JPH0744710U - 吸込み式膨張装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗物の乗員を保護するための吸込み式膨張装
置の容積吸込み比を向上させる。 【構成】 背壁１４、互いに間隔を置いて設けられた側
壁２６、および開放可能な前パネル４２によって画成さ
れるハウジング１６を有する乗物の乗員抑動システムの
吸込み式膨張装置１０。ハウジング内に空気バッグ４４
が収納されている。複数のガス発生器１２が背壁に隣接
して支持されている。ハウジングの側壁は複数の孔３０
を有する。この孔は、平時には弁３２で閉成されてい
る。弁は、孔を通じてハウジング内に外気を受け入れる
が、ハウジング内の空気の外部への排出を阻止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、広義の概念で言えば、乗物が急激に停止した場合に乗員が前方へ投 出されないように空気バッグを膨張させる乗物の乗員の抑動システムに関し、特 にそのような抑動システムのための改良された吸込み式膨張装置に関するもので ある。

【０００２】

【従来技術、および考案が解決しようとする課題】

乗物の乗員が乗物のハンドル、ダッシュボード、その他の乗物の構造要素に衝 突しないように緩衝するために膨張する保護空気バッグはよく知られている。空 気バッグの展開は一般的に、乗物の急激な減速にセンサが応答することによって 開始される。空気バッグは一般的に、可燃物質への点火、またはガスを放出した 後その燃焼生成物または放出されたガスを直接空気バッグ内へ誘導することによ って膨張される。 自動車の乗員抑動システムは２種類の膨張システムを使用して開発されてきた 。その一方のシステムは直接膨張を行うもので、この場合バッグを膨張させるの に用いられるガスは全部ガス源から発生される。ガス源はたとえば空気や窒素を 圧縮したガスあるいは固体の推進剤が用いられる。 他方のシステムではガス源と吸込み装置が組合される。現在の吸込み式設計で は、吸込み装置と組合せて固体の推進剤、例えばアジ化ナトリウムと酸化剤の１ つとの混合が好んで使用される。そのような吸込み式設計によれば、外気から吸 込まれる空気によって膨張ガスが増量される。この吸込み増量方式は、ガス源を より小型のものにできること、最終ガス温度がより低くなること、そして膨張が 「より緩やか」なので乗物の乗員に対する衝撃が小さいという点で優れている。

【０００３】 従来の吸込み式膨張装置は普通、吸込み式膨張装置ハウジング内に収容される 固体推進ガス源を使用する。その推進ガスの流れが吸込み式膨張装置ハウジング の後壁に設けたオリフィスを通して外気を誘導する。この種の装置の場合、容積 吸込み比、すなわちバッグ内の最終ガス組成における、ガス源に由来する主ガス の重量に対する吸込まれる副ガス（空気）の重量の比は、０．１から０．５の範 囲が典型的である。 上記のような構成は、複数個のガス発生カートリッジを用いる吸込み式空気バ ッグ膨張装置を記載するカッタ等の米国特許第３９１０５９５号に開示されてい る。すなわち、このものにおいてはガス発生器は吸込みダクト内の垂直支柱に装 架されており、空気入口と逆止弁がダクトの背壁に様々な態様で配置されている 。吸込み装置を使って様々な装置を膨張させるその他の従来の特許には、フレイ ガングの米国特許第２３９９６７０号、アレンの米国特許第２５９５２１８号、 ボウマンの米国特許第２８６６５９３号、ケーンの米国特許第２９７５９５８号 、ウイルマの米国特許第３０４０９７０号、フライベルの米国特許第３０４２２ ９０号、マーシュ等の米国特許第３０５６５４０号、ガリガ等の米国特許第３０ ８６８４８号、ヤング等の米国特許第３１５８３１４号、ヘルダの米国特許第３ ２０４８６２号、及びデイの米国特許第３３７０７８４号がある。

【０００４】 しかしながら、上記従来の吸込み式膨張装置においては、乗物の乗員を保護す るための吸込みシステムの容積吸込み比が低いので、これを最高の効率にするに はなお問題点がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の改良された吸込み式膨張装置においては、背壁、該背壁に対して直角 をなして延在する互いに離間した側壁および開放可能な前パネルによって画成さ れるハウジングが設けられるとともに複数の吸引孔が側壁にのみ設けられており 、背壁上またはこれに隣接して主ガス源となる複数個のガス発生器を装架して構 成される。それらガス発生器が作動されると、吸込み式膨張装置ハウジングの側 壁に設けられた入口と逆止弁を通して空気が、ガス発生器からのガス流の方向に 対して横方向に誘導される。この横方向吸込みは流路効率を最高にして容積吸込 比を最大にするとともにシステムを衝突の諸条件、即ち乗物の速度、外気温度、 乗員の大きさや位置、その他の条件に適合するように調整できる安価な複数個の ガス発生器の使用を可能にする。

【０００６】

【実施例】

図１に示されるように、本考案の吸込み式膨張装置１０は、ハウジング１６の 背壁１４上またはこれに隣接して装架される８個のガス発生カートリッジ１２（ ガス発生器）を備える。各ガス発生カートリッジ１２ごとに電気点火器１８（図 ４）が備えられる。これら電気点火器１８は印刷回路ボード２４によって電源２ ０及び減速度センサ（図示せず）に電気的に接続される。電気点火器１８はブリ ッジワイヤ型またはコンダクティブミックス型とされるが、後者のほうが好適で ある。通常のブリッジワイヤスキブ、爆発フォイルイニシエータ、爆発ブリッジ ワイヤイニシエータ、または半導体ブリッジイニシエータも全て使用できる。

