JPH0743943A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JPH0743943A
JPH0743943A JP5206889A JP20688993A JPH0743943A JP H0743943 A JPH0743943 A JP H0743943A JP 5206889 A JP5206889 A JP 5206889A JP 20688993 A JP20688993 A JP 20688993A JP H0743943 A JPH0743943 A JP H0743943A
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JP
Japan
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wax
toner
fatty acid
acid
molecular weight
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JP5206889A
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Inventor
Koji Nakayama
幸治 中山
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い定着温度で定着することができ、両面コ
ピー、自動原稿送り装置で給紙されても実用上なんら問
題を発生せず、転写紙への定着強度の優れた電子写真用
トナーを提供すること。 【構成】 遊離脂肪酸を含有する天然ワックスと、カル
ボキシル基を含有する結着樹脂と、グリシジル基を含有
するアクリル樹脂またはエポキシ樹脂とを少なくとも含
有することを特徴とする電子写真用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用トナーに関
し、特に熱ロール定着を採用している複写機又はプリン
ター用の電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた複写機及び
プリンターはその普及が広まるにつれて、家庭への普及
及び複写機又はプリンターの多機能化を主な目的とした
低エネルギー化(消費電力の消減)、印刷機と複写機と
の境に位置するいわゆるグレイエリアへの普及を目的と
した高速化、あるいは機械コストを下げるための定着ロ
ールの簡素化のための低ロール圧力化が望まれており、
また、複写機の高級化にともない両面コピー機能や原稿
自動送り装置の搭載された複写機が広く普及されてきた
ため、複写機及びプリンターに使用される電子写真用ト
ナーには定着温度が低く、耐オフセット性が優れて、且
つ両面コピー時の汚れや、原稿自動送り装置における汚
れの発生を防止するため転写紙への定着強度の優れた電
子写真用トナーが要求されている。上記の要求に対して
従来技術では、下記のように結着樹脂の分子量や分子量
分布を改良したもの等の提案がなされている。
【0003】具体的には、結着樹脂を低分子量化し、定
着温度を低くしようとする試みがなされていた。しかし
ながら、低分子量化することにより融点は低下したが同
時に粘度も低下したため定着ロールへのオフセット現象
が発生する問題が生じていた。このオフセット現象を防
ぐため、該結着樹脂の分子量分布の低分子量領域と高分
子量領域を広くする方法や、あるいは高分子部分を架橋
させたりすることが行なわれていた。しかしながら、こ
の方法に於いては定着性を充分に持たせるために、樹脂
のガラス転移温度を下げざるを得ずトナーとしたときの
保存性を損なうことが避けられなかった。また、結着樹
脂の低分子部分を多くするとトナー自体が脆くなり両面
コピー時の汚れや、原稿自動送り装置における汚れが発
生していた。また多数枚のコピーを繰り返すとトナーが
キャリア、スリーブ、ドクターブレードなどの摩擦帯電
部材に融着し、画像品質が悪くなるといった問題があっ
た。また定着性向上、オフセット幅拡大の目的で天然ワ
ックスを添加する方法があるが、天然ワックス類は結着
樹脂との相溶性が悪く、多量に添加すると定着性能は向
上するが添加剤の分散を阻害し、帯電性の不安定、分散
不良の天然ワックスが混練物の粉砕分級時に脱離する事
による感光体へのフィルミング、あるいは保存性の低下
などに問題があった。さらに遊離脂肪酸を含有する天然
ワックス類を添加したトナーは長期の現像を繰り返すと
摩擦帯電量が変化し、画像濃度が低下するなどの問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は遊離脂肪酸を含有する天然ワックスを含有するト
ナーを使用することにより低い定着温度で定着すること
ができ、オフセット性、感光体へのフィルミング性、保
存性においても実用上なんら問題を発生せず、転写紙へ
の定着強度の優れた、帯電特性の安定したロングライフ
な電子写真用トナーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、遊離脂肪酸を
含有する天然ワックスと、カルボキシル基を含有する結
着樹脂と、グリシジル基を含有するアクリル樹脂または
エポキシ樹脂とを少なくとも含有することを特徴とする
電子写真用トナーである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。天然ワッ
クスは用途により遊離脂肪酸が精製処理工程を経て除去
されたものが提供されているが、本発明は遊離脂肪酸を
含有する天然ワックスを使用する。すなわち本発明で使
用する天然ワックスは高級脂肪酸と高級アルコールのエ
ステル、いわゆる「ろうエステル」からなる主成分の他
に、遊離の脂肪酸を含むものが使用される。天然ワック
ス中の脂肪酸は炭素間の結合には飽和結合と不飽和結合
があり、通常炭素数が偶数で、主にC12〜C34の直
鎖アルキル基を持つ、例えばパルミチン酸、オレイン
酸、リノール酸、ステアリン酸等が該当する。本発明に
おける遊離脂肪酸含有の天然ワックスの例としては、キ
ャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワッ
クス、木ろう、ホホバ油、みつろう、ラノリン等が挙げ
られる。遊離脂肪酸は、キャンデリラワックス中には1
0〜20%、カルナウバワックス中には3〜4%、ライ
スワックス中には4〜7%、木ろう中には3.7〜5.
