JPH0745132B2 - 多孔質弾性部材を結合させた合成樹脂製品の製造方法 - Google Patents

多孔質弾性部材を結合させた合成樹脂製品の製造方法

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JPH0745132B2
JPH0745132B2 JP62072588A JP7258887A JPH0745132B2 JP H0745132 B2 JPH0745132 B2 JP H0745132B2 JP 62072588 A JP62072588 A JP 62072588A JP 7258887 A JP7258887 A JP 7258887A JP H0745132 B2 JPH0745132 B2 JP H0745132B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば自動車用空調装置に組込まれる風路開
閉用ダンパの如く、合成樹脂製の本体部分に多孔質弾性
部材を接合させた構造を有する物品の製造方法に関す
る。
[従来の技術] 硬質合成樹脂製で板状をなす上記ダンパの片面または両
面に、軟質ポリウレタンフォーム板などの多孔質弾性部
材を能率的に接合させる方法として、「特開昭61−2493
9」には、可塑化合成樹脂の滲み込み防止用シートを貼
着させた軟質発泡体シートの表面に押出機を用いて所定
量の可塑化合成樹脂を流展させたうえ、スタンピング成
形を行うことによって、合成樹脂の成形と、この成形体
への発泡体シートの接合を同時に行う技術が示されてい
る。
[発明が解決しようとする問題点] 上記の先行技術は、可塑化状にある合成樹脂が呈する一
種の接着作用力を利用して、ダンパ本体の成形と、この
本体への発泡体シートの貼り合わせを同時に行えるの
で、製造工程を著しく簡略化できる。
しかし発泡体シートが貼着されている面に、例えば導風
板のような突起部を、ダンパ本体と一体をなして成形し
ようとしても実行困難だった。
このような要望を実現するためには、発泡体シートに、
突起部形成用キャビティに通じる切抜穴を設ける必要が
ある。そしてこの切抜穴の大きさと位置は、キャビティ
への可塑化樹脂流入口に正しく合致させないと、正常な
発泡体シート貼り合わせ製品は得られない。しかし発泡
体シートは柔軟で変形しやすいので、この種の作業は量
産ラインにはおよそ実行困難である。
従って、例えば上記導風板付きダンパのように、発泡体
シートの如き多孔質弾性部材が貼着されている合成樹脂
成形製品に就いて、この貼着面において成形品に突起部
を設けたい場合には、突起部を一体的に作り付けた合成
樹脂成形品に、この突起部を避けるためのくり抜き穴を
穿った多孔質弾性部材を貼り付ける、従来方法による他
はない。あるいは別個に作成した突起部をビスや接着剤
を使って、多孔質弾性部材を避けるようにして合成樹脂
成形品本体に接合させるといった、甚だわずらわしい作
業工程を要することになる。
本発明は上述の如き技術課題を解決するための、多孔質
弾性部材を結合させた合成樹脂製品の製造方法を提供す
ることを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 上記の目的を達成するために本発明による多孔質弾性部
材を結合させた合成樹脂製品の製造方法は、突起部を有
する合成樹脂製品を成形するための、2以上に分割可能
な型の内壁面のうち、少なくともこ型壁に設けた前記突
起部形成用の前記突起部と同じ形状を有するキャビティ
の開口部およびその周辺に、多孔質弾性部材を当接させ
る工程と、前記型内に、所定量の可塑化させた前記合成
樹脂を供給する工程と、前記型を閉じて、型締圧により
前記多孔質弾性部材を圧縮すると共に、前記可塑化合成
