JPH0745221A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH0745221A
JPH0745221A JP6129860A JP12986094A JPH0745221A JP H0745221 A JPH0745221 A JP H0745221A JP 6129860 A JP6129860 A JP 6129860A JP 12986094 A JP12986094 A JP 12986094A JP H0745221 A JPH0745221 A JP H0745221A
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Naohito Nakamura
尚人 中村
Hideaki Mitsutake
英明 光武
Toshihiko Miyazaki
俊彦 宮崎
Tadashi Kaneko
正 金子
Masahiro Tagawa
昌宏 多川
Tomokazu Ando
友和 安藤
Yoshiyuki Osada
芳幸 長田
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面伝導型電子放出素子を用いた画像形成装
置を提供する。 【構成】 複数の電子放出素子が設けられた基板1と、
蛍光面9が設けられたフェースプレート10とを、基板
1から突出した素子側リブ11とフェースプレート10
の蛍光面9より突出した蛍光面側リブ12にスペーサー
7が接するようにして配置した画像形成装置。 【効果】 スペーサーの位置ずれによる電子放出素子や
蛍光面の損傷が防止でき、長期的に安定した画像が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子放出素子、特に表
面伝導型電子放出素子を用いた画像表示装置や記録装置
等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子源と冷
陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源には
電界放出型(以下、「FE型」と称す。)、金属/絶縁
層/金属型(以下、「MIM型」と称す。)や表面伝導
型電子放出素子(以下、「SCE」と称す。)等があ
る。
【0003】FE型の例としては、W.P.Dyke
& W.W.Dolan,“Field emissi
on”,Advance in Electron P
hysics,8,89(1956)やC.A.Spi
ndt,“Physicalproperties o
f thin−film field emissio
n cathodes with molybdenu
m cones”,J.Appl.Phys.,47,
5248(1976)等が知られている。
【0004】MIM型の例としては、C.A.Mea
d,“The tunnel−emission am
plifier”,J.Appl.Phys.,32,
646(1961)等が知られている。
【0005】SCEの例としては、M.I.Elins
in,Radio Eng.Electron Phy
s.,10,(1965)等がある。
【0006】SCEは基板上に形成された小面積の薄膜
に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生
ずる現象を利用するものである。
【0007】このSCEとしては、前記エリンソン等に
よるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:“Thin Solid Fi
lms”,9,317(1972)]、In23 /S
nO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad:“IEEE Trans.
ED Conf.”,519(1975)]、カーボン
薄膜によるもの[荒木久他:真空、第26巻、第1号、
22頁(1983)]等が報告されている。ほかにも本
出願人が先に提案した、微粒子を用いたSCEの例があ
る(USP5066883号明細書)。これらのSCE
は、素子構造が簡単である、電子放出の応答速度が速
い、等の特長を持っている。
【0008】上記SCEの典型的な素子構成として前述
のM.ハートウェルの素子構成を図19に示す。同図に
おいて111は絶縁性基板である。113は電子放出部
形成用薄膜で、スパッタで形成されたH型形状金属酸化
物薄膜等からなり、後述のフォーミングと呼ばれる通電
処理により電子放出部112が形成される。
【0009】従来、これらのSCEにおいては、電子放
出を行う前に電子放出部形成用薄膜113を予めフォー
ミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部112を
形成するのが一般的であった。即ち、フォーミングとは
前記電子放出部形成用薄膜113の両端に電圧を印加通
電し、電子放出部形成用薄膜を局所的に破壊、変形もし
くは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出
部112を形成することである。尚、電子放出部112
は電子放出部形成用薄膜113の一部に亀裂が発生しそ
の亀裂付近から電子放出が行われる場合もある。以下フ
ォーミングにより形成した電子放出部を含む電子放出部
形成用薄膜113を電子放出部を含む薄膜と呼ぶ。
【0010】前記フォーミング処理をしたSCEは、上
述電子放出部を含む薄膜113に電圧を印加し、素子表
面に電流を流すことにより上述電子放出部112より電
子を放出せしめるものである。
【0011】図20は上述の電子放出部から放出される
電子の放射特性評価装置を示した断面図であり、111
は絶縁性基板、114及び115は素子電極、113は
電子放出部を含む薄膜、112は電子放出部を示し、1
16はガラス基板、117は透明導電膜からなるアノー
ド電極、118は電子照射により可視光を発する蛍光
膜、119はSCEに電圧を印加するための電源、12
0はアノード電極117に電圧を印加するための高圧電
源である。素子電極114及び115には電源119を
接続し、該SCEの上方に電源120を接続したアノー
ド電極117を配置している。アノード電極117及び
