JPH0745096B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JPH0745096B2
JPH0745096B2 JP9619788A JP9619788A JPH0745096B2 JP H0745096 B2 JPH0745096 B2 JP H0745096B2 JP 9619788 A JP9619788 A JP 9619788A JP 9619788 A JP9619788 A JP 9619788A JP H0745096 B2 JPH0745096 B2 JP H0745096B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、連続鋳造方法に係り、特に鋳片の引抜抵抗の
着目しつつ当該鋳片の一個ごとにその品質を推定し下工
程への振り分け等に利用するものである。
〔発明の背景〕
連続鋳造方法は、モールド(鋳型)に溶融金属を連続的
に注入し、これをピンチロール等によりモールド下側方
向へ連続的に引抜くことにより帯状の連続鋳片とした
後、所要寸法に切断して鋳片を得る技術である。
ところで、連続鋳造法では、鋳片を引抜き、又は案内す
るための各種ロールの回転不能、破損、あるいはモール
ド直下に設置されてモールドとロール群との間を接続し
ているグリッドの損傷等の設備異常、鋳片のバルジング
等の異常が発生すると、鋳片品質の悪化、操業の一時的
停止等の事態を招来していた。
連続鋳造における上述の如き異常を検出する方法として
は、たとえば特開昭57−195570号等が知られている。こ
の特開昭57−195570号によれば、モールドから引抜かれ
た鋳片の湾曲部前後のロール群にて鋳片に圧縮力を付与
してその形状を矯正する際に、これらのロール群の駆動
モータの実電流値を測定しておき、これが所定値以上と
なった場合には異常発生と見倣して前記ロール群の駆動
モータへの供給電流値を減少させることにより鋳片の品
質悪化、設備の損傷等を未然に防止せんとするものであ
る。
しかし、上述の特開昭57−195570号に開示されている技
術、あるいは他の連続鋳造の異常検出に関する従来技術
はそのほとんどが定常状態における連続鋳造、すなわち
鋳片幅一定、引抜速度(鋳込速度)一定の状態における
連続鋳造時に何らかの異常を検出するものであった。
ところで、連続鋳造中に操業を中断することなく鋳片幅
を変更する技術、いわゆる鋳込中モールド幅替と称され
る技術が実用化されているが、鋳片幅、すなわちモール
ド幅を変更する際には、通常鋳込速度の変更を伴い、ま
た幅替が実行された部分の鋳片はその幅がテーパ状に変
化してピンチロール等に加わる負荷も変化するため、こ
のような場合にはそれまでの定常状態が乱されることに
なる。従って、このようなモールド幅替時等の如く人為
的に定常状態が乱された状態下では、前述の如き従来の
手法では異常発生と見倣されることとなる。
そこで、本出願人は、定常状態のみならず、鋳片幅およ
び鋳込速度が変化しつつあるような場合においても連続
鋳造の異常を検出するために、特開昭60−257958号公報
において、 「連続鋳造機により鋳造される鋳片に加えられる引抜抵
抗の総計を、モールドから最末端のピンチロールまでの
間において前記鋳片の幅、厚及び引抜速度の関数として
求めて前記鋳片の理論引抜力とし、 各ピンチロール駆動モータへの給電電圧及び電流と鋳片
引抜速度とから各ピンチロールによる引抜力をそれぞれ
求めてその総計を前記鋳片の実引抜力とし、 前記理論引抜力と実引抜力との比較により連続鋳造の異
常を検出することを特徴とする連続鋳造の異常を検出す
ることを特徴とする連続鋳造の異常検出方法。」 を提案した(以下それを先行法1という)。
しかし、この先行法1における理論引抜力と実引抜力と
の相関は、相関係数として0.75程度で、高くなく、した
がって誤警報も多く、必らずしも満足できるものではな
かった。
他方、極低炭材(C≒O)では、ピンチロールによる引
抜力を増大させても引き抜きが困難となり、遂にはピン
チロールが鋳片からスリップし、引抜不能を招来するこ
とはしばしば経験されるところである。
そこで、本出願人は、引抜不能の原因を的確に判断で
き、しかもその引抜不能を未然に回避することができる
方法として、「モールドから最末端のピンチロールまで
