JPH0745016Y2 - 指示計器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は指示計器に係わり、特にケースにプリント基板
と計器本体を固定するとともにケース外のプリント板又
はコードと前記プリント基板とを電気的に接続するよう
にした指示計器に関する。

［従来の技術］ 一般にこの種の計器装置は第９図に示すように、計器ケ
ース１内に突設したボス部1Aにプリント基板２を配設
し、このプリント基板２の前面に計器本体３の駆動回路
を構成する電子部品４を実装し、この電子部品４のリー
ド4Aを前記プリント基板２の後面に設けた回路パターン
2Aに半田付しており、また前記プリント基板２の前面に
取付固定される計器本体３の取付脚部５に導電性のナッ
ト６を設け、前記計器ケース１に外装したフレキシブル
プリント板７の後方から、バネ座金８と平座金９を備え
た導電性のねじ10を前記フレキシブルプリント板７の回
路パターン7Aとボス部1Aのそれぞれ透孔7B,1B及びプリ
ント基板２のランドを設けた透孔2Bに挿通しかつ前記ナ
ット６に螺着して、前記ボス部1Aにプリント基板２を固
定するとともにプリント基板２の前面に計器本体３の取
付脚部５を固定し、また前記ねじ10とナット６とを介し
て前記フレキシブルプリント板７とプリント基板２の両
回路パターン2A,7Aを電気的に接続している。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来技術においては、計器本体３を駆動するために
図示しない車両電源からフレキシブルプリント板７に供
給された入力電圧が、ねじ10及びナット６を介して透孔
2Bに設けたランドに通電し、プリント基板２の回路パタ
ーン2Aに供給されるように構成されており、プリント基
板２の両面に回路パターン2Aを印刷形成しなければなら
ないため片面のみ印刷形成したものに比べて製品コスト
上昇は避けられないものであった。

またナット６下面とプリント基板２上面の回路パターン
2Aとを直接的に接触させて導電を図る構造では、ねじ10
とボス部1Aとの温度変化による膨脹，収縮度合いの違い
によってナット６下面と回路パターン2Aとの間に隙間が
生じると通電不良を起す虞れがあった。

そこで本考案は製品コストの低減を図るとともに通電性
の確実な指示計器を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案はケース内の底部にプリント基板を配設し、この
プリント基板上に計器本体を設け、前記ケースの外側底
部にプリント板又はコードを設け、前記ケースの外方か
らねじをプリント板又はコードとケース底部とプリント
基板とに挿通しかつ前記計器本体に設けた導電性部材に
螺着することにより前記ケースにプリント基板と計器本
体とを組付固定するとともに前記ねじによってプリント
板又はコードとプリント基板とを前記導電性部材を介し
て電気的に接続するようにした指示計器において、前記
導電性部材とプリント基板との間にバネ性を有する圧接
部を設けた導電端子を設け、この導電端子に設けた脚部
を前記プリント基板後面の回路パターンと半田付等によ
り電気的に接続したものである。

［作用］ 上記構成によって、外部電源からの入力電圧をねじ→ナ
ット（導電性部材）→プリント基板後面の回路パターン
へと通電させる。また導電端子のバネ性によりナット下
面に端子上面が圧接し、ナット下面とプリント基板上面
との間に生ずる隙間を吸収して確実な通電が行われる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を車両用計器に適用した場合を例
にして説明する。

第１図乃至第３図は本考案の第１実施例を示し、11は積
算計と速度計とが一体に組込まれた計器本体であり、こ
の計器本体11の合成樹脂からなるフレーム体12には積算
計を構成するトータルカウンタ13とリセットカウンタ14
とが配設され、これら両カウンタ13,14の中央に位置す
るとともに前記フレーム体12の側面には図示しないステ
ップモータを収納したギヤボックス15が取付固定され、
このギヤボックス15に設けたギヤ16の回転が前記各カウ
ンタ13,14に伝達されるように形成されている。前記フ
レーム体12内には交差コイル型可動磁石式計器からなる
速度計17が固定されており、この速度計17の指針軸18に
固定された指針19と文字板20の表示部とで測定量を指示
表示するようになっている。