樹脂に第1の設定レベルの成形圧を及ぼして前記キャビ
ティ内を除く成形空間にこの樹脂を充満させる工程と、
前記第1の設定レベルを上回る、第2の設定レベルの成
形圧を前記可塑化合成樹脂に及ぼして、この圧力により
前記キャビティの開口部を塞いでいる前記多孔質弾性部
材を破断させ、このキャビティ内にも前記可塑化合成樹
脂を充満させる工程と、少なくとも前記第1の設定レベ
ル以上の、第3の設定レベルの成形圧を設定時間保持さ
せる工程とを含む構成を採用した。
ここに、可塑化合成樹脂の供給工程とは、押出機を用い
る押出工程、または射出成形機を用いる射出成形工程で
ある。
押出機を用いる場合には、第2の設定レベルの成形圧
は、200〜800kgf/cm2、好ましくは300〜500kgf/cm2が適
当である。
また射出成形機を用いる場合には、第1の設定レベルの
成形圧は、少なくとも2段階に分けて段階的に高めて行
くようにし、この成形圧は30〜250kgf/cm2とかなり低い
レベルに押さえるのが適当である。
第3の設定レベルの成形圧は、成形製品の形状を安定化
させると共に所要の物性を確保するためのいわゆる保持
圧に相当する。
合成樹脂としては、様々な種類の熱可塑性合成樹脂、例
えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、AB
S、アクリル樹脂、ナイロンを始めとする各種のエンジ
ニアリングプラスチックなどを使用できるが、必要に応
じてポリウレタン樹脂のように反応・硬化性を有する合
成樹脂を用いることも可能である。
そしてこれらの合成樹脂には、様々な充填材、例えばマ
イカ、タルク、ガラス繊維などを配合することによっ
て、物性向上の効果も得られる。
多孔質弾性部材としては、各種の軟質合成樹脂発泡体、
例えばポリウレタン、ポリエチレン、塩化ビニール、酢
酸ビニールなどの発泡体の他に、各種の合成ゴム発泡体
を用いることができる。あるいは繊維質多孔性材料であ
ってもよい。
樹脂難透過性シートが紙などのように引き裂き強度に方
向性をもっている場合には、、必要に応じて引き裂き強
度の大きい方向に、あらかじめ適宜の切れ目を設けて置
くとよい。
[作用] 上記の製造方法においては、型を構成する割型の少なく
とも1つには、型内壁面に開口する突起部形成用の突起
部と同じ形状を有するキャビティが設けてある。
先ず開かれている型の型内壁面のうち、少なくとも上記
の開口部とその周辺に、この開口を塞ぐようにして多孔
質弾性部材を当てがう。
次に型を閉じて型締めを行うが、この型締圧を利用して
多孔質弾性部材を圧縮する。
次いで型内に可塑化合成樹脂を供給し、第1の設定レベ
ルの成形圧を及ぼすことによって、前記のキャビティを
除く成形空間に樹脂を充満させる。
しかる後、成形圧を第2の設定レベルにまで高めること
によって、型内壁面の開口部を封塞している多孔質弾性
部材を破断させ、キャビティ内に可塑化合成樹脂を流入
充満させる。最後に第3の設定レベルの成形圧を、保持
圧として設定時間保持させたうえ、冷却することによっ
て、多孔質弾性部材がその表面に接合されており、且つ
この多孔質弾性部材の層を突き破るようにして、突起部
が一体成形された合成樹脂製品が得られる。
[実施例] 以下に図に示す実施例に基づいて本発明の構成を具体的
に説明する。
第1図は本発明の第1実施例を示した製造工程図であ
り、製品は自動車用空調装置に組込むための気流制御弁
(以下ダンパという)である。
ダンパAは、その側断面図としての(ホ)図にみられる
ように一辺部に回転軸1Bを形成された板状のダンパ本体
1の両表面に、多孔質弾性部材としてのフォーム板3を
結合させている。そして上側のフォーム板3を突き破る
ようにして、導風板としての2枚のエアガイド2をダン
