JPH074644B2 - 鋳物砂組成物 - Google Patents

鋳物砂組成物

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JPH074644B2
JPH074644B2 JP61152682A JP15268286A JPH074644B2 JP H074644 B2 JPH074644 B2 JP H074644B2 JP 61152682 A JP61152682 A JP 61152682A JP 15268286 A JP15268286 A JP 15268286A JP H074644 B2 JPH074644 B2 JP H074644B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規な鋳物砂組成物、さらに詳しくいえば鋳
型及び鋳物を製造する際に悪臭を伴う有害ガスを発生す
ることがなく、しかも実用的な強度を有する鋳型を与え
る鋳物砂組成物に関するものである。
従来の技術 最近、鋳物の製造には、有機バインダーを含む鋳物砂で
作成した有機自硬性鋳型が、作業時間の短縮、品質の均
一化などの点で有利なため、多く利用されるようになつ
てきた。
この有機自硬性鋳型は、例えば鋳物砂にフエノール系樹
脂、フラン系樹脂のような粘結剤及び芳香族スルホン酸
のような酸性硬化剤を配合した鋳物砂組成物を用い、こ
れを所定の形状に成形したのち常温で硬化させる方法、
鋳物砂にフエノール樹脂溶液とポリイソシアネート溶液
から成る粘結剤を加えた組成物を成形し、塩基性触媒で
常温硬化させる方法などによつて製造されている。
しかしながら、このような方法で製造される鋳型は、通
常鋳込時に鋳型に含まれる芳香族スルホン酸の熱分解に
より発生する二酸化硫黄ガス、あるいは燃焼しきれずに
揮散する炭化水素系溶剤など悪臭を伴つた有害ガスを発
生し、作業環境を著しく汚染するため、工業的に実施す
る場合には、局所排気設備を設けたり、保護具などを着
用するなどの対策を講じる必要があり、これに伴う経費
の増大、作業能率の低下を免れない。
したがつて、鋳造技術の分野においては、悪臭や有害ガ
スを発生しない鋳物砂組成物の出現が待望されていた。
発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、鋳型及び鋳物製造に際して悪臭や有害
ガスを発生することがなく、しかも十分な強度の鋳型を
与える鋳物砂組成物を提供することである。
問題点を解決するための手段 本発明者らはこのような望ましい鋳物砂組成物を開発す
るために鋭意研究を重ねた結果、ある種のアルカリ性レ
ゾール型フエノール樹脂と特定のアルキレンカーボネー
トは常温で硬化反応を起こして鋳型を与え、しかも得ら
れた鋳型は悪臭を有するガスを発生することなく、従来
の鋳型より著しく優れた低臭性を有する上に、十分な強
度も有し、またこの強度は特定のシランカツプリング剤
の添加によりさらに向上することを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至つた。
すなわち、本発明は、鋳物砂100重量部に対し、モノフ
ェノール類とホルムアルデヒドとを反応させて得られる
アルカリ性レゾール型フェノール樹脂0.5〜20重量部
と、該フェノール樹脂100重量部当り、一般式 (式中のR及びR′はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜
8のアルキル基である)で示されるアルキレンカーボネ
ート5〜70重量部を配合したことを特徴とする鋳物砂組
成物、及びこれに、さらに該フェノール樹脂100重量部
