JPH074620U - 鋼製床型枠受下地材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 デッキプレートやフラットデッキを用いた鋼
製床型枠の下部に発生する溝と梁等による空隙を簡単に
能率よく密閉することのできる受下地材を提供する。 【構成】 デッキプレート１の下面溝２と直交する梁３
との間に生じる空隙を密閉する受下地材７を、耐火材を
用いて空隙に適合する形状に打抜き形成し、空隙に対し
て充填するだけで密閉することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、鉄筋、鉄骨造りの建築物において、鋼製床型枠または合成床構造 として用いるデッキプレート及びフラットデッキと、鋼製梁や外壁及び間仕切り 板等の接合部分に生じる空隙を閉鎖する耐火性の受下地材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

デッキプレート及びフラットデッキを用いて床を構築した場合、その下面の溝 と直交する鋼製梁、外壁、間仕切り等の接合部分に溝の形状の空隙が発生し、こ の空隙は火炎発生時に火炎が侵入しないように耐火性の受下地で閉鎖することが 義務づけられている。

【０００３】 従来、上記空隙を閉鎖する受下地は、ロックウール等の耐火材を用い、作業者 が施工現場において、空隙に合わせた形状にカッター等で手加工によって切断し 、これを空隙に充填した後、その上からロックウール等を耐火被覆材として吹き つけるようにしていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、耐火材を手加工で切断加工する方法は、切断作業に手間と時間がか かり、工期を遅らす原因となると共に、切断形状が安定せず、空隙に隙間ができ 、確実な密閉を行なうことができないという問題がある。

【０００５】 また、耐火材は切断時に多量の無機繊維が飛散し、手加工での切断は作業者の 衛生上好ましくない。

【０００６】 そこで、この考案の課題は、耐火材を空隙の形状に打抜き形成し、空隙の閉鎖 を確実に、しかも早くきれいに施工することができ、量産によるコストダウンが 図れると共に、作業者の衛生に支障を与えることのない鋼製床型枠受下地材を提 供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記のような課題を解決するため、この考案は、所定の厚みを有する耐火材を 、鋼製床型枠の下部に生じる空隙に適合する形状に打抜き形成した構成を採用し たものである。

【０００８】 この下地材において、その表面に耐火塗料を塗布することもできる。

【０００９】

【作用】

受下地材は、耐火材を空隙に適合する形状に打抜き形成したので、空隙に嵌め 込むだけで空隙を隙間のないよう密閉することができ、作業性の簡略化と作業者 の衛生面の充実を図ることができる。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

【００１１】 図１はデッキプレートを用いた合成床構造を示し、デッキプレート１の下部を 下面の溝２と直交する梁３で支持し、デッキプレート１上にコンクリート４が打 設される。

【００１２】 上記デッキプレート１の下面と梁３の間には、溝２と等しい形状の空隙が発生 する。

【００１３】 なお、図示省略したが、デッキプレートの下部に溝と直交状態で配置される外 壁や間仕切りにおいても、上記と同様の空隙が発生する。

【００１４】 図２はフラットデッキを用いた合成床構造を示し、フラットデッキ５の下部を 下面の溝６と直交する梁３で支持し、フラットデッキ５上にコンクリート４が打 設される。

【００１５】 上記フラットデッキ５の下面と梁３の間には、溝６と等しい形状の空隙が発生 し、フラットデッキ５の下部に溝６と直交するよう配置される外壁や間仕切りに おいても同様の空隙が発生する。

【００１６】 上記デッキプレート１及びフラットデッキ５の溝２，６によって発生する空隙 は、耐火性の受下地材を用いて密閉される。

【００１７】 図４はデッキプレート１の空隙を密閉する受下地材７を、また図５はフラット デッキプレート５の空隙を密閉する受下地材７ａを示している。

【００１８】 これらの受下地材７，７ａは所定厚みの耐火材、例えばロックウール、セラミ ックブランケット、ガラスウールを用い、空隙の形状と大きさに一致する金型を 用いてプレスで打抜くことによって形成される。

【００１９】 デッキプレート１及びフラットデッキ５は、製造メーカによって溝２，６の形 状が異なるが、受下地材７，７ａは、これら溝２，６の形状に合うよう製作した 金型を用いて打抜き、多種類を製作することによって対応することができる。

【００２０】 上記受下地材７，７ａの厚みは、使用する部分に合わせて選択すればよいと共 に、図４の如く、受下地材７，７ａの一方の表面には、ロックウール等を用いた 耐火塗料８を塗布することができる。

【００２１】 この考案の受下地材は上記のような構成であり、デッキプレート１やフラット デッキ５を用いた合成床構造において、溝２又は６と、これと直交する梁３や外 壁、間仕切りによって発生した空隙に対し、この空隙に適合した形状と寸法の受 下地材７又は７ａを選び、空隙内に受下地材７又は７ａを充填すれば、図１乃至 図３の如く、空隙を耐火状に密閉することができ、必要ならば受下地材７又は７ ａの外表面に耐火塗料を吹付けるようにしてもよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように、この考案によると、デッキプレートやフラットデッキの溝によ って生じた空隙の密閉が、空隙に適合する受下地材を充填するだけでよく、密閉 作業が簡単に能率よく行なえると共に、受下地材は金型による打抜きによって形 成されているので、現場での切断加工が一切不要となり、作業者の衛生面の充実 を図ることができる。

【００２３】 また受下地材は、空隙に合うよう金型で打抜き形成されているので、空隙の完 全充填による密閉が可能になり、空隙密閉の仕上りが美しくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】デッキプレートを用いた合成床構造の縦断面
図。

【図２】フラットデッキを用いた合成床構造の縦断面
図。

【図３】図１の矢印III −III に沿う縦断側面図。

【図４】デッキプレートに用いる受下地材の斜視図。

【図５】フラットデッキに用いる受下地材の斜視図。

【符号の説明】

１ デッキプレート ２，６ 溝 ３ 梁 ４ コンクリート ５ フラットデッキ ７，７ａ 受下地材 ８ 耐火塗料

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の厚みを有する耐火材を、鋼製床型
   枠の下部に生じる空隙に適合する形状に打抜き形成した
   ことを特徴とする鋼製床型枠受下地材。
2. 【請求項２】 所定の厚みを有する耐火材を、鋼製床型
   枠の下部に生じる空隙に適合する形状に打抜き形成し、
   その表面に耐火塗料を塗布したことを特徴とする鋼製床
   型枠受下地材。