蛍光膜118を有するガラス基板116と該SCEは真
空装置内に設置されている。
【0012】上述の評価装置において、素子電極11
4,115間に電圧を印加して電子放出部112より電
子を放出させ、アノード電極117を数百Vから数千V
の電圧を印加すると、放出電子は、絶縁性基板111の
面に対する電子放出部112からの法線(図中の1点鎖
線)に対して、該SCEに印加した電圧の正極側(図2
0では素子電極115側)にずれて飛翔し(以後これを
偏向と呼ぶ)、図中の矢印付点線の軌道をとり、蛍光膜
118上の発光部中心は該法線上からずれる。
【0013】上述の放射特性は、絶縁性基板111に平
行な面内での電位分布が、電子放出部112に対して非
対称になることによるものと考えられ、SCEに固有の
特性である(但し、FE,MIM型でも構成によっては
この特性を示す)。
【0014】このようなSCEを複数個配置したマルチ
素子及びパネル構成については、例えば本出願人による
USP5066883号明細書等に記載がある。
【0015】上述したような電子放出素子は、10-6
orr程度以上に真空中で動作させることから、該電子
放出素子を用いて画像形成装置を形成する場合、耐大気
圧構造が必要となる。特に、大面積のバックプレート
(図20の絶縁性基板111に対応)及びフェースプレ
ート(図20のガラス基板116に対応)を用いて耐大
気圧支持を行う平面型画像形成装置の場合、各プレート
の板厚が非常に厚くなってしまうので、重量、コストな
どの点で実現性が乏しくなってしまう。これを回避する
ために、耐大気圧のためのスペーサをバックプレートと
フェースプレートの間に支柱として配置し、耐大気圧構
造とすることで、該画像形成装置の軽量化が可能であ
る。また、上記スペーサはパネル間隔を一定に保つ目的
で使用される場合もある。
【0016】上述の電子放出素子を用いた平面型の画像
形成装置として、図21に断面を示すような装置が知ら
れている(特開平2−299136号公報)。
【0017】この画像形成装置は、電子放出素子として
SCEを用いたもので、基板121上に電子放出素子1
25(電極122、123と該電極間に形成された電子
放出部124からなる)が作製され、該基板121と対
向して配置されるフェースプレート130はガラス板1
27の内面に蛍光面128が形成されている。蛍光面1
28はカラー画像形成装置では図22に示すようなブラ
ックストライプなどと呼ばれる黒色導伝材131と蛍光
体132とで構成される。ブラックストライプが設けら
れる目的は、カラー蛍光面で必要となる三原色蛍光体
の、各蛍光体132間の塗り分け部を黒くすることで混
色等を目立たなくすることと、蛍光面128で外光を反
射することにより生じるコントラストの低下を防ぐこと
などである。
【0018】更に、蛍光面128の内面側には通常メタ
ルバック129が形成されている。メタルバック129
の目的は、比抵抗が一般に1010〜1012Ω・cmと高
い蛍光体132に電荷(電子)が溜まり電位が低下する
ことを防ぎ、電子ビーム加速用の電圧を印加するための
電極として作用すること、蛍光体の発光のうち装置内面
側への光を鏡面反射することにより輝度を向上させるこ
と、負イオンの衝突によるダメージからの蛍光体132
の保護等があり、上記目的に適した材料として通常Al
が用いられる。
【0019】また、電子放出素子125が形成された基
板121とフェースプレート130を大気から受ける圧
力に抗してほぼ一定の間隔に保つために、耐大気圧スペ
ーサ126が配置されている。従来、この耐大気圧スペ
ーサ126は、図23に示されるように格子状に配置さ
れ、各電子放出素子125の1つに対して1つのセル空
間を有するように配置されていた。尚、図23中の13
3は、図21のフェースプレート130の周囲を接続す
る外囲器である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例において、耐大気圧スペーサ126は、フェースプ
レート130及び電子放出素子125が形成された基板
121に直接当接して配置されていたため、少しでもス
ペーサ126に位置ずれや変形が生じたりすると、フェ
ースプレート130側においては、内面に形成された蛍
光面128やメタルバック129面を傷つけこれらの剥
離を生じたり、耐圧不良を生じたりする問題があった。
また、基板121側においては、電極122,123を
傷つけ導伝性あるいは絶縁性が劣化し、電子放出素子1
25の特性を劣化させるという問題があった。
【0021】また、耐大気圧スペーサ126は、各プレ
ート面に対して垂直な圧力に耐えるように構成されるの
で、通常各プレート間を垂直に結ぶ体積要素を含む形状
からなる。従って、図20を用いて説明した電子放射特
性を持つSCEを用いて画像形成装置を構成する場合に
は、次のような問題点があった。
【0022】(1)放出された電子ビームが正極の素子
電極側に偏向することにより、該電子ビームは正極の素
子電極側に配置された耐大気圧スペーサ126に衝突
し、蛍光面128上へ到達する電子量が減少し、発光効
率が低下する。
【0023】(2)もしくは、該電子ビームが耐大気圧
スペーサ126に完全に妨げられてしまい、蛍光面12
8上に電子ビームが達しない。
【0024】(3)電子ビームの衝突で起こる耐大気圧
スペーサ126へのチャージアップにより、電位分布の
変化に伴う電子軌道の変化、さらには沿面耐圧低下に伴
う沿面放電による素子破壊等が発生する。
【0025】(4)耐大気圧スペーサ126が帯電する
ことによって、電子ビームの軌道が電気的な力によって
曲がってしまい、本来当たるべき蛍光面に達せず、周辺
の蛍光面に当たることによって画像がにじむ。
【0026】(5)上記問題点を回避するために、基板
121上に疎らに電子放出素子125を配置した場合、
高精細な画像形成装置が実現出来ない。
【0027】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、本発明の第1の目的は、耐大気圧スペーサ12
6により、蛍光面128及び電子放出素子125等に損
傷を与えることのない、長期的に安定で高精細な画像が
得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0028】また、本発明の第2の目的は、電子放出素