当り、三官能性エポキシ系シランカップリング剤、三官
能性アミノ系シランカツプリング剤及び三官能性メルカ
プト系シランカツプリング剤の中から選ばれた少なくと
も1種のシランカップリング剤0.01〜10重量部を配合し
たことを特徴とする鋳物砂組成物を提供するものであ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明組成物における鋳物砂については特に制限はない
が、通常ケイ砂、オリビンサンド、クロマイトサンド、
ジルコンサンド、アシユランドノーベーク再生砂、グリ
ーンサンド混入培焼再生砂、フラン再生砂などが使用さ
れる。
本発明組成物において用いられるアルカリ性レゾール型
フエノール樹脂(以下レゾール樹脂という)は、モノフ
エノール類とホルムアルデヒドをアルカリ触媒の存在下
に附加縮合反応させて生成する反応混合物を所望に応じ
て固形分濃度40〜70重量%に調節した水溶液、あるいは
メタノール、アセトンなど、又はこれらの有機溶剤と水
との混合物などに溶解させた有機溶剤溶液として供せら
れるものであるが、一般に消防法などの法的規制に拘束
されず、かつ無臭でコスト的に有利な水溶液タイプが好
適に使用される。また、本発明組成物において前記レゾ
ール樹脂は、一般にその数平均分子量が小さくなると硬
化速度が遅くなる傾向にあり、鋳型に十分な強度を付与
することができない性質を示し、このようなレゾール樹
脂を使用する場合には、本発明組成物において硬化反応
の促進作用を呈する、例えばアルカリ金属水酸化物など
のアルカリ性化合物をさらに追加配合しその硬化速度を
調節することが必要である。そこで、このような煩雑さ
を回避するために該レゾール樹脂の数平均分子量として
は、通常200以上、好ましくは300以上に調節しておくこ
とが望ましい。
本発明に係るレゾール樹脂の製造において用いるモノフ
エノール類としては、例えばフエノール、クレゾール、
キシレノール、クミルフエノール、ノニルフエノール、
ブチルフエノール、フエニルフエノールなどが挙げられ
る。これらのモノフエノール類はそれぞれ単独又は2種
以上組み合わせて用いてもよく、また必要に応じてモノ
フエノール類の製造時に副生する例えばクレゾール残査
などの副生物を使用することも可能である。
また、これらのモノフエノール類と附加縮合反応させる
ホルムアルデヒドとしては、通常ホルマリンのような水
溶液が用いられるが、そのほか反応に際してホルムアル
デヒドを発生しうる物質、例えばパラホルムアルデヒ
ド、トリオキサン、ヘキサメチレンテトラミンなども用
いることができ、また必要に応じでグリオキザール、フ
ルフラールなどを併用することも可能である。
これらのホルムアルデヒドの使用量については、通常モ
ノフエノール類1モル当り、0.8〜6モル、好まくは1
〜5モルの範囲で選ばれる。
本発明に係るレゾール樹脂は前記のモノフエノール類及
びホルムアルデヒドを前記の割合で使用し、アルカリ触
媒の存在下、通常40〜100℃の温度で1〜10時間程度反
応させることによつて得られる。
アルカリ触媒としては、例えばアルカリ金属の水酸化
物、酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルカリ土類金属の
水酸化物、酸化物などの無機アルカリ化合物やアミン系
化合物を単独で、あるいは2種以上を併用して用いても
よいが、特にアルカリ金属系化合物に使用される。その
使用量としては、モノフエノール類1モル当り、無機ア
ルカリ化合物の場合には、通常0.01〜1.5モル、好まし
くは0.1〜1.2モル、アミン系化合物の場合には、通常0.
