JPH0743691A - 強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子の製造方法及びその階調表示方法 - Google Patents

強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子の製造方法及びその階調表示方法

Info

Publication number
JPH0743691A
JPH0743691A JP20445393A JP20445393A JPH0743691A JP H0743691 A JPH0743691 A JP H0743691A JP 20445393 A JP20445393 A JP 20445393A JP 20445393 A JP20445393 A JP 20445393A JP H0743691 A JPH0743691 A JP H0743691A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
polymer liquid
ferroelectric polymer
substrate
ferroelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20445393A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Endo
博之 遠藤
Satoshi Hachiya
聡 蜂屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP20445393A priority Critical patent/JPH0743691A/ja
Publication of JPH0743691A publication Critical patent/JPH0743691A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 強誘電性高分子液晶を用い、高速応答性を有
し、階調表示が可能な液晶表示素子を簡便な方法で製造
する方法および、その液晶表示素子を用いて簡便に階調
表示を行う方法を提供する。 【構成】 液晶材料として互いに非相溶である少なくと
も2種類の強誘電性高分子液晶組成物4を用い、2種類
が少なくとも部分的に互いに重なり合うように基板1の
電極2面上に塗布した後、2枚の基板を、互いの電極面
が相対するように積層して液晶材料の挟持を行う。得ら
れた液晶光学素子中、2種類以上の強誘電性高分子液晶
組成物が重なり合って塗布された部分ではこれら強誘電
性高分子液晶組成物が相分離して性質の異なるミクロド
メインを形成する。この液晶光学素子9に、印加する電
圧のパルス幅又は電界強度を変化させて電圧を印加する
ことにより、ミクロドメインが形成された部分で階調表
示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスプレイや広告媒
体に好適な強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子の
製造方法、及びその液晶光学素子の階調表示方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶(FLC)の双安定性を利
用した液晶光学素子がクラークとラガウォールによって
提案されている(特開昭56−107216号公報、特
開昭63−153521号公報など。)。これらの液晶
光学素子は、高速応答、双安定性を利用した単純マトリ
クス駆動が可能などの利点があり、大容量ディスプレイ
への応用が期待されている。しかしながら、双安定性は
基本的に明又は暗状態を用いるので中間調を出せないと
いう欠点があり、実際のテレビやコンピューター用ディ
スプレイへ応用する際の問題点となっている。
【0003】明、暗以外の中間調を出す試みとして以下
のような提案がなされている。
【0004】特開昭62−145216号公報、同62
−150226号公報、同63−133121号公報な
どには、各画素内で液晶層の厚みに分布をもたせてしき
い値特性を変化させる方法が記載されているが、電極、
基板の加工が困難であるという問題がある。
【0005】特開昭62−244018号公報、特開平
2−184821号公報などには、複数の電極で一画素
を形成し、電極の面積比によって階調表示する方法が記
載されているが、表示容量(画素)が全体で減少し、ま
たFLCの応答時間を相当速くしなければならないとい
う問題がある。
【0006】特開昭62−265627号公報、特開平