の間において鋳片の断面サイズおよび引抜速度の関数と
して求めた理論引抜力と、各ピンチロールの駆動モータ
の負荷と引抜速度とから求めた各ピンチロールの引抜力
を総和した実引抜力とを比較し、これらの偏差が大きい
とき異常と判断するとともに、それらの偏差量の大きさ
および実引抜力のレベルに基いて、設備異常か鋼成分の
影響に基く異常かとに分別して判断し、鋼成分の影響に
基く異常でありかつ引抜不能を招くと考えられるとき、
冷却水量を増量する」方法(以下先行法2という)を特
願昭63−30491号として先に提案した。
通常溶鋼中のC成分が少く、かつSi分が多いときには、
実測した引抜力は大きくなり、引抜不良を招く。この場
合においても、理論引抜力と実引抜力との差は大きくな
る。
その結果、連続鋳造の異常を先行法1のみに従って異常
判断を行うとき、理論引抜力と実引抜力との差が大き
く、異常とされる場合であっても、設備異常によって前
記の差が大きくなったのか、前述の溶鋼成分によるもの
なのかを判断できない。
しかるに、前記先行法2に従うと、理論引抜力と実引抜
力との偏差量および実引抜力のレベルを判断すること
で、設備異常か鋼成分の影響に基く異常かを分別して判
断できる。しかも、鋼成分の影響、特にC量が少くかつ
Si量が多い場合において、引抜不能を招きがちである
が、この場合には、判断結果後、冷却水量を増量するこ
とによって、引抜不能を確実に回避できる。
他方、連続鋳造機においては、鋳片を凝固進行中に引き
抜くために、凝固シェルをピンチロールにより支持し、
溶鋼静圧によるバルジング発生を抑制している。このた
め、通常、ロール間隔は、鋳片凝固収縮代を見込んで、
予めバルジング歪が発生しないよう配列している。
ところが、長年の使用や、操業中における突発的に、ロ
ール曲りや支持ベアリング損傷によるロール落込み等を
生じ、ロールアライメントの不整を発生することがあ
り、こうなると、その部分でのバルジング歪が大きくな
り、主に鋳片の内部割れや引抜不能を招く。
そこで、従来は、かかる不安定操業を招かず、また所要
品質を得るべく、安全率を見込んで鋳込速度の限界を定
めている。
また、上記のように、ロールアライメントを管理するこ
とは重要であるので、ロールアライメントの測定に際し
ては、操業停止時に、専用測定機もしくは治具を用いて
行っていた。
しかし、上記従来法において、操業停止時にロールアラ
イメントを測定し、これに基いて鋳込速度を安全率を見
込みながら操業することは、その安全率分、鋳込速度の
低下を招くので、生産性に劣る。
また、たとえ安全率を見込んだ鋳込速度に基いて操業し
ても、操業中に突発的な事故によって大巾なアライメン
ト不整を招くときは、安全率を超えたものとなり、不測
のトラブルを招く。
そこで、本出願人は、可能な限り高い鋳込速度で操業で
き、もって生産性が向上するとともに、鋳込中の突発的
な事故に十分に対応でき得る鋳込速度制御方法として、
「連続鋳造機のピンチロール駆動モータの負荷より鋳片
の引抜抵抗を求め、この値より前記ピンチロールのロー
ルアライメントを推定し、この推定したアライメント
と、予め求めた鋳込速度と鋼成分との関係により定めら
れる鋳造安全性とに基いて、鋳造安全性が確保される限
界鋳造速度を求め、この限界鋳込速度を超えないよう前
記ピンチロールの速度制御を行う」方法(以下先行法3
という)も特願昭62−17870号として提案した。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者は、引抜不能等を防止するために、先行法2の
ように2次冷却水量を調節したり、先行法3のようにピ
ンチロールの速度、したがって引抜速度を調節すること
がきわめて有効であることを実機に応用した経験から知
見した。
しかし、従来は、引抜抵抗の異常(限界引抜抵抗値を超
えた状態)が発生した場合、ピンチロール速度制御や2
次冷却水量制御を行って対処したにもかかわらず、当該
チャージの全ての鋳片を冷片化するまで仮置きし、内質
検査を行う方式を採っており、したがってダイレクトチ
ャージを実施できず、下圧延工程に甚大な影響を与えて
いた。また、内質サンプル検査で内部割れ有りの鋳片が
たまたまあった場合、上記対策を採った鋳片をも低級品
質材に格下げするかスクラップとしており、歩留りがき
わめて悪いものであった。
そこで、本発明の主たる目的は、引抜抵抗、引抜速度お