01〜0.5モル、好ましくは0.02〜0.4モルの範囲が実用的
である。
特に、アルカリ金属水酸化物又は酸化物は、前記レゾー
ル樹脂の製造用触媒として使用する以外に必要に応じて
調製した疎水性レゾール樹脂の水溶化処理剤、あるいは
前記したように硬化速度調節剤として調製後のレゾール
樹脂に配合することも可能である。
このアルカリ触媒の代表的なものとしては、例えばKO
H、NaOH、LiOH、Ca(OH)、Ba(OH)、Sr(O
H)、K2O、Na2O、CaO、MgO、Na2CO3、K2CO3、KHCO3
NaHCO3、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリ
エチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミ
ン、水酸化第四級アンモニウム塩、N,N−ジメチルエタ
ノールアミンなどが挙げられるる。
本発明組成物においては、このレゾール樹脂は鋳物砂10
0重量部に対して、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重
量部の範囲で配合される。
この配合量が0.5重量部未満では実用的な鋳型強度が得
られないし、一方、20重量部を超えると粘性が高くなっ
て流動性の低下を招き造型作業に支障を来すなどの不都
合を生じる。
一方、本発明組成物において用いられるアルキレンカー
ボネートは、一般式 (式中のR及びR′は前記と同じ意味をもつ) で示される環状構造を有する炭酸エステルである。
このアルキレンカーボネートの好適な具体例としては、
ジオキソロン−2(通称、エチレンカーボネート)、4
−メチルジオキソロン(通称、プロピレンカーボネー
ト)、4−エチルジオキソロン、4−ブチルジオキソロ
ン、4,5−ジメチルジオキソロン、4−ペンチルジオキ
ソロン4,4′−ジメチルジオキソロンなどが挙げられ
る。
これらのアルキレンカーボネートは、それぞれ単独又は
2種以上の混合物として用いることができるが、特にコ
スト的に低廉で商業的に入手しやすいエチレンカーボネ
ートやプロピレンカーボネートが好適に使用される。
なお、本発明方法は常温硬化を指向しているので、これ
らのアルキレンカーボネートは、通常水溶液又は液状カ
ーボネートと組み合わせて液体として使用することが望
ましく、また必要に応じて、アルコール類、ケトン類な
どの有機溶剤で希釈することも可能である。
このアルキレンカーボネートの配合量は、レゾール樹脂
100重量部当り、5〜70重量部、好ましくは、10〜50重
量部の範囲で選ばれる。
この配合量が5重量部未満では硬化速度が著しく小さい
上に、実用的な鋳型強度が得られず、一方、70重量部を
超えると鋳型強度が低下する。
本発明の鋳物砂組成物の調製方法としては、一般に当該
技術分野で採用されている方法がそのまま適用され、例
えばあらかじめ鋳物砂とアルキレンカーボネートを混合
し、次いでレゾール樹脂を混合する方法、鋳物砂に両成
分を同時に混合する方法、あるいは鋳物砂にレゾール樹
脂を混合し、次いでアルキレンカーボネートを混合する
方法などが挙げられる。
本発明組成物におけるレゾール樹脂とアルキレンカーボ
ネートとの組合せから成る結合剤組成物は、アルカリ性
化合物の触媒作用によつて速やかな常温硬化反応を惹起
し実用的な硬化物を形成する性質を有するものである
が、触媒として前記アミン系化合物を単独で用い、又は
少量の無機アルカリ化合物を用いて製造したレゾール樹
脂、あるいはフラン再生砂のように酸性の強い鋳物砂な
どを用いる場合には、一般に鋳型の製造において、硬化
速度が遅い傾向にあるため、前記の方法に代わる他の方
法として、鋳物砂組成物調製時に、例えばアルカリ金属
水酸化物などの無機アルカリ化合物や第三級アミンなど
のアミン系化合物を用いて硬化速度を調節することも可
能である。。
本発明組成物においては、硬化速度や鋳型強度などの鋳
型特性を向上させるために、所望に応じ、特定のシラン
カツプリング剤が配合されるが、このものは異なつた反
応基を有する有機ケイ素化合物であり、反応基の1つ
は、ケイ砂などの無機質物質と化学結合する例えばメト
キシ基、エトキシ基、フエノキシ基などの反応基で、も
う1つの反応基は、レゾール樹脂などの有機質物質と化
