、すなわちテ
ーブルの上面であって被切断材が載置されない側の範囲
をいう。
【0006】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、常に正確
なすみ線合わせを行って精度のよい切断作業を行うこと
ができる。
【0007】
【実施例】次に、本発明の実施例を図1〜図6に基づい
て具体的に説明する。図3には本例の卓上丸鋸盤1(以
下、単に「丸鋸盤」という)の側面図を、図4にはその
平面図を示した。
【0008】図示するようにこの丸鋸盤1は、被切断材
を載置固定するためのベース2と、このベース2にスラ
イド支持部Sが組み込まれた支持アーム3を介して支持
されてこのベース2の面方向に沿ってスライド可能な、
丸鋸Cを有する丸鋸盤本体(以下、単に「本体部」とい
う)4とから構成されている。以下、各構成について説
明する。
【0009】ベース2の上面には、ターンテーブル6が
左右約45°の範囲で水平回動可能に支持されており、
このターンテーブル6の回動角度は、ベース2の正面に
表示された目盛り2a(図5参照)を読み取ることによ
って正確に設定できるようになっている。
【0010】ターンテーブル6の上面にはそのほぼ中心
部から半径方向外方(図示右方)に突出した状態で刃口
板7が取り付けられており、ターンテーブル6にはこの
刃口板7の突出部分を支持する、断面略U状をなす支持
突部8が対応して半径方向に突出形成されている。刃口
板7の上面には刃口の形成に先立って、図4に示すよう
にその長手方向にすみ線合わせ用ライン9a〜9aが互
いに平行かつ適宜間隔をおいて複数本描かれている。
【0011】上記支持突部8の先端にはターンテーブル
6の回動操作のための操作ロッド11が回動可能に取付
けられ、この操作ロッド11の先端にはさらにグリップ
10が取付けられている。この操作ロッド11は支持突
部8との間に設けられた図示しないネジ手段により、回
動に伴って他端をベース2の外壁の一部に対し離接動可
能であり、グリップ10を介する自身の回動により、上
記ターンテーブル6をベース2に対して任意の回動位置
で位置固定可能となっている。
【0012】また、図5に示すようにターンテーブル6
の上面にも、すみ線合わせ用のライン9bが描かれてお
り、このライン9bは、ターンテーブル6の中心から半
径方向内方すなわち上記刃口板7から後方へ描かれてい
る。換言すれば、このライン9bは、フェンス14の被
切断材当接面14bよりも後方の範囲におけるターンテ
ーブル6の上面、すなわち被切断材が載置されない側の
ターンテーブル6の上面に描かれている。
【0013】ベース2の左右側部(図4において上下)
には、台部12,13が張出し状に一体形成されてい
る。この両台部12,13の上面はターンテーブル6の
上面とほぼ一致するようにその高さが揃えられており、
従って、この台座部12,13の上面も被切断材の載置
面として利用されるようになっている。また、この台部
12,13の上面には、被切断材の側面をあてがってそ
の位置決めをするためのフェンス14がターンテーブル
6を跨いだ状態に取り付けられている。図4においてこ
のフェンス14の右端面が被切断材が当接される被切断
材当接面14bとされており、この被切断材当接面14
bは、ターンテーブル6の中心を通る面に一致してい
る。従って、図4においてこのフェンス14の右側であ
ってターンテーブル6の右半分の範囲に被切断材が載置
され、左半分の範囲は被切断材が載置されない範囲とな
っている。
【0014】このフェンス14の中央の円弧部にも、タ
ーンテーブル6の回動角度を指し示すための目盛り14
aが表示されており、この目盛り14aの上記すみ線合
わせ用のライン9bが指し示す値を読み取ることによっ
てもこのターンテーブル6の回動角度が判るようになっ
ている。
【0015】次に、図3および図4に示すように本体部
4は支持アーム3を介して上記ベース2に支持されてい
る。この支持アーム3は、ターンテーブル6の後端部
(図3において左端部)、すなわち上記刃口板7の支持
突部8を設けた側と反対側の端部に当該ターンテーブル
6と一体で形成されたブラケット31を介して左右方向
に回動可能に支持されており、その回動中心軸は上記ベ
ース2の上面とほぼ同一高さに位置するとともに、刃口
板7の長手方向とほぼ平行に延びている。このように支
持された支持アーム3は、ハンドル41を緩めることに
より任意の位置に回動可能であり、逆にハンドル41を
締め付けることにより支持アーム3は一定の位置に固定
されるようになっており、これにより図6に示すように
