JPH074688Y2 - 自動販売機の商品搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動販売機の商品搬送装置に関し、更に詳しく
は、商品貯蔵部から直接的に又は横搬送機構を介して送
り出される商品を受け取り、その受取位置と異なる高さ
に設けた商品払出口の高さまで前記商品を縦搬送すべ
く、商品搬送装経路に沿って昇降自在に構成された昇降
台を有する自動販売機の商品搬送装置に関する。

〔従来の技術〕

かかる自動販売機の商品搬送装置としては、第４図に示
すように、商品縦搬送経路の幅方向両側に、横断面形状
がほぼＨ型に形成された一対の昇降案内部材（50），
（51）を対向配設し、これら各昇降案内部材（50），
（51）の内面側に沿って回動する２本の回動無端チェー
ン（52），（53）を巻回するとともに、前記両回動無端
チェーン（52），（53）のうち、同時に同方向に上下動
するチェーン部分に亘って昇降台（54）を取着し、更
に、前記昇降台（54）には、前記両昇降案内部材（5
0），（51）との接当によって当該昇降台（54）の商品
滑降搬出方向での移動を規制する４つのローラ（55）を
設けたものが提案されている（例えば、特開昭62-14019
5号公報）。

〔考案が解決しようとする課題〕

この種の自動販売機の商品搬送装置においては、騒音防
止や商品の品質確保（例えば、商品が炭酸飲料等である
場合におけるフォーミング防止）等を目的として、前記
昇降台（54）の昇降時における振れをできるだけ抑える
ことが要望されている。

しかし、従来の商品搬送装置では、昇降台（54）の昇降
時における平面的な二次元方向での振れのうち、商品滑
降搬出方向での振れに対しては、前記両昇降案内部材
（50），（51）と昇降台（54）に設けた４つのローラ
（55）との接当によって規制することができるものの、
商品滑降搬出方向に対して直交する方向の振れ、つま
り、商品縦搬送経路の幅方向方向での振れに対しては、
昇降台（54）を２点支持する一対の回動無端チェーン
（52），（53）にて規制するため、当該回動無端チェー
ン（52），（53）の撓みによって振れ止め効果が低くな
る割に、２本の回動無端チェーン（52），（53）及びそ
れらを回動自在に巻回する多数のスプロケットを必要と
するため、製造コストの高騰化と重量化とを招来する問
題がある。

本考案は、かかる実情に着目して創案されたものであっ
て、その目的は、前記昇降台の昇降時における平面的な
二次元方向での振れを、製造コストの低廉化と軽量化と
を図りながら良好に抑制することができ、しかも、前記
昇降台の駆動負荷の軽減のために設けられるバランサの
振れ止め構造も、簡単かつコンパクに構成することがで
きるようにする点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の請求項１による自動販売機の商品搬送装置で
は、冒記構成のものにおいて、前記商品縦搬送経路の幅
方向両側に、一対の昇降案内部材を対向配設し、一方の
昇降案内部材の内面側に沿って回動する１本の回動無端
体のうち、互いに逆方向に上下動する回動無端体部分
に、前記昇降台とバランサを取着するとともに、前記昇
降台には、前記両昇降案内部材との接当によって当該昇
降台の平面的な二次元方向での移動を規制する第１被案
内体を設け、更に、前記バランサには、他方の昇降案内
部材の内面との接当によって当該バランサの平面的な移
動を規制する第２被案内体を設けてある。

また、本考案の請求項２による自動販売機の商品搬送装
置では、前記昇降台に、前記商品を滑降搬出する前傾姿
勢に傾斜自在な商品受台が枢支されているとともに、前
記両昇降案内部材の対向面間には、前記商品受台に設け
られた傾斜案内ローラとの接当によって、前記商品受台
を商品払出口近傍に至るに連れて前傾姿勢に傾斜させる
傾斜案内部材の下半部分が入り込み状態で配設されてい
る。

〔作用〕

前記昇降台を１本の回動無端体によって駆動昇降しなが
らも、当該昇降台の昇降時における平面的な二次元方向
での振れを、前記両昇降案内部材と昇降台に設けた第１
被案内体との接当によって良好に抑制することができ
る。しかも、前記昇降台の駆動負荷の軽減のために設け
られるバランサには、他方の昇降案内部材の内面に接当
して、昇降台の平面的な移動を規制する第２被案内体が
設けられているから、バランサの振れを防止するための
第２被案内体を、回動無端体が存在しない他方の昇降案
内部材の内面側のスペースを利用して組み付けることが
できる。

