JPH0745148Y2 - コンバイン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は未刈り穀稈を起立支持させる引起ケースを備え
たコンバインに関する。

「従来の技術」 従来、引起ケースをケース本体と上面カバーとで形成
し、上面カバーをボルト等により係止固定していた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術は、上面カバーの固定をボルトで行ってい
たから、上面カバーの脱着には工具を必要とすると共
に、手間がかかり、またボルトを本体ケース及び上面カ
バーから完全に取外すから、圃場で上面カバーの脱着を
行ったときなど、工具、ボルト等を紛失する恐れがあっ
た。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、引起タインを設ける引起ケースをケ
ース本体と上面カバーとで形成し、ケース本体と上面カ
バーの上側部及び中間部をそれぞれ係合部と係合体とで
係止固定する一方、ケース本体の下側部内面側に固設し
て外周にタインチェンの案内用転輪を回転自在に嵌合さ
せる筒軸の内孔に上面カバー締付けピンを進退自在に設
け、転輪の内径より小径で筒軸の上側端面に係止させる
頭部を締付けピンの一端に一体形成すると共に、締付け
ピンの他端に一体形成するねじ軸部を筒軸下側からケー
ス本体裏面側に突出させ、締付けピンを筒軸に対し進退
操作する取手をねじ軸部先端に螺着し、また締付けピン
外周でこの頭部と筒軸の間にＵ字溝を介して前記係合部
と係合体との係合方向で差込む受け板を上面カバーの下
側部内面側に固設し、ケース本体と上面カバーの上側部
及び中間部を係止固定させた状態で、ケース本体側の筒
軸上側端面に上面カバーの受け板を取手操作により締付
けピンの頭部で締付け固定するように構成したものであ
る。

「作用」 従って本考案によれば、取手操作により締付けピンの締
付け力を緩めて係合部と係合体との係合解除方向に上面
カバーを移動させるだけで、同時に締付けピンの頭部と
筒軸の間から受板が外れ、本体ケースから上面カバーを
工具を用いることなく容易に取外し得ると共に、本体ケ
ース及び上面カバーからこれらの締結部品を何ら取外さ
ないから、工具、前記締結部品等を紛失する恐れもなく
し得、また締付けピンの頭部の広い座面でケース本体に
対し上面カバーを締付けるから、ケース本体と上面カバ
ーが剛性を保ち、引起ケース下側部でのケースの口開き
を防止し得ると共に、転輪の内径よりも締付けピンの頭
部が小径であるから、本体ケースから上面カバーを取外
すだけで、転輪も工具を用いることなく容易に取外し
得、従来に比べて引起ケースの保守並びに巻付き穀稈の
除去作業等を容易に行い得るものである。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。第１
図は要部の分解説明図、第２図はコンバインの全体側面
図、第３図は同平面図であり、図中（１）は走行クロー
ラ（２）を装設するトラックフレーム、（３）は前記ト
ラックフレーム（１）上に架設する機台、（４）はフィ
ードチェン（５）を左側に張架し扱胴（６）及び処理胴
（７）を内蔵している脱穀部、（８）は刈刃（９）及び
穀稈搬送機構（10）などを備える刈取部、（11）は昇降
支点筒軸（12）を介して刈取部（８）を昇降させる油圧
シリンダ、（13）は排藁チェン（14）終端を臨ませる排
藁処理部、（15）は脱穀部（４）からの穀粒を揚穀筒
（16）を介して搬入する穀物タンク、（17）は前記タン
ク（15）の穀粒を機外に搬出する搬出オーガ、（18）は
運転操作部（19）及び運転席（20）を備える運転台、
（21）は運転席（20）下方に設けるエンジンであり、連
続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。

第４図に示す如く、機台（３）前側に左右架台（22）を
介して前記筒軸（12）を取付け、該筒軸（12）に刈取フ
レームパイプ（24）を連結支持させ、前記筒軸（12）及
びパイプ（23）を介して刈取部（８）各部を装設してい
る。

また、前記パイプ（23）の刈取フレーム（24）前端に支
杆（25）を介して引起ケース（26）下端を支持させると
共に、引起パイプ（27）を介して引起ケース（26）上端
側を支持させるもので、３条分の引起ケース（26）…を
刈取部（８）前側に立設させ、各引起ケース（26）…に
設ける引起タイン（28）…によって未刈り穀稈を起立さ
せるように構成している。

第１図及び第５図乃至第８図に示す如く、駆動スプロケ
ット（29）、テンションスプロケット（30）及び転輪
（31）を引起ケース（26）に内設させてタインチェン
（32）を張設させ、該チェン（32）に引起タイン（28）
を取付ける。