1−52127号公報などには、2枚以上のFLC層
(パネル)を用いて階調表示を行う方法が記載されてい
るが、液晶表示素子の構成が複雑になるという問題があ
る。
【0007】特開平1−107233号公報、同4−1
4018号公報、同4−57026号公報、同4−18
4320号公報などには、配向膜の厚みを異ならせた
り、あるいは2種以上のポリマーからなる配向膜をミク
ロドメインに分離してしきい値特性を変化させ階調表示
する方法が記載されているが、配向膜自体によって必ず
しもしきい値特性が変化できるとは限らないし、膜自体
に分布を持たせて基板につけるのが難しいという問題が
ある。
【0008】特開平3−174514号公報には、電極
上に分離壁を設け異なるFLCを充填し、階調表示する
方法が記載されているが、液晶表示素子の加工が困難な
上、構成が複雑になるという問題がある。
【0009】また、従来、液晶素子を製造する際には、
2枚の基板をスペーサーを介して重ね合わせ、その基板
間に減圧下で液晶を注入する方法が用いられている。し
かしながら、この注入方式は生産性が悪いなどの難点が
あることから、印刷法を用いて液晶を基板に塗布する方
法も提案されている。
【0010】例えば、特開昭60−75817号公報に
はオフセット印刷法により液晶を基板に塗布する方法
が、特開昭62−267720号公報にはスクリーン印
刷法により液晶を基板に塗布する方法が、特開平2−2
42222号公報にはグラビアコーターを用いて基板上
に液晶を印刷する方法が記載されている。しかしなが
ら、これらいずれの方法も単一の液晶材料を基板上に塗
布する方法であり、階調表示が可能な液晶素子は得られ
ていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、強誘電性高
分子液晶を用い、高速応答性を有し、階調表示が可能な
液晶表示素子を簡便な方法で製造する方法を提供すると
ともに、その液晶表示素子を用いて簡便な方法で階調表
示を行う方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意検討を行ったところ、液晶光学素子
の製造工程において、互いに非相溶な2種類以上の強誘
電性高分子液晶組成物を基板上に互いに重なり合うよう
に塗布して液晶層を形成することにより、強誘電性高分
子液晶組成物が重なり合って塗布された部分及びその周
囲においては、液晶光学素子内で性質の異なるミクロド
メインが形成され、階調表示が可能となることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち本発明は、電極を形成した基板2
枚の間に液晶材料を挟持して液晶光学素子を製造する方
法において、該液晶材料が、互いに非相溶である少なく
とも2種類の強誘電性高分子液晶組成物からなり、該強
誘電性高分子液晶組成物を、印刷法を用いて、該強誘電
性高分子液晶組成物の少なくとも2種類が少なくとも部
分的に互いに重なり合うように少なくとも一方の基板の
電極面上に塗布した後、2枚の該基板を、互いの電極面
が相対するように積層することを特徴とする液晶光学素
子の製造方法を提供するものである。
【0014】本発明において用いられる2枚の基板とし
ては、少なくとも一方が透明性の材料からなるものであ
れば特に制限はない。このような透明性の材料として
は、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート
(PC)などのプラスチックフィルムなどが挙げられ
る。本発明では液晶材料として高分子液晶組成物を用い
ているので、生産性を向上させるため、プラスチックフ
ィルムのような可撓性基板を用いることが好ましい。基
板の厚さとしては、10μm〜10mmが好ましい。
【0015】本発明において用いられる電極としては、
2枚の基板上に設けられたもののうちの少なくとも一方
が透明性の材料からなるものであれば特に制限はない。
例えば、酸化インジウム又は酸化インジウムと酸化ズズ
との混合物からなるITO等の透明電極を基板に蒸着し
たものなどが好ましい。
【0016】本発明において用いられる少なくとも2種
類の強誘電性高分子液晶組成物としては、互いに非相溶
であって、液晶光学素子の使用温度において各々強誘電
性を示すものであれば特に制限はない。このように互い
に非相溶な複数の強誘電性高分子液晶組成物の層が基板
上に重なり合って塗布された部分及びその周囲では、対
向基板を積層して液晶光学素子を作製したときに、これ
ら強誘電性高分子液晶組成物が互いに相分離して複数種
類の性質の異なるミクロドメインを形成する。本発明に