〔考案の効果〕

従って、請求項１記載の構成による場合は、前記昇降台
を駆動昇降するための回動無端体を１本にして、従来に
比して製造コストの低廉化と軽量化とを図りながらも、
昇降台の昇降時における平面的な二次元方向での振れを
良好に抑制することができる。しかも、このように回動
無端体が１本であるが故に、前記昇降台の駆動負荷の軽
減のために設けられるバランサの振れ止め構造も、回動
無端体が存在しない他方の昇降案内部材側のスペースを
利用して簡単かつコンパクに構成することができる。

また、請求項２記載の構成による場合は、前記昇降台に
装備された商品受台を前傾姿勢に傾斜させるための傾斜
案内部材の下半部分が、前記両昇降案内部材の対向面間
に入り込み状態で配設されているから、当該傾斜案内部
材を設けるための専用のスペースが少なくて済み、商品
搬送装置の小型化を促進することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図及び第２図はサーペンタイン方式の自動販売機を
示し、商品収納部（Ｂ）内に、複数の商品（Ａ）を上下
方向で貯蔵する商品貯蔵部（２）の複数個を、左右方向
と前後方向に夫々所定間隔を置いて並設してある。

これら各商品貯蔵部（２）の上部には、前方に開口する
商品投入口（2a）を形成すると共に、前記各商品貯蔵部
（２）の下部には、商品選択信号に基づいて最下端に位
置する貯蔵商品（Ａ）を個別に払い出す商品払出機構
（１）を設けてある。

前記商品貯蔵部（２）の下方には、これら商品貯蔵部
（２）の下部から選択的に払い出されてくる商品（Ａ）
を前方下方に向かって滑降案内する前送りシュート
（３）を設けてあり、該前送りシュート（３）にて前方
下方へ滑降案内される商品（Ａ）は、複数の庫内商品出
口（７）のいずれかを通過した後、前記商品収納部
（Ｂ）の前方に開閉自在に設けられたドア部（Ｃ）内下
部に配置された横搬送機構（４）上へ搬出されるか、或
いは、前記ドア部（Ｃ）内の一側部に配置された縦搬送
機構（６）の商品受台（6a）上へ搬出されるようになっ
ている。より詳しくは、前記複数の商品貯蔵部（２）の
うちの前記縦搬送機構（６）配置側に位置する商品貯蔵
部（２）から前送りシュート（３）経由で滑降案内され
た商品（Ａ）のみが、該商品貯蔵部（２）に対応する庫
内商品出口（７）を通過した後、前記縦搬送機構（６）
の商品受台（6a）上に搬出され、残りの商品貯蔵部
（２）から前送りシュート（３）経由で滑降案内された
商品（Ａ）は他の庫内商品出口（７）を通過した後、前
記横搬送機構（４）上に搬出され、更に該横搬送機構
（４）にて横搬送された後、前記縦搬送機構（６）の商
品受台（6a）上に搬出されるようになっている。

前記横搬送機構（４）と前記縦搬送機構（６）との両者
の相対的な位置関係について詳述するに、横搬送機構
（４）の下流端部は、縦搬送機構（６）の下端部に近接
配置されており、横搬送機構（４）の下流端部から搬出
される商品（Ａ）は、下死点に近い商品受取位置に位置
する状態の縦搬送機構（６）の商品受台（6a）にて受け
取られるようになっている。

前記縦搬送機構（６）について更に詳述するに、該縦搬
送機構（６）は、上下適宜位置、具体的には前記商品払
出口（５）の高さよりも高い上死点及び前述の下死点に
夫々相応する上下適宜位置に配置された上下対をなす１
組のスプロケット（6b），（6c）と、その両スプロケッ
ト（6b），（6c）間に巻回された回動無端体としての１
本のチェーン（6d）と、該チェーン（6d）の特定位置に
取着された正面視逆Ｌ字状の昇降台（6e）と、該昇降台
（6e）の先端部にて枢支されて前傾姿勢に傾斜自在な正
面視逆Ｌ字状の商品受台（6a）とを備えている。