パ本体1と一体をなして形成させている。ダンパ本体1
の寸法は長さ170mm、巾48mm、厚さ2.5mmであり、回転軸
1Bは直径8mm、長さ220mmである。
この実施例では、合成樹脂の供給工程としてスタンピン
グ成形法を採用している。
上下2分割構造を備えた成形用の上型11には、突起部と
してのエアガイド2を形成させるための、巾30mm、高さ
40mm、厚さ2mmの大きさのキャビティ10が図示の如く2
箇所に設けてある。10Aは可塑化樹脂が流入する開口部
である。
上型11と下型12には、それぞれダンパ本体1の一半部を
形成させるための長さ170mm、巾48mm、深さ1.5mmの成形
空間100と、回転軸1Bの各一半部の形成用の半円柱形空
間を設けている。
上型11に設けたキャビティ10には、成形時のガス抜け不
良による不良品が生じないように、その上部にガス抜溝
11Aも設けている。
フォーム板3としては、発泡倍率が約35倍、平均セルサ
イズが900μmで厚さ5mmのポリエステル系軟質ポリウレ
タンフォーム板を用い、その片面に樹脂難透過シート4
としての和紙を貼着させたうえ、長さ170mm、巾48mmの
大きさに裁断したものを用意した。またダンパ本体1の
成形用素材としては、40重量%のマイカを補強材として
配合したポリプロピレン樹脂を選んだ。
次に製造の各工程を第1図に従って説明すると、(イ)
図の如く開かれている型の下型12の成形空間100に、フ
ォーム板3を樹脂難透過性シート4の貼着面が上側に位
置するようにして納める。
次いで図示を省いた押出成形機の付属チャンバによっ
て、ダンパ本体1と回転軸1B、並びに2枚のエアガイド
2を成形するに足りる量の、240±10℃に加熱された可
塑化合成樹脂を正確に計量し、下型12上のフォーム板3
の表面に舌片状をなして吐出させる。
そしてこの吐出樹脂層の上面に2枚目のフォーム板3
を、第1のフォーム板3に正しく重なり合う位置関係を
保たせて載せる。
しかる後、型締機の作動用ラムを働かせて可動盤21を固
定盤22に向けて接近させスタンピング成形を行うべく第
1の設定レベルの成形圧を及ぼすと、上型11と下型12の
間に設けた深さ3mmの成形空間100内に納まっていた2枚
のフォーム板3は、型締圧と共に樹脂が呈する成形圧を
受けることによって最終的には0.25mmにまで圧縮され、
フォーム板3の存在空間を除いて成形空間100内は
(ロ)図の如く可塑化樹脂によって充満する。
可動盤21を更に下降させて行くと、可塑化合成樹脂に及
ぼされる成形圧は上昇を続け、第2の設定レベルの成形
圧を越えると、上型11のキャビティ10の開口部10Aを封
鎖しているフォーム板3が破断して((ハ)図参照)、
(ニ)図にみられるように、キャビティ10内に溶融樹脂
が充満する。この実施例では、型締めによる最大成形圧
である200〜300kgf/cm2より高い340kgf/cm2に設定し
た。
しかる後、成形製品の形状の安定化と、所要の物性を確
保するための第3の設定レベルの成形圧としての保持圧
を型締め圧として加えつづけた。型の冷却後の取り出さ
れた完成品((ホ)図)は、ダンパ本体1の両表面にフ
ォーム板3が強固に接合された状態にあり、またフォー
ム板3は約1mm厚さを減じて約4mmとなったが、本来の柔
軟性は充分に保たれていた。ダンパ本体1は約2.5mmの
ほぼ一様な肉厚を得ることができた。
樹脂難透過性シート4の役割は、可塑化合成樹脂を型内
に充満させる工程において、フォーム板3に樹脂が浸透
するのを防止する所にあるが、この実施例のように和紙
として多孔性繊維を備えるシート4は、幾分かは樹脂の
浸透を許容するので、浸透固化した合成樹脂によるアン
カー効果が生じて上述の如くダンパ本体1との強固な接
合が行われることになる。なおエアガイド部分の重量は