子を用いた画像形成装置において、該電子放出素子から
の放出電子の軌道を妨げることのないパネル構造を実現
することであり、特に、本目的に適した該電子放出素子
及び耐大気圧スペーサの配置または形状を与えることに
ある。また、該画像形成装置において、高密度な絵素を
実現できる該電子放出素子及び耐大気圧スペーサの配置
または形状を与えることにある。更には、該画像形成装
置において、解像度の高い絵素配置を実現できる該電子
放出素子及び耐大気圧スペーサの配置または形状を与え
ることにある。
【0029】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
する本発明の構成は、以下の通りである。
【0030】すなわち、本発明第一は、複数の電子放出
素子が設けられた基板と、該基板に対向して配置され、
上記電子放出素子から放出された電子の照射により画像
を形成する蛍光面が設けられたフェースプレートとを有
する画像形成装置において、上記の基板上には電子放出
素子を形成するいずれの電極よりも基板面から突出した
素子側リブが形成されているとともに、上記フェースプ
レートには蛍光面よりも突出した蛍光面側リブが形成さ
れており、上記基板と上記フェースプレートとの間隔を
保持するためのスペーサが素子側リブ及び蛍光面側リブ
を介して上記基板及び上記フェースプレートと接するこ
とを特徴とするものである。
【0031】上記本発明第一は、更にその特徴として、
前記スペーサが、複数個の素子側リブ及び蛍光面側リブ
と接すること、前記リブのうち少なくとも蛍光面側リブ
は黒色であること、前記電子放出素子が冷陰極電子放出
素子であること、前記電子放出素子が表面伝導型電子放
出素子であることをも含む。
【0032】また、本発明第二は、複数の電子放出素子
を搭載したバックプレートと、該バックプレートに対向
配置され前記電子放出素子から放出される電子を受ける
被照射部材を搭載したフェースプレートと、該バックプ
レートと該フェースプレートの周囲を接続する外囲器
と、該フェースプレートの成す面と該バックプレートの
成す面間を接続する板状の耐大気圧スペーサを有する画
像形成装置において、上記耐大気圧スペーサを上記電子
放出素子から放出される電子ビームの偏向方向に対して
平行あるいは略平行に設けたことを特徴とするものであ
る。
【0033】上記本発明第二は、更にその特徴として、
前記複数の電子放出素子は複数の電子放出素子列を構成
し、該電子放出素子列1つに対して1列の前記耐大気圧
スペーサが配置されていること、前記複数の電子放出素
子は複数の電子放出素子列を構成し、複数の該電子放出
素子列に対して1列の前記耐大気圧スペーサが配置され
ていること、前記耐大気圧スペーサが、前記バックプレ
ートと前記フェースプレートで挟まれた空間に両端部が
前記外囲器に接するように設置されたこと、前記耐大気
圧スペーサが、前記バックプレートと前記フェースプレ
ートで挟まれた空間を部分的に横切るように設置された
こと、前記耐大気圧スペーサの少なくとも一端を、ブロ
ックを用いて前記外囲器に固定したこと、前記耐大気圧
スペーサを、ブロックを用いて前記フェースプレート及
び/又はバックプレートに固定したこと、前記フェース
プレート及び/又はバックプレート及び/又は外囲器に
溝を設け、該溝に前記耐大気圧スペーサをはめ込み固定
したことをも含む。
【0034】本発明第一によれば、前記スペーサは電子
放出素子や蛍光面と直接接触していないため、該スペー
サに多少の位置ずれや変形が生じても、素子や蛍光面を
損傷することが無く、組立が容易で且つ長期的に安定し
た画像が得られるものである。
【0035】本発明第一において、前記スペーサを複数
個の素子側リブや蛍光体側リブと接するようにすること
で、スペーサの位置ずれの許容性が増すとともに、装置
の組立の更なる容易性に寄与する。また、上記リブを黒
色の低融点ガラス等の光反射率、透過率のいずれもが低
い材料で作製することで、蛍光面においては前述したブ
ラックストライプの作用を損なわず、コントラストの良
い画像形成装置を提供できる。
【0036】また、本発明第二によれば、電子ビームの
偏向方向に対して平行あるいは略平行に耐大気圧スペー
サを配置することで、電子ビームの軌道空間を確保して
いるため、電子の飛翔を妨げることがない。
【0037】本発明第一の画像形成装置の実施態様例を
図1に示す。
【0038】図1において1はガラス基板、2は配線部
3と素子部4とからなる素子電極である。5は電子放出
部であり、素子電極2とともに電子放出素子を構成して
いる。6は側壁、7はスペーサ、8はガラス板、9は蛍
光面で、10はガラス板8の内面に蛍光面9が形成され
て構成されるフェースプレートである。11は素子電極
2より厚く(高く)形成された素子側リブであり、12
は蛍光面9より厚く(高く)形成された蛍光面側リブで
ある。
【0039】本装置は、複数の素子側リブ11と蛍光面
側リブ12が、これらを横切る方向(X方向)に沿って
配置された複数のスペーサ7と接するように組み上が
る。
【0040】本発明第一において、素子側リブ、蛍光面
側リブ及びスペーサーの形状や配置等は上記態様例に限
定されるものではない。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0042】[実施例1]本実施例は、図1に示したよ
うな画像形成装置を作製したものである。
【0043】本実施例における電子放出素子部分の拡大
図を図2に示す。図2において、14は電子放出部形成
用薄膜である。また、蛍光面9の平面図を図3に、フェ
ースプレート10の拡大図を図4に示す。蛍光面側リブ
12は赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体13の間
に形成されたブラックストライプ15と重なるようにス
トライプ状に形成されている。また、蛍光面9の更に装
置内面側には、前述のメタルバック(不図示)が形成さ
れている。また、不図示ではあるが、入力信号に応じて
画像形成する為に、図1の画像形成装置には、例えば、
後述する様に、変調手段が設けられている。
【0044】次に、本装置の作製法を説明する。
【0045】(1)ガラス基板1を有機溶剤により充分