そして、前記昇降台（6e）が昇降する商品縦搬送経路の
幅方向（換言すれば、商品受台（6a）による商品滑降排
出方向に対して直交する水平方向であって、以下、経路
幅方向と記載する）両側に、一対の昇降案内部材
（８），（10）を対向配設し、前記チェーン（6d）が近
接配置されている一方の昇降案内部材（８）には、前記
チェーン（6d）の軌道を設定する部分と異なる中央部分
が水平断面視コの字状に屈曲せしめられて内向きの凹入
部（8a）が形成されている。そして、該凹入部（8a）に
は、前記昇降台（6e）に端部延出杆（6j）を介して付設
された第１ローラ（9a）が係合され、該第１ローラ（9
a）は、前記凹入部（8a）の外面のうち、商品受台（6
a）が存在する側の外面部分に沿って転動案内されて、
前記商品滑降排出方向での昇降台（6e）の平面的な動き
が規制されるようになっている。

また、前記延出杆（6j）の経路幅方向中央寄り位置に
は、前記第１ローラ（9a）とは別に、回動自在な第２ロ
ーラ（9b）が付設されており、該第２ローラ（9b）は、
前記昇降案内部材（８）の凹入部（8a）の内面に対して
前記経路幅方向から接当して転動案内されるようになっ
ており、その転動案内によって前記経路幅方向での昇降
台（6e）の平面的な動きが規制されるようになってい
る。

更に、他方の昇降案内部材（10）の昇降台（6e）側に
は、水平断面視コの字状に屈曲せしめられて内向きの凹
入部（10a）が形成されている。そして、該凹入部（10
a）には、前記昇降台（6e）に端部延出杆（6j）を介し
て付設された第３ローラ（9c）が係合され、該第３ロー
ラ（9c）は、前記凹入部（10a）の外面のうち、商品受
台（6a）が存在する側の外面部分に沿って転動案内され
て、前記商品滑降排出方向での昇降台（6e）の平面的な
動きが規制されるようになっている。

更にまた、前記昇降台（6e）の昇降案内部材（10）側寄
り位置には、前記第３ローラ（9c）とは別に、回動自在
な第４ローラ（9d）が付設されており、該第４ローラ
（9d）は、前記昇降案内部材（８）の内面に対して前記
経路幅方向から接当して転動案内されるようになってお
り、その転動案内によって前記経路幅方向での昇降台
（6e）の平面的な動きが規制されるようになっている。

そして、前記第１ローラ（9a）と第２ローラ（9b）と第
３ローラ（9c）と第４ローラ（9d）とをもって、前記両
昇降案内部材（８），（10）との接当によって昇降台
（6e）の平面的な二次元方向（経路幅方向と商品滑降排
出方向）での移動を規制する第１被案内体（９）が構成
されている。

また、前記昇降台（6e）と端部延出杆（6j）との間に
は、上下方向に貫通する所定面積の貫通部が形成され、
該貫通部には、前記昇降台（6e）の昇降を妨げないよう
に、水平断面視コの字状の傾斜案内部材（6g）が１本延
設配置されているとともに、前記傾斜案内部材（6g）の
下半部分が前記両昇降案内部材（８），（10）間に入り
込み状態で配置されている。

前記傾斜案内部材（6g）は、前記昇降案内部材（８）に
ほぼ平行でありながらその商品払出口（５）近傍が該商
品払出口（５）側へ緩やかに屈曲突出せしめられてお
り、しかも、該傾斜案内部材（6g）には、前記商品受台
（6a）の中央部に昇降台（6e）側へ延出するように付設
されたローラ（6h）が係合するようになっている。そし
て、前記昇降台（6e）側の第１ローラ（9a）〜第４ロー
ラ（9d）が前記両昇降案内部材（８），（10）に沿って
転動案内される一方、前記商品受台（6a）側の傾斜案内
ローラ（6h）が前記傾斜案内部材（6g）に沿って転動案
内されるという、両転動案内関係に基づき、昇降台（6
e）が上昇してそれが商品払出口（５）近傍に至るにつ
れて、前記商品受台（6a）は、商品（Ａ）の商品払出口
（５）への滑降搬出が可能な先端下がりの前傾姿勢に緩
やかに変化するようになっている。