合成樹脂の成形部分総重量の約14%を占めた。またこの
実施例では2個取りの成形用型を用いて完全な製品を能
率的に作ることができた。
第2図は第1実施例と同種の成形製品を作るための本発
明による第2実施例に関する図であって、成形用型と成
形製品Bの側断面をそれぞれ示している。
第1実施例と異なる点は、エアガイド2の成形用キャビ
ティ10を上型11ではなくて下型12に設けた点と、ダンパ
本体1の片面だけにフォーム板3を貼着させた所にあ
る。
第1および第2いずれの実施例製法によっても、エアガ
イド2がフォーム板3を付き抜けている個所において、
可塑化合成樹脂の流動に伴ってフォーム板3が見苦しく
千切れたり、巻き込まれたり、片寄ったりする不都合は
生じなかった。
第3図は本発明の第3実施例を説明した製造工程図であ
って、成形製品は第1実施例同様のダンパである。
この実施例では、可塑化合成樹脂の供給工程において、
射出成形機を用いているので、成形技術の細部において
独特の工夫がなされている。
この実施例の成形製品Cは、第3図中の(チ)図にその
側断面を示したように、板状のダンパ本体1の両表面に
フォーム板3を貼着させると共に、これらのフォーム板
を付き破るようにして、ダンパ本体1の一方の面(図で
は上面)に2枚のエアガイド2をまた他方の面には1枚
のエアガイド2をダンパ本体1と一体をなして突設させ
ている。
ダンパ本体1とエアガイド2、およびフォーム板3の材
質は、フォーム板3のセルサイズが平均500μmで板圧
が8mmである点を除けば、第1実施例のそれと同じであ
る。2枚のフォーム板3のうち上面側のフォーム板には
射出成形用ゲート20の挿通用くり抜き穴3Aを設けてい
る。これらのフォーム板3の表面には(イ)図の如く樹
脂難透過性シートは必ずしも貼着させなくても、型締圧
によってフォーム板3が圧縮されることによって可塑化
合成樹脂の浸透を実質的に防ぐことができるが、
(イ)′図に描かれているように、樹脂不透過性シート
として、ダンパ本体1と同じ材質のポリプロピレンフィ
ルム5を貼着させることによって、フォーム板3への樹
脂の浸透をより確実に防止できると共に、フォーム板3
の変形やずれ動きが起こり難くなり、製品の外観が向上
する。
製品の成形用型としては、(ロ)図に描かれているよう
に、ダンパ本体1の一半部成形用空間11Aまたは12Aと、
エアガイド2の形成用キャビティ10とがそれぞれ設けら
れている上型11と下型12とを用意する。上型11には射出
成形用ゲート20が、図示のようにその先端面を、型の分
割面から幾分前方に突出させるようにして組付けられて
いる。成形用空間11Aと12Aの深さは各1.55mmである。
この実施例の製造工程を順次説明すると、(ハ)図の如
く開かれた状態にある型の下型12の成形空間12Aに一枚
のフォーム板3を納めたうえ、その上に他の一枚のフォ
ーム板3を正しく重ね合わせて載せる。
次に型締めを行うと、(ニ)図に描かれているように合
計3.1mmの深さの成形空間11Aおよび12A内に押し込まれ
た2枚のフォーム板3はそれぞれ元の厚さの約19%にま
で圧縮される。この状態のもとにおいてゲート20の先端
面は(リ)図に示した如く、上側のフォーム板3には、
下側のフォーム板3が押し下げられたことに基因して、
ゲート20の周りに圧縮度が他の部分よりは低い圧縮度低
減域3Bが形成される。
このような状態のもとで、約220±10℃に加熱されて可
塑化したマイカ配合ポリプロピレン樹脂を、図示を省い
たホットランナーおよびゲート20を経て、2枚のフォー
ム板3の重ね合わせ面に向けて射出するとゲート20の先
端部を繞って存在する圧縮度低減域3Bが、この重ね合わ
せ面への樹脂の侵入を助ける誘導路の如く働いてくれ
る。この射出開始時の射出圧は通常の射出圧よりはかな
