JPH0744280B2 - シリコン結晶体の接合方法 - Google Patents

シリコン結晶体の接合方法

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JPH0744280B2
JPH0744280B2 JP58229169A JP22916983A JPH0744280B2 JP H0744280 B2 JPH0744280 B2 JP H0744280B2 JP 58229169 A JP58229169 A JP 58229169A JP 22916983 A JP22916983 A JP 22916983A JP H0744280 B2 JPH0744280 B2 JP H0744280B2
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    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/84Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by variation of applied mechanical force, e.g. of pressure

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は2つのシリコン結晶体を接着剤等を用いること
なしに強固に接合することのできる新規で実用性の高い
シリコン結晶体の接合方法に関する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
半導体圧力変換器は第1図に示すように、中央部に肉薄
ダイヤフラムを形成したシリコン単結晶板1の上記肉薄
ダイヤフラム部に拡散抵抗層からなる起歪抵抗ゲージ2
を形成し、その肉厚周辺部をガラス基板3上に接着剤4
を介して接着固定した構造を有し、上記ガラス基板3の
中央部に設けられた孔部5から導入される圧力Pによつ
て変形する前記ダイヤフラムの起歪抵抗ゲージ2の抵抗
値変化から上記圧力Pを検出するものとなつている。し
かして、この圧力変換器では、前記起歪抵抗ゲージ2は
前記導入圧力Pに対してのみ高感度に感応することが必
要である。しかるに、前記シリコン単結晶板1とガラス
基板3の熱膨脹率の異なりから、前記接着固定部に熱膨
脹差が生じ、これによつて発生する応力が前記肉薄ダイ
ヤフラムに加わると云う不具合がある。そこで従来より
ダイヤフラムを形成したシリコン単結晶板1と同じシリ
コン結晶を基板3として用いることにより、上記熱膨脹
率差の問題を回避することが考えられている。
然し乍ら、このようなシリコン結晶基板3を用いると
も、シリコン単結晶板1との接着固定に金・シリコンの
共晶や低融点ハンダガラス等の接着剤4が用いられるの
で、その接着固定部における残留応力の問題を本質的に
解決することができなかつた。
一方、接着剤4を用いることなしに前記シリコン単結晶
板1を基板3に接合する方法として、シリコンと熱膨脹
率が略々等しいホウケイ酸ガラスを基板3として用い、
その接合部をガラス転移温度以上に加熱したり、電界を
加え乍ら加熱して上記両者を接合することが考えられて
いる。然し、半導体圧力変換器は静水圧の下で使用され
ることが多く、この場合には圧縮率の異なりによつて歪
や応力が生じると云う新たな問題が生じた。
〔発明の目的〕
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、そ
の目的とするところは、接着剤を用いることなしに2つ
のシリコン結晶体を相互に強固に接合することができ、
例えば半導体圧力変換機の製造に効果的に応用すること
のできる実用性の高いシリコン結晶体の接合方法を提供
することにある。
〔発明の概要〕
本発明は2つのシリコン結晶体の各接合面を例えば表面
粗さ500Å以下にそれぞれ鏡面研磨し、その研磨面を水
洗により酸化膜を形成し、乾燥した後、これらを例えば
ゴミ浮遊量20個/m3以下のクリーンルーム中で、上記各
研磨接合面間に実質的に異物が介入しない条件下で相互
に密着させて200℃以上の温度で加熱することによつ
て、2つのシリコン結晶体を強固に接合するようにした
方法である。
従来、鏡面研磨されたシリコンウエハー同志を水やアル
コールなどで濡れた状態で接触させると、両者が接着す
る現象はしばしば経験する所である。しかしながらこれ
は水などの液体の表面張力によるものであり、乾燥させ
たウエハーでは観察されていなかつた。一方我々は鏡面
研磨されたシリコンの表面を充分に清浄にし、かつ高度
にクリーンな雰囲気の下で二つの面を接触させると強化
な接合体が得られる事を見出した。さらにこのようにし
て得られた接合体の接着強度を充分と高めるには、200
℃以上の熱処理が必須である事がわかつた。この接着の
