JPH0746972A - 食品保存料 - Google Patents
食品保存料Info
- Publication number
- JPH0746972A JPH0746972A JP4210758A JP21075892A JPH0746972A JP H0746972 A JPH0746972 A JP H0746972A JP 4210758 A JP4210758 A JP 4210758A JP 21075892 A JP21075892 A JP 21075892A JP H0746972 A JPH0746972 A JP H0746972A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protamine
- food
- antibacterial
- added
- preservative
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
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Landscapes
- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
- Grain Derivatives (AREA)
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
- Noodles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 プロタミンを主体とし、プロタミンに特定の
抗菌性物質を組合せた場合、プロタミンの抗菌性を有効
に発現させ、相乗的に抗菌力を向上させ全体としての抗
菌力を著しく高める。また異なる抗菌性物質の組合せに
より、抗菌スペクトルを広くして、実効性のある食品保
存料を提供することを目的とする。 【構成】 プロタミンに、ベタインまたはグルタチオン
を組合せて構成した。
抗菌性物質を組合せた場合、プロタミンの抗菌性を有効
に発現させ、相乗的に抗菌力を向上させ全体としての抗
菌力を著しく高める。また異なる抗菌性物質の組合せに
より、抗菌スペクトルを広くして、実効性のある食品保
存料を提供することを目的とする。 【構成】 プロタミンに、ベタインまたはグルタチオン
を組合せて構成した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は天然物由来の成分プロタ
ミンを主体として、これに特定の抗菌性物質を組合せて
なる食品保存料に関するものである。
ミンを主体として、これに特定の抗菌性物質を組合せて
なる食品保存料に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年流通機構の発達で、種々の食品が、容
易に広い地域に頒布できるようになってきた。それとと
もに食品のシェルフライフの延長が要求されるようにな
った。しかしながら、食品のシェルフライフの延長のた
め使用されている合成保存料、例えば、ソルビン酸、安
息香酸などは、その対象となる食品が限定されており、
多くの食品に使用することは許可されていない。また消
費者も、合成保存料や合成殺菌料を添加した食品に対し
ては、あまり良いイメージを持っていない。
易に広い地域に頒布できるようになってきた。それとと
もに食品のシェルフライフの延長が要求されるようにな
った。しかしながら、食品のシェルフライフの延長のた
め使用されている合成保存料、例えば、ソルビン酸、安
息香酸などは、その対象となる食品が限定されており、
多くの食品に使用することは許可されていない。また消
費者も、合成保存料や合成殺菌料を添加した食品に対し
ては、あまり良いイメージを持っていない。
【0003】このため、天然物を中心とした食品保存料
の開発が強く望まれている。食品保存料の場合、程度の
差はあれ、広い範囲の微生物に対して抗菌作用があるこ
と、毒性が低いこと、対象となる食品の味、香り、色、
物性などに悪い影響を与えないこと、対象となる食品の
コストを著しく高めることがないこと、などの条件を満
たすものでなければならない。
の開発が強く望まれている。食品保存料の場合、程度の
差はあれ、広い範囲の微生物に対して抗菌作用があるこ
と、毒性が低いこと、対象となる食品の味、香り、色、
物性などに悪い影響を与えないこと、対象となる食品の
コストを著しく高めることがないこと、などの条件を満
たすものでなければならない。
【0004】天然物の中には、弱いながらもある種の抗
菌作用のある物質は多く報告されている。しかしながら
それぞれ単品で保存料として用いた場合、上記の条件を
十分に満たしている物は殆どない。発明者は、単品では
不充分であっても、複数の物質の組合せによる、抗菌作