よび2次冷却水量の実績値を鋳片1個ごと管理し、各実
績値に基いて当該鋳片の品質を推定し、たとえばその推
定結果に基いて、以後の下工程への振り分けを行うこと
によって、円滑な工程間の連係を図るとともに、歩留り
を向上することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、各ピンチロールの駆動モータの駆動負荷と
引抜速度から求めた各ピンチロールの引抜抵抗値を総和
した実引抜力に基づいてロールアライメント不整量を判
断するとともに、この実引抜力のレベル判断の際に溶鋼
成分のC量およびSi量による変化を加味し、 前記ロールアライメント不整量を基準として、予め求め
た引抜速度と鋼成分との関係により定められる鋳造安全
性に基づいて、鋳造安全性が確保される限界引抜速度を
求め、この限界引抜速度を超えないようピンチロールの
速度制御を行う引抜速度制御を行い、 引抜不能を招く虞れがあるとき、2次冷却水量を増量す
る2次冷却水量制御を行い、 他方で、モールドから最末端のピンチロールまでの間に
おける鋳片の断面サイズおよび引抜速度の関数として求
めた理論引抜力と、前記実引抜力とを比較し、これらの
引抜力偏差が所定値より大きいとき、ロールアライメン
ト不整に基づく異常と判断し、 実引抜力が基準値より大きいとき、鋼成分の影響に基づ
く異常と判断し、 前記引抜力偏差が所定値より大きくかつ実引抜力が基準
値より大きいとき、ロールアライメント異常および鋼成
分の影響に基づく異常と判断し、 前記引抜抵抗値、引抜速度値および2次冷却水量値を順
次切断される鋳片の1個当りで管理し、これらの実績値
に基づいて当該鋳片の1個当りの品質を推定して下工程
に反映させることで解決できる。
〔作用〕
本発明では、引抜抵抗値、引抜速度値および2次冷却水
量値を鋳片1個当りで管理し品質を推定するため、その
鋳片が異常回避方策を採ったものであるか否かを峻別で
き、したがって、連続鋳造より以降の下工程へ適切に振
り分けることができる。
〔発明の具体的構成〕
以下本発明をさらに詳説する。
周知のように、連続鋳造に当って、製鋼炉(図示せず)
で溶製された溶鋼MSは、レードル1にて連続鋳造設備上
に運搬され、タンディッシュ2に一旦貯留される。タン
ディッシュ2のノズル21はモールド3内に開口されてお
り、溶鋼MSはモールド3内における湯面レベルが一定と
なるようにモールド3内に注入される。モールド3に注
入された溶鋼MSはモールド3により冷却されてその周囲
に凝固殻が形成される。そして、モールド3直下に備え
られたグリッド、その下側のローラエプロンに備えられ
た多数のガイドロール4,4…に案内されて水平方向に90
°方向を変換された後、ピンチロール5群に到る間に溶
鋼MSは冷却及び矯正されて鋳片CSとなり、溶断トーチ等
を用いる適宜切断装置6により切断され、順次個別鋳片
7,7…化される。
さて、第1図において、モールド3からピンチロール5
群の最末端のピンチロールまでの間の鋳片CSの引抜抵抗
Fwは下記(1)式にて与えられる。
Fw=fm+fg+fR+fs+fr …(1) ただし、 fm:モールド内引抜抵抗 fg:グリッド内引抜抵抗 fR:鋳片のピンチロール引抜(摩擦)抵抗 fs:鋳片CSの矯正引抜抵抗 fr:矯正反力によるロール転り抵抗 これらの各引抜抵抗は、鋳片の断面サイズや鋳込速度の
関数としてあらわされることは、先行法1に係る公報記
載の通りであり、したがって、理論引抜力Fwも、鋳片の
断面サイズおよび鋳込速度の関数として求めることがで
きる。
他方、ピンチロール5は駆動モータ8によって駆動さ
れ、この駆動モータ8にはモータ電流等を検出する負荷
計9および引抜速度検出器10が付設されている。これら
の負荷計9および引抜速度検出器10からの信号に基いて
実際の鋳片のピンチロール実引抜抵抗Fnは、次記(2)式
によって求めることができる。
ここで、PM:モータ負荷、VC:引抜速度、K:定数であ
る。
かかる鋳片引抜抵抗Fnが判れば、ロールアライメント不
整量と引抜抵抗増分との間には第3図のように実質的に
1対1で対応するので、ロールアライメントを評価でき
る。
なお、ロールアライメント不整量は、当該ロール表面位
置の基準ロール表面位置からのずれである。また、一般
にはピンチロールが複数対あるので、引抜抵抗の総和を
用いてロールアライメントを評価する。
