JPH0744091B2 - 電圧非直線抵抗体の製造方法 - Google Patents
電圧非直線抵抗体の製造方法Info
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- JPH0744091B2 JPH0744091B2 JP3226353A JP22635391A JPH0744091B2 JP H0744091 B2 JPH0744091 B2 JP H0744091B2 JP 3226353 A JP3226353 A JP 3226353A JP 22635391 A JP22635391 A JP 22635391A JP H0744091 B2 JPH0744091 B2 JP H0744091B2
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Description
る電圧非直線抵抗体の製造方法に関し、特にバリスタ電
圧が高く送電線用避雷器に用いる電圧非直線抵抗体の製
造方法に関するものである。
素、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化
マンガン等の少量の添加物を含有した抵抗体は、優れた
電圧非直線性を示すことが広く知られており、その性質
を利用して避雷器等に使用されている。そのうち、例え
ば 0.05mA/cm2 の電流密度における単位長さ当りの制限
電圧が 300V/mm〜 550V/mmと高いバリスタ電圧を有
する電圧非直線抵抗体が、送電線用避雷器として使用さ
れており、その製造方法の一例として、酸化ケイ素を S
iO2 に換算して7〜11モル%添加することにより高いバ
リスタ電圧を有する電圧非直線抵抗体を得る方法が、特
公平2−52409 号公報において開示されている。
た特公平2−52409 号公報において開示された方法で
は、酸化ケイ素を SiO2 に換算して7〜11モル%と多量
に必要なため、所定の粒径の添加剤をそのまま酸化亜鉛
粉末と混合すると、スラリーの粘性が 300 cp 以上とな
り、スプレードライヤーによる造粒が困難な問題があっ
た。そのため、現状では、添加剤を仮焼して添加剤の表
面活性を少なくした後酸化亜鉛粉末と混合して、スプレ
ードライヤーによる造粒を可能としているが、コストお
よび時間のかかる問題があった。
てスプレードライヤーによる造料を可能とするための方
法として、ケイ素源としてケイ酸亜鉛を添加する方法
(特開昭60−5062号公報) 、メタケイ酸ナトリウムをイ
オン交換して添加する方法(特開昭60−126801号公報)
、金属シリコン (特開昭63−142603号公報) 、シリコ
ン樹脂(特開昭63−142602号公報) 、金属ケイ化物例え
ば CrSi2(特開昭63−296309号公報)を添加する方法等
が知られているが、コストが高かったり、分散性が悪か
ったりする問題があった。
添加剤の仮焼をすることなくスプレードライヤーによる
造粒をすることができ、低コストで高いバリスタ電圧を
有する抵抗体を得ることができる電圧非直線抵抗体の製
造方法を提供しようとするものである。
体の製造方法は、酸化亜鉛を主成分とし、少なくとも酸
化アンチモン、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化クロ
ム、酸化マンガンを添加剤として含有する電圧非直線抵
抗体の製造方法において、酸化アンチモンを Sb2O3に換
算して 2.0〜5.0 モル%、酸化ケイ素を SiO2 に換算し
て 1.0〜4.0 モル%を含有し、モル比で、0.5 ≦ NiO/
Sb2O3 ≦ 1.0、0.3 ≦ Cr2O3/Sb2O3 ≦0.7 、 0.1≦ M
nO2 /Sb2O3 ≦0.5 となるよう酸化ニッケル、酸化クロ
ム、酸化マンガンをそれぞれ NiO、Cr2O3 、MnO2に換算
して含有した酸化亜鉛原料粉末を、混合して混合泥漿の
粘度を50〜150cp に調整し、造粒、成形後、焼成して抵
抗体を得ることを特徴とするものである。
ンチモンの添加量を多くして、焼結体中のスピネル相の
生成を多くすることにより、酸化ケイ素の添加量を減ら
しても良好な電気的性質を有し高いバリスタ電圧を有す
る電圧非直線抵抗体を得ることができる。その結果、添
加剤としての酸化ケイ素の量を少なくすることができ、
仮焼しなくともスラリーの粘性を低くできるため、その
ままスプレードライヤーによる造粒が可能となる。
て2.0〜5.0 モル%と限定したのは、Sb2O3 換算量が 2.