り低い約100kgf/cm2とし、型内樹脂流動速度も約15mm/s
ecと低く押さえることによって、フォーム板3のずれ動
きやまくれ、あるいは巻き込み現象が起らないように配
慮する。
以後2枚のフォーム板3の間隙に可塑化合成樹脂が順調
に流展し始めたら射出圧を段階的に200kgf/cm2に高めて
流展を加速すると共に、成形空間内の隅々にまで樹脂を
行き渡らせる。この段階においてエアガイド2の形成用
キャビティ10内は(ホ)図の如く空洞のまま残されてい
る。
しかる後射出圧を更に400kgf/cm2にまで高めてやると、
キャビティ10の開口部10Aを封鎖しており、樹脂圧によ
って圧縮率約96%と高度に圧縮され緻密化しているフォ
ーム板3は、この高い射出圧を受けて比較的容易に破断
されるので、キャビティ10内にも可塑化合成樹脂が
(ヘ)図に描かれているように流入して、ほとんど瞬間
的に型内のすべての成形空間が樹脂によって充満される
(ト)図。射出開始からこの時までの所要時間は約6秒
だった。
射出成形工程の完了後、引き続いて約4秒間、400kgf/c
m2の上記の射出圧を保持させることによって、成形品の
寸法安定性と所要物性の確保を図り、冷却後製品Cを型
から取り出した。完成品に接合されているフォーム板3
の外観を調べた所、破断個所の周辺部においてフォーム
板の形状の乱れは全くといってよいくらい認められず、
従ってキャビティ10の開口部10Aを封鎖していたフォー
ム板3はこの開口部のほぼ中心線に沿って整然と切り裂
かれたものと推測された。一方フォーム板3とダンパ本
体1との接触面においては、第1実施例同様に両者は強
固に接合されていた。可塑化合成樹脂がフォーム板の表
面にわずかに浸透し、この浸透樹脂がフォーム板3の圧
縮状態のまま固化したことによって、フォーム板3は元
の8mmから6mmまで厚さが減少したが、圧縮力を解かれて
原形復帰したフォーム板の物性および外観は全く損われ
なかった。
樹脂不透過性シートとしてのポリプロピレンフィルム5
を片面に貼着させた、(イ)′図に示したフォーム板3
を用いた場合には、ポリプロピレンフィルム5は溶融状
態にある高温の射出ポリプロピレン樹脂の保有熱を伝え
られることによって、その表面が射出樹脂と溶け合う状
態になりフォーム板3はダンパ本体に強固に結合され
る。
フォーム板3へのポリプロピレンフィルム5の貼着方法
としては、フォーム板3の表面にポリプロピレンフィル
ム5を直接押出すか、あるいは接着法や熱溶融法などに
よればよい。
本発明製法によって製作可能な製品は勿論上述のダンパ
に限られることなく、様々な産業分野で使用するための
多岐の製品に亘るが、ここでは自動車用空調装置のため
のダンパだけに限って、いくつかの製品の形状例を以下
に説明する。
第4図は本発明製法によって作られた、第4実施例〜第
11実施例の各ダンパD〜Kの部分側断面図と部分平面図
である。
図中の符号は1がダンパ本体、2がエアガイド、2Aはエ
アガイドの補強用リブ、5は回転軸用軸受などとしての
役目を果たす中空筒、6は回転軸や部品取付軸などとし
て役立つ棒状突起部である。
第5図と第6図は、第12実施例としてのダンパを示した
側断面図と平面図である。
ダンパ本体1の片面には扇形をした2枚のエアガイド2
を対向させて突設している。2Aはエアガイド2の補強用
リブである。本例では成形法としてスタンピング成形法
を採用している。
第7図と第8図は第13実施例としてのダンパを示した側
断面図と平面図である。本例の成形法もスタンピング成
形法である。
エアガイド2はコの字型の平面形状を備えている。
この実施例では樹脂難透過シートとして、引裂き強度に
方向性のある和紙4をフォーム板3に貼着させている。
和紙の引裂強度は繊維の配向方向に強く、配向方向と直