連続鋳造の際、前以って演算制御装置12で転炉からの成
分分析値(C,Si,Mn,S,P等)に基づいて鋳片内部割れ限
界値εcritを求める。限界値εcritは一般に次式により
求められる。
εcrit=2.26×10-5〔Ceq5〕-0.55〔S〕0.125 …(3) 但しCeq5=〔C%〕+〔Si%〕/7+〔Mn%〕/5(%は重
量%)である。
即ち限界値は、成分値特に〔S〕の影響が大きい。
かかる成分分析値の特に〔S〕と引抜速度Vcとの関係の
下に、鋳片内部割れや引抜不能が生じる安全域を示すと
第2図の通りである(ただし〔C〕≦0.08%)。同図か
ら明らかなように、ロールアライメント不整の量によっ
て安全域が変動する。この安全域の変動は、前述のアラ
イメント評価によって把握することができる。
したがって、主にロールアライメントと溶鋼成分値とに
基いて、安定操業をなし得るぎりぎりの限界値近傍での
引抜速度で操業できる。
この安定操業をなし得るぎりぎりの引抜速度で操業する
際には、引抜速度制御装置11において、現引抜速度およ
び演算制御装置12からの演算結果を受けて、各駆動モー
タ8,8…の速度制御を行う。
なお、第2図例に則った場合、線Xが、従来安全率を見
込んで定められる引抜速度曲線である。
このようにして、主に実引抜抵抗に基いて引抜速度制御
を行うことは、鋳造安全性を確保しながら可能な限り速
い引抜速度を与え、生産性向上に大きく寄与する。
他方、上記(2)式で求められた実引抜抵抗の総和ΣFnと
(1)式から与えられる理論引抜力Fwとの差の絶対値を所
定の値αと比較して、 |ΣFn−Fw|>α である場合には、何らかの異常が生じているはずであ
る。この点は、先行法1で述べられている通りである。
ところが、出願人が、上記のようにFwとΣFnとの相関
を、先行法を提案後、実機での操業を多く続けた結果、
それらの相関係数は約0.75であって、必らずしも高いも
のではなかった。
そこで、理論引抜力の算出に当って、引抜速度、スラブ
断面寸法、溶鋼過熱度、スプレー水量、パウダー種類、
溶鋼成分(C,S,Si)等を変動要素としてみて、これを加
味する算出式を種々立て、その妥当性を調べ、溶鋼中の
カーボン量によって補正したところ、第4図のように、
前記相関係数は0.85まで良化した。
次いで、引抜速度およびスラブ寸法を一定にしたカーボ
ン量と実測引抜力の関係を調べたところ、第5図の結果
を得た。中炭材では、50〜60トンの引抜抵抗がカーボン
量ゼロ付近では70〜80トンになっていることが判る。
さらにカーボン量ゼロに近づくと引抜抵抗のバラツキが
大きくなり、60〜160トンまでの値をとっている。引抜
力が150トンを超えると引抜不能の可能性があることも
判った。
このカーボン量ゼロ(≒0)の引抜抵抗を解析したとこ
ろSi量によって変化することを知見した。
第6図にシリコン量と引抜力の関係を示す。Si量と引抜
力と同図のように山形になっている。なお、鋳込条件
は、C量が0%、引抜速度1.0m/分、鋳片幅1.05mであ
る。
そこで、Si量0.6%および1.0%の溶鋼を鋳込む場合、た
とえば、通常冷却水の倍の水量で冷却すると引抜抵抗は
150トン程度から100トン程度に下がり、引抜不能の可能
性はほとんどなくなった。またスラブ品質にも異常はな
かった。したがって、第6図のように、引抜限界能力が
150トンであるとき、これを超えるまたはその危険性の
ある場合には、2次冷却水量を通常の場合より増量する
ことで引抜不能を回避できる。
そこで、引抜不能を発生させないようにするには、溶鋼
のC量およびSi量によって冷却水量を鋳片の品質に影響
しない範囲で2次冷却水量制御装置13を介してコントロ
ールすればよい。これは、水流量大とすれば、シェル厚
が増大し、バルジングしにくくなるためと考えられる。
したがって、第1図に示すように、演算制御装置12にお
いて引抜速度、鋳片サイズ、溶鋼成分等より理論引抜抵
抗を計算し、それと負荷計9流から算出した実引抜抵抗
とを比較することによって、しかもそれらの偏差量およ
び実引抜抵抗のレベルを判断することによって、設備異
常によって引抜抵抗が増大しているのか、または溶鋼成
分によって増大しているのかを判別し、溶鋼成分による
ものである時は、警報を出すとともに2次冷却水量をコ
ントロールし引抜不能の防止を図ることができる。また
