JPH0743949Y2 - 作業車のバッテリ取付部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、作業車のバッテリ取付部構造に関する。

〔従来の技術〕

従来における上記バッテリ取付部構造としては、先に本
出願人が出願（実願昭62−63606号）した構造のものが
ある。つまり、左右一対のメインフレーム後部に前後一
対のサブフレームを架設するとともに、サブフレーム夫
々にわたりバッテリ搭載部材を架設連結する構造であっ
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上記従来構造では、バッテリ搭載部はバッテ
リを載置支持するためだけに設けられる構造であって、
サブフレームを同一平面上に配設していることからその
平面方向の応力に対しては比較的強固なフレーム構造と
なっているものの、その平面方向と交差する方向では強
度的に弱いものとなっており、又、バッテリはサブフレ
ームの架設中間部で支持する構造であるので、バッテリ
支持強度やメインフレームに対する補強を行うには横方
向に延びるフレームを強固な厚肉のものに構成して、強
度を保持しなければならず、重量の増大化を招いてい
た。

本考案は、上記実情に鑑みてなされたものであって、バ
ッテリ搭載構造の合理的改良によって軽量化を図りなが
らも、バッテリ支持やメインフレームの補強を行えるこ
とを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案にかかる作業車のバッテリ取付部構造は、上記目
的を達成するために、機体前後方向に配設した左右一対
のメインフレームそれぞれの後部に、前記メインフレー
ムに沿った縦壁フレームを連設し、両縦壁フレームにわ
たって横フレームを架設連結するとともに、前記一方の
縦壁フレームと前記横フレームとにわたってバッテリ受
け台を連結固定してあることを特徴構成とする。

かかる特徴構成による作用及び効果は次の通りである。

〔作用〕

すなわち、縦方向と前後方向とに沿った縦壁フレームを
左右のメインフレームにそれぞれ連設し、これら縦壁フ
レーム間にわたって横フレームを架設連結しているの
で、メインフレームは縦壁フレームと横フレームとによ
って上下方向、前後方向及び左右方向で立体的に補強が
なされることになるとともに、さらに、バッテリ受け台
によっても、縦壁フレームと横フレームが補強されるこ
とになり、ひいてはバッテリ受け台が縦壁フレームの設
置方向や横フレームの設置方向とは異なる方向でのメイ
ンフレームの補強部材になっている。このため、これら
縦壁フレームや横フレーム、バッテリ受け台等を薄肉な
もので構成した場合でも、メインフレームに対する充分
な強度を得ることができる。

〔考案の効果〕

従って、バッテリを載置するために必要となるバッテリ
受け台及びそのメインフレームへの取付けるためのフレ
ーム構造が機体のメインフレームの立体的な補強部材に
兼用できることとなって、充分な支持強度を有するもの
でありながら横フレームや縦壁フレーム等のフレーム構
造を薄肉にすることができて、機体の軽量化も図ること
もできるようになった。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第２図に作業車の一例である乗用型芝刈機を示してい
る。この芝刈機は丸パイプからなる左右一対のメインフ
レーム（１），（１）を前後方向に沿って配設し、前部
にエンジン（２）、後部にミッションケース（３）をそ
れぞれ配置するとともに、ミッションケース（３）近傍
横側にバッテリ（４）を配備して構成してある。

次にバッテリ（４）の取付構造について説明する。

第１図に示すように、各メインフレーム（１），（１）
の後部において、下方に向けて前後方向に沿った状態で
縦壁フレーム（５），（５）を延設してあり、この縦壁
フレーム（５），（５）の下端においてミッションケー
ス（３）両側の後車軸ケース（６），（６）を支持連結
してある。又、左右の縦壁フレーム（５），（５）の後
端下部それぞれにわたり横フレーム（７）を架設連結し
てあり、左側縦壁フレーム（５）と横フレーム（７）と
にわたりバッテリ受け台（８）を連結固定してある。

詳述すると、左右の縦壁フレーム（５），（５）は、そ
れぞれ、二重中空構造の薄形箱状であって、平面視コの
字形に屈曲成形した内側板体（5a）と外側平板体（5b）
とを溶接して構成してある。内側板体（5a）は外側平板
体（5b）よりも上下に短くしてあり、前記バッテリ受け
台（８）の左側部を内側板体（5a）の下端縁と外側平板
（5b）の内側面に溶接固定してある。又、横フレーム
（７）は側面視Ｌ字形に成形してあり、縦方向部分（7
a）の前面側にバッテリ受け台（８）の後部側を溶接固
定してある。バッテリ受け台（８）の右横側箇所におい
て横フレーム（７）の縦方向部分（7a）には、ミッショ
ンケース（３）のフランジ部を支持連結する平面視コの
字形の支持部材（９）を溶接してある。

そして、後部側からバッテリ受け台（８）上にバッテリ
（４）を収納載置し、前記縦壁フレーム（５），（５）
の後部面（5c），（5c）に裏蓋（11）をボルト連結して
取付けてある。このときバッテリ（４）はバッテリ受け
台（８）の前端及び右側の立上げ部（8a），（8d）、左
側縦壁フレーム（５）及び裏蓋（11）上端の折曲部（11
a）とによって挾持支持するように構成してある。

このように構成することで、バッテリ受け台（８）をフ
レーム連結構造の補強部材に兼用させることができ、連
結用各フレームに薄肉にすることが可能で、軽量化が可
能となるのである。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる作業車のバッテリ取付部構造の実
施例を示し、第１図は要部の斜視図、第２図は乗用型芝
刈機の全体側面図である。 （１），（１）……メインフレーム、（５），（５）…
…縦壁フレーム、（７）……横フレーム、（８）……バ
ッテリ受け台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機体前後方向に配設した左右一対のメイン
   フレーム（１），（１）それぞれの後部に、前記メイン
   フレーム（１），（１）に沿った縦壁フレーム（５），
   （５）を連設し、両縦壁フレーム（５），（５）にわた
   って横フレーム（７）を架設連結するとともに、前記一
   方の縦壁フレーム（５）と前記横フレーム（７）とにわ
   たってバッテリ受け台（８）を連結固定してある作業車
   のバッテリ取付部構造。