JPH0131339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の目的） 本考案は隧道内壁面等のコンクリート吹付作業
の安全確保および作業の効率化を目的としたコン
クリート吹付ロボツトに関する。

（従来技術） 従来、隧道内面のコンクリート吹付けは隧道内
に足場を構築し、人力によつて吹付けノズルを手
持ちで操作していたので、コンクリートの飛沫を
浴びるなどして極めて危険かつ不衛生であるばか
りか、多大な労力と非能率な作業の上に、均一な
吹付けが因難で、仕上りも粗悪の上、コンクリー
トの浪費が大きかつた。またシヨベルカーのアー
ム先端にノズルを取付けたものもあるにはあつた
が、操作が不円滑のため均一な吹付けができず、
これまた非能率の上に仕上りも粗悪で、コンクリ
ートの無駄も多いものであつた。

（考案の構成） 本考案は上述の不具合に鑑み、走行台車上に水
平調整自在に設けたメインブームに油圧装置によ
り駆動されるスライドブームを設け、このスライ
ドブームの先端に旋回自在に設けた伸縮自在のア
ームの先端に首振り装置を介して吹付ノズルを取
付け、これらの一連の動作の制御盤を走行台車上
に運転席とともに配設したもので、本考案を実施
例の図によつて説明する。

第１図および第２図において、コンクリート吹
付ロボツト１は、無限軌道２，２を有する走行台
車３上に、支柱４およびレベル調整装置５を介し
てメインブーム６を載設し、このメインブーム６
の前方（第１図で左方）に出入摺動自在のスライ
ドブーム７を嵌装し、このスライドブーム７の先
端に旋回装置８を設け、この旋回装置８の旋回軸
９の先端に旋回軸９と直交して旋回アーム１０を
固定し、この旋回アーム１０に伸縮自在の伸縮ア
ーム１１を嵌装し、この伸縮アーム１１の先端に
首振り装置１２およびノズル傾斜装置１４を介し
て吹付ノズル１３を取付ける。

前記メインブーム６の後方（第１図で右方）に
は運転席１５を設け、この運転席１５に併設して
前記各装置の動作を制御する制御盤１６を取付
け、運転席１５の背後にはモーター１７を備えた
油圧ユニツト１８を設ける。

また、本実施例では走行台車３はキヤタピラ
２，２による無限軌道車としたが、必らずしも無
限軌動車とは限らず、タイヤ車輪による走行台車
若しくは軌条上を走行する鉄車輪による走行台車
（何れも図示略）としても構わないことは勿論で
ある。

なお、図中１９は旋回用シリンダー、２０はド
ラム、Ｔは隧道周壁面、Ｆは隧道床面を示す。

（考案の作用） 本考案の作用を実施例の図によつて説明する
と、第１図乃至第３図において、コンクリート吹
付ロボツト１の運転席１５に操作員（図示略）が
載つて、無限軌道２，２を駆動して隧道床面Ｆの
ほぼ中心線（図示略）上を前進し、コンクリート
吹付け予定の隧道周面Ｔ附近のほぼ中央部に走行
台車３のメインブーム６の軸心を合致させて停止
し、レベル調整装置５を操作してメインブーム６
をほぼ水平に設定する。次にスライドブーム７を
所望の位置まで突出させ、伸縮アーム１１を伸縮
させて先端の首振り装置１２に取付けた吹付ノズ
ル１３の先端と隧道周面Ｔとの距離ｄとを適宜に
調節して準備を完了する。

準備が完了したら吹付ノズル１３からコンクリ
ートを所定の圧力で噴出させながら、スライドブ
ーム７の出入運動と、旋回アーム１０の旋回とさ
らに首振り装置１２により吹付ノズル１３に首振
り運動を加味させて鎖線（第３図）で示す自動吹
付パターンＰのように吹付ノズル１３の先端の運
動の軌跡となるように前記各作動装置を制御盤１
６により精密に制御される。吹付け幅Ｗだけ隧道
周面Ｔ上へのコンクリート吹付けが完了すると、
スライドブーム７が吹付け幅Ｗだけ引込んで次の
吹付け幅Ｗだけの吹付けを行う。

スライドブーム７が十分に引込み引込む余裕が
なくなると、走行台車３が矢印Ｂ方向に後退し、
再びスライドブーム７を突出させて、前記と同様
に尺取り虫運動をしながら吹付けを続行する。

なお、ノズル傾斜装置１４により、吹付ノズル
１３を掘削面の凹凸に対応し、常に直角に保つこ
とができ、更に前傾させれば鏡面の吹付けもでき
る。

（考案の効果） 本考案は走行台車上に前後摺動自在のスライド
ブームの先端に旋回装置を介して伸縮自在の伸縮
アームを設け、この伸縮アームの先端に首振り装
置を介して吹付ノズルを設け、これらの装置を走
行台車上の運転室から制御盤を介して駆動操作自
在にしたので、隧道周面のコンクリート吹付作業
が極めて安全かつ衛生的にしかも労力が著しく軽
減された効果は大きく、また自動制御による吹付
けのためコンクリートの均一な吹付けができるば
かりでなく、コンクリートの無駄がなくなつた経
済的効果も極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の略線側面図、第２図
は同、略線正面図、第３図は本考案の作用説明斜
視図である。 主要部分の符号の説明、１……コンクリート吹
付ロボツト、３……走行台車、５……レベル調整
装置、６……メインブーム、７……スライドブー
ム、８……旋回装置、１１……伸縮アーム、１２
……首振り装置、１３……吹付ノズル、１４……
ノズル傾斜装置、１６……制御盤、１８……油圧
ユニツト、Ｔ……隧道周面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 走行台車３上に水平調整自在に設けたメイン
   ブーム６の先方に走行台車３の軸心方向に出入
   自在にスライドブーム７を嵌装し、このスライ
   ドブーム７の先端に設けた旋回装置８を介して
   前記軸心と直角方向に回動自在の旋回アーム１
   ０を取付け、この旋回アーム１０に伸縮自在に
   嵌挿した伸縮アーム１１の先端に吹付ノズル１
   ３を首振り自在に取付け、これらの各装置を走
   行台車３上の制御盤１６および油圧ユニツト１
   ８を介して駆動操作自在にしたことを特徴とす
   るコンクリート吹付ロボツト。 (2) 伸縮アーム１１の先端に首振り装置１２およ
   びノズル傾斜装置１４を介して吹付ノズル１３
   を取付けたことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のコンクリート吹付ロボツ
   ト。