0モル%以下ではV1mA が低く、変化率、耐量も悪いと
ともに、5.0 モル%を超えると変化率、耐量が悪化する
ためであり、2.5 〜4.0 モル%の範囲が好ましい。ま
た、酸化ケイ素をSiO2 に換算して 1.0〜4.0 モル%と
限定したのは、SiO2換算量が 1.0モル%未満ではV1mA
が低く、変化率、耐量、寿命も悪いとともに、4.0 モル
%を超えるとスラリーの粘性が大きくなり、変化率が悪
化するためであり、2.0 〜4.0 モル%の範囲が好まし
く、さらに非晶質の原料を使用すると好ましい。
と限定したのは、NiO / Sb2O3のモル比が 0.5未満では
V1mA が低く、変化率も悪いとともに、1.0 を超えると
変化率、耐量、寿命が悪化するためである。Cr2O3 /Sb
2O3 のモル比を 0.3〜0.7 と限定したのは、Cr2O3 /Sb
2O3 のモル比が 0.3未満ではV1mA が低く、変化率、寿
命も悪いとともに、0.7 を超えると寿命が悪化するため
である。MnO2/Sb2O3のモル比を 0.1〜0.5 と限定した
のは、MnO2/Sb2O3 のモル比が 0.1未満および1.0 を超
えると寿命が悪化するためである。
電流密度における単位厚さ当りの制限電圧は 300V/mm
〜 550V/mmであると好ましい。300 V/mm未満では避
雷器を小型化できず、また上述の組成では本焼温度を上
げなければならず、このため気孔率が増大し、雷サージ
放電耐量が低下するとともに、550 V/mmを超えると本
焼温度が低下し、焼結が不十分となり、雷サージ放電耐
量が低下するためである。この制限電圧は、375 V/mm
〜460 V/mmであるとさらに好ましい。
得るには、まず所定の粒度に調整した酸化亜鉛原料と所
定の粒度に調整した酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化
マンガン、酸化アンチモン、酸化クロム、好ましくは非
晶質の酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化ホウ素、酸化銀
よりなる添加物の所定量を混合する。本発明では、これ
らの添加剤のうち、酸化アンチモンを Sb2O3に換算して
2.0 〜5.0 モル%、酸化ケイ素を SiO2 に換算して 1.0
〜4.0 モル%を含有し、モル比で、0.5 ≦NiO /Sb2O3
≦ 1.0、 0.3≦ Cr2O3/Sb2O3 ≦ 0.7、 0.1≦ MnO2/
Sb2O3 ≦0.5となるよう酸化ニッケル、酸化クロム、酸
化マンガンをそれぞれ NiO ,Cr2O3 ,MnO2に換算して含
有するよう酸化亜鉛原料粉末を調製する必要がある。な
お、この場合酸化銀、酸化ホウ素の代わりに硝酸銀、ホ
ウ酸を用いてもよい。好ましくは銀を含むホウケイ酸ビ
スマスガラスを用いるとよい。この際、これらの原料粉
末に対して所定量のバインダー(例えばポリビニルアル
コール水溶液)等を加える。また好ましくは硝酸アルミ
ニウム水溶液を加える。
圧脱気を行い、混合泥漿の水分量は30〜40wt%程度に、
またその混合泥漿の粘度は 50 〜150cp とする。次に得
られた混合泥漿を噴霧乾燥装置に供給して平均粒径50〜
150 μm 、好ましくは80〜120 μm で、水分量が 0.5〜
2.0 wt%、より好ましくは0.7 〜1.5 wt%の造粒粉を造
粒する。次に得られた造粒粉を、成形工程において、成
形圧力800 〜1000 kg/cm2 の下で所定の形状に成形す
る。
/hr、温度400 〜700 ℃で有機成分を飛散除去し脱脂体
を得る。次に、脱脂体を昇温速度50〜70℃/hr で 800〜
1000℃、保持時間1〜5時間で焼成し、仮焼体を得る。
次に、仮焼体の側面に高抵抗層を形成する。本例では酸
化ビスマス, 酸化アンチモン, 酸化亜鉛, 酸化ケイ素等
の所定量に有機結合剤としてエチルセルロース、ブチル
カルビトール、酢酸nブチル等を加えた絶縁被覆用混合
物ペーストを、30〜300 μm の厚さに仮焼体の側面に塗
布する。
高保持温度1000〜1300℃好ましくは1050〜1250℃、3〜
7時間という条件で本焼成する。この本焼成時の降温速
度は200℃/hr 以下とすると好ましい。
チルセルロース、ブチルカルビトール、酢酸nブチル等
を加えたガラスペーストを前記側面の高抵抗層上に50〜
300μm の厚さに塗布し、空気中で昇降温速度50〜200
℃/ hr 、400 〜800 ℃、保持時間0.5 〜4時間という
条件で熱処理することによりガラス層を形成すると好ま
しい。
面をダイヤモンド砥石等で研磨する。次に、研磨面を洗
浄後、研磨した両端面に例えばアルミニウム等によって
電極を例えば溶射により設けて電圧非直線抵抗体を得
る。
電圧非直線抵抗体について各種特性を測定した結果につ
いて説明する。実施例1 上述した製造方法に従って、添加剤のうち後述する表1
に示す本発明範囲内および範囲外の換算 SiO2 量および
換算 Sb2O3量、および NiO/Sb2O3 、Cr2O3 /Sb2O3、M
nO2/ Sb2O3の比を有する酸化亜鉛原料粉末から混合泥