行方向に弱いのでこの弱い方向とエアガイド2を平行に
させることが望ましいが、コの字を構成する各辺のうち
1辺は繊維の配向方向に対して直行方向とならざるを得
ない。そこで、和紙4にはエアガイド2のこの一辺部に
接する個所に、一辺のほぼ全長に相当する長さの切れ目
をあらかじめ設けてある。この処置によって、和紙4お
よびフォーム板3の破断はスムーズに支障なく行われ
る。
第9図と第10図は第14実施例としてのダンパを示した側
断面図と平面図である。
ダンパ本体1の一方の面には1枚のエアガイド2が、そ
して他方の面には3枚のエアガイド2を突設している。
またダンパ本体1には2個所に角形の通気口6を設けて
いる。
この実施例は射出成形法によっており、成形製品の形状
が複数なので3個のゲートを用いている。1Bは一方のフ
ォーム板3に設けたゲート挿通用穴である。ダンパ本体
1の大きさは、長さ148mm、巾95mm、厚さ2.5mm、4枚の
エアガイド2の寸法は高さが44〜18mm、巾30〜80mm、厚
さ2.0〜2.5mmである。
第11図と第12図は第15実施例としてのダンパを示した側
面図と底面図である。
射出成形法によれば、この実施例のように極めて複雑な
形状を備えるダンパ本体1を自由に成形できる。またフ
ォーム板3はダンパ本体1の平坦面あるいは屈曲面のう
ちの必要個所だけに局部的に接合させることも勿論でき
る。1Cと1Dはダンパ本体1の補強用リブ、7はアーム部
である。
第13図と第14図は第16実施例としてのダンパを示した側
面図と底面図である。
ダンパ本体1は長さ140mm、厚さ2.5mmで、巾は116mmと9
4mmの2つの部分を連接させた図示の形状を備えてい
る。その両側端部には巾15mmのアーム部8が図示の如く
一体形成されている。また下面には5枚の補強用リブ9
が同じく一体成形されている。
合計3枚用意された厚さ8mmのフォーム板3にはそれぞ
れ樹脂不透過性シートとしてのポリプロピレンフィルム
5を貼着させてあり、そのうちの1枚目は巾30mmのコの
字形状を備えており、ダンパ本体1の上面側においてア
ーム部8の上面に沿わせるようにして接合されている。
長さ116mm、巾60mmの第2のフォーム板3と、長さ94m
m、巾40mmの第3のフォーム板3は、それぞれダンパ本
体1の下面の右側端と左側端にその巾方向縁端を一致さ
せるようにして接合されている。
そして第14図にみられるように補強用リブ9の一部は第
2のフォーム板3を突き破った状態のもとに、ダンパ本
体1と一体成形されている。
ダンパ本体1、アーム部8、および補強用リブ9の成形
条件は、第1の設定レベルの成形圧は、射出開始時は10
0kgf/cm2、樹脂の流展が順調に進むようになった時、段
階的に250kgf/cm2に高めた。第2および第3の設定レベ
ルの成形圧は、それぞれ400kgf/cm2およ500kgf/cm2とし
た。ポリプロピレンフィルム5には、破断を助けるため
の切れ目を設ける必要はなかった。
本発明で用いる多孔質弾性部材としてのフォーム板3
は、その発泡倍率を10〜60倍、好ましくは15〜40倍と
し、またセルサイズは250〜1500μm、好ましくは300〜
1000μmの範囲に納めることが、良好な製品を作るうえ
で、必要なことが経験的に確められた。
発泡倍率およびセルサイズがこの下限値を下回ると、フ
ォーム表面への可塑化合成樹脂の浸透量が不足して両者
の接合力が不十分となり、上限値を上回ると逆に可塑化
合成樹脂がフォームに多量に浸透し過ぎて、フォームの
多くの部分が樹脂によって圧縮状態のまま固定されてし
まう不都合を招く。
また樹脂難透過性シートとして特に好適した和紙を用い
る場合には、ある程度の量の樹脂が多孔質弾性部材側に
浸み出るように、その厚さは紙の材質に応じて0.05〜0.