なお、前記チェーン（6d）における昇降台（6e）の取着
位置とは位相が180°ずれた位置、つまり、昇降台（6
e）が取着されたチェーン部分とは逆方向に上下動する
チェーン部分には、前記昇降台（6e）の円滑昇降等の目
的を達成するためにバランサ（11）の一端部が取着され
ているが、該バランサ（11）に対しても、前記第１ロー
ラ（9a）及び第２ローラ（9b）の機能と同様の機能を果
たす２個のローラ（12a），（12b）からなる第２被案内
体（12）が付設されている。そして、第２被案内体（1
2）の一方のローラ（12a）は、前記チェーン（6d）が存
在しない他方の昇降案内部材（10）の内面に対して経路
幅方向から接当し、他方のローラ（12b）は、前記他方
の昇降案内部材（10）の内面に対して商品滑降排出方向
から接当するように構成されていて、これら両ローラ
（12a），（12b）が他方の昇降案内部材（10）の内面に
沿って転動案内されることにより、バランサ（11）の平
面的な移動を規制するようになっている。

かかる本案装置にあっては、前記昇降台（6e）側に、第
１被案内体（９）を構成する第１ローラ（9a）〜第４ロ
ーラ（9d）が付設されているため、該昇降台（6e）が１
本の回転無端体であるチェーン（6d）に取着されている
にも拘らず、その昇降時の振れが良好に抑制されること
となる。

尚、上述の実施例においては、縦搬送機構（６）が、商
品貯蔵部（２）から直接的に又は横搬送機構（４）を介
して送り出される商品（Ａ）を受け取り、その受取位置
と異なる高さに設けた商品払出口（５）の高さまで前記
商品（Ａ）を縦搬送する構成となっていたが、縦搬送機
構が商品貯蔵部から送り出される商品のみを受け取って
これを縦搬送機構が商品貯蔵部から横搬送機構を介して
送り出される商品のみを受け取ってこれを縦搬送するタ
イプの自動販売機の商品搬送装置であっても、本考案は
勿論適用できる。

また、上述の実施例においては、昇降台（6e）に傾斜自
在な商品受台（6a）が設けられていたが、かかる傾斜方
式によらずに例えばプッシャ方式によって商品送出が行
われる昇降台を備える自動販売機の商品搬送装置であっ
ても、本考案は勿論適用できる。

また、上述の実施例においては、回動無端体がチェーン
（6d）であったが、該回動無端体は、チェーン以外の回
動無端体（例えばタイミングベルト等）であってもよ
い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動販売機の商品搬送装置の実施
例を示す部分断面正面図、第２図はその縦断側面図、第
３図はその要部を示す水平断面図、第４図は従来装置を
示す水平断面図である。 （２）……商品貯蔵部、（４）……横搬送機構、（５）
……商品払出口、（6a）……商品受台、（6d）……回動
無端体、（6e）……昇降台、（6g）……傾斜案内部材、
（6h）……傾斜案内ローラ、（８），（10）……昇降案
内部材、（９）……第１被案内体、（12）……第２被案
内体、（Ａ）……商品。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】商品貯蔵部（２）から直接的に又は横搬送
   機構（４）を介して送り出される商品（Ａ）を受け取
   り、その受取位置と異なる高さに設けた商品払出口
   （５）の高さまで前記商品（Ａ）を縦搬送すべく、商品
   縦搬送経路に沿って昇降自在に構成された昇降台（6e）
   を有する自動販売機の商品搬送装置であって、 前記商品縦搬送経路の幅方向両側に、一対の昇降案内部
   材（８），（10）を対向配設し、一方の昇降案内部材
   （８）の内面側に沿って回動する１本の回動無端体（6
   d）のうち、互いに逆方向に上下動する回動無端体部分
   に、前記昇降台（6e）とバランサ（11）を取着するとと
   もに、前記昇降台（6e）には、前記両昇降案内部材
   （８），（10）との接当によって当該昇降台（6e）の平
   面的な二次元方向での移動を規制する第１被案内体
   （９）を設け、更に、前記バランサ（11）には、他方の
   昇降案内部材（10）の内面との接当によって当該バラン
   サ（11）の平面的な移動を規制する第２被案内体（12）
   を設けてある自動販売機の商品搬送装置。
2. 【請求項２】前記昇降台（6e）には、前記商品（Ａ）を
   滑降搬出する前傾姿勢に傾斜自在な商品受台（6a）が枢
   支されているとともに、前記両昇降案内部材（８），
   （10）の対向面間には、前記商品受台（6a）に設けられ
   た傾斜案内ローラ（6h）との接当によって、前記商品受
   台（6a）を商品払出口（５）近傍に至るに連れて前傾姿
   勢に傾斜させる傾斜案内部材（6g）の下半部分が入り込
   み状態で配設されている請求項１記載の自動販売機の商
   品搬送装置。