また、前記引起ケース（26）をケース本体（33）と上面
カバー（34）とで形成し、ケース本体（33）上端側を前
記引起パイプ（27）上端に連結する横パイプ（35）に伝
動ケース（36）を介して一体連結させると共に、ケース
本体（33）下端側背面を支杆（25）にボルト（37）止め
固定する。

また、Ｌ形の係合板（38）の一片を挟んで緩衝ゴムガイ
ド（39）を伝動ケース（36）にボルト（40）…止め固定
し、駆動スプロケット（29）外周を回行する引起タイン
（28）をゴムガイド（39）によって案内すると共に、ケ
ース本体（33）に対し垂直な前記係合板（38）の他片に
係合部である板バネ製軸クリップ（41）及び係合片（4
2）を下向きに固設し、また係合体である係合ロッド（4
3）を上面カバー（34）の上端側内面にブラケット（4
4）を介して横架固定させ、前記ロッド（43）を軸クリ
ップ（41）及び係合片（42）のＵ字溝に下方から係入さ
せて上面カバー（34）上側部を係止固定させる。

また、係合部である鍵孔（45）を上面に開設する係止台
（46）（46）をケース本体（33）の内面中間部の上下２
個所に一体固定させると共に、引起タイン（28）を起立
支持する起立ガイド（47）を上面カバー（34）内面に固
設させ、前記ガイド（27）の上下部に係合体である２本
の頭部付き係止ピン（48）（48）を突設固定させ、前記
鍵孔（45）の小径部にこの大径部を介して係止ピン（4
8）を係入させ、係止ピン（48）の頭部を係止台（46）
に係合固定させる。

また、ケース本体（33）の下端側内面に筒軸（49）を固
設し、該筒軸（47）の外周に前記転輪（31）を回転自在
に嵌合させ、前記筒軸（49）の内孔に上面カバー締付け
ピン（50）を進退自在に設け、前記転輪（31）の内径
（Ｌ）より若干小径な直径（ｌ）で筒軸（49）の上側端
面に係止させる円板状の頭部（51）を前記締付けピン
（50）の一端に一体形成すると共に、締付けピン（50）
の他端に一体形成するねじ軸部（52）を筒軸（49）下側
からケース本体（33）裏面側に突出させ、締付けピン
（50）を筒軸（49）に対し進退操作する取手（53）をこ
れに一体固設する袋ナット（54）を介して前記ねじ軸部
（52）に螺着し、また締付けピン（50）上端外周でこの
頭部（51）と筒軸（49）の間に上向きのＵ字溝（55）を
介して下方から差込む受け板（56）を上面カバー（34）
の下端側内面に一体固設するもので、取手（53）操作に
より筒軸（49）上側端面に受け板（56）を締付けピン
（50）の頭部（51）で締付け、ケース本体（33）下側部
に上面カバー（34）下側部を締付け固定させる。

なお、図中（57）は締付けピン（50）のリターンスプリ
ングである。

そして、係合板（38）に軸クリップ（41）及び係合片
（42）を介して係合ロッド（43）を、また係止台（46）
に鍵孔（45）を介して係止ピン（48）を係合連結させ、
さらに締付けピン（50）の頭部（51）と筒軸（49）との
間にＵ字溝（55）を介して受け板（56）を差込み、取手
（53）操作によって締付けピン（50）を筒軸（49）に退
入させ、ケース本体（33）に上面カバー（34）を固定す
る一方、前記取手（53）操作によって締付けピン（50）
を筒軸（49）から退出させ、上面カバー（34）の締付け
を解除し、上面カバー（34）を下方に引き下げることに
より、係合ロッド（43）を軸クリップ（41）及び係合片
（42）から離脱させ、係止ピン（48）を鍵孔（45）の大
径部に移動させ、また受け板（56）を締付けピン（50）
から引抜き、上面カバー（34）を取外すもので、工具を
用いることなく、また本体ケース（33）から締付けピン
（50）を取外すことなく、さらに分草板などを外すこと
なく、上面カバー（34）の脱着を行えるように構成する
と共に、上面カバー（34）の取外しによって転輪（31）
の脱着を行えるように構成し、またさらに、締付けピン
（50）の頭部（51）の広い座面で受け板（56）を介して
上面カバー（34）の下側部全体をケース本体（33）側に
締付け、ケース本体（33）と上面カバー（34）を変形さ
せることなくその剛性を保ち、引起ケース（26）下側で
のケースの口開きを防止するようにも構成している。