用が強く、且毒性が低い食品保存料を得ることを目的と
して鋭意研究して来た。
菌作用のある物質は多く報告されている。しかしながら
それぞれ単品で保存料として用いた場合、上記の条件を
十分に満たしている物は殆どない。発明者は、単品では
不充分であっても、複数の物質の組合せによる、抗菌作
用が強く、且毒性が低い食品保存料を得ることを目的と
して鋭意研究して来た。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】魚介類の精巣の精子
核中に高い含量でプロタミンが存在していること、この
プロタミンには抗菌性のあることが知られている。発明
者はこのプロタミンの抗菌性に着目し、これを利用した
効果的な食品保存料が具体的な実現できないかという研
究をはじめた。プロタミンの抗菌作用はグラム陽性菌な
どではよく発現するが、グラム陰性菌に対しては発現し
にくい特性を示す。また、その抗菌性はpHが中性やア
ルカリ性域では良く発現するのに対し、酸性域では発現
しにくいとか、金属イオン等が存在するとプロタミンの
抗菌性を阻害する要因になる等、抗菌スペクトルがせま
く、プロタミン単品では多様な種類の菌で腐敗がおこる
食品の保存料としては、不十分である。またプロタミン
は、独特の風味を有しているうえ、極めて高価であるた
め、保存性を十分に満足させるため多量に添加すること
は、その食品の味や風味に悪い影響を及ぼすし、コスト
アップにもなり好ましくない。
核中に高い含量でプロタミンが存在していること、この
プロタミンには抗菌性のあることが知られている。発明
者はこのプロタミンの抗菌性に着目し、これを利用した
効果的な食品保存料が具体的な実現できないかという研
究をはじめた。プロタミンの抗菌作用はグラム陽性菌な
どではよく発現するが、グラム陰性菌に対しては発現し
にくい特性を示す。また、その抗菌性はpHが中性やア
ルカリ性域では良く発現するのに対し、酸性域では発現
しにくいとか、金属イオン等が存在するとプロタミンの
抗菌性を阻害する要因になる等、抗菌スペクトルがせま
く、プロタミン単品では多様な種類の菌で腐敗がおこる
食品の保存料としては、不十分である。またプロタミン
は、独特の風味を有しているうえ、極めて高価であるた
め、保存性を十分に満足させるため多量に添加すること
は、その食品の味や風味に悪い影響を及ぼすし、コスト
アップにもなり好ましくない。
【0006】本発明者らは、プロタミンが天然物由来の
抗菌性物質で、安全性の高い点に食品保存料として大き
な優位性をもつことに着目し、プロタミンを主体としな
がら、プロタミンのもつ上記欠点を解消した実効性のあ
る食品保存料の開発に関し鋭意研究した。その結果、プ
ロタミンに、特定の抗菌性物質を組合せた場合、プロタ
ミンの抗菌性が有効に発現し、著しく抗菌作用を強化す
る性質があることを見出し、この知見に基づき、実効性
のある食品保存料を開発提供せんとするものである。
抗菌性物質で、安全性の高い点に食品保存料として大き
な優位性をもつことに着目し、プロタミンを主体としな
がら、プロタミンのもつ上記欠点を解消した実効性のあ
る食品保存料の開発に関し鋭意研究した。その結果、プ
ロタミンに、特定の抗菌性物質を組合せた場合、プロタ
ミンの抗菌性が有効に発現し、著しく抗菌作用を強化す
る性質があることを見出し、この知見に基づき、実効性
のある食品保存料を開発提供せんとするものである。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、前記問
題点を解決するための手段として、天然に存在する抗菌
性物質を中心にした組み合わせを鋭意研究した結果、プ
ロタミンに、ベタイン、またはグルタチオンを組合せる
ことにより、複雑で多様な性状を有する食品の系にあっ
ても、充分実効性のある保存効果があり、しかも食品の
味や香りを損なわない食品保存料を得ることができ、本
発明に到達した。本発明は、プロタミンを主体とし、こ
れに補助手段として、他の抗菌性物質を併用することに
よって、プロタミンの抗菌スペクトルの狭さや、プロタ
ミンの抗菌作用が対象食品の性状によって影響をうける
という欠点をカバーしたもので、補助手段として併用す
る添加物を数多く実験した結果、ベタインまたはグルタ
チオンをプロタミンと組み合わせると、プロタミンの抗
菌性を有効に発現させ実用性が高いとして特定したもの
である。
題点を解決するための手段として、天然に存在する抗菌
性物質を中心にした組み合わせを鋭意研究した結果、プ
ロタミンに、ベタイン、またはグルタチオンを組合せる
ことにより、複雑で多様な性状を有する食品の系にあっ
ても、充分実効性のある保存効果があり、しかも食品の
味や香りを損なわない食品保存料を得ることができ、本
発明に到達した。本発明は、プロタミンを主体とし、こ
れに補助手段として、他の抗菌性物質を併用することに