学結合するエポキシ基、アミノ基、メルカプト基などの
反応基である。
このようなシランカツプリング剤としては、例えば、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ンなどの三官能性エポキシ系シラン、N−β−(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フエニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシランなどの三官能性ア
ミノ系シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ランなどの三官能性メルカプト系シランが挙げられる。
これらのシランカツプリング剤はそれぞれ単独又は2種
以上組合せて用いてもよく、また添加量としてはレゾー
ル樹脂100重量部当り、0.01〜10重量部、好ましくは0.0
5〜5重量部の範囲で選ばれる。
この配合量が0.01重量部未満では鋳型強度の向上は認め
られないし、一方、10重量部を超えるとその量の増加に
見合う鋳型強度の向上が認められずむしろコストの上昇
を招くのみになる。
本発明の鋳物砂組成物を調製するに際し、前記シランカ
ップリング剤を配合する方法や時期については、特に制
限はなく、例えば(1)レゾール樹脂やアルキレンカー
ボネート中にシランカップリング剤を加えて溶解混合し
ておき、次いでこれを鋳物砂に添加混合する方法、
(2)予め鋳物砂とシランカップリング剤を添加混合し
ておき、次いで粘結剤成分を添加混合する方法、(3)
鋳物砂に粘結剤成分と同時にシランカップリング剤を添
加混合する方法などが採用される。
なお、三官能性アミノ系シランカップリング剤はアルキ
レンカーボネート中に溶解混合した場合、経時によつて
白濁沈殿物を生じるために、レゾール樹脂に溶解混合す
ることが好ましい。
さらには、本発明の鋳物砂組成物には、前記した成分の
ほかに従来から一般的に使用されている任意の添加剤、
例えば砂鉄、ベンガラ、木粉、あるいは含ハロゲン有機
化合物や芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩などの鋳型
崩壊性向上剤などを本発明の目的を損わない範囲で配合
することができる。
また、本発明組成物から得られる鋳型には、当該技術分
野において一般的に使用されている黒鉛系、ジルコン
系、シリカ系、酸化マグネシウム系塗型などを必要に応
じて塗工して鋳造に供することも可能である。
作用 本発明において鋳物砂にアルカリ性レゾール樹脂とアル
キレンカーボネートを添加混合して、実用上十分使用可
能な低臭性有機鋳型が得られる理由は、必ずしも明確な
ものではないが次のように推定される。
すなわち、レゾール樹脂に結合しているアルカリ成分の
触媒的作用に基づくアルキレンカーボネートの常温分解
により生成した二酸化炭素は、前記アルカリ成分と中和
反応を行う際にレゾール樹脂を励起し、その際に生じる
反応熱と相俟つてレゾール樹脂自体又は前記分解により
生成した有機残基などとの複雑な硬化反応、あるいは前
記中和反応による炭酸金属塩の生成固化と相俟つて惹起
するレゾール樹脂の凝縮増粘ないしは固化などの一種の
凝結作用によつて鋳型が形成され、さらに使用するシラ
ンカップリング剤は、鋳物砂と粘結剤との結合力を大幅
に向上せしめ、優れた鋳型強度などを有する強固な鋳型
を提供するものと推考される。
さらに本発明組成物から得られる鋳型は鋳込時に熱履歴
をうけるため、レゾール樹脂の硬化反応が一段と進行し
て耐熱性を向上せしめ実用に耐えうるものとなる。また
前記の説明で明らかなように、従来技術における芳香族
スルホン酸や炭化水素系溶剤などに起因するような有害
ガスの発生もなく、また必要に応じて使用する有機溶剤
も完全燃焼しやすいものであるため、従来技術の鋳型を
用いるよりも大幅に臭気は軽減し、作業環境の悪化を防
止できるものと推察される。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらの例によつてなんら限定されるものではな
い。
なお、レゾール樹脂の数平均分子量は次のようにして測
定した。
すなわち、レゾール樹脂をギ酸を用いてPH5〜6に調整