本体部4を垂直位置(図中実線で示した位置)から左右
に最大で約45°だけ傾斜させた位置(図中二点鎖線で
示す位置)で固定できるようになっている。
【0016】さて、このようにしてターンテーブル6ひ
いてはベース2に支持された支持アーム3の先端に、本
体部4を前後方向にスライド可能に支持するスライド支
持部Sが組み込まれている。本例のスライド支持部S
は、スリーブとしての二つの軸受筒体62,63とこの
軸受筒体62,63が軸線方向に摺動可能かつ軸線回り
に回転不能に装着されたスプライン軸としての一本のス
ライドバー60からなる一組のアンギュラ形ボールスプ
ラインを主体として構成されている。
【0017】このスライド支持部Sの構成を図1および
図2を参照して説明すると、支持アーム3の上部には中
空円筒状の支持筒部61が一体で形成されており、この
支持筒部61の内側に二つの軸受筒体62,63が同軸
に嵌め込まれている。本例において軸受筒体部は、上記
支持筒部61と二つの軸受筒体62,63とにより構成
されている。
【0018】支持筒部61の内周面には、図2に示すよ
うに通気溝61bが円周方向四等分位置に形成されてい
る。各通気溝61bは、図1に示すように支持筒部61
の軸線方向全幅にわたって形成されている。
【0019】二つの軸受筒体62,63のうち図示右側
の軸受筒体62は、フランジ部62aを支持筒部61の
右端面に当てた状態でボルト62b〜62bによって固
定されている。このボルト62bが締込まれるネジ孔6
1aは、図2に示すように支持筒部61の右端面上の円
周方向四等分位置に形成されている。一方、上記フラン
ジ部62aには、上記ボルト62bを挿通可能な径の挿
通孔62cが、上記ネジ孔61aと同一径の円周上で円
周方向八等分位置に形成されており、この八箇所の挿通
孔62cのうち一つおきの四箇所のものが上記ボルト6
2bの挿通孔として用いられている。そして、図2にお
いて二点鎖線で示した、それ以外の四箇所の挿通孔62
cは、上記支持筒部61側に形成された通気溝61bに
位置合わせされた状態でこの図示右側の軸受筒体62が
取付けられており、従ってこの通気溝61bと挿通孔6
2cが対となって後述する前後の空気室V1 ,V2 を連
通するための連通路とされている。
【0020】なお、軸受筒体62の内周面には、図2に
示すように軸受ボール65を転動させるための半円形の
溝部62eが後述するスライドバー60のガイド溝60
aに対向して形成され、両溝部62eはそれぞれリター
ンホール62dに接続されて、それぞれ二組の軌道が形
成されている。
【0021】図示左側に装着された軸受筒体63は、フ
ランジ部62aがない点以外は上記した図示右側の軸受
筒体62と同一に構成されたものであるが、上記右側の
軸受筒体62はボルト62bによって支持筒部61に固
定されている一方、フランジ部62aを有しない図示左
側の軸受筒体63は、単に支持筒部61に挿入されただ
けの状態となっている。従って、後述するスライドバー
60に負荷される軸回りの荷重は図示右側の軸受筒体6
2によって受けられ、軸方向のモーメントは双方の軸受
筒体62,63によって受けられるようになっている。
【0022】一方、このように構成された両軸受筒体6
2,63と対をなす、スプライン軸としてのスライドバ
ー60は、本体部4側に取付けられている。すなわち、
このスライドバー60の前端部は、本体部4を支軸69
を介して上下傾動可能に連結する二又状の連結部70
(図3参照)が一体形成されたブラケット71に嵌着固
定されている。
【0023】このスライドバー60は、本体部4に必要
とされるスライド量を確保し得る長さを有しており、そ
の外周面には上記軸受筒体62,63の溝部62eに対
応したガイド溝60a,60aが直径方向に対向する部
位に一対(図は一方のみを示す)設けられている。両ガ
イド溝60aは、スライドバー60の軸線に沿って長手
方向全長にわたって一直線に形成されている。このガイ
ド溝60aと軸受筒体62,63の溝部62eが対をな
して軸受ボール65〜65を転動可能に挟み込んだ状態
で、このスライドバー60は両軸受筒体62,63の内
周側に一定の予圧が与えられた状態で挿入されており、
これにより一組のアンギュラ形ボールスプラインが構成
されている。
【0024】なお、支持筒部61の外周面にはカバー7
2がそのほぼ全面を覆うようにして取付けられており、
またこの支持筒部61の上部には、スライドバー60を
移動不能に固定するための固定ボルト66が上記カバー
72を貫通して螺入されている。また、上記スライドバ