よって、プロタミンの抗菌スペクトルの狭さや、プロタ
ミンの抗菌作用が対象食品の性状によって影響をうける
という欠点をカバーしたもので、補助手段として併用す
る添加物を数多く実験した結果、ベタインまたはグルタ
チオンをプロタミンと組み合わせると、プロタミンの抗
菌性を有効に発現させ実用性が高いとして特定したもの
である。
【0008】本発明における食品保存料の構成成分は、
それぞれ弱いながらも抗菌作用がある天然物である。
本発明において用いられるプロタミンは、サケ、マス、
ニシン、スケソウタラ等の精子核中にデオキシリボ核酸
と結合したヌクレオプロタミンとして存在する比較的分
子量の小さい、高アルギニン含量の強塩基性蛋白質であ
る。本発明においては、遊離状態のプロタミン、あるい
はプロタミン硫酸塩、塩酸塩などいずれの形でも用いる
ことができる。
それぞれ弱いながらも抗菌作用がある天然物である。
本発明において用いられるプロタミンは、サケ、マス、
ニシン、スケソウタラ等の精子核中にデオキシリボ核酸
と結合したヌクレオプロタミンとして存在する比較的分
子量の小さい、高アルギニン含量の強塩基性蛋白質であ
る。本発明においては、遊離状態のプロタミン、あるい
はプロタミン硫酸塩、塩酸塩などいずれの形でも用いる
ことができる。
【0009】尚、当該プロタミンの製造法には色々ある
が、一般には、前記魚類の成熟卵を磨砕し、希硫酸又は
希塩酸を加え、得られたプロタミン抽出液にアルコール
を加えて沈殿させ、これを強塩基性のイオン交換樹脂を
用いてフリーのプロタミンにする方法が行なわれてい
る。しかし、どのような方法で得られたものでも、毒性
上、食品に添加できないような異物を含まないものであ
れば、本発明において使用可能である。また、ベタイン
はサトウ大根から抽出したものが、また、グルタチオン
はビール酵母から抽出したものが市販されている。
が、一般には、前記魚類の成熟卵を磨砕し、希硫酸又は
希塩酸を加え、得られたプロタミン抽出液にアルコール
を加えて沈殿させ、これを強塩基性のイオン交換樹脂を
用いてフリーのプロタミンにする方法が行なわれてい
る。しかし、どのような方法で得られたものでも、毒性
上、食品に添加できないような異物を含まないものであ
れば、本発明において使用可能である。また、ベタイン
はサトウ大根から抽出したものが、また、グルタチオン
はビール酵母から抽出したものが市販されている。
【0010】本発明におけるそれぞれの構成成分の比率
は、プロタミン1部に対し、ベタイン10部〜100
部、グルタチオン0.5部〜20部の範囲である。また
食品に対する本発明の保存料の添加量は、その構成成分
の組合せにもよるが、0.01%〜2%の範囲であり、
これはプロタミンとしては、0.002%〜0.05%
の範囲となることが好ましい。
は、プロタミン1部に対し、ベタイン10部〜100
部、グルタチオン0.5部〜20部の範囲である。また
食品に対する本発明の保存料の添加量は、その構成成分
の組合せにもよるが、0.01%〜2%の範囲であり、
これはプロタミンとしては、0.002%〜0.05%
の範囲となることが好ましい。
【0011】本発明の食品保存料は、その対象となる食
品は限定されない。かまぼこ、ちくわなどの水産練り製
品、ソーセージ、ハム等の畜産製品、魚のひらき等の半
生干し、洋菓子類、和菓子類、生めん、ゆでめん、中華
めん、日本そば等のめん類、ソース、醤油、タレ等の調
味料、漬物、そう菜等、多くの食品に使用可能である。
品は限定されない。かまぼこ、ちくわなどの水産練り製
品、ソーセージ、ハム等の畜産製品、魚のひらき等の半
生干し、洋菓子類、和菓子類、生めん、ゆでめん、中華
めん、日本そば等のめん類、ソース、醤油、タレ等の調
味料、漬物、そう菜等、多くの食品に使用可能である。
【0012】
【作用】本発明における食品保存料の構成成分は、それ
ぞれ抗菌力が弱かったり、スペクトルが狭かったりしな
がらも抗菌作用がある。しかしながらそれぞれ単品で保
存料として用いた場合、上記食品保存料として要請され
ている条件を十分に満たしているとは言えない。即ち、
プロタミンの抗菌性は、抗菌スペクトルがせまく、プロ
タミン単品では多様な種類の菌で腐敗がおこる食品の保
存料としては、不十分であるうえ、極めて高価であり、
多量添加すると、食品の風味を損ねる欠点がある。ま
た、ベタイン、およびグルタチオンは、それだけでは抗
菌作用が弱く食品に添加して十分な保存性を与える量を
添加すると食品の味や香りなどに悪影響を及ぼす。とこ
ろが、プロタミンと、ベタイン又はグルタチオンを組合
せることにより、プロタミンの抗菌性を有効に発現し、
相乗的に抗菌力を向上させて全体としての抗菌力を著し
く大きくする。また異なる抗菌性物質の組合せにより、
抗菌スペクトルが広くなり、食品保存料として極めて優
れた結果をもたらすことになる。
ぞれ抗菌力が弱かったり、スペクトルが狭かったりしな