現象をさらに詳しく調べた結果、シリコンの表面に自然
酸化膜が形成されている事が、接着させるための必要な
条件である事がわかつた。この自然酸化膜の存在は、た
とえばエリプソメトリーなどの方法で確められるが、よ
り簡便には清浄化された表面に水滴を置き、それが広が
る事で容易に判定できる。即ち表面が撥水性から親水性
に変る事が自然酸化膜の存在の証拠になる。この自然酸
化膜はさまざまな条件下で形成されるが、本法で述べる
ように高々数分の通常の水洗工程で充分であつた。この
ようにして得られた親水性かつ清浄な面を持つウエハー
同志は容易に接着できるのに対し、たとえばフツ酸など
に浸漬して自然酸化膜を除去し、さらに再び自然酸化膜
が形成されぬよう注意深く取扱い、表面が撥水性を保つ
ている面について接着を試みたが、充分な接着体が得ら
れない事がわかつた。また充分な接着強度を得るために
200℃以上の熱処理が必要な理由は、この温度付近で自
然酸化膜の表面に存在する活性なシラノール基同志が反
応し、Si−O−Siの強化な結合を作るためと考えられ
る。尚このようにして接着されたシリコン同志は電気的
に導通状態となる事が確認された。
〔発明の効果〕
かくして本発明によれば鏡面研磨した後水洗,乾燥した
2つのシリコン結晶体をクリーンルーム中で密着させ、
200℃以上の温度で熱処理するだけでシリコン結晶体の
破壊を招くことなしにその引離しを困難とする程度に上
記シリコン結晶体を強固に接合することが可能となる。
これ故接着剤は全く不要となる。従つて、本方法を半導
体圧力変換器の製造に適用すれば、ダイヤフラムを形成
したシリコン単結晶板と、これと物理的性質を同じくす
るシリコン基板とを接着剤を用いることなしに直接接合
することが可能となり、膨脹率差,圧縮率差に関する問
題は勿論のこと、接着剤を介した接合部における残留応
力の問題も効果的に解消することが可能となる。故に、
導入圧力Pに対してのみ効果的に感応する半導体圧力変
換器を実現することが可能となる等の実用上絶大なる効
果が奏せられる。
さらに本発明の方法を例えばシリコンウエハー同志の接
着に応用すれば、例えばn型シリコンにp型シリコンを
張り合せる事で従来必須であつた拡散工程を経る異な
く、p−n接合の素子を作る事ができ、また高不純物濃
度の基板と低不純物濃度の基板を張り合せれば、従来メ
サ型トランジスタなどで必須であつた深く高濃度のコレ
クタ形成用拡散工程が省略でき、工程短縮,汚染の確率
の減少,拡散に伴う欠陥の導入やウエハーの変形の防止
など、その利点は数多いものである。
〔発明の実施例〕
次に本発明方法の実施例とその接合メカニズムについて
説明する。
従来、ガラス板の平滑な面を極めて清浄に保ち、このよ
うな2板のガラス板を直接密着させると、その間の摩擦
係数が増大して接合状態が得られることが知られてい
る。そして、これに逆らつて上記ガラス板の面同志を滑
べらすと、その接合面のむしり取りによるクラツクが発
生することが知られている。これに対して従来、シリコ
ン結晶体同志の上記ガラスの如き接合法が知られていな
いことは、シリコン結晶体の結合すべき面の平滑性とそ
の清浄性を厳密に保つことが難かしかつたことが最大の
原因であつたと云える。
この点本発明は次のような処理を施すことによつてガラ
ス同志の接合のようにシリコン結晶体同志の接合も可能
なことを見出した。即ち、2つのシリコン結晶体の接合
すべき面を表面粗さ500Å以下に鏡面研磨して平滑化
し、5分間水洗した。得られたシリコンの面は水に良く
濡れ、自然酸化物の層が形成されている事が推定され
た。その後メタノール置換、フレオン乾燥を行い、この
ようにして得られたシリコン結晶体を、ゴミ浮遊量20個
/m2の実質的にゴミのないクリーンルーム中で上記接合
面を相互に直接密着させて200℃以上の温度で熱処理し
たところ、両者は極めて強固に接合した。この接合体の
接着強度と熱処理の関係を知るために、窒素雰囲気中で
種々の温度で30分熱処理し、引きはがし試験を行なつ
た。結果は第2図に示した通りであり、200℃以上で接
着強度が著しく上昇する。
以上の事から、研磨した清浄なシリコンの面は水洗だけ
で表面が親水性となり、清浄な環境下で且つ200℃以上
の温度下で接合すれば強固に接着体を得る事ができる。
一方、200℃程度の加熱温度では、シリコン原子につい
てはもとより、最も拡散し易い一価イオンでも、シリコ
ン結晶中における拡散速度は通常無視できる程度に小さ
いことは公知である。またこの200℃付近の温度では、
酸化膜の表面に吸着された水分子が殆んど離脱し、化学
吸着により形成されたシラノール(Si−OH)の脱水縮合
が起こり始めることも知られている。これらのことを考
え合せれば、前記シリコン結晶体相互の結合は、金属同
志の接合として知られている相互拡散によるものではな
く、シリコン結晶体の表面酸化膜の水和層間の相互作用
や、シラノール基の脱水重合によつてSi−O−Siなる強