設備異常の場合は警報を出し、鋳込中止と不良設備の修
理をオペレータに促す。
具体的には、異常が設備異常、たとえばピンチロールア
ライメントの異常によるのか、CおよびSi分の影響によ
って異常のあるのかは、第7図のようにして分別して判
断できる。すなわち、第5図および第6図に示すよう
に、溶鋼成分のC量およびSi量による変化を加味し実引
抜力と理論引抜力との関係が第7図のような関係にあ
り、それらの引抜力偏差が許容範囲内であるか否かの判
定基準をたとえばX線およびY線の間とする。また、溶
鋼成分、特にC量およびSi量の影響によるものか否かの
判断基準線をZ線の160Ton以上とする。
いまA点のように、実実引抜力および理論引抜力がそれ
ぞれ100Tonである場合には、正常であると判断する。
B点のように、理論引抜力が100Tonであるにもかかわら
ず、実引抜抵抗が150Tonである場合には、X線から外れ
るので、それらの偏差の50Ton分がロールアライメント
不整に起因する異常であると判断する。
C点のように、Z線を超える場合には、溶鋼成分により
実引抜抵抗が過剰となったと判断する一方で、引抜力偏
差は少ないので、ロールアライメントの不整は生じてい
ないと判断する。
さらにD点のように、Z線を超える場合には、溶鋼成分
により実引抜抵抗が過剰となったと判断するとともに、
引抜力偏差もX線から外れているので、ロールアライメ
ント不整に起因する異常であると判断する。
以上のように、引抜抵抗値に基づいて、引抜速度および
2次冷却水量の制御を行っている過程で、限界引抜抵抗
値を超える引抜抵抗値を示すとき、所要の鋳片品質を保
持すべく、引抜速度を変更し、あるいは2次冷却水量を
増量した鋳片位置は、以下のようにして関係付けること
ができる。
第8図に示されるように、モールド3から最末端のピン
チロール5までの間を多数の仮想の小区域に区分する。
図示の例ではi+1〜i+25の25に区分するとともに、
便宜上、小区域5つを1グループとしてI〜Vにゾーン
分けしている。ここで、前記小区域に区分された鋳片を
「仮想鋳片」という。
また、ピンチローラ駆動用モータの負荷に基づく鋳片の
引抜抵抗値の測定サイクルは、前記1小区域長lに相当
する鋳込み時間に設定する。
一方、図示されないメモリ装置上には、前記1つの小区
域に相当する仮想鋳片が、i+1の位置からi+25の位
置に到達するまでの間に行われる25回の引抜抵抗値の測
定値を格納するための領域が確保されるとともに、各ゾ
ーン毎の平均値を算出し格納するための領域が確保され
ている。
連続鋳造中、ピンチローラ5、5…の駆動モータの負荷
に基づいて鋳片の引抜抵抗値が前述した一定サイクル毎
に絶えず連続的に測定され、その測定値がi+1の位置
からi+25の位置にある各仮想鋳片における原位置での
データとして蓄えられる。従って、モールド3より注出
直後のi+1の位置にある仮想鋳片Mに着目するに、仮
想鋳片Mは、i+1の位置からi+25の位置まで移動す
るまでの各25の小区域位置において、メモリーされた25
の引抜抵抗値データを持つとともに、I〜Vゾーン毎に
算出された、各ゾーンごとの平均引抜抵抗値を持つこと
となる。このようにして、順次モールド3から注出され
る各仮想鋳片ごとに、各小区域での引抜抵抗値および各
ゾーンでの平均引抜抵抗値の履歴を持たせることによっ
て、切断装置6によって切断された個別鋳片7に対して
も、個別鋳片7を構成する各仮想鋳片の鋳造履歴(引抜
抵抗値データ)が明確であることより、個別鋳片7の一
本毎に引抜抵抗データを関連付けることができる。具体
的には、第9図に示されるように、個別鋳片7を構成す
る仮想鋳片がM、N、Lであったとすると、各仮想鋳片
M、N、Lの各ゾーン毎の算術平均値を採ると、個別鋳
片7における引抜抵抗値の履歴となる。
また、引抜速度も全く同様に、一定周期毎の引抜速度検
出器10による測定値を区画された小区域でのデータとし
てメモリすることにより、個別鋳片7と関連付けること
ができる。
一方、2次冷却水の増量を受けた場合には、その冷却範
囲は当初より明確であるから、該範囲内にある仮想鋳片
のメモリ上に「2次冷却水増量有り」の信号が記録さ
れ、個別鋳片7が、この仮想鋳片を含む場合には「2次
冷却水増量有り」とされる。
以上のようにして、引抜抵抗値、引抜速度値、2次冷却
水量値の情報を個別鋳片7、7…1本当りで管理するこ