がらも抗菌作用がある。しかしながらそれぞれ単品で保
存料として用いた場合、上記食品保存料として要請され
ている条件を十分に満たしているとは言えない。即ち、
プロタミンの抗菌性は、抗菌スペクトルがせまく、プロ
タミン単品では多様な種類の菌で腐敗がおこる食品の保
存料としては、不十分であるうえ、極めて高価であり、
多量添加すると、食品の風味を損ねる欠点がある。ま
た、ベタイン、およびグルタチオンは、それだけでは抗
菌作用が弱く食品に添加して十分な保存性を与える量を
添加すると食品の味や香りなどに悪影響を及ぼす。とこ
ろが、プロタミンと、ベタイン又はグルタチオンを組合
せることにより、プロタミンの抗菌性を有効に発現し、
相乗的に抗菌力を向上させて全体としての抗菌力を著し
く大きくする。また異なる抗菌性物質の組合せにより、
抗菌スペクトルが広くなり、食品保存料として極めて優
れた結果をもたらすことになる。
【0013】特に、各種の実験をしてみると、プロタミ
ンには、それ自体に抗菌特性があるだけでなく、他の抗
菌性物質と併用することにより、プロタミンの抗菌性を
有効に発現し、著しく強い抗菌性を発揮する作用がある
ことが判明した。その結果、構成成分である各種抗菌性
物質の添加量が少量化し、対象となる食品の味、香り、
色、物性などにほとんど悪い影響を与えず、コストを高
めることもない。また、異なる抗菌性物質の組合せによ
り、抗菌スペクトルが広くなるので、広い範囲の微生物
に対して抗菌作用がある。更に、構成成分が天然物であ
り、もともと食することが可能なものから採取したもの
であるので、動物に対しては毒性が低く、食物としての
安全性も高い。
ンには、それ自体に抗菌特性があるだけでなく、他の抗
菌性物質と併用することにより、プロタミンの抗菌性を
有効に発現し、著しく強い抗菌性を発揮する作用がある
ことが判明した。その結果、構成成分である各種抗菌性
物質の添加量が少量化し、対象となる食品の味、香り、
色、物性などにほとんど悪い影響を与えず、コストを高
めることもない。また、異なる抗菌性物質の組合せによ
り、抗菌スペクトルが広くなるので、広い範囲の微生物
に対して抗菌作用がある。更に、構成成分が天然物であ
り、もともと食することが可能なものから採取したもの
であるので、動物に対しては毒性が低く、食物としての
安全性も高い。
【0014】従って、本発明の食品保存料を使用するこ
とにより、合成保存料や合成殺菌料を添加した食品と同
じように著しいシェルフライフの延長が認められる。そ
の結果、消費者からみれば、より衛生的な食品を入手す
ることができ、一方食品製造業者からみれば、シェルフ
ライフが延長された分だけ、安全に広い地域にわたって
販売することができ、営業上極めて有利となる。
とにより、合成保存料や合成殺菌料を添加した食品と同
じように著しいシェルフライフの延長が認められる。そ
の結果、消費者からみれば、より衛生的な食品を入手す
ることができ、一方食品製造業者からみれば、シェルフ
ライフが延長された分だけ、安全に広い地域にわたって
販売することができ、営業上極めて有利となる。
【0015】以下に実施例をあげて、本発明について説
明する。 実施例1(かまぼこ) 冷凍すり身1000g、食塩30g、味醂20g、グル
タミン酸ナトリウム10g、砂糖10g、馬鈴薯でんぷ
ん70g、及び氷水400gを配合した基本組成に、第
1表記載の添加物を加え(添加量は基本組成に対する重
量%)、30分擂潰後、板づけし、45分蒸煮した。そ
れを簡易包装した後、25℃に保存し、外観の変化を観
察した。結果は表1に示す。薬剤単品を添加した場合に
比較し、それを組合せた本発明の保存料を添加した試験
区の保存性が向上しているのが明らかである。なお官能
検査の結果、本発明試験区は、対照区に比べて、味、
色、におい等において全く差が認められず、それを添加
することによる品質上の悪影響は認められなかった。
明する。 実施例1(かまぼこ) 冷凍すり身1000g、食塩30g、味醂20g、グル
タミン酸ナトリウム10g、砂糖10g、馬鈴薯でんぷ
ん70g、及び氷水400gを配合した基本組成に、第
1表記載の添加物を加え(添加量は基本組成に対する重
量%)、30分擂潰後、板づけし、45分蒸煮した。そ
れを簡易包装した後、25℃に保存し、外観の変化を観
察した。結果は表1に示す。薬剤単品を添加した場合に
比較し、それを組合せた本発明の保存料を添加した試験
区の保存性が向上しているのが明らかである。なお官能
検査の結果、本発明試験区は、対照区に比べて、味、
色、におい等において全く差が認められず、それを添加
することによる品質上の悪影響は認められなかった。
【0016】実施例2(ゆで中華めん) 強力粉500g、水60ml、及び、かん水5gを配合
した基本組成に第2表に示す薬剤を添加し(添加量は基
本組成に対する重量%)、よく混合した後、小型製麺機