に洗浄後、該基板1面上に、厚さ1000ÅのNiから
なる素子電極2を形成した(図1及び図2参照)。この
時、配線部3はフェースプレート側の蛍光体ストライプ
と直交する方向(図中X方向)に沿って複数本形成し、
素子部4は該複数の配線部3のうち隣り合う一対の配線
部3のそれぞれに電気的に接続され、かつ3μmの間隔
(図2中L1で示す)をもって対向するよう作製し、ま
た配線部3に沿った方向(X方向)に複数個作製した。
【0046】(2)有機パラジウム(奥野製薬(株)
製、ccp−4230)含有溶液を塗布した後、300
℃で10分間の加熱処理をして、酸化パラジウム(Pd
O)微粒子からなる微粒子膜を形成し、エッチング等で
パターニング処理を施し、各素子電極(素子部)4間に
電子放出部形成用薄膜14を設けた(図2参照)。ここ
で電子放出部形成用薄膜14は、その幅(素子の幅)W
を300μmとし、素子電極4間のほぼ中央部に配置し
た。また、この電子放出部形成用薄膜14の膜厚は10
0Å、シート抵抗値は5×104 Ω/□であった。なお
ここで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子が集合した膜
であり、その微細構造として、微粒子が個々に分散配置
した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるいは、
重なり合った状態(島状も含む)の膜をさし、その粒径
とは、前記状態で粒子形状が認識可能な微粒子について
の径をいう。
【0047】(3)次に素子電極素子部4間に電圧を印
加し、電子放出部形成用薄膜14を通電処理(フォーミ
ング処理と呼ぶ)することにより、電子放出部5を素子
電極素子部4間に作製し電子放出素子を完成した。
【0048】(4)以上のようにして素子電極配線部3
に沿って複数個作製された電子放出素子に対し、配線方
向(X方向)において各素子間のほぼ中央を通るように
素子側リブ11を設ける。つまり、素子側リブ11は図
中Y方向に沿って形成した。素子側リブ11は、フリッ
トガラスと呼ばれる低融点ガラスを印刷によって、幅、
高さとも100μmの大きさに作製した。
【0049】(5)次にフェースプレート10の作製法
について述べる。
【0050】ガラス基板8を弗酸等にてよく洗浄したあ
と、ホトリソグラフィーによりブラックストライプ15
(図3及び図4参照)を形成する。ブラックストライプ
15の材料は黒鉛を主成分とした。その後、三原色蛍光
体13を一色ずつレジストと混ぜスラリー状にして塗布
し、所定の位置に現像、定着させることを繰り返すとい
うCRTで通常用いられるスラリー法にてカラー蛍光面
9を作製した。蛍光体13の厚さは20〜30μmでム
ラやはがれのない良好な塗布状態が得られた。 (6)次に、フィルミングと呼ばれる、蛍光面9の表面
の平滑化処理を行った後、Alを真空蒸着により、ほぼ
2000Åの厚さで蛍光面9の内面側に一様に形成する
ことで、メタルバック(不図示)を作製した。
【0051】(7)蛍光面9、メタルバックの作製後、
やはり印刷法にて、フリットガラスを材料として幅、高
さともほぼ100μmの蛍光面側リブ12を三原色蛍光
体の一組に一本の割合でブラックストライプ15と重な
るように形成した。尚、本実施例で蛍光面側リブ12の
材料として用いたフリットガラスは黒色で光の透過率、
反射率ともに低いので、各色蛍光体の間毎に蛍光面側リ
ブ12を設けることで、ブラックストライプ15を省略
することも可能である。
【0052】(8)以上のようにして電子放出素子を作
製した基板1とフェースプレート10とを、複数の耐大
気圧スペーサ7と側壁6を介し対向して配置し、フェー
スプレート10、側壁6、基板1の接合部にフリットガ
ラスを塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で400℃
ないし500℃で10分以上焼成することで封着した。
本実施例では、図1の如くスペーサ7として、高さが5
mm,厚さが200μmの平板状のガラス材を用い、基
板1とフェースプレート10とに設けられたリブ11,
12と直交する方向(X方向)に平行に配置した。
【0053】(9)以上のようにして完成したガラス外
囲器(基板1、側壁6、フェースプレート10で構成さ
れる)内の雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプ
にて排気し、十分な真空度に達した後、10-6Torr
程度の真空度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱す
ることで溶着し外囲器の封止を行った。
【0054】(10)最後に封止後の真空度を維持する
ために、ゲッター処理を行った。これは、封止を行う直
前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等の
加熱法により、画像形成装置内の所定の位置に配置され
たゲッター(不図示)を加熱し、蒸着膜を形成する処理
である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着
膜の吸着作用により、真空度を維持するものである。
【0055】以上述べた構成は、画像形成装置を作製す
る上で必要な概略構成であり、例えば各部材の材料等、
詳細な部分は本実施例の内容に限られるものではなく、
画像形成装置の用途に適するよう適宜選択する。
【0056】その一例として、変調用のグリッド電極を
電子放出素子が形成されるのと同一のガラス基板上に形
成した好ましい変形例を示す。図5は本変形例の構成例
を示す斜視図、図6は図5のB−B’断面図である。図
1と同じ部分は同じ符号を付した。図中、17は変調グ
リッド電極、18は電子放出素子(電子放出部5及び素
子電極2からなる)と変調グリッド電極17を絶縁する
ための絶縁体膜である。図5及び図6からわかるよう
に、変調グリッド電極17は、電子放出部5及び素子電
極2の素子部4に対して同一平面上及び下部に形成され
ている。
【0057】本変形例の製造方法は、上記実施例と同様
な蒸着技術及びエッチング技術等により形成できるので
説明を省略する。
【0058】本変形例の構成において、変調グリッド電
極17に印加する電圧を適当に制御することにより、蛍