【０００７】 本考案によればハウジング１６の側壁２６と側壁２８に孔３０（空気吸引孔） が設けられ、吸込まれる空気の入口となる。それら孔３０はハウジング１６の内 側からフラッパ型逆止弁３２によって覆われる。これら弁は空気誘導時に開き、 そして逆流や背圧の作用で閉じられる。フラッパ型弁３２は側壁２６，２８に保 持ストリップ３４によって固定される。 各ガス発生カートリッジ１２のノズル端部３８とハウジング１６の前パネル４ ２との間のスペース３６（図３）は、図１に展開して示される空気バッグ４４の 収納箇所になる。前パネル４２はハウジング１６の全部開口を閉じ、そして吸込 み式膨張装置１０が作動したとき制御された態様で破断する破断線を備えている 。

【０００８】 複数個のガス発生カートリッジ１２からのガス流は、ハウジング１６の前部開 口と等しいか、それより大きい正味開口面積を備えるような寸法と形状にされた 孔３０を通して外気を吸込む。ハウジング１６の前パネル４２に近い箇所に短い 孔無しセクションを備えて空気とガスとの混合区域を形成し、又ガス発生カート リッジ１２からの主ガスが孔３０から外へ漏れないようにするため、それら孔３ ０はハウジング１６の後端部即ちハウジング１６の上流側端部の方に設けられる ことに留意すべきである。

【０００９】

【考案の効果】

以上の記述から判るように、本考案の吸込み式膨張装置は、ハウジングの背壁 上またはこれに隣接して装架される複数個のガス発生カートリッジを使用する。 吸込まれる空気は、ハウジング側壁に設けた孔とこれらに関連するフラッパ型逆 止弁を通して誘導される。このように諸要素の方向付けをすることによって、公 知の吸込み式膨張装置よりもかなり改良された吸込み比が得られる。すなわち、 本発明装置では、背壁、互いに間隔を置いて設けられた側壁および開放可能な前 パネルによって画成されるハウジングが設けられるとともに複数の吸引孔が少な くとも１つの側壁に設けられており、容積吸込み比１．０〜１．５を得ることが できる。 以上、本考案の好適実施例について説明したが、実用新案登録請求の範囲の記 載から逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による吸込み式膨張装置の分解斜視図。

【図２】第１の矢印２方向に見た図面。

【図３】図１の矢印３方向に見た図面。

【図４】図１の４−４線における断面図である。

【符号の説明】

１０ 吸込み式膨張装置 １２ ガス発生カートリッジ（ガス発生器） １４ 背壁 １６ ハウジング １８ 電気点火器 ２０ 電源 ２４ 印刷回路ボード ２６，２８ 側壁 ３０ 孔 ３２ 弁 ４２ 前パネル ４４ 空気バッグ

Claims (10)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗物の乗員抑動システムの吸込み式膨張
   装置であって、 背壁、互いに間隔を置いて設けられた側壁、および開放
   可能な前パネルによって画成されるハウジングと、 該ハウジングに取り付けられかつ該ハウジング内に収納
   された空気バッグと、 前記ハウジングの背壁に隣接して支持された複数のガス
   発生器と、 前記ハウジングの少なくとも１つの側壁に形成された複
   数の孔と、 前記ハウジングに付された弁であって、前記孔を通じて
   該ハウジング内に外気を受け入れるが、該ハウジング内
   の空気の外部への排出を阻止する弁とを有し、 前記ハウジングの前パネルは、前記ガス発生器の作動の
   際に前記空気バッグが容易に展開するように、開放可能
   になされている吸込み式膨張装置。
2. 【請求項２】 前記空気バッグが、前記前パネルに隣接
   して前記ハウジング内に収納されている請求項１記載の
   吸込み式膨張装置。
3. 【請求項３】 前記孔が、前記ハウジングの背壁に近く
   設けられている請求項１記載の吸込み式膨張装置。
4. 【請求項４】 前記ガス発生器が、前記ハウジングの背
   壁に片持ち梁式に支持されている請求項１記載の吸込み
   式膨張装置。
5. 【請求項５】 前記ハウジングの側壁は、前記前パネル
   に近い位置に孔を有していない請求項１記載の吸込み式
   膨張装置。
6. 【請求項６】 前記ガス発生器が、それぞれ個別の電気
   点火装置を備えている請求項１記載の吸込み式膨張装
   置。
7. 【請求項７】 前記電気点火装置が、共通の電気回路に
   接続されている請求項６記載の吸込み式膨張装置。
8. 【請求項８】 前記ガス発生器用の共通の電気回路が、
   印刷回路ボードを含む請求項７記載の吸込み式膨張装
   置。
9. 【請求項９】 前記弁が、フラッパ型弁を含む請求項１
   記載の吸込み式膨張装置。
10. 【請求項１０】 前記フラッパ型弁が、その前面側先端
    で支持されており、もって空気の逆流が発生した場合の
    密閉度を増すようになされている請求項９記載の吸込み
    式膨張装置。