ー60は、その軽量化を図るために中空軸とされている
(図2参照)。
【0025】スライドバー60の後端部にはキャップ6
7aが取付けられる一方、前端寄りの上記ブラケット7
1にも同一形状のキャップ67bが取付けられている。
そして、後ろ側(図示左側)のキャップ67aとカバー
72の後端部との間、及びカバー72の前端部とキャッ
プ67bとの間には、円筒状タイプの蛇腹73、74が
取付けられており、これにより支持筒部61から露出す
る部分のスライドバー60が覆われて外部から閉塞され
た状態となっている。ここで、両蛇腹73,74の両端
部はそれぞれ全周にわたってキャップ67a,67bお
よびカバー72に密着状態に取付けられており、これに
より両蛇腹73,74の内側が気密に保たれてその防塵
機能等を発揮し得るようになっている。このことから、
支持筒部61の前後にはこの蛇腹73,74によって、
それぞれ外部から閉塞された空気室V1 ,V2 が形成さ
れ、両空気室V1 ,V2 は、前記した通気溝61bおよ
び挿通孔62cによって相互に連通された状態となって
いる。
【0026】次に、本体部4について説明する。この本
体部4は、前記したようにその基端部68が支軸69に
よって二又状の連結部70に支持されており、この支軸
69を中心にして上下方向に傾動可能に支持されてい
る。そして、基端部68と前記ブラケット71との間に
装着された圧縮コイルスプリング75によって常時上方
へ付勢された状態で支持されている。また、基端部68
には傾動方向に沿ってボルト78が螺入される一方、ブ
ラケット71側にはこのボルト78の端部が当接可能な
ストッパ部79が設けられて、これらの当接により本体
部4の下方への傾動限を規制しかつボルト78の螺入度
を調節することにより傾動限を調節可能となっている。
【0027】この本体部4は、図3、図4および図6に
示すように駆動源としてのモータMを収容するモータハ
ウジング5を一体で有している。このモータハウジング
5およびモータMは、丸鋸Cに対し斜状に配置されてお
り、このような配置に伴い、モータハウジング5は、丸
鋸Cがベース2に対し垂直に位置した状態(図6におい
て実線で示する状態)では、本体部4の側部に斜め上方
に突出している。このモータハウジング5の上部には、
本体部4を移動させる際の便宜のためにハンドル96が
設けられている。
【0028】また、本体部4は丸鋸Cのほぼ上半分を覆
って収容するブレードケース88を有し、該ブレードケ
ース88は上記基端部68を下部に一体で備えている。
ブレードケース88には丸鋸Cのほぼ下半分を覆うため
の安全カバー89が丸鋸Cの回転中心と同軸で回動可能
に取り付けられており、この安全カバー89は一端をブ
ラケット71に枢支されたレバー90に連係されて、本
体部4の下方への傾動に伴い丸鋸Cを露出させる方向に
回動可能となっている。
【0029】ブレードケース88の右側部にはギヤハウ
ジング91が一体で形成されている。このギヤハウジン
グ91内には丸鋸Cを取り付けたスピンドル92が支承
され、このスピンドル92には減速ギヤとしてのベベル
ギヤ93が取り付けられている。上記モータハウジング
5はこのギヤハウジング91のさらに右側部に斜め上方
に一体で形成され、このモータハウジング5内にはモー
タMがその出力軸94を丸鋸Cに対し斜め上方に約45
°の角度をなして配置されており、出力軸94の端部に
はベベルギヤ93と噛み合うピニオンが形成されてい
る。
【0030】次に、以上のように構成された本例の丸鋸
盤1の操作について説明する。先ず、被切断材は、例え
ばベース2の台部12、13間を跨いだ状態で載置し、
フェンス14の被切断材当接面14bにその側部をあて
がって、あるいはすみ線合わせ用のライン9aまたは9
bを基準として位置合わせした状態で固定する。
【0031】ここで、本例の丸鋸盤1においては、通常
支持アーム3をベース2に対し直立状態とした縦切りに
より、刃口板7に丸鋸Cの切込を入れ、刃口7aをその
場で形成するものであるが、支持アーム3をベース2に
対し右方及び左方に傾斜させて行う角度切りも行われる
ことから刃口7aは幅広となり、被切断材のすみ線を刃
口7aを基準として切断位置に精度よく合わせることが
できなくなる。従って従来は、被切断材のすみ線を直接
刃先に対比させて両者が合致するように被切断材の位置
を調整していた。
【0032】しかしながら、本例の丸鋸盤1では、刃口
板7に予めすみ線合わせ用のライン9a〜9aが描いて
あり、これらのライン9a〜9aと丸鋸Cとの位置関係