おいては、これら2種類以上の強誘電性高分子液晶組成
物は、必ずしも完全に互いに非相溶でなくてもよい。1
部が相溶系を形成しても、大半が非相溶であり、性質の
異なるミクロドメインが形成されればよい。ここで性質
の異なるミクロドメインとは、電界変化に対する応答時
間、相転移挙動、しきい値電圧などのしきい値特性が異
なるミクロドメインのことを意味する。本発明において
は、特に、しきい値特性が異なるミクロドメインを形成
する組み合わせの2種類以上の強誘電性高分子液晶組成
物を用いることが好ましい。
【0017】本発明に用いられる各強誘電性高分子液晶
組成物としては、強誘電性高分子液晶を含有し、強誘電
性を示すものであれば特に限定はなく、例えば、強誘電
性高分子液晶1種又は2種以上からなる強誘電性高分子
液晶組成物、強誘電性高分子液晶1種又は2種以上と低
分子液晶化合物1種又は2種以上とからなる強誘電性高
分子液晶組成物が挙げられる。なお、強誘電性高分子液
晶組成物には、必要に応じて各種添加剤が含まれていて
もよい。
【0018】2種類以上の強誘電性高分子液晶組成物が
互いに非相溶となる組み合わせとしては、互いに主鎖構
造の異なる強誘電性高分子液晶を含有する強誘電性高分
子液晶組成物2種類以上を組み合わせることが好まし
い。
【0019】本発明で強誘電性高分子液晶組成物中に用
いられる強誘電性高分子液晶の具体例としては、例え
ば、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリ
クロロアクリレート系、ポリオキシラン系、ポリシロキ
サン系、ポリエステル系等の強誘電性高分子液晶が挙げ
られる。
【0020】ポリアクリレート系強誘電性高分子液晶の
繰り返し単位としては、例えば、
【0021】
【化1】 などが挙げられる。
【0022】ポリメタクリレート系強誘電性高分子液晶
の繰り返し単位としては、例えば、
【0023】
【化2】 などが挙げられる。
【0024】ポリクロロアクリレート系強誘電性高分子
液晶の繰り返し単位としては、例えば、
【0025】
【化3】 などが挙げられる。
【0026】ポリオキシラン系強誘電性高分子液晶の繰
り返し単位としては、例えば、
【0027】
【化4】 などが挙げられる。
【0028】ポリシロキサン系強誘電性高分子液晶の繰
り返し単位としては、例えば、
【0029】
【化5】 などが挙げられる。
【0030】ポリエステル系強誘電性高分子液晶の繰り
返し単位としては、例えば、
【0031】
【化6】 などが挙げられる。
【0032】なお、上記の強誘電性高分子液晶の繰り返
し単位は、側鎖の骨格がビフェニル骨格、フェニルベン
ゾエート骨格、ビフェニルベンゾエート骨格、フェニル
−4−フェニルベンゾエート骨格で置き換えられてもよ
く、これらの骨格中のベンゼン環がピリミジン環、ピリ
ジン環、ピリダジン環、ピラジン環、テトラジン環、シ
クロヘキサン環、ジオキサン環、ジオキサボリナン環で
置き換えられてもよく、フッ素、塩素などのハロゲン基
あるいはシアノ基で置換されてもよい。また、側鎖中の
光学活性基としては1−メチルアルキル基、2−フルオ
ロアルキル基、2−クロロアルキル基、2−クロロ−3
−メチルアルキル基、2−トリフルオロメチルアルキル
基、1−アルコキシカルボニルエチル基、2−アルコキ
シ−1−メチルエチル基、2−アルコキシプロピル基、
2−クロロ−1−メチルアルキル基、2−アルコキシカ
ルボニル−1−トリフルオロメチルプロピル基などで置
き換えられてもよく、骨格とはエーテル結合、エステル
結合あるいは単結合で結合していてもよい。また、スペ
ーサの長さは、メチレン鎖長が2〜30の範囲で変化し
てもよい。
【0033】また、下記の一般式で表される繰り返し単
【0034】
【化7】 [式中、r及びpは2〜5の整数、qは0〜3の整数、
mは1〜20の整数であり、R1
【0035】
【化8】 である。ただし、R2は−COOR3、−OR3又は−O
COR3であり、R3
【0036】
【化9】 であり、R4及びR5は−CH3又はハロゲン原子であ
り、a、dは0〜10の整数であり、bは0又は1であ
る(R5が−CH3である場合、dは0ではない。)。]
からなり、[I]と[II]のモル比がほぼ1:1であ
る強誘電性液晶性共重合体が好適に用いられる。この強
誘電性液晶性共重合体としては下記に示すような(a)
〜(m)の共重合体が挙げられる。これらの強誘電性高
分子液晶のうち主鎖構造の異なるものを配合した強誘電
性高分子液晶組成物2種類以上を組み合わせて用いるこ
とにより、互いに非相溶で、特性の異なるミクロドメイ