21はプリント基板であり、この後面に計器本体11の駆動
回路を構成する回路パターン21Aを有し、前面に電子部
品22及びコネクタ23を実装し、これらのリード22A,23A
をプリント基板21のスルーホール24に挿通し後面にて半
田付けしている。また前記コネクタ23には前記ギヤボッ
クス15の端子ピン15Aと速度計17の端子ピン17Aとが挿入
接続され、前記ギヤボックス15と速度計17とを前記プリ
ント基板21に電気的に接続している。

前記フレーム体12には取付脚部25が後方に向かって突設
されており、この取付脚部25に穿設した取付孔26に、導
電性部材が設けられている。例えば本実施例にあって
は、導電性のナット27がインサート成形もしくはナット
27外周にローレット加工を施して圧入固定されている。
またフレキシブルプリント板28を外装した計器ケース29
の底壁30から前方に向かって導電性のねじ31用の貫通孔
32を設けたボス部33が突設しており、前記貫通孔32に対
応して前記プリント基板21には透孔34が穿設され、この
透孔34は前記フレーム体12の取付脚部25に対応してい
る。

35は前記プリント基板21の前面に位置するとともに前記
透孔34に設けられるリン青銅等の金属からなる導電端子
35であり、この導電端子35には、前記ねじ31が挿通する
透孔36が穿設されるとともに複数の脚部37が前記プリン
ト基板21に穿設した取付孔38に挿通され、プリント基板
21の後面に設けた回路パターン21Aに半田付部39によっ
て電気的に接続されている。また前記導電端子35には前
記ナット27側に隆起したバネ性を有する弾性圧接部40が
設けられるとともにこの弾性圧接部40は前記透孔36と一
体に穿設されたスリット部41によって複数に分割されて
いる。

そして組付けに際しては、導電性のバネ座金42と平座金
43とを備えた前記ねじ31を、前記計器ケース29の後方か
ら前記フレシキブルプリント板28の透孔44、ボス部33の
貫通孔32、プリント基板21の透孔34、導電端子35の透孔
36に挿通して、前記取付脚部25のナット27に螺着した前
記プリント基板21と計器本体11とを計器ケース29内に固
定する。また前記フレシキブルプリント板28の下面には
回路パターン28Aが形成され、この回路パターン28Aは前
記透孔44の外周にも形成されており、フレシキブルプリ
ント板28に接続した図示しない電気コネクタを介して車
両の電源が前記ねじ31に給電されるように構成されてい
る。なおねじ31にコードを介して電源を供給するように
してもよく、フレシキブルプリント板28を硬質のプリン
ト基板によって構成してもよい。

また、導電端子35にはバネ性を有する弾性圧接部40が設
けられており、ボス部33とねじ31との膨脹、収縮度合の
違いによってナット27後面とプリント基板21前面との間
に隙間が生じても弾性圧接部40が弾性復元力により前方
に復帰しナット27下面に圧接し確実な通電状態が保たれ
る。さらに第４図に示したように組付けの際ナット27と
導電端子35との間に、電子部品22を半田付けする際用い
るフラックス等の異物Ａが侵入しても他の弾性圧接部の
40がナット27下面に圧接し通電状態を保ち、通電不良の
発生を防止できる。また４本以上の取付脚部25によって
計器本体11を固定する際には各部品寸法誤差により生ず
る取付脚部25とプリント基板21とのガタ付きが導電端子
35のバネ性によって防止される。

第５図は本考案の第２実施例を示し、第１実施例と同一
部分に同一符号を用い同一箇所の説明を省略して詳述す
ると、この例では抜孔45を設けた弾性圧接部40Aを有す
る導電端子35に脚部37を３箇所設け、前記抜孔45内には
略コ字形の弾性圧接片46が設けられている。この場合前
記弾性圧接部40Aが主として良好なバネ性を有するとと
もに端子35上に異物Ａが侵入したとしても前記弾性圧接
片46の少なくとも１つがナット27の下面に圧接して、電
気的な通電を保つことができ、これにより第１実施例と
同様な作用効果を有するものである。