30mm、好ましくは0.07〜0.15mmの範囲で選ぶのがよい。
合成樹脂を成形する際の、第2の設定レベルの成形圧
は、スタンピング成形による場合には、多孔質弾性部材
や樹脂難透過性シートの材質や厚さの如何、そしてキャ
ビティの形状などに応じて200〜800kgf/cm2の範囲で経
験的に最適値を選択するが、一般的には300〜500kgf/cm
2が適当である。この範囲以下では多孔質弾性部材を破
断し難くなり、以上ではバリを多く生じるようになる。
そして必要に応じて樹脂難透過性シートに、破断を助け
るための切れ目を設けることも本発明製法の重要な技術
的ポイントの一つとなる。
更に射出成形法によって合成樹脂を成形する場合には、
第1の設定レベルの成形圧は通常の射出成形圧よりはか
なり低い30〜250kgf/cm2の範囲にとどめると共に、少な
くとも2段階に分けて段階的に成形圧を高めて行くこと
が必要になる。このような低圧射出を行うことによっ
て、既述の如く多孔質弾性部材のずれ動きや変形を防ぐ
ことができる。
成形製品の全重量に対するキャビティ部分の重量比が50
%を越えると、試作した形状の製品に関する限りでは成
形が困難になるので、この重量比は一般的には35%以下
にとどめるのがよいと思われる。
またエアガイド付きダンパの場合には、ダンパ本体の厚
さが2.5mmであれば、エアガイドの肉厚は2.0〜3.0mmが
適当で、それ以下では構造強度が不足し、以上ではそり
変形を起こしやすくなる。そしてエアガイドには1%以
上の抜き勾配を設けることが望ましい。
可塑化合成樹脂の好ましい加熱温度は、樹脂の種類によ
って当然に異なるが、キャビティが深い場合や厚さが薄
い場合には、樹脂の流動を考慮して幾分高目にするとよ
い。
上記実施例ではダンパの製法説明に終始したが、勿論合
成樹脂製品の本体部分は板状体に限られないし、突起部
の形状も成形用型の分割構造を工夫することによって単
なる平板状にとどまらず曲面形状を与えることもでき、
更には、任意の不定形状を形成させることも可能であ
り、ダンパ以外で多孔質弾性部材を一体的に結合させる
ことを要する製品を能率的に生産することができる。
[発明の効果] 以上の如く、本発明の多孔質弾性部材を結合させた合成
樹脂製品の製造方法によれば、多孔質弾性部材の層を突
き抜けた任意形状の部分を有する多孔質弾性部材付合成
樹脂製品が極めて効率良く製造でき、製造工程の合理化
および製品のコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による第1実施例を示した、自動車用空
調装置に組込むためのダンパの製造工程図である。 第2図は本発明による第2実施例を示した、第1図と同
様なダンパ製造工程の略解図である。 第3図は本発明による第3実施例を示した、第1図と同
様なダンパの製造工程図である。 第4図は本発明方法によって作られるダンパの他の形状
例を、それぞれ部分側断面と部分平面によって示した、
第4実施例〜第11実施例図である。 第5図と第6図は、第12実施例としてのダンパの側断面
図と平面図である。 第7図と第8図は、第13実施例としてのダンパの側断面
図と平面図である。 第9図と第10図は、第14実施例としてのダンパの側断面
図と平面図である。 第11図と第12図は、第15実施例としてのダンパの側面図
と底面図である。 第13図と第14図は、第16実施例としてのダンパの側面図
と底面図である。 図中1……合成樹脂製品(ダンパ本体)、2……突起部
(エアガイド)、3……多孔質弾性部材(フォーム
板)、4……樹脂難透過性シート、5……樹脂不透過性
シート、10……突起部形成用キャビティ、10A……キャ
ビティの開口部、11、12……上型および下型、100……
成形空間
フロントページの続き (72)発明者 大島 康義 愛知県刈谷市一ツ木町茶煎坊下1番地 シ ミズ工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−297124(JP,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】突起部を有する合成樹脂製品を成形するた