したのち、テトラヒドロフランを加えて溶解し、試料と
した。この試料について、高速液体クロマトグラフイ
〔東洋曹達(株)製、カラムG1000H8、G2000H8〕を使用
して、数平均分子量を測定した。
製造例1 冷却器、かきまぜ装置を備えた四ツ口フラスコに、フエ
ノール1000g、水酸化カリウム50重量%水溶液715gを入
れ、47重量%ホルムアルデヒド水溶液1358gを分液ロー
トで滴下しながら、投入したのち、75℃に昇温して、1
時間、3時間、5時間、7時間反応させ、それぞれアル
カリ性レゾール型フエノール樹脂である粘結剤A,B,C,D
を得た。各粘結剤の特性を第1表に示す。
製造例2 冷却器、かきまぜ装置を備えた四ツ口フラスコに、フエ
ノール1000g、47重量%ホルムアルデヒド水溶液1358g、
トリエチルアミン32gを入れ、75℃で3時間反応して、
粘結剤Eを得た。この粘結剤Eの数平均分子量は180、
固型分濃度62重量%、粘度は50cp/25℃であつた。
実施例1〜6 石見5号砂3000gと50重量%エチレンカーボネート水溶
液36g(実質配合量18g、30重量%/レゾール樹脂)を秤
取したのち、これらを品川式卓上ミキサー中で30秒間混
合し、次いで製造例1で得られた粘結剤A60gを添加し、
さらに30秒間混合して鋳物砂組成物を調製した。(実施
例1用鋳物砂組成物)また実施例1と同様にして、第2
表に示すアルキレンカーボネートと粘結剤の組合せに従
つて5種類の鋳物砂組成物を調製した。(実施例2〜6
用鋳物砂組成物)得られた前記鋳物砂組成物は、ただち
に多数の抗圧力試験片(径50mm×高さ50mm、以下鋳型と
いう)を同時に作成可能な木型に手込め充填して室温に
放置した。その後、所定経過時間ごとに抜型してその強
度(抗圧力)を測定した結果は、第2表に示すとおりで
あつた。
第2表に示されるように、レゾール樹脂の数平均分子量
が小さくなると硬化速度が遅く、鋳型強度も低くなる傾
向を示し(実施例1、2、3及び6)またはエチレンカ
ーボネートを用いた鋳物砂組成物(実施例3)はプロピ
レンカーボネートの鋳物砂組成物(実施例5)より鋳型
の初期強度が高く、すなわち硬化速度が速く、逆に最終
強度は若干低くなる傾向を示し、速硬性の性質を有する
ことなどが認められた。
実施例7〜17 石見5号砂3000g、プロピレンカーボネート13.5g(30重
量%/レゾール樹脂)を秤取したのち、これらを品川式
卓上ミキサー中で30秒間混合し、次いで製造例1で得ら
れた粘結剤Cに対し、第3表に示すシランカップリング
剤0.5重量%を添加混合したものを45g添加し、さらに30
秒間混合して得られる鋳物砂組成物を10種類調製した。
また同様にしてシランカップリング剤を用いない鋳物砂
組成物を併せて調製した。
これらの鋳物砂組成物を使用し、実施例1〜6に記載し
た方法に基づいて作成し得られた鋳型の抗圧力測定結果
は第3表に示すとおりであつた。
第3表に示されるように、三官能性エポキシ系シランカ
ップリング剤(実施例7,8)三官能性アミノ系シランカ
ップリング剤(実施例10,11)三官能性メルカプト系シ
ランカップリング剤(実施例13)は、シランカップリン
グ剤を用いない鋳物砂組成物(実施例17)及び、二官能
性エポキシ系シランカップリング剤(実施例9)、二官
能性アミノ系シランカップリング剤(実施例12)、メタ
クリロキシ系シランカップリング剤(実施例14)、ウレ
イド系シランカップリング剤(実施例15)、ビニル系シ
ランカップリング剤(実施例16)よりも、非常に優れた
鋳型特性を有する鋳型を提供し、鋳型強度の向上により
効果的であることが認められた。なお、メルカプト系シ
ランカップリング剤を使用した場合、他のシランカップ
リング剤に比べて、わずかに臭気が感じられたが、実用
上、差支えない程度のものであつた。
実施例18〜23 石見5号砂3000g、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン0.23g(約0.5重量%/レゾール樹脂)及びエ
チレンカーボネート/プロピレンカーボネート等量混合
物(重量比)を粘結剤Cに対し、第4表に示す配合割合
で秤取したのち、これらを品川式卓上ミキサー中で30秒
間混合し、次いで製造例1で得られた粘結剤C45gを添加
し、さらに30秒間混合して得られる鋳物砂組成物を6種