ンを形成しやすい組み合わせを得ることができる。特
に、前記ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、
ポリクロロアクリレート系、ポリシラン系、ポリシロキ
サン系、ポリエステル系の強誘電性高分子液晶の少なく
とも1種を含む強誘電性高分子液晶組成物と、下記の
(a)〜(m)等の共重合体の少なくとも1種を含む強
誘電性高分子液晶組成物との組み合わせが好適である。
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】強誘電性高分子液晶の数平均分子量として
は、1000〜20万が好適である。
【0041】本発明に用いられる強誘電性高分子液晶組
成物中には、先に述べた如く、上記強誘電性高分子液晶
の他に、低分子液晶が配合されていてもよい。低分子液
晶の配合割合は特に限定しないが、強誘電性高分子液晶
組成物中の強誘電性高分子液晶の割合が10〜90重量
%となるようにすることが好ましい。強誘電性高分子液
晶の割合が10重量%未満では、得られる液晶表示素子
の階調表示を行おうとしても効果が著しく低下し、90
重量%を超えると電界変化に対する応答時間が長くな
る。
【0042】本発明に用いられる低分子液晶としては特
に制限はないが、強誘電性高分子液晶と相溶性を有する
低分子液晶、スメクチック液晶、強誘電性液晶が好適に
用いられる。低分子強誘電性液晶化合物の具体例を以下
に示す。
【0043】
【化13】 上記の低分子強誘電性液晶化合物の他にも、以下の低分
子強誘電性液晶化合物が好適に用いられる。例えばシッ
フ塩基系低分子強誘電性液晶化合物、アゾ及びアゾキシ
系低分子強誘電性液晶化合物、ビフェニル及びアロマテ
ィックスエステル系低分子強誘電性液晶化合物、1級又
は2級アルコールを不斉源とした非シッフ塩基系低分子
強誘電性液晶化合物、ハロゲン、シアノ基等の環置換基
を導入した低分子強誘電性液晶化合物、複素環を有する
低分子強誘電性液晶化合物、乳酸誘導体又はアミノ酸誘
導体を不斉源とする低分子強誘電性液晶化合物、ハロゲ
ン又はシアノ基が不斉炭素に直結した低分子強誘電性液
晶化合物などが挙げられる。
【0044】シッフ塩基系低分子強誘電性液晶化合物と
しては、例えば、
【0045】
【化14】 などのアミルアルコールを不斉源とした化合物、
【0046】
【化15】 などの水酸基を導入したシッフ塩基系化合物、
【0047】
【化16】 などの2級アルコール等を不斉源としたシッフ塩基系化
合物、
【0048】
【化17】 などのハロゲン、シアノ基が不斉炭素に直結した化合物
などが挙げられる。
【0049】アゾ及びアゾキシ系低分子強誘電性液晶化
合物としては、例えば、
【0050】
【化18】 などが挙げられる。
【0051】ビフェニル及びアロマティックスエステル
系低分子強誘電性液晶化合物としては、例えば、
【0052】
【化19】 などの2環系化合物、
【0053】
【化20】 などの多環系化合物などが挙げられる。
【0054】1級又は2級アルコールを不斉源とした非
シッフ塩基系低分子強誘電性液晶化合物としては、例え
ば、
【0055】
【化21】 などが挙げられる。
【0056】ハロゲン、シアノ基等の環置換基を導入し
た低分子強誘電性液晶化合物としては、例えば、
【0057】
【化22】 などが挙げられる。
【0058】複素環を有する低分子強誘電性化合物とし
ては、例えば、
【0059】
【化23】 などが挙げられる。
【0060】乳酸誘導体を不斉源とする低分子強誘電性
液晶化合物としては、例えば、
【0061】
【化24】 などが挙げられる。
【0062】ハロゲン又はシアノ基が不斉炭素に直結し
た低分子強誘電性液晶化合物としては、例えば、
【0063】
【化25】
【0064】
【化26】 などが挙げられる。
【0065】また、上記化合物以外にも、例えば、
【0066】
【化27】
【0067】
【化28】 (式中、p、qは2〜5の整数、rは8〜12の整数、
sは0〜3の整数、tは1〜7の整数、u、vは2〜5
の整数、wは1又は2、xは4〜20の整数、yは0〜
3の整数、zは1〜7の整数を表す。)などが挙げられ
る。
【0068】なお、前記化合物は、低分子強誘電性液晶
化合物の代表的な化合物であり、本発明に用いられる低
分子強誘電性液晶化合物は、なんら、これらの構造のも
のに限定されるものではない。
【0069】次に、本発明に用いられる低分子のスメク
チック液晶としては、特に制限はなく、従来公知の化合
物の中から任意のものを1種以上選択して用いることが
できる。例えば次のような化合物が挙げられる。
【0070】