    めの、2以上に分割可能な型の内壁面のうち、少なくと
    もこの型壁に設けた前記突起部形成用の前記突起部と同
    じ形状を有するキャビティの開口部およびその周辺に、
    多孔質弾性部材を当接させる工程と、 前記型内に、所定量の可塑化させた前記合成樹脂を供給
    する工程と、 前記型を閉じて、型締圧により前記多孔質弾性部材を圧
    縮すると共に、前記可塑化合成樹脂に第1の設定レベル
    の成形圧を及ぼして前記キャビティ内を除く成形空間に
    この樹脂を充満させる工程と、 前記第1の設定レベルを上回る、第2の設定レベルの成
    形圧を前記可塑化合成樹脂に及ぼして、この圧力により
    前記キャビティの開口部を塞いでいる前記多孔質弾性部
    材を破断させ、このキャビティ内にも前記可塑化合成樹
    脂を充満させる工程と、 少なくとも前記第1の設定レベル以上の、第3の設定レ
    ベルの成形圧を設定時間保持させる工程とを含むことを
    特徴とする多孔質弾性部材を結合させた合成樹脂製品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】前記可塑化合成樹脂の供給工程は、押出成
    形工程であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の多孔質弾性部材を結合させた合成樹脂製品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記多孔質弾性部材の表面には、樹脂難透
    過性シートが貼着されており、このシートの貼着されて
    いない側を前記型内壁面に当接させることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項または第2項記載の多孔質弾性部
    材を結合させた合成樹脂製品の製造方法。
  4. 【請求項4】前記第2の設定レベルの成形圧は、200〜8
    00kgf/cm2、好ましくは300〜500kgf/cm2であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか
    に記載の多孔質弾性部材を結合させた合成樹脂製品の製
    造方法。
  5. 【請求項5】前記樹脂難透過性シートは紙、不織布、織
    布、フェルト状材などであることを特徴とする特許請求
    の範囲第3項に記載の多孔質弾性部材を結合させた合成
    樹脂製品の製造方法。
  6. 【請求項6】前記可塑化合成樹脂の供給工程は、射出成
    形工程であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の多孔質弾性部材を結合させた合成樹脂製品の製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記射出成形用のゲートの先端面を、前記
    型内に重ね合わせて納められている2枚の前記多孔質弾
    性部材のうちの、一方の部材を貫通させて他方の部材の
    表面に幾分埋没させるように位置させることを特徴とす
    る特許請求の範囲第6項記載の多孔質弾性部材を結合さ
    せた合成樹脂製品の製造方法。
  8. 【請求項8】前記多孔質弾性部材の表面に合成樹脂製フ
    ィルムを貼着させると共に、このフィルムの貼着されて
    いない側を前記型内壁面に当接させることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項、第6項または第7項のいずれか
    に記載の多孔質弾性部材を結合させた合成樹脂製品の製
    造方法。
  9. 【請求項9】前記第2の設定レベルの成形圧を、少なく
    とも2段階に分けて段階的に高めることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項および第6項ないし第8項のいずれ
    かに記載の多孔質弾性部材を結合させた合成樹脂製品の
    製造方法。
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