第６図は本考案の第３実施例を示し、第１実施例と同一
部分に同一符号を用い同一箇所の説明を省略して詳述す
ると、この例では第２実施例で示した抜孔45の間の弾性
圧接部40Bに略コ字形の切込を設けて弾性圧接片46Aを形
成している。この場合前記弾性圧接部40B主として良好
なバネ性を有するとともに端子35上に異物Ａが侵入して
も前記弾性圧接片46Aの少なくとも１つがナット27の下
面に圧接して、電気的な通電を保つことができ、第１実
施例と同様な作用効果を有するものである。

第７図および第８図は本考案の第４実施例を示し、第１
実施例と同一部分に同一符号を用い同一箇所の説明を省
略して詳述すると、この例では弾性圧接部40Cに切込を
設けて第２実施例で示した弾性圧接片46Bを形成してい
る。この場合前記弾性圧接部40Cが主として良好なバネ
性を有するとともに端子35上に異物Ａが侵入したとして
も前記弾性圧接片46Bの少なくとも１つが導電ナット27
の下面に圧接して、電気的な通電を保つことができ、第
１実施例と同様な作用効果を有するものである。

なお、本考案は上記実施例に限定されるもではなく本考
案の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能であ
り、例えば導電端子の大きさ、形状、寸法は適宜選定可
能であり、また導電端子はその脚部をプリント基板の取
付孔に挿通し先端部を折曲げて加締半田付固定してもよ
い。さらに計器本体も各種タイプに適用可能である。ま
た、前述の実施例では、計器本体11のフレーム体12の取
付脚部25にナット27から成る導電性部材を設けていた
が、ナット27に限らず、例えば金属性の板材を取付脚部
25の形状に対応させて折り曲げ形成し、この中央部に導
通用のねじ31が螺着する穴部を設けた導電性部材を設
け、この導電性部材を取付脚部25の被嵌させたものであ
ってもよい。

［考案の効果］ 本考案はケース内の底部にプリント基板を配設し、この
プリント基板上に計器本体を設け、前記ケースの外側底
部にプリント板又はコードを設け、前記ケースの外方か
らねじをプリント板又はコードとケース底部とプリント
基板とに挿通しかつ前記計器本体に設けた導電性部材に
螺着することにより前記ケースにプリント基板と計器本
体とを組付固定するとともに前記ねじによってプリント
板又はコードとプリント基板とを前記導電性部材を介し
て電気的に接続するようにした指示計器において、前記
導電性部材とプリント基板との間にバネ性を有する圧接
部を設けた導電端子を設け、この導電端子に設けた脚部
を前記プリント基板後面の回路パターンと半田付等によ
り電気的に接続したことにより、製品コストの低減を図
るとともに通電性の確実な指示計器を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の第１実施例を示し、第１図
は要部の一部切欠き分解斜視図、第２図は縦断面図、第
３図は第２図のII-II線断面図、第４図は本考案の使用
状態を示す要部の断面図、第５図は本考案の第２実施例
を示す要部の斜視図、第６図は本考案の第３実施例を示
す要部の斜視図、第７図及び第８図は本考案の第４実施
例を示し、第７図は要部の平面図、第８図は第７図のVI
I-VII線端面図、第９図は従来例を示す要部の断面図で
ある。 11……計器本体 21……プリント基板 21A……回路パターン 27……ナット（導電性部材） 28……フレシキブルプリント板 29……計器ケース 30……底壁（底部） 31……ねじ 35……導電端子 37……脚部 39……半田付部 40,40A,40B,40C……弾性圧接部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケース内の底部にプリント基板を配設し、
   このプリント基板上に計器本体を設け、前記ケースの外
   側底部にプリント板又はコードを設け、前記ケースの外
   方からねじをプリント板又はコードとケース底部とプリ
   ント基板とに挿通しかつ前記計器本体に設けた導電性部
   材に螺着することにより前記ケースにプリント基板と計
   器本体とを組付固定するとともに前記ねじによってプリ
   ント板又はコードとプリント基板とを前記導電性部材を
   介して電気的に接続するようにした指示計器において、
   前記導電性部材とプリント基板との間にバネ性を有する
   圧接部を設けた導電端子を設け、この導電端子に設けた
   脚部を前記プリント基板後面の回路パターンと半田付等
   により電気的に接続したことを特徴とする指示計器。