光面9(図1参照)に照射する電子ビームの量を制御で
きた。
【0059】以上のように作製した本実施例の画像形成
装置においては、蛍光面や電子放出素子を形成する電極
を傷つけることなく、フェースプレートと素子基板との
間に耐大気圧スペーサを容易に配置することができ、組
立が容易であった。また、スペーサの位置ずれによる画
像欠陥がなく、多少の応力を加えても長期的に安定した
高精細な画像が得られた。
【0060】また、本実施例で作製した表面伝導型電子
放出素子から放出される電子ビームは、主にガラス基板
1とフェースプレート10との間に印加される加速電圧
によって、Z方向の速度成分を有すると共に、正極の素
子電極素子部4側に偏向されて+X方向もしくは−X方
向の速度成分を有する。本実施例では、この偏向方向
(X方向)に平行にスペーサ7を配置しているため、ス
ペーサ7が放出電子の軌道を妨げることによる発光効率
の低下、スペーサ7のチャージアップ等を防止すること
ができる。
【0061】また、本実施例においては、フェースプレ
ート10上のストライプ蛍光面をY方向に平行に配置
(図4の13R,13G,13B)したので、電子放出
素子を有するガラス基板1と蛍光面9を有するフェース
プレート10間のY方向(図4のストライプ蛍光面13
R,13G,13Bに平行な方向)の精密な位置合わせ
が不要になる。すなわち、ガラス基板1及びフェースプ
レート10の間でY方向に多少の位置ずれが生じても、
表示画像の輝度低下や色ずれは生じなかった。また、複
数のスペーサ7(X軸に平行)をフェースプレート10
と組み立てる場合も、X方向及びY方向での相互の精密
な位置合わせは不要であり、電子放出素子の配置に対応
した間隔で各スペーサ7を位置決めすれば十分であっ
た。
【0062】[実施例2]図7は本実施例の画像形成装
置の概略構成を示す斜視図である。
【0063】基板1上への電子放出素子の作製法、蛍光
面9の作製法及び装置全体の作製法は実施例1と同様な
ので省略する。また、実施例1と同様である側壁も図面
上省略した。
【0064】本実施例においては、素子側リブ11、蛍
光面側リブ12、耐大気圧スペーサ7のいずれも、実施
例1のように直線状に連続したものでなく、分割して配
置した。
【0065】但し、それぞれのスペーサ7に対応する位
置の蛍光面9及び基板1面には、高さ、幅とも約100
μmのリブが、フリットガラスを成分としてやはり印刷
法にて形成されていて、スペーサ7は蛍光面9や電子放
出素子を形成する電極(不図示)とは直接接することが
ないので、実施例1と同様の効果がある。
【0066】更に、本実施例の構成では、個々のスペー
サ7の長さが実施例1に比べ短かいため、加工時におけ
る変形等が少なく、精度の高いスペーサを作製できると
いう利点があった。また、装置内を真空に排気する際、
コンダクタンスを妨げるものが少ないので、封止可能な
真空度(10-6Torr程度)に達するまでの時間が短
くて済むという利点があった。
【0067】[実施例3]図8は本実施例の画像形成装
置の概略構成を示す斜視図である。
【0068】本実施例においては、蛍光面9は図9に示
すように、蛍光体13がいわゆるデルタ配列となってい
る。16は黒色導伝材で、図のような蛍光体配列の場合
はブラックマトリクスと呼ばれる。デルタ形の蛍光体配
列を用いた場合は、同色蛍光体間の間隔(これをドット
ピッチと呼ぶ)をPと表した時、画面水平方向の同色蛍
光体間隔は(√3)P/2となり、水平方向の解像度が
増し、より高精細で高密度な画像を形成できるという利
点がある。
【0069】このようなデルタ配列蛍光面の場合におい
て、図8に示すように、素子側リブ11及び蛍光面側リ
ブ12を、三菱状の形状にて作製し、該リブ11及び1
2のそれぞれと、円柱状のスペーサ7とが接するように
配置することで、蛍光面9や素子電極3,4を損傷する
ことなく、より一層高精細な画像が安定して得られる画
像形成装置を作製することができた。
【0070】[実施例4]本実施例は、実施例1の電子
放出素子等が形成されたガラス基板1を、図10に示す
態様、すなわち電子放出素子を単純マトリクス配置した
態様を示すものである。
【0071】図10において、図1〜図4と同じ部分は
同じ符号を付した。
【0072】本実施例の電子放出素子も実施例1と同様
な表面伝導型の素子であり、各電子放出素子において
は、一対の素子電極素子部4も耐大気圧スペーサ7と同
じくほぼX軸方向に沿って配置されている。
【0073】フェースプレート10上には、Y方向に平
行なストライプ状の赤(R)蛍光面13R、緑(G)蛍
光面13G、青(B)蛍光面13Bの3種の蛍光面が繰
り返し形成されており、各蛍光面間にはブラックストラ
イプ15が形成されている。また、素子側リブ11は素
子電極素子部4より厚く(高く)素子電極配線部3と重
なるようにY方向に平行に形成されており、蛍光面側リ
ブ12は蛍光面9より厚く(高く)ブラックストライプ
15と重なるようにY方向に平行に形成されている。
【0074】本画像形成装置においては、複数の素子側
リブ11と蛍光面側リブ12が、これらを横切る方向
(X方向)に平行に配置された複数のスペーサ7と接す
るように組み上げる。
【0075】本実施例の画像形成装置は、実施例1と同
等な蒸着技術及びエッチング技術等により形成できるの
で、その製造方法についての説明は省略する。
【0076】本実施例においても実施例1と同様に、電
子放出素子から放出される電子ビームの偏向方向と平行
にスペーサ7を配置しているため、電子ビームがスペー
サ7にその軌道を妨げられることはない。従って、電子
ビームはスペーサ7が無い場合と同じように、蛍光面9
に衝突することができた。
【0077】また、本実施例の画像形成装置において
は、リブ11及び12を設けることにより、蛍光面や電
子放出素子を形成する電極を傷つけることなく、フェー
スプレート10と素子基板1との間に耐大気圧スペーサ
7を容易に配置することができ、組立が容易であった。
また、スペーサ7の位置ずれによる画像欠陥がなく、多
少の応力を加えても長期的に安定した高精細な画像が得
られた。
【0078】また、本実施例の画像形成装置において
は、フェースプレート10上のストライプ蛍光面をY方
向に平行に配置したので、電子放出素子を有するガラス
基板1と蛍光面9を有するフェースプレート10間のY