類調製した。
これらの鋳物砂組成物を使用し、実施例1〜6において
記載した方法に基づいて作成し、得られた鋳型の抗圧力
測定結果は第4表に示すとおりであつた。
第4表に示されるように、レゾール樹脂に対する前記カ
ーボネートの配合割合が5重量%未満である鋳物砂組成
物から得られる鋳型は、非常に強度の低いものであるこ
とが認められた(実施例18)。
実施例24、25 石見5号砂3000gに、プロピレンカーボネートに対し、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン約1.7重
量%を添加混合したもの14gを添加(シラン添加量約0.5
重量%/粘結剤E、カーボネート配合量約30重量%/粘
結剤Eに相当する)したのち、品川式卓上ミキサー中で
30秒間混合し、次いで製造例2で得られた粘結剤E45gを
添加し、さらに30秒間混合して鋳物砂組成物を得た。こ
の組成物を実施例1〜6と同様にして型込めし、所定時
間毎に抗圧力を測定した(実施例24)。
また、粘結剤Eを添加し均一に混合したのち、50重量%
水酸化カリウム水溶液18gを添加する以外は、上記実施
例24と同様にして実験を行つた(実施例25)。これらの
結果は第5表に示すとおりであつた。
第5表に示されるように、数平均分子量が200未満であ
る粘結剤を用いても、鋳物砂混合時に無機アルカリ性化
合物を追加すれば、実用上、支障のない硬化速度と鋳型
強度が得られることが分かる。
発明の効果 以上の説明より明らかなように、本発明の鋳物砂組成物
から得られる鋳型は、実用上支障のない鋳型強度を有
し、溶融金属の注湯に際しても従来技術のような悪臭を
有するガスの発生を伴わないため、快適な作業環境が維
持される。さらにかかる作業環境の改善に伴い、作業能
率が向上するばかりでなく、公害対策費などの経済的損
失を軽減することができるという優れた効果を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳物砂100重量部に対し、モノフェノール
    類とホルムアルデヒドとを反応させて得られるアルカリ
    性レゾール型フェノール樹脂0.5〜20重量部と、該フェ
    ノール樹脂100重量部当り、一般式 (式中のR及びR′はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜
    8のアルキル基である)で示されるアルキレンカーボネ
    ート5〜70重量部を配合したことを特徴とする鋳物砂組
    成物。
  2. 【請求項2】鋳物砂100重量部に対し、モノフェノール
    類とホルムアルデヒドとを反応させて得られるアルカリ
    性レゾール型フェノール樹脂0.5〜20重量部と、該フェ
    ノール樹脂100重量部当り、一般式 (式中のR及びR′はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜
    8のアルキル基である)で示されるアルキレンカーボネ
    ート5〜70重量部と、三官能性エポキシ系シランカップ
    リング剤、三官能性アミノ系シランカップリング剤及び
    三官能性メルカプト系シランカップリング剤の中から選
    ばれた少なくとも1種のシランカップリング剤0.01〜10
    重量部を配合したことを特徴とする鋳物砂組成物。
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JPS58154433A (ja) * 1982-01-21 1983-09-13 ボ−ドン(ユ−ケイ)リミテツド 鋳造用鋳型および中子の製造方法

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JPS58154433A (ja) * 1982-01-21 1983-09-13 ボ−ドン(ユ−ケイ)リミテツド 鋳造用鋳型および中子の製造方法

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JPS6310038A (ja) 1988-01-16

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