6%、ホホバ油中には1%、みつろう中には18〜25
%、ラノリン中には微量含まれている。本発明の電子写
真用トナーへの天然ワックスの添加量としては多い程定
着性は良好となるが多すぎると結着樹脂中への均一分散
が困難となるため通常0.5%〜30%程度使用され
る。
【0007】本発明は天然ワックス中の遊離脂肪酸を結
着樹脂とグラフトするために架橋剤としてグリシジル基
含有アクリル樹脂またはエポキシ樹脂を使用する。グリ
シジル基含有アクリル樹脂としては、グリシジル(メ
タ)アクリレートのホモポリマーまたはコポリマーが用
いられる。 コポリマーを合成するためのモノマーとし
ては、スチレン、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステルたとえ
ばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、メ
タアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタア
クリル酸ブチルなどがあげられる。またエポキシ樹脂の
例としては一般的に広く用いられている。ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂を用いる事ができる。ビスフェノー
ルA型樹脂の具体例としては油化シェルエポキシ社製
商品名;エピコート1004、1007、1009など
があげられる。
【0008】結着樹脂としてはカルボキシル基を含有す
る樹脂を用いる。カルボキシル基含有樹脂の例として
は、カルボキシル基含有モノマーを共重合したスチレン
アクリル系共重合体を用いることができる。前記重合体
は下記に示す単量体を懸濁重合法、乳化重合法、溶液重
合法、塊状重合法等によって合成するものである。単量
体としてはスチレン、α−メチルスチレン、クロルスチ
レン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸アルキルエステル等のアクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、メタク
リル酸グリシジル、メタクリル酸アルキルエステル等の
メタクリル酸エステル類等を挙げることができる。その
他の共重合成分としてはアクリロニトリル、マレイン
酸、マレイン酸エステル、メタクリル酸メチル、アクリ
ル酸メチル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニ
ル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテル等のビニル単量体を重合体に対して30
重量%以下で含有してもよい。カルボキシル基含有モノ
マーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等
が含有される。スチレン、(メタ)アクリル酸及び(メ
タ)アクリル酸エステルから合成される樹脂が好まし
い。また上記樹脂の他に末端水酸基を有するポリエステ
ル樹脂を用いてもよい。ポリエステル樹脂は通常トナー
用として用いられている樹脂が使用できるが中でもアル
コール成分としてはビスフェノールAにエチレンオキサ
イド付加物、またはプロピレンオキサイド付加物が好ま
しい。酸成分としてはフマル酸、フタル酸などが好まし
い。
【0009】本発明の天然ワックス中に含有する遊離脂
肪酸のカルボキシル基と結着樹脂中に組み込まれたカル
ボキシル基はグリシジル基と加熱により反応して結合す
る。さらに生成した水酸基とグリシジル基がさらに反応
して架橋構造を形成する場合もある。架橋構造を形成す
ることにより、遊離脂肪酸が結着樹脂に固定され、均一
分散性が得られ、帯電特性保存性などに有効となる。
【0010】本発明におけるカルボキシル基含有結着樹
脂としてのスチレンアクリル系共重合体はゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(以下GPCと言う)によ
って測定されるクロマトグラムにて分子量のピーク位置
が103 〜104 及び105〜107 のそれぞれの領域
に少なくとも一つ存在するものが好ましい。この場合、
分子量のピーク位置が103 未満では、耐オフセット性
を良好に保つことは困難となり、またガラス転移温度が
低下するため保存性も悪くなる。一方、分子量のピーク
位置が107 を越えて存在すると定着ロールによってト
ナーが十分に溶融せず、低温オフセットの状態となる。
【0011】本発明においてスチレンアクリル系共重合
体の分子量分布のピーク位置の分子量は、GPCによっ
て次の条件で測定された値である。すなわち、温度25
℃において溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの
流速で流し、濃度0.4gr/dlのテトラヒドロフラ