方向(ストライプ蛍光面9に平行な方向)の精密な位置
合わせが不要になる。すなわち、ガラス基板1及びフェ
ースプレート10の間でY方向に多少の位置ずれが生じ
ても、表示画像の輝度低下や色ずれは生じなかった。ま
た、複数のスペーサ7(X軸に平行)をフェースプレー
ト10と組み立てる場合も、X方向及びY方向での相互
の精密な位置合わせは不要であり、電子放出素子の配置
に対応した間隔で各スペーサ7を位置決めすれば十分で
あった。
【0079】本実施例の変形例として、フェースプレー
ト10の構成を変形した例を示す。図11は、本変形例
のフェースプレート10の蛍光面配置を示したものであ
り、図10に示した例との違いは、各色のストライプ蛍
光面を一画素に対応する間隔で区切ったものである。そ
の区切りの部分19には黒色遮光部材等を設けてもよ
い。
【0080】本変形例においても、電子放出素子を有す
るガラス基板1と蛍光面9を有するフェースプレート1
0間のY方向(ストライプ蛍光面9に平行な方向)の精
密な位置合わせが不要になる。すなわち、ガラス基板1
及びフェースプレート10の間でY方向に多少の位置ず
れが生じても、表示画像の色ずれは生じなかった。ま
た、複数のスペーサ7(X軸に平行)をフェースプレー
ト10と組み立てる場合も、X方向及びY方向での相互
の精密な位置合わせは不要であり、表示画像の色ずれを
生じさせない為には、電子放出素子の配置に対応した間
隔で各スペーサ7を位置決めすれば十分であった。
【0081】また、他の変形例としては、素子側リブ1
1を数電子放出素子おきに、または、蛍光面側リブ12
をR,G,Bの3本のストライプ蛍光面おきに設置する
など、様々な変形が可能である。
【0082】[実施例5]図12及び図13は本実施例
の画像形成装置の構成を説明するための図であり、図1
2は全体斜視図、図13はフェースプレートを取り除い
た場合の部分平面図(X−Y平面図)である。
【0083】これらの図において、1は電子放出素子を
搭載した基板(バックプレート)、6は外囲器(側
壁)、7はX軸にほぼ平行に設置された耐大気圧スペー
サ、10はフェースプレート、51はスペーサ7を固定
するための固定ブロック、52はバックプレート1上に
形成された電子放出素子、53は複数の電子放出素子5
2を横一列に並べた電子放出素子列、54はスペーサ7
と固定ブロック51を外囲器6に固定するためのフリッ
トガラスである。
【0084】本実施例では電子放出列53と耐大気圧ス
ペーサ7を交互に配置し、電子放出素子52としては表
面伝導型電子放出素子を用い、図20に示したような対
向する一対の素子電極114,115をX軸方向に沿っ
て形成している。
【0085】上記のごとく構成した電子放出素子52か
ら放出される電子ビームは、主にバックプレート1とフ
ェースプレート10との間に印加される加速電圧によっ
て、Z方向の速度成分を有するとともに、正極の素子電
極側に偏向されて+X方向もしくは−X方向の速度成分
を有する。該電子ビームは最終的にはフェースプレート
内面上に配置された被照射部材であるところの蛍光体タ
ーゲット(不図示)に衝突し、発光することによって、
画像を形成する。このとき、上記加速電圧によって飛翔
する電子ビームは、耐大気圧スペーサにその軌道を妨げ
られることはない。従って、電子ビームは耐大気圧スペ
ーサがない場合と同じように、蛍光体ターゲットに衝突
することができる。
【0086】本実施例において耐大気圧スペーサ7は、
フェースプレート10上に配置された蛍光体ターゲット
間のX方向の隙間(ブラックストライプ)に一致させ、
また、バックプレート上では電子放出素子が占有してい
ない部分に配置されている。これは、以下の実施例にお
いても同様である。
【0087】本実施例では、耐大気圧スペーサ7をフェ
ースプレート10及び/又はバックプレート1にフリッ
トガラスで固定し、さらに4つの固定ブロックを用いて
固定している。しかし、強度的に十分であり、なおかつ
設置位置精度が十分に得られれば、固定ブロックの個数
とプレートへの固定を任意に設定できる。また、本実施
例では、耐大気圧スペーサ7の両端が外囲器6に固定さ
れているが、強度的、または位置合わせが十分精度良く
行われるならば、該スペーサ7の片方のみを外囲器6に
固定する構造も可能である。
【0088】さらには、本実施例では、耐大気圧スペー
サ7を外囲器6に固定するとしているが外囲器6の内側
に設ける支持枠等に固定することも可能である。また、
耐大気圧スペーサ7もしくは固定ブロック51等を固定
する手段としてフリットガラス54を用いているが、接
着剤を用いても良い。これら2点については、以下の実
施例においても同様である。
【0089】なお、図12では、電子放出素子列が10
列である画像形成装置について説明してあり、図13で
は、1素子列の中に4つの電子放出素子52が記述され
ているが、該列数と該素子数は何等制限されるものでは
ない。
【0090】[実施例6]図14(a)及び図14
(b)は本実施例の画像形成装置の構成を説明するため
の図であり、図14(a)は部分水平(X−Y平面)断
面図であり、図14(b)は部分垂直(X−Z平面)断
面図である。
【0091】これらの図において、55はフェースプレ
ート10上に形成された蛍光体ターゲット、51’は耐
大気圧スペーサ7をフェースプレート10に固定する固
定ブロックである。
【0092】本実施例の特徴は、耐大気圧スペーサ7を
支え、固定するための固定ブロック51’を電子ビーム
の軌道外に配置し、フリットガラスを用いてフェースプ
レート10上に設置することである。
【0093】なお、電子ビームの軌道を妨げないよう
に、固定ブロック51’をバックプレート1側に、もし
くはフェースプレート10とバックプレート1の両側に
設置することもできる。
【0094】さらには、実施例5における外囲器6に固
定する固定ブロック51を同時に用いることで、より強
固な耐大気圧構造を得ることができる。
【0095】[実施例7]図15及び図16は本実施例
の画像形成装置の構成を説明するための図であり、図1
5は部分垂直(Y−Z平面)断面図、図16は部分水平
(X−Y平面)断面図である。
【0096】これらの図において、56は耐大気圧スペ
ーサ7をはめ込み固定するための溝である。耐大気圧ス
ペーサ7はフリットガラス54によって溝56に固定さ