を例えば最初に刃口7aを形成する際に算出しておくこ
とにより、ライン9a〜9aを基準として被切断材のす
み線を切断位置に正確に合わせることができる。
【0033】また、本例の丸鋸盤1にあっては、ターン
テーブル6の上面にもすみ線合わせ用のライン9bが描
かれており、このライン9bはターンテーブル6の中心
を通る位置すなわち刃先に合致する位置に描かれている
ので、このライン9bにすみ線を合致させることにより
簡単かつ正確に被切断材の位置合わせをすることができ
る。
【0034】このようにして被切断材を所定の位置に位
置合わせし固定した後、切断操作が行われるのである
が、これには丸鋸Cをベース2に対し垂直状態(図6に
おいて実線で示した状態)とした縦切り操作と、本体部
4を支持アーム3とともにベース2に対し右方もしくは
左方に傾斜させ、丸鋸Cをベース2に対し斜め状態(図
6において二点鎖線で示した状態)とした角度切り操作
の二通りの操作を行うことができる。
【0035】縦切り操作を行う場合には、支持アーム3
を垂直状態とし、これをハンドル41を締め込んで固定
した後、操作者が本体部4のハンドル96を圧縮コイル
スプリング75の付勢力に抗して上側から押圧し、本体
部4を支持アーム3に対し支軸69を中心として下方に
傾動させると、安全カバー89が回動して丸鋸Cを次第
に露出させ、被切断材に達すると完全に露出状態となっ
て被切断材が切断される。そして、基端部68側のボル
ト78がストッパ部79に当たることにより規制される
下降限に達すると、丸鋸Cはその下部が刃口板7を貫通
してその下方に突出した状態となる。
【0036】一方、図6において二点鎖線で示したよう
に支持アーム3を右側に傾斜保持した状態で、操作者が
本体部4のハンドル96を圧縮コイルスプリング75の
付勢力に抗して上側から押圧すれば、被切断材の角度切
りを行うことができる。この際、基端部68側のボルト
78とストッパ部79との当接により規制される下降限
では、丸鋸Cの下部は上記縦切りの場合とほぼ同様な距
離だけ刃口板7の下方に突出する。
【0037】このように支持アーム3を右側に傾斜させ
て角度切りを行う場合であっても、モータハウジング5
は斜め上方に傾斜した状態に取付けられているので、タ
ーンテーブル6等と干渉することなく最大で約45°程
度までの範囲内で角度切りを行うことができる。また、
支持アーム3を右側に傾斜させて角度切りを行う場合に
はモータハウジング5の干渉の問題はなく、図示するよ
うに最大で約45°の範囲内で角度切りを行うことがで
きる。
【0038】次に、本例の丸鋸盤1にあっては、本体部
4はスライド支持部Sによりターンテーブル6の面方向
に沿って移動可能に支持されているので、上記した縦切
りあるいは角度切りのいずれの場合であっても本体部4
を前後方向に移動させて切断操作をすることができる。
すなわち、固定ボルト66を緩めてスライドバー60の
支持アーム3に対する固定状態を解除し、本体部4のハ
ンドル96を持って前方に引き出すと本体部4がスライ
ドバー60の支持筒部61に対する摺動を伴って前方に
移動し、これにより例えば被切断材の幅が広い場合に、
丸鋸Cの前方への移動を伴って全幅にわたる切断操作を
行うことができる。
【0039】以上説明したように、本例の丸鋸盤1によ
れば、スライド支持部Sにおいて、スライドバー60の
支持筒部61から露出する部分は蛇腹73,74によっ
て外部から閉塞されており、これにより同部分の防塵あ
るいは防錆がなされている。しかも、これによって支持
筒部61の前後には外部と気密に閉塞された空気室V1
,V2 が形成されるのであるが、両空気室V1 ,V2
は、支持筒部61に形成した通気溝61bおよび軸受筒
体62のフランジ部62aに形成した挿通孔62cによ
って相互に連通され、かつこの通気溝61bおよび挿通
孔62cは周方向四箇所に形成されてその合計開口面積
は十分に大きく設定されているので、スライドバー60
の相対移動に伴って前後の蛇腹73,74が伸縮する時
には、両空気室V1 ,V2 間で空気のやり取りが行わ
れ、かつこの空気の移動が十分速くなされるようになっ
ている。このことから、スライドバー60は何ら空気抵
抗を受けることなくスムーズにかつ素早く移動させ得る
ので、本体部4を移動させる際の操作性は従来に比して
格段に向上し、また、従来のような不快な呼吸音を発す
ることもなくなる。
【0040】ここで、本例では一組のアンギュラボール
スプラインからなる、いわゆる一本支持構造のスライド
支持部を例示して説明したが、本発明はいわゆる二本支