とができる。
演算制御装置12においては、各個別鋳片7、7…毎に、
前記引抜抵抗値、引抜速度値の変更および2次冷却水量
の増量の対策を採ったか否かの情報を下工程への情報と
して出力する。
下工程への情報として、この対策の有無が、オーダー可
否(下工程からのオーダー通りの鋳片重量、鋳片品質が
確保されており、そのまま受注品用として振り当てて良
いか否か)、ダイレクトチャージ可否、ホットチャージ
可否を判断する際に加味されて与えられる。この判断の
際には、本発明に係る判断要素のほか、鋳込速度低下回
数、平均鋳込速度、湯面レベル変動等の要素も加えられ
る。したがって、上記対策を採ったものについては、従
来、他の操業要素的にみれば不良品として取扱うべきも
のを、良品としてダイレクトチャージなどに振り分ける
ことができる割合を高めることができる。
〔実施例〕
実施例を示す。
モールドサイズ幅1200mm×厚230mmにて、鋼種がC:0.05
%、Si:0.02%、Mn:0.23%、S:0.010%の溶鋼を、引抜
(鋳込)速度1.2〜1.4m/分で連続鋳造し、上記の本発明
に従って各鋳片を下工程へ振り分けた。その結果、従来
例では60.3%のダイレクトチャージ率であったものが、
71.2%のダイレクトチャージ率の向上をみた。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明によれば、歩留り向上を図ることが
図ることができるのみならず、連続鋳造と下工程との連
係を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明法を実施するための連続鋳造設備の概要
図、第2図は鋼成分(内部割れの指標となる感受性)と
鋳込速度との関係で安全域が、ロール不整の度合に伴っ
てどのように変化するかを示した関係図、第3図はロー
ルアライメント不整と引抜抵抗との関係図、第4図は理
論引抜力と実測引抜力との相関図、第5図は炭素量が実
測引抜力に及ぼす影響の相関図、第6図はSi量と実測引
抜力との相関図、第7図は鋼成分およびロールアライメ
ントと実測引抜力との関係図、第8図は鋳造履歴を個別
鋳片1本当りに関係付ける方法の説明図である。第9図
は仮想鋳片の情報を個別鋳片1本当りに変換するための
算術方法の説明図である。 2…タンディシュ、3…モールド、5…ピンチロール、
6…切断装置、7…個別鋳片、8…騒動モータ、9…負
荷計、10…引抜速度検出器、11…引抜速度制御装置、12
…演算制御装置、13……2次冷却水制御装置、14…切断
制御装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各ピンチロールの駆動モータの駆動負荷と
    引抜速度から求めた各ピンチロールの引抜抵抗値を総和
    した実引抜力に基づいてロールアライメント不整量を判
    断するとともに、この実引抜力のレベル判断の際に溶鋼
    成分のC量およびSi量による変化を加味し、 前記ロールアライメント不整量を基準として、予め求め
    た引抜速度と鋼成分との関係により定められる鋳造安全
    性に基づいて、鋳造安全性が確保される限界引抜速度を
    求め、この限界引抜速度を超えないようピンチロールの
    速度制御を行う引抜速度制御を行い、 引抜不能を招く虞れがあるとき、2次冷却水量を増量す
    る2次冷却水量制御を行い、 他方で、モールドから最末端のピンチロールまでの間に
    おける鋳片の断面サイズおよび引抜速度の関数として求
    めた理論引抜力と、前記実引抜力とを比較し、これらの
    引抜力偏差が所定値より大きいとき、ロールアライメン
    ト不整に基づく異常と判断し、 実引抜力が基準値より大きいとき、鋼成分の影響に基づ
    く異常と判断し、 前記引抜力偏差が所定値より大きくかつ実引抜力が基準
    値より大きいとき、ロールアライメント異常および鋼成
    分の影響に基づく異常と判断し、 前記引抜抵抗値、引抜速度値および2次冷却水量値を順
    次切断される鋳片の1個当りで管理し、これらの実績値
    に基づいて当該鋳片の1個当りの品質を推定して下工程
    に反映させることを特徴とする連続鋳造方法。
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