れている。
【0097】本実施例と実施例5とは、耐大気圧スペー
サ7の固定方法が異なるのみである。
【0098】本実施例の特徴は、溝56に沿って耐大気
圧スペーサ7を配置することによって、封着するときに
おける操作性を向上させるとともに、精度良く耐大気圧
スペーサを固定できるようにしたものである。
【0099】本実施例においては、図15に示したよう
にフェースプレート10とバックプレート1のそれぞれ
に溝56を彫り耐大気圧スペーサ7を固定するととも
に、図16に示したように外囲器6に溝を設けて該スペ
ーサを固定しているが、該溝はフェースプレート,バッ
クプレート,外囲器及び外囲器の内側に設ける支持枠等
のうち、いずれか一つに設けることも可能であるし、こ
れらのうちの複数に設けることも可能である。
【0100】さらには、耐大気圧スペーサ7を固定する
手段として、実施例5又は実施例6で示した固定ブロッ
クによる固定方法と本実施例で示した溝による固定方法
を共に用いた固定方法も有効な手段である。この場合に
おいても、電子放出素子もしくは蛍光体ターゲットの占
有しない領域に該スペーサを設置すればよい。
【0101】[実施例8]図17は本実施例の画像形成
装置の構成を説明するための部分水平(X−Y平面)断
面図である。
【0102】図17において、7と7’は耐大気圧スペ
ーサである。該スペーサは、外囲器6のX軸方向の長さ
L以下の長さL’またはL”であり、実施例7で示した
フェースプレートないしはバックプレートに設けた溝に
固定されている。また、電子放出素子列53と耐大気圧
スペーサの列は実施例5〜7と同様に交互に設置されて
いる。
【0103】耐大気圧スペーサ7は電子放出素子52か
ら放出される電子ビームの偏向方向(X軸方向)にほぼ
平行に配置されているが、耐大気圧スペーサ7’はX軸
から多少傾むいた状態で配置されている。この場合のス
ペーサ7’の傾きは、電子ビームの飛翔に影響を及ぼさ
ない程度である。
【0104】本実施例において耐大気圧スペーサ7,
7’の固定方法として、実施例5及び/又は実施例6に
示した固定ブロック51による固定方法をとることも可
能である。なお、耐大気圧スペーサ7,7’を外囲器6
に固定しない場合は、フェースプレート10またはバッ
クプレート1上に固定する。
【0105】[実施例9]図18は本実施例の画像形成
装置の構成を説明するための部分水平(X−Y平面)断
面図である。
【0106】本実施例において、実施例5と異なる点
は、複数の電子放出素子列53に対して1列の耐大気圧
スペーサ7を有することのみである。
【0107】尚、実施例6〜8においても、本実施例の
ように複数の電子放出素子列53に対して1列の耐大気
圧スペーサ7を設けることも可能である。
【0108】以上の実施例の画像形成装置のいずれも、
発光源としてもちいて記録装置に応用することもでき
た。この場合、高精細で、画像欠陥の少ない再生画像が
安定して得られる記録装置が作製できた。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明第一の画像
形成装置は以下の効果を奏する。 (1)基板とフェースプレートの間隔を保持するための
スペーサが、電子放出素子や蛍光面と直接接触していな
いため、スペーサに多少の位置ずれや変形が生じても、
素子や蛍光面を損傷することが無い。これにより、装置
の組立が容易になると共に、画像欠陥の少ない長期的に
安定した画像が得られる。 (2)蛍光体側リブを黒色とすることで、よりコントラ
ストの高い画像が得られる。
【0110】また、本発明第二によれば、特に表面伝導
型電子放出素子を用いた画像形成装置において、該電子
放出素子から放出される電子ビームの偏向方向と平行に
耐大気圧スペーサを配置することにより、電子ビームの
軌道を妨げることのないパネル構造を実現することが出
来る。従って、次のような特有の効果がある。
【0111】(1)蛍光体ターゲット上への到達電子量
の損失がなく、発光効率の低下のない安定した発光が得
られる。
【0112】(2)耐大気圧スペーサのチャージアップ
による電位分布の変化に伴う電子軌道の変化、沿面耐圧
低下に伴う沿面放電による素子破壊等が発生しない。
【0113】(3)沿面耐圧の増加により、加速電圧を
上げることが出来るため、より高効率で輝度の高い発光
部が得られる。
【0114】(4)電子放出素子及び耐大気圧スペーサ
を高密度に配置できるため、高精細な画像形成装置を実
現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の画像形成装置の概略構成を示す斜視
図である。
【図2】実施例1の画像形成装置の電子放出素子部拡大
図である。
【図3】実施例1の画像形成装置における蛍光面の拡大
平面図である。
【図4】実施例1の画像形成装置におけるフェースプレ
ートの拡大斜視図である。
【図5】変調用のグリッド電極を素子基板上に備えた本
発明の変形例を示す斜視図である。
【図6】図5の素子基板の断面図である。
【図7】実施例2の画像形成装置の概略構成を示す斜視
図である。
【図8】実施例3の画像形成装置の概略構成を示す斜視
図である。
【図9】実施例3の画像形成装置における蛍光面の拡大
平面図である。
【図10】実施例4の画像形成装置の概略構成を示す斜
視図である。
【図11】蛍光面の変形例を示す拡大平面図である。
【図12】実施例5の画像形成装置の全体斜視図であ
る。
【図13】実施例5の画像形成装置の部分水平(X−Y
平面)断面図である。
【図14】実施例6の画像形成装置の部分水平(X−Y
平面)断面図及び部分垂直(X−Z平面)断面図であ
る。
【図15】実施例7の画像形成装置の部分垂直(Y−Z
平面)断面図である。
【図16】実施例7の画像形成装置の部分水平(X−Y
平面)断面図である。
【図17】実施例8の画像形成装置の部分水平(X−Y
平面)断面図である。
【図18】実施例9の画像形成装置の部分水平(X−Y
平面)断面図である。
【図19】表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成
を示す図である。
【図20】表面伝導型電子放出素子の特性評価装置の概
略構成図である。
【図21】従来の平面型画像形成装置の概略構成を示す
縦断面図である。