「考案の効果」 以上実施例からも明らかなように本考案は、引起タイン
（28）を設ける引起ケース（26）をケース本体（33）と
上面カバー（34）とで形成し、ケース本体（33）と上面
カバー（34）の上側部及び中間部をそれぞれ係合フレー
ム（41）（42）（45）（45）と係合体（43）（48）（4
8）とで係止固定する一方、ケース本体（33）の下側部
内面側に固設して外周にタインチェン（32）の案内用転
輪（31）を回転自在に嵌合させる筒軸（49）の内孔に上
面カバー締付けピン（50）を進退自在に設け、転輪（3
1）の内径より小径で筒軸（49）の上側端面に係止させ
る頭部（51）を締付けピン（50）の一端に一体形成する
と共に、締付けピン（50）の他端に一体形成するねじ軸
部（52）を筒軸（49）下側からケース本体（33）裏面側
に突出させ、締付けピン（50）を筒軸（49）に対し進退
操作する取手（53）をねじ軸部（52）先端に螺着し、ま
た締付けピン（50）外周でこの頭部（51）と筒軸（49）
の間にＵ字溝（55）を介して前記係合部（41）（42）
（45）（45）と係合体（43）（48）（48）との係合方向
で差込む受け板（56）を上面カバー（34）の下側部内面
側に固設し、ケース本体（33）と上面カバー（34）の上
側部及び中間部を係止固定させた状態で、ケース本体
（33）側の筒軸（49）上側端面に上面カバー（34）の受
け板（56）を取手（53）操作により締付けピン（50）の
頭部（51）で締付け固定するように構成したもので、取
手（53）操作により締付けピン（50）の締付け力を緩め
て係合部（41）（42）（45）（45）と係合体（43）（4
8）（48）との係合解除方向に上面カバー（34）を移動
させるだけで、同時に締付けピン（50）の頭部（51）と
筒軸（49）の間から受板（56）が外れ、本体ケース（3
3）から上面カバー（33）を工具を用いることなく容易
に取外すことができると共に、本体ケース（33）及び上
面カバー（34）からこれらの締結部品を何ら取外さない
から、工具、前記締結部品等を紛失する恐れもなくすこ
とができ、また締付けピン（50）の頭部（51）の広い座
面でケース本体（33）に対し上面カバー（34）を締付け
るから、ケース本体（33）と上面カバー（34）が剛性を
保ち、引起ケース（26）下側部でのケースの口開きを防
止できると共に、転輪（31）の内径よりも締付けピン
（50）の頭部（51）が小径であるから、本体ケース（3
3）から上面カバー（34）を取外すだけで、転輪（31）
も工具を用いることなく容易に取外すことができ、従来
に比べて引起ケース（26）の保守並びに巻付き穀稈の除
去作業等を容易に行うことができる顕著な効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部の分解説明図、第２図はコンバイン全体の
側面図、第３図は同平面図、第４図は刈取部の左側面
図、第５図は引起ケース下部の縦断面図、第６図は引起
ケース上部の平面図、第７図は引起ケース下部の平面
図、第８図は引起ケース下部の横断面図である。 （26）……引起ケース （28）……引起タイン （31）……転輪 （32）……タインチェン （33）……ケース本体 （34）……上面カバー （41）……軸クリップ（係合部） （42）……係合片（係合部） （43）……係合ロッド（係合体） （45）……鍵孔（係合部） （48）……係止ピン（係合体） （49）……筒軸 （50）……締付けピン （51）……頭部 （52）……ねじ軸部 （53）……取手 （55）……Ｕ字溝 （56）……受け板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 矢吹 誠 岡山県岡山市江並428番地 セイレイ工業 株式会社内 (56)参考文献 実開 昭55−131629（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−20144（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】引起タインを設ける引起ケースをケース本
   体と上面カバーとで形成し、ケース本体と上面カバーの
   上側部及び中間部をそれぞれ係合部と係合体とで係止固
   定する一方、ケース本体の下側部内面側に固設して外周
   にタインチェンの案内用転輪を回転自在に嵌合させる筒
   軸の内孔に上面カバー締付けピンを進退自在に設け、転
   輪の内径より小径で筒軸の上側端面に係止させる頭部を
   締付けピンの一端に一体形成すると共に、締付けピンの
   他端に一体形成するねじ軸部を筒軸下側からケース本体
   裏面側に突出させ、締付けピンを筒軸に対し進退操作す
   る取手をねじ軸部先端に螺着し、また締付けピン外周で
   この頭部と筒軸の間にＵ字溝を介して前記係合部と係合
   体との係合方向で差込む受け板を上面カバーの下側部内
   面側に固設し、ケース本体と上面カバーの上側部及び中
   間部を係止固定させた状態で、ケース本体側の筒軸上側
   端面に上面カバーの受け板を取手操作により締付けピン
   の頭部で締付け固定するように構成したことを特徴とす
   るコンバイン。