ン試料溶液を試料重量として8mg注入し測定する。
又、試料の分子量測定にあたっては、該試料の有する分
子量分布が、数種の単分散ポリスチレン標準試料により
作成された検量線の分子量の対数とカウント数が直線と
なる範囲内に包含される測定条件を選択する。又、本測
定にあたり、測定の信頼性は上述の測定条件で行ったN
BS706ポリスチレン標準試料(Mw=28.8×1
4 ,Mn=13.7×104 ,Mw/Mn=2.1
1)のMw/Mnが、2.11±0.10となる事によ
り確認し得る。
【0012】このようなスチレンアクリル系共重合体は
前記GPCクロマトグラムにおいて分子量103 〜10
4 及び105 〜107 の領域にそれぞれ少なくとも一つ
のピーク位置を有するように合成の段階で調製してもよ
いし、別の方法として分子量が103 〜104 にピーク
位置を有する低分子量重合体と分子量が105 〜107
にピーク位置を有する高分子量重合体を混合して調製し
てもよい。その場合、低分子量重合体と高分子量重合体
との混合比は70:30から95:5の割合が定着性お
よび非オフセット性が良好なため好ましい。低分子量重
合体の割合が95%より多いと、高温オフセットの問題
を生ずるので好ましくない。一方、高分子量重合体の割
合が30%より多いと、熱定着ロールにおける定着にお
いて多大な熱エネルギーが必要となるため好ましくな
い。また、高分子量重合体のピーク位置が105 に近い
場合には、高分子量重合体の混合割合を30%に近い値
とし、高分子量重合体のピーク位置が107 に近い場合
には、高分子量重合体の混合割合を5%に近い値とし
て、低分子量重合体と高分子重合体の混合比をコントロ
ールすることが高温オフセットを防止できるので好まし
い。さらにまた、電子写真用トナーの保存性を良好にす
るため、ガラス転移温度が60℃以上のスチレン系共重
合体を使用することが好ましい。
【0013】本発明のトナーは前記成分の他に樹脂、着
色剤、磁性体、また帯電制御剤、流動化剤などの特性改
良剤が使用可能である。またトナーの溶融特性としては
はより低温での定着性を向上させるためにトナーの溶融
開始温度は60℃以上100℃以下が好ましい。100
℃より高いと定着性が十分でなく、60℃より低いとブ
ロッキング性が悪化し保存性に問題を生じる場合があ
る。溶融開始温度とはプランジャーの降下開始温度のこ
とをさすこととする。 測定機;島津製作所製 高化式フローテスターCF−500 測定条件; プランジャー:1cm2 ダイの直径 :1mm ダイの長さ :1mm 荷重 :20KgF 予熱温度 :50〜80℃ 予熱時間 :300sec 昇温速度 :6℃/min
【0014】本発明の電子写真用トナーの結着樹脂とし
ては前記共重合体の他にポリエチレン樹脂、シリコーン
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂を配
合してもよい。
【0015】前記着色剤としては、カーボンブラック、
ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブル
ー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポン
オイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロ
ライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオ
クサレート、ランプブラック、ローズベンガル、これら
の混合物、その他を挙げることができる。これらの着色
剤は、十分な濃度の可視像が形成されるに十分な割合で
含有されることが必要であり、通常結着樹脂100重量
部に対して1〜20重量部程度の割合とされる。
【0016】前記磁性体としては、フェライト、マグネ
タイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁
性を示す金属若しくは合金又はこれらの元素を含む化合
物、或いは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施す
ことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマン
ガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのマン
ガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合
金、又は二酸化クロム、その他を挙げることができる。
これらの磁性体は平均粒径0.1〜1ミクロンの微粉末
の形で結着樹脂中に均一に分散される。そしてその含有
量は、トナー100重量部当たり20〜70重量部、好
ましくは40〜70重量部である。前記特性改良剤とし
ては、荷電制御剤、オフセット防止剤、流動性改善用滑
剤その他がある。
