JPH0745678Y2 - コンクリート塗装用こて装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は掘削や発破により形成されたトンネルの内壁
をコンクリートで覆工するためのコンクリート塗装用こ
て装置に関するものである。

（従来の技術） 従来は、掘削または発破により形成されたトンネルの内
壁面が崩壊したり、亀裂や水漏れが発生するのを防止す
るため、吹付機によりトンネルの内壁面にコンクリート
やモルタルの覆工層を形成するようにしていた。

（考案が解決しようとする課題） そのように吹付機によりコンクリートやモルタル等を吹
付けた場合には、吹付機のノズルから急激な空中への放
出によるセメント類を含んだ水による霧の発生や、コン
クリートの跳ね返りによるコンクリート粉塵により、ト
ンネル内の環境雰囲気を悪くし、特に人体に対して影響
が悪く、また吹付装置では、既塗装面に対しても吹付が
行われたりして吹付層が均一に成らず、無駄も生じて出
来映えがよくない、といった不具合を呈していた。

また特開昭61-109864号公報に示すように、自走自在な
作業機先端にこてを設けたコンクリート覆工装置も公知
であるが、コンクリート硬化剤を使用していないために
コンクリート塗り付け後のコンクリートの硬化に時間を
要し効率が悪い。

この考案は上記不具合を解決することをその目的とす
る。

（課題を解決するための手段及び作用） この考案は上記目的を達成するために、自走自在な作業
車の作業機先端に、コンクリート供給管より供給された
コンクリートをトンネル内壁面に塗り付けるこてを設け
たコンクリート覆工装置において、上記こてのコンクリ
ート供給部の内部にリボン状のスパイラルを嵌着すると
共に、上記供給部の上端近くにコンクリートを硬化する
急結剤の流入パイプを設け、コンクリートポンプで圧送
されたコンクリートをリボン状のスパイラルで強制的に
回転させるようにし、コンプレッサによって流入パイプ
を通ってコンクリート供給部内に圧送される硬化剤とコ
ンクリートをスパイラルの軸に沿う前後方向並びに半径
方向に移動させ両者を十分に混練させながら、塗装面に
噴出させてコンクリートの塗り付けをすることにより、
コンクリート塗り付け後のコンクリートの硬化を速やか
に行なうようにしたものである。

（実施例） この考案の一実施例を図面を参照して詳述する。

図において１は履帯式足まわり２により自走自在な作業
車で、下部走行体３上に上部旋回体４が旋回自在に設け
られている。

上記上部旋回体４にはエンジンなどを収容した動力室５
と運転室６が設けられていると共に、運転室６の前側に
は、ブームシリンダ７により起伏自在なブーム８と、こ
のブーム８の先端にアームシリンダ９により回動自在な
アーム10よりなる作業機Ａが装着されていて、上記作業
機Ａのアーム10先端に覆工装置の本体11が取り付けられ
ている。

そして上記本体11にこて12の角度が任意に可変できるこ
て角度可変機構が設けられている。

13はコンクリートホースを示す。

そして上記こて12は第２図に示したようにコンクリート
ホース13に連通する側の面にコンクリート供給部14を有
しており、該コンクリート供給部14の内部には第３図に
示したようにリボン状のスパイラル15が嵌着されてい
る。

16はコンクリート供給部14の上部近くに設けられた急結
剤供給パイプであり、急結剤等のコンクリート硬化剤を
図示しないコンプレッサによって該供給パイプ16を通っ
てコンクリート供給部14の内部にエアによって圧送す
る。

従って図示しないコンクリートポンプによりコンクリー
トホース13を通り圧送されたコンクリートは、こて12の
入口においてコンクリート供給部14内に装着されたリボ
ン状のスパイラル15によって強制的に回転させられ、同
時にコンプレッサによって供給パイプ16よりエアで圧送
されてきた急結剤等の硬化剤と強制的に回転混合されな
がらコンクリート供給口を通ってこての塗付け面に吐出
され、コンクリートの覆工が行われることになる。

このようにこの考案の実施例によれば急結剤が容易にコ
ンクリートに混合されるので、塗り付け後のコンクリー
トの硬化時間を著しく短縮することができる。

（考案の効果） この考案は上述したようにしてなり、こてのコンクリー
ト供給部内に急結剤をコンプレッサで圧送し、コンクリ
ート供給部内部に装着したリボン状のスパイラルによっ
てコンクリートと急結剤とを強制的に回転、混合させる
ようにしたので、コンクリートに急結剤が容易に混合さ
れて、コンクリート塗り付け後のコンクリートの硬化の
短縮を図ることができる。

そしてこの考案ではスパイラルをリボン状の構造とした
ことにより、コンクリートと硬化剤はスパイラルに沿っ
て前方へ移動するが、その際コンクリート供給部には軸
がなく、いわゆる中空であるため、前後方向のみならず
半径方向にも移動可能なので、コンクリートと硬化剤と
は十分な混練される。

従って塗り付け後のコンクリートの硬化剤が促進され、
覆工を速やかに効率よく行うことができる。

このようにこの考案によればこてを用いることによっ
て、コンクリート跳ね返りロスや粉塵をなくすと共に、
コンクリートと硬化剤とが容易に混合されるので、コン
クリートの覆工を速やかに効率よく行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のこてを装着した作業車の全体図、第
２図はこの考案のこて装置の一実施例の斜視図、第３図
は第２図の要部の詳細を拡大して示した断面図である。 １……作業車、Ａ……作業機 12……こて、14……コンクリート供給部 15……リボン状のスパイラル、16……硬化剤供給パイプ

フロントページの続き (72)考案者 畔高 伸一 東京都新宿区津久戸町２番１号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)考案者 植松 澄夫 東京都新宿区津久戸町２番１号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)考案者 中北 昭浩 東京都新宿区津久戸町２番１号 株式会社 熊谷組東京本社内 (56)参考文献 特開 昭61−109864（ＪＰ，Ａ) 特公 昭54−24741（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自走自在な作業機先端に、コンクリート供
   給管より供給されたコンクリートをトンネル等の内壁面
   に塗り付けるこてを設けたコンクリート覆工装置におい
   て、上記こてのコンクリート供給部の内部にリボン状の
   スパイラルを嵌着すると共に、上記供給部の上端近くに
   コンクリート硬化剤をコンクリート供給部内部に圧送さ
   せるための流入パイプを設けたことを特徴とする、コン
   クリート塗装用こて装置。