持構造のスライド支持部に対しても適用可能なものであ
る。
【0041】次に、スライド支持部Sは、スリーブとし
ての軸受筒体62,63とスプライン軸としてのスライ
ドバー60とからなる一組のアンギュラボールスプライ
ンを用いたいわゆる一本支持構造とされている。このた
め、従来のような左右方向に一定の間隔をおいて二組の
リニアスライド機構を配置した二本支持構造(例えば実
開昭62−162001号公報、実開平3−12940
1号公報参照)の場合に比してスライド支持部Sの左右
幅は小さくなり、また、前方に引き出されるスライドバ
ー60は一本であるので、角度切りを行う場合の傾斜角
度を大きく設定することができ、また板厚の厚い被切断
材を角度切りすることができるようになる。
【0042】また、本体部4の左右方向のガタつきは、
軸受筒体62,63とスライドバー60との間に一定の
予圧を与えて両者間のバックラッシュをなくすことによ
り解消されるので、従来のようにそのための特別な機構
を別途設ける必要はなく、この点でもスライド支持部S
をコンパクトに構成することができる。
【0043】さらに、アンギュラ形のボールスプライン
を用いているので、切断時に負荷されるアキシャル方向
の切断荷重を軸受筒体62,63によって受けることが
でき、これにより丸鋸盤1の耐久性を高めることができ
る。
【0044】なお、本例では前記両空気室V1 ,V2 を
連通するための手段として、支持筒部61に通気溝61
bを、軸受筒体62に挿通孔62cを形成する構成を例
示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例
えば図示は省略したが、両蛇腹間に通気管を掛け渡し、
この通気管を経て両空気室V1 ,V2 を連通する構成と
してもよい。
【0045】また、本例では、アンギュラボールスプラ
インを構成するスリーブとしての軸受筒体62,63を
ベース2側に、スプライン軸としてのスライドバー60
を本体部4側に取付ける構成で例示したが、これに限ら
ず逆に取付ける構成であってもよい。
【0046】本例は以上のような構成としたことから、
角度切りを行ったために刃口7aが太くなり、このため
この刃口7aをすみ線合わせ用のラインとして利用でき
なくなっても、テーブル6の上面に描かれたライン9b
をすみ線合わせ用のラインとして利用することができる
ので、常に正確かつ簡単にすみ線合わせすなわち被切断
材の位置決めを行うことができ、従って精度の高い切断
作業を効率よく行うことができるようになる。しかも、
このライン9bは、フェンス14の被切断材当接面14
bよりも後方の範囲におけるターンテーブル6の上面、
すなわち被切断材が載置されない側の上面に描かれてい
るので、例えば大型の被切断材を載置してもこのライン
9bが被切断材に隠れて見えなくなるといったことはな
く、この点でも常に正確なすみ線合わせを行うことがで
きる。
【0047】また、フェンス14には、ターンテーブル
6の回転角度表示用の目盛り14aが表示されており、
この目盛り14aを上記ライン9bが指し示す値を読み
取ることによりターンテーブル6の回転角度を正確に知
ることができるようになっている。このように上記ライ
ン9bは、単にすみ線合わせ用のラインとしての機能に
止まらず、ターンテーブル6の回転角度を表示する指針
としての機能をも有している。特に、大型の被切断材を
切断する場合であって、ベース2の正面に表示された目
盛り2aが被切断材によって隠れてしまう場合におい
て、フェンス14の目盛り14aを指針としてのライン
9bが指し示す値を読み取ることにより正確にターンテ
ーブル6の回転角度を設定できるという点で目盛り14
aおよびライン9bが有効に機能する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースと、該ベースに回転可能に支持さ
    れた、被切断材を載置するためのテーブルと、該テーブ
    ル上を跨がって配置された、前記被切断材位置決め用の
    フェンスと、前記テーブルの上方において上下方向に移
    動可能に前記ベースに支持された丸鋸盤本体とを備えた
    卓上丸鋸盤であって、 前記テーブルの上面の、前記フェンスの被切断材当接面
    よりも後方の範囲において、前記被切断材の前記丸鋸盤
    本体に対する位置決めをするためのすみ線合わせ用のラ
    インを設けたことを特徴とする卓上丸鋸盤。
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