【0017】本発明の電子写真用トナーは、フェライト
粉や鉄粉等より成るキャリアと混合されて二成分系現像
剤とされる。また磁性体が含有されるときはキャリアと
混合しないでそのまま一成分系現像剤として静電荷像の
現像に使用されるか、あるいはキャリアと混合されて二
成分系現像剤として使用してもよい。さらには非磁性1
成分の現像方法にも適用可能である。
【0018】以上のような遊離脂肪酸を含有する天然ワ
ックスと、カルボキシル基を含有する結着樹脂と、グリ
シジル基を含有するアクリル樹脂またはエポキシ樹脂と
を本発明の電子写真用トナーに含有させる理由は次のと
おりである。すなわち、従来定着性を向上させる手段と
してはスチレン系あるいはポリエステル系樹脂の低分子
量化によって溶融開始温度あるいは溶融粘度を下げる。
あるいはTgをさげることにより紙へのアンカー効果を
もたせることが行われていた。しかしこの手法では樹脂
の低分子量化によって樹脂強度が低下し、定着後の画像
のトナー層が機械的摩擦によって破壊されることによる
擦り強度の低下を招いたり、Tgの低下によりブロッキ
ング性が悪化したりしていた。
【0019】また定着性向上、オフセット幅拡大の目的
で天然ワックスを添加する方法があるが、天然ワックス
類は結着樹脂との相溶性が悪く、多量に添加すると定着
性能は向上するが添加剤の分散を阻害し、帯電性の不安
定、分散不良の天然ワックスが混練物の粉砕分級時に脱
離する事による感光体へのフィルミング、あるいは保存
性の低下などに問題があった。さらに遊離脂肪酸を含有
する天然ワックス類を添加したトナーは長期の現像を繰
り返すと摩擦帯電量が変化し、画像濃度が低下するなど
の問題があった。しかしトナー中に遊離脂肪酸を含有す
る天然ワックスとカルボキシル基を含有する結着樹脂と
グリシジル基を含有するアクリル樹脂またはエポキシ樹
脂を用いて架橋させることにより天然ワックスの遊離脂
肪酸を架橋させることができ、天然ワックスの分散性が
向上するため、トナーの摩擦帯電性の安定化や保存性の
低下、感光体へのフィルミング性を改善することができ
る。
【0020】
【実施例】
合成例1:グリシジルメタクリレートホモポリマーの合
成 メチルエチルケトン(MEK)253gをフラスコに入
れ、80℃に加熱する。窒素気流下にグリシジルメタク
リレート(GMA)142gとベンゾイルパーオキサイ
ド(BPO)2.11gの混合物を3時間にわたって一
定速度で滴下する。滴下後80℃、2時間反応を続け
る。MEK31gとBPO 0.31gの溶液を添加す
る。さらに5時間重合反応を行う。冷却後、生成物を2
414gのMEKに入れる。この溶液を激しく攪拌して
いるメタノール14200gの中にけきかする。析出ポ
リマーを濾別し、減圧乾燥すると目的物が得られる。
【0021】合成例2:グリシジルメタクリレートとメ
チルメタクリレートのコポリマーの合成 キシレン−MEKの混液とBPOの1モル%分をフラス
コに仕込み80℃に加熱する。GMA25モル%、MM
A75モル%の混合物を3時間にわたって滴下する。滴
下後2時間反応を続ける。冷却後、生成物をMEK中に
入れる。この溶液を激しく攪拌しているいるメタノール
の中に徐々に滴下する。析出ポリマーを濾別し、減圧乾
燥すると目的物が得られる。
【0022】以下、実施例に基づき本発明を説明する。
なお、実施例において部とは重量部を示す。 実施例1 重量平均分子量9×105 及び数平均分子量3.9×1
5 のスチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合
体(A)10部と、重量平均分子量8×103及び数平
均分子量2.7×103 のスチレン−アクリル酸ブチル
−アクリル酸共重合体(B)90部とを混合し、GPC
クロマトグラムにおいて分子量7.5×105 と4.5
×103 にピーク位置を有するカルボキシル基を含有す
るスチレンアクリル系共重合体を得た。共重合体中のア
クリル酸の配合量は10重量%とした。次に上記スチレ
ンアクリル系共重合体と他の原料とを下記のような配合
比にてス−パ−ミキサーで混合し、200℃で溶融混練
後、粉砕分級して平均粒子径が11μmの粒子を得た
後、疎水性シリカ(日本アエロジル社製 商品名;R−
972)0.3部をヘンシェルミキサーによって該粒子
の表面に付着させ付帯電性の本発明の電子写真用トナー
を得た。
【0023】 上記スチレンアクリル系共重合体 80部 天然ワックス (加藤洋行社製 商品名;キャンデリラワックス 20部 グリシジル基含有アクリル樹脂 5部 (前記合成例2で得られたコポリマー) カ−ボンブラック 6.5部 (三菱化成工業社製 商品名;MA−100) クロム含金属染料 2部 (オリエント化学工業社製 商品名;S−34) ポリプロピレン 3部 (三洋化成工業社製 商品名;ビスコール660P)
【0024】実施例2 天然ワックスを加藤洋行社製 カルナウバワックスとし