を用い、常法通りに麺線を作り、沸騰水中で4分間ゆで
上げ、水冷した。水を切った後、ポリ袋に入れ封した
後、25℃に保存し、外観の変化を観察した。結果は、
表2に示すごとく、薬剤単品よりも、プロタミンを組合
せた保存料を添加した本発明試験区の保存性が大となっ
ていることが明らかである。なお、品質上の点で本発明
試験区は、対照と何ら差は認められなかった。
した基本組成に第2表に示す薬剤を添加し(添加量は基
本組成に対する重量%)、よく混合した後、小型製麺機
を用い、常法通りに麺線を作り、沸騰水中で4分間ゆで
上げ、水冷した。水を切った後、ポリ袋に入れ封した
後、25℃に保存し、外観の変化を観察した。結果は、
表2に示すごとく、薬剤単品よりも、プロタミンを組合
せた保存料を添加した本発明試験区の保存性が大となっ
ていることが明らかである。なお、品質上の点で本発明
試験区は、対照と何ら差は認められなかった。
【0017】実施例3(カスタードクリーム) 卵黄160g、牛乳1440g、砂糖38g、小麦粉
6.5g、コーンスターチ6.5gを基本組成とし、そ
れに第3表に示す薬剤を加え(添加量は、基本組成に対
する重量%)、よく撹拌しながら、弱火で加熱し総重量
の1割を煮つめた。その後冷却し、カップにつめ20℃
で保存し、外観の観察及び官能試験を行なった。結果は
表3に示すごとく、薬剤単品の組合せよりも、プロタミ
ンを組合せた本発明の保存料を添加した試験区の保存性
が著しく向上し、品質に関しても本発明試験区は対照と
何ら差は認められなかった。
6.5g、コーンスターチ6.5gを基本組成とし、そ
れに第3表に示す薬剤を加え(添加量は、基本組成に対
する重量%)、よく撹拌しながら、弱火で加熱し総重量
の1割を煮つめた。その後冷却し、カップにつめ20℃
で保存し、外観の観察及び官能試験を行なった。結果は
表3に示すごとく、薬剤単品の組合せよりも、プロタミ
ンを組合せた本発明の保存料を添加した試験区の保存性
が著しく向上し、品質に関しても本発明試験区は対照と
何ら差は認められなかった。
【0018】実施例4(ハンバーグ) 合挽肉1000g、玉ねぎ300g、食塩10g、小麦
粉60g、水50gを配合した基本組成に、表4に示す
薬剤を添加し(添加量は基本組成に対する重量%)、よ
く混合する。その後成形し、25分間蒸し上げ、冷却
し、20℃で保存し、外観の観察及び官能試験を行なっ
た。表4に示す如く、薬剤単品を添加した場合と比較す
ると、それらを組合せた本発明の保存料を添加した試験
区は保存性が著しく向上していることが明らかである。
なお、官能検査の結果、本試験区は対照区と比較して、
味、色、形態など、全く差異は認められなかった。
粉60g、水50gを配合した基本組成に、表4に示す
薬剤を添加し(添加量は基本組成に対する重量%)、よ
く混合する。その後成形し、25分間蒸し上げ、冷却
し、20℃で保存し、外観の観察及び官能試験を行なっ
た。表4に示す如く、薬剤単品を添加した場合と比較す
ると、それらを組合せた本発明の保存料を添加した試験
区は保存性が著しく向上していることが明らかである。
なお、官能検査の結果、本試験区は対照区と比較して、
味、色、形態など、全く差異は認められなかった。
【0019】上記実施例1〜4における試験結果は表1
〜4にまとめて表示する。この表1〜4における記号の
説明は次の通りである。 (記号の説明) − :変化なし ± :ごくわずかネトが発生 + :明らかにネトまたはカビ発生 〓〜〓:変敗の程度が大になってくる A :プロタミン 0.01% B :ベタイン 0.3% C :シスチン 0.05% D :L−アスコルビン酸 0.1% E :グルタチオン 0.05% A+B:プロタミン0.01%とベタイン0.3%との
併用を意味する
〜4にまとめて表示する。この表1〜4における記号の
説明は次の通りである。 (記号の説明) − :変化なし ± :ごくわずかネトが発生 + :明らかにネトまたはカビ発生 〓〜〓:変敗の程度が大になってくる A :プロタミン 0.01% B :ベタイン 0.3% C :シスチン 0.05% D :L−アスコルビン酸 0.1% E :グルタチオン 0.05% A+B:プロタミン0.01%とベタイン0.3%との
併用を意味する
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【効果】本発明は叙上のように、プロタミンにベタイン
またはグルタチオンを組合わせたことにより、プロタミ
ンの抗菌性を有効に発現し、相乗的に抗菌力を向上させ
全体としての抗菌力を著しく高める。また異なる抗菌性
物質の組合せにより、抗菌スペクトルが広くなり、食品
保存料として極めて優れた結果をもたらすことになる。
またはグルタチオンを組合わせたことにより、プロタミ
ンの抗菌性を有効に発現し、相乗的に抗菌力を向上させ