【図22】従来の画像形成装置に用いられるストライプ
形蛍光面の拡大平面図である。
【図23】従来例の画像形成装置の耐大気圧スペーサの
配置を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 基板(バックプレート) 2 素子電極 3 素子電極配線部 4 素子電極素子部 5 電子放出部 6 側壁(外囲器) 7,7’ スペーサ 8 ガラス基板 9 蛍光面 10 フェースプレート 11 素子側リブ 12 蛍光面側リブ 13 蛍光体 14 電子放出部形成用薄膜 15 ブラックストライプ 16 ブラックマトリクス 17 変調グリッド電極 18 絶縁体膜 19 蛍光面の区切り部分 51,51’ 固定ブロック 52 電子放出素子 53 電子放出素子列 54 フリットガラス 55 蛍光体ターゲット 56 溝 111 絶縁性基板 112 電子放出部 113 電子放出部形成用薄膜 114,115 素子電極 116 ガラス基板 117 アノード電極 118 蛍光膜 119 電源 120 高圧電源 121 基板 122,123 電極 124 電子放出部 125 電子放出素子 126 スペーサ 127 ガラス板 128 蛍光面 129 メタルバック 130 フェースプレート 131 ブラックストライプ 132 蛍光体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 多川 昌宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 安藤 友和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 長田 芳幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出素子が設けられた基板
    と、該基板に対向して配置され、上記電子放出素子から
    放出された電子の照射により画像を形成する蛍光面が設
    けられたフェースプレートとを有する画像形成装置にお
    いて、上記の基板上には電子放出素子を形成するいずれ
    の電極よりも基板面から突出した素子側リブが形成され
    ているとともに、上記フェースプレートには蛍光面より
    も突出した蛍光面側リブが形成されており、上記基板と
    上記フェースプレートとの間隔を保持するためのスペー
    サが素子側リブ及び蛍光面側リブを介して上記基板及び
    上記フェースプレートと接することを特徴とする画像形
    成装置。
  2. 【請求項2】 前記スペーサが、複数個の素子側リブ及
    び蛍光面側リブと接することを特徴とする請求項1に記
    載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記リブのうち少なくとも蛍光面側リブ
    は黒色であることを特徴とする請求項1に記載の画像形
    成装置。
  4. 【請求項4】 前記電子放出素子が冷陰極電子放出素子
    である請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記電子放出素子が表面伝導形電子放出
    素子である請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 複数の電子放出素子を搭載したバックプ
    レートと、該バックプレートに対向配置され前記電子放
    出素子から放出される電子を受ける被照射部材を搭載し
    たフェースプレートと、該バックプレートと該フェース
    プレートの周囲を接続する外囲器と、該フェースプレー
    トの成す面と該バックプレートの成す面間を接続する板
    状の耐大気圧スペーサを有する画像形成装置において、
    上記耐大気圧スペーサを上記電子放出素子から放出され
    る電子ビームの偏向方向に対して平行あるいは略平行に
    設けたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の電子放出素子は複数の電子放
    出素子列を構成し、該電子放出素子列1つに対して1列
    の前記耐大気圧スペーサが配置されていることを特徴と
    する請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の電子放出素子は複数の電子放
    出素子列を構成し、複数の該電子放出素子列に対して1
    列の前記耐大気圧スペーサが配置されていることを特徴
    とする請求項6に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記耐大気圧スペーサが、前記バックプ
    レートと前記フェースプレートで挟まれた空間に両端部
    が前記外囲器に接するように設置されたことを特徴とす
    る請求項6〜8いずれかに記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記耐大気圧スペーサが、前記バック
    プレートと前記フェースプレートで挟まれた空間を部分
    的に横切るように設置されたことを特徴とする請求項6
    〜8いずれかに記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記耐大気圧スペーサの少なくとも一
    端を、ブロックを用いて前記外囲器に固定したことを特
    徴とする請求項6〜10いずれかに記載の画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】 前記耐大気圧スペーサを、ブロックを
    用いて前記フェースプレート及び/又はバックプレート
    に固定したことを特徴とする請求項6〜10いずれかに
    記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記フェースプレート及び/又はバッ
    クプレート及び/又は外囲器に溝を設け、該溝に前記耐
    大気圧スペーサをはめ込み固定したことを特徴とする請
    求項6〜10いずれかに記載の画像形成装置。
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