た以外は実施例1と同様に電子写真用トナーを得た。 実施例3 天然ワックスを野田ワックス社製 ライスワックスとし
た以外は実施例1と同様に電子写真用トナーを得た。
【0025】実施例4 グリシジル基含有アクリル樹脂をエポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ社製 商品名エピコート1004)とした
以外は実施例1と同様に電子写真用トナーを得た。 比較例1 実施例1のスチレンアクリル系共重合樹脂中のアクリル
酸を使用せず、グリシジル基含有アクリル樹脂を使用し
ない以外は同様にして比較用の電子写真用トナーを得
た。
【0026】次に前記実施例及び比較例で得られたトナ
ーについて定着強度、画像濃度、地かぶりおよび溶解開
始温度の評価をおこなった。 1)定着強度 まず、前記実施例及び比較例で得た各電子写真用トナー
3部とノンコートフェライトキャリヤ(パウダーテック
社製 商品名;FL−1020)100部とを混合して
二成分系現像剤を作成した。次に該現像剤を使用して市
販の複写機(シャープ社製 商品名;SF−9800)
にてA4の複写紙に縦2cm、横5cmの帯状の未定着
画像を複数作製した。次に、表層がテフロンで形成され
た熱定着ロールと、表層がシリコーンゴムで形成された
圧力定着ロールとよりなる定着機をロール圧力が5Kg
/cm2 及びロールスピードが100mm/secにな
るように調節し、該熱定着ロールの設定温度を130℃
に設定し、前記未定着画像を有した転写紙のトナー像の
定着をおこなった。そして、形成された定着画像に対し
て綿パッドによる摺擦を施し、下記式によって定着強度
を算出した。 摺擦後の定着画像の画像濃度/摺擦前の定着画像の画像
濃度×100(%) また、前記の各現像剤を使用して市販の複写機(東芝社
製 商品名;BD−3801)で10000枚までの連
続コピー試験をおこなった。 2)画像濃度:マクベス反射濃度計RD−914 3)地かぶり:日本電色社製色差計MODEL Z−1
001DP 数値はコピー前の転写紙とコピー後の非画像部の白色度
の差を示す 4)溶解開始温度 前述の測定条件にておこなった。上記のような試験によ
って得られた各実施例及び比較例の結果は、表1に示す
通りであった。
【0027】
【表1】
【0028】表1より明らかなとおり、本発明の電子写
真用トナーは熱定着ロールの温度が130℃という低温
度でも定着強度が90%以上有し、1万枚のコピーテス
トの結果も良好なものであった。これに対して比較例1
の電子写真用トナーは十分な定着強度が得られないのみ
ならず1万枚のコピーテストで画像濃度が低下し地かぶ
りも増加し実用上問題のあることが確認された。
【0029】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーは、熱定着ロ
ールの温度が低くても十分な定着強度を有し、複写機あ
るいはプリンター等に適用して場合、消費電力が削減す
ることができ、低ロール圧力化による機械コストの低
減、複写速度の高速化等の効果を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊離脂肪酸を含有する天然ワックスと、
    カルボキシル基を含有する結着樹脂と、グリシジル基を
    含有するアクリル樹脂またはエポキシ樹脂とを少なくと
    も含有することを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 【請求項2】 グリシジル基を含有するアクリル樹脂が
    グリシジルメタクリレートのホモポリマーもしくはコポ
    リマーであることを特徴とする請求項1記載の電子写真
    用トナー。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基を含有する結着樹脂がス
    チレンアクリル系共重合体であり、GPCクロマトグラ
    ムにおける分子量のピーク位置が103 〜104 及び1
    5 〜107 のそれぞれの領域に少なくとも一つ存在す
    ることを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基を含有する結着樹脂がポ
    リエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1記載
    の電子写真用トナー。
  5. 【請求項5】 トナーの溶融開始温度が60℃以上10
    0℃以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写
    真用トナー。
JP5206889A 1993-07-30 1993-07-30 電子写真用トナー Withdrawn JPH0743943A (ja)

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