漿を作製し、それらの粘性を測定した。これらの泥漿か
ら、直径50mm、厚さ20mmの円板状の本発明試料 No.1 〜
17、比較例試料 No.1 〜12の電圧非直線抵抗体を準備
し、それぞれの電流1mAすなわち本例では電流密度0.05
mA/cm2 における単位長さ当りの制限電圧(V1mA ) 、
雷サージ変化率 (ΔV1mA ) 、放電耐量および課電寿命
を測定した。結果を表1に示す。
μS の電流波形で 120KAの電流を2回繰り返し印加した
のちの制限電圧(V1mA ) の変化から求めた。放電耐量
は、4/10μS の電流波形の雷サージ電流を5分間隔で
2回印加した後の耐量をエネルギー値(クリア値)に換
算したものから求めた。課電寿命はアレニウスプロット
より換算し、40℃課電率85%で50年以上良好なものを〇
印、50年以内に不良になったものを×印として示した。
O3量、NiO /Sb2O3 のモル比、Cr2O3/Sb2O3 のモル比、
MnO2/Sb2O3 のモル比のすべてが本発明範囲内である本
発明試料No.1〜17は、いずれかの点で本発明範囲外の比
較例試料 No.1〜12と比較して、良好な特性を得ること
ができることがわかる。なお、本実施例において、酸化
ケイ素、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化クロム、
酸化マンガン以外の例えば酸化ビスマス等の添加剤は、
従来から公知の範囲内で添加量を変化させて添加しても
上述した結果に変化はなかった。
によれば、原料粉末中への酸化ケイ素および酸化アンチ
モンの添加量、酸化ニッケルと酸化アンチモンとのモル
比、酸化クロムと酸化アンチモンとのモル比、酸化マン
ガンと酸化アンチモンとのモル比を特定することによ
り、焼結体中のスピネル相の生成を多くして、酸化ケイ
素の添加量を減らしても良好な電気的性質を有し高いバ
リスタ電圧を有する電圧非直線抵抗体を得ることができ
る。また、酸化ケイ素の添加量を少なくすることができ
るため、仮焼しなくともスラリーの粘性を低くすること
ができ、そのままスプレードライヤーによる造粒が可能
となり、低コストで高いバリスタ電圧を有する電圧非直
線抵抗体を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 酸化亜鉛を主成分とし、少なくとも酸化
アンチモン、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化クロム、
酸化マンガンを添加剤として含有する電圧非直線抵抗体
の製造方法において、酸化アンチモンを Sb2O3に換算し
て 2.0〜5.0モル%、酸化ケイ素を SiO2 に換算して 1.
0〜4.0 モル%を含有し、モル比で、0.5 ≦ NiO/Sb2O
3 ≦ 1.0、0.3 ≦ Cr2O3/Sb2O3 ≦0.7 、 0.1≦ MnO2
/Sb2O3 ≦0.5 となるよう酸化ニッケル、酸化クロム、
酸化マンガンをそれぞれ NiO、Cr2O3 、MnO2に換算して
含有した酸化亜鉛原料粉末を、混合して混合泥漿の粘度
を50〜150cp に調整し、造粒、成形後、焼成して抵抗体
を得ることを特徴とする電圧非直線抵抗体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3226353A JPH0744091B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3226353A JPH0744091B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0547514A JPH0547514A (ja) | 1993-02-26 |
JPH0744091B2 true JPH0744091B2 (ja) | 1995-05-15 |
Family
ID=16843829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3226353A Expired - Lifetime JPH0744091B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0744091B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6159703A (ja) * | 1984-08-31 | 1986-03-27 | 株式会社東芝 | 非直線抵抗体の製造方法 |
JPH0834136B2 (ja) * | 1987-12-07 | 1996-03-29 | 日本碍子株式会社 | 電圧非直線抵抗体 |
-
1991
- 1991-08-13 JP JP3226353A patent/JPH0744091B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0547514A (ja) | 1993-02-26 |
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