固な接合構造を為しているものと考えられる。
そしてこのような事実は、シリコン結晶体の表面を親水
性にし、その密着接合後に200℃以上の加熱処理を施せ
ば、高い接着強度が得られることを意味している。然し
乍ら、その密着度(真空度)に関しては、上記加熱処理
はさほど重要な意味を持たない。即ち、常温で密着接合
させただけの接合体であつても、ヘリウム・リーク・デ
テクタによる検出感度(10-9Torr)以下の高い気密性を
有することが確認された。
本発明者らは、上述した方法を利用して次のような半導
体圧力変換器を製作してみた。即ち、両面研磨されたn
型の〔111〕シリコン基板を用意し、これにp型拡散抵
抗層を形成した。しかるのちこの基板にアルミニウムを
蒸着し、これをフオトリソグラフイ技微を用いてパター
ニングして前記p型拡散抵抗層を起歪抵抗ゲージとする
ブリツジ回路を形成し、その表面をPSG保護膜にて保護
した。その後、ダイヤフラム面をエツチング形成し、直
径8mm、厚さ150μmの肉薄ダイヤフラムを有する10mm
角、厚さ400μmの感圧ベレツトを製作した。尚、この
感圧ベレツト感度は、最大圧力4kg/cm2に設定した。
一方、基台として、上記感圧ペレツトと同じ材質のシリ
コンを直径16mm、厚さ3mmに切出し、その中央部に直径4
mmの圧力導入孔を設けた。その後、この基台の一面を鏡
面研磨し、水洗して表面を親水性とすると共に、上記の
ペレツトの接着面も再研磨、水洗した。しかるのち、こ
れらの接合面間にゴミが介入しないように注意して接触
・密着させ加熱炉、或いはオープンに入れ、200℃で1
時間加熱処理した。
このようにして得られた半導体圧力変換器について、先
ずアルミニウム電極配線を調べたところ、その変質等の
異常は認められなかつた。次に圧力零の条件下で残留抵
抗の温度変化,真空漏れの有無,素子破壊圧力等を調べ
たところ、いずれもその目的とする仕様を満足している
ことが確認された。即ち、残留抵抗の温度変化は−30℃
〜+100℃の範囲で2%以内であり、真空度10-9Torr以
下でもそのリークがなく、破壊圧力10kg/cm2以上であつ
た。しかるのち常圧から140kg/cm2の静水圧まで圧力P
を変化させて、前記起歪抵抗ゲージを含むブリツジ回路
の平衡点変動について調べたが、事実上変化しなかつ
た。このことは、前記感圧ペレツトと基台との接合部
が、ダイヤフラムに対して悪影響を与えていないことを
裏付けている。
このような効果の比較として、ホウケイ酸ガラスを基台
とする同じ仕様の半導体圧力変換器を製作した。この場
合、感圧ペレツトと基台との接合は、上述したシリコン
を基台としたものと同様に強固であることが確認された
が、静圧テストにおいてブリツジ回路の平衡点が10%以
上も変動した。つまり、接合部がダイヤフラムに悪影響
を及ぼしており、本発明の如き効果は得られなかつた。
本発明の他の実施例として、1Ωcmの面方位(100)を
有するn型シリコンと、同じく1Ωcm(100)p型シリ
コンウエハーを用意し、各々の接着すべき面を鏡面研磨
し、水洗して親水性とした。両者を乾燥後クリンルーム
中で接合し、フォーミングガス雰囲気中で1100℃まで昇
温し、放冷した。得られたシリコン接合体のp側をメサ
型と化学エツチして2mm角に分離し、ダイオード特性を
調べた所、充分な整流特性が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は半導体圧力変換器の構成を示す図、第2図は本
発明方法によるシリコン結晶接合体の熱処理温度に対す
る破壊応力の関係を示す図である。 1……シリコン単結晶板、2……起歪抵抗ゲージ、3…
…基板、4……接着剤、5……孔。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つのシリコン結晶体の各接合面をそれぞ
    れ鏡面研磨し、各研磨面に水洗により酸化膜を形成し、
    その後にこれらの接合面間に実質的に異物が介入しない
    条件下で上記接合面を直接密着させて接合した後、圧力
    を加えることなく200℃以上の温度で熱処理することを
    特徴とするシリコン結晶体の接合方法。
  2. 【請求項2】接合面の鏡面研磨は、その表面粗さを500A
    以下に研磨するものである特許請求の範囲第1項記載の
    シリコン結晶体の接合方法。
  3. 【請求項3】実質的に異物が介入しない条件は、ゴミ浮
    遊量が20個/m3以下のクリーンルームにより実現される
    ものである特許請求の範囲第1項記載のシリコン結晶体
    の接合方法。
  4. 【請求項4】酸化膜表面にはシラノール基が形成されて
    いる特許請求の範囲第1項記載のシリコン結晶体の接合
    方法。
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