全体としての抗菌力を著しく高める。また異なる抗菌性
物質の組合せにより、抗菌スペクトルが広くなり、食品
保存料として極めて優れた結果をもたらすことになる。
【0025】即ち、構成成分である各種抗菌性物質の添
加量が少量化し、対象となる食品の味、香り、色、物性
などにほとんど悪い影響を与えないし、コストを高める
こともない。また、異なる抗菌性物質の組合わせによ
り、抗菌スペクトルが広くなるので、広い範囲の微生物
に対して抗菌作用がある。更に、構成成分が天然物であ
り、もともと食することが可能なものから採取したもの
であるので、動物に対しては毒性が低く、食物としての
安全性も高い。
加量が少量化し、対象となる食品の味、香り、色、物性
などにほとんど悪い影響を与えないし、コストを高める
こともない。また、異なる抗菌性物質の組合わせによ
り、抗菌スペクトルが広くなるので、広い範囲の微生物
に対して抗菌作用がある。更に、構成成分が天然物であ
り、もともと食することが可能なものから採取したもの
であるので、動物に対しては毒性が低く、食物としての
安全性も高い。
【0026】従って、本発明の食品保存料を使用するこ
とにより、合成保存料や合成殺菌料を添加した食品と同
じように著しいシェルフライフの延長が認められる。そ
の結果、消費者からみれば、より衛生的な食品を入手す
ることができ、一方食品製造者からみれば、シェルフラ
イフが延長された分だけ、安全に広い地域にわたって販
売することができ、営業上極めて有利となる。
とにより、合成保存料や合成殺菌料を添加した食品と同
じように著しいシェルフライフの延長が認められる。そ
の結果、消費者からみれば、より衛生的な食品を入手す
ることができ、一方食品製造者からみれば、シェルフラ
イフが延長された分だけ、安全に広い地域にわたって販
売することができ、営業上極めて有利となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 3/3535
Claims (1)
- 【請求項1】 プロタミンに、ベタインまたはグルタチ
オンを組合せたことを特徴とする食品保存料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4210758A JPH0759183B2 (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | 食品保存料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4210758A JPH0759183B2 (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | 食品保存料 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16168586A Division JPS6317679A (ja) | 1986-07-09 | 1986-07-09 | 食品保存料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0746972A true JPH0746972A (ja) | 1995-02-21 |
JPH0759183B2 JPH0759183B2 (ja) | 1995-06-28 |
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JP (1) | JPH0759183B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6217930B1 (en) | 1999-02-24 | 2001-04-17 | Cultor Food Science, Inc. | Betaine and bakery products |
-
1992
- 1992-07-15 JP JP4210758A patent/JPH0759183B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US6217930B1 (en) | 1999-02-24 | 2001-04-17 | Cultor Food Science, Inc. | Betaine and bakery products |
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Publication number | Publication date |
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JPH0759183B2 (ja) | 1995-06-28 |
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