【化29】 (式中のR6及びR7は、それぞれ炭素数1〜12の直鎖
状又は分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシ
カルボニル基又はアシルオキシ基であり、それらは同一
であってもよいし、互いに異なっていてもよい。)
【0071】更に、一般式、
【0072】
【化30】 で表される化合物なども用いることができる。前記一般
式(III)におけるR8は炭素数7〜12のアルキル
基、炭素数6〜15のアルコキシ基又は炭素数6〜12
のアルコキシカルボニル基又はアシルオキシ基であり、
一般式(III)及び(VI)におけるR9は炭素数7
〜12のアルキル基又は炭素数6〜11のアルコキシ基
である。また、一般式(IV)におけるR10及びR
11は、それぞれ炭素数4〜14のアルキル基又はアルコ
キシ基であり、それらは同一であってもよいし、互いに
異なっていてもよい。一方、一般式(V)におけるR12
は炭素数4〜14のアルキル基、R13は炭素数5〜14
のアルキル基又は炭素数4〜14のアルコキシ基であ
る。一般式(VI)におけるR14は、炭素数7〜12の
アルキル基又は炭素数6〜20のアルコキシ基である。
8、R14におけるメチレン基の一部は、エステル基、
酸素原子に置換されていてもよい。ただし、エステル基
や酸素原子が連続することはない。また、R8〜R
14は、直鎖でも分岐状であってもよい。
【0073】これらスメクチック液晶化合物の具体例と
しては、
【0074】
【化31】 などが挙げられる。
【0075】なお、強誘電性高分子液晶組成物の液晶相
を示す温度範囲を広げるためには、強誘電性高分子液晶
及び低分子液晶ともに、3環系のものを用いることが好
ましい。
【0076】強誘電性高分子液晶組成物を調製する際の
混合方法は、特に制限はなく、直接混合でも溶液混合で
もよい。例えば、溶液混合としては、強誘電性高分子液
晶、低分子液晶の所定量を容器に入れてジクロロメタン
等の溶媒に溶解し、混合して溶媒を蒸発させる方法が好
適である。
【0077】本発明の製造方法においては、まず、上記
のようにして得られる強誘電性高分子液晶組成物2種類
以上を、印刷法により、該強誘電性高分子液晶組成物の
少なくとも2種類が少なくとも部分的に互いに重なり合
うように少なくとも一方の基板の電極面上に塗布する。
印刷法を用いることにより、強誘電性高分子液晶組成物
からなる液晶材料の基板への大面積かつ均一な塗布が容
易に行うことができ、液晶光学素子の連続製造が可能と
なる。また、基板上の所望の位置への各強誘電性高分子
液晶組成物の塗布を精密かつ迅速に行うことができる。
【0078】印刷法による塗布にあたっては、強誘電性
高分子液晶組成物は溶媒、例えばジクロロメタンなどに
より、好ましくは濃度5〜60重量%に希釈した状態、
あるいは等方相まで加熱した状態で塗布することが好ま
しい。強誘電性高分子液晶組成物そのままの状態で直接
塗布すると、粘度が高く、うまく印刷できないことがあ
る。
【0079】本発明に用いられる印刷法としては、特に
制限はなく、代表的なの具体例としては、オフセット印
刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。
【0080】オフセット印刷又はグラビア印刷法など、
印刷ロールを用いて強誘電性高分子液晶組成物を塗布す
る場合、通常、所望の凸版又は凹版面を有する複数本の
印刷ロールを基板の流れ方向に配置し、各印刷ロールに
より、異種の強誘電性高分子液晶組成物を基板に塗布す
る。基板がプラスチック基板等の可撓性の基板の場合、
連続生産も可能であり、好ましい。また、ガラス基板の
ように可撓性をもたない基板の場合でも、基板を移送ベ
ルト上に配置して送りながら印刷を行うことにより、連
続生産も可能である。
【0081】図1に、オフセット印刷により3種類の強
誘電性高分子液晶組成物を基板に塗布して液晶光学素子
を連続的に製造する一態様を示す。電極2を設けた可撓
性の基板1が基板供給ロール3aから供給され、連続し
て配置された3本の印刷ロール6により、基板2の電極
面に互いに非相溶な3種類の強誘電性高分子液晶組成物
4が順次印刷される。通常、強誘電性高分子液晶組成物
4(溶液状態又は等方性液晶状態)はロール7上に供給
され、ロール7から所望の形状の凸版を貼付した印刷ロ
ール6に転写されて基板1の電極2を設けた面上に印刷
される。強誘電性高分子液晶組成物4の塗布を終えた基
板1は、基板供給ロール3bから供給されるもう一枚の
基板1と、積層用ロール8により積層され、液晶光学素
子9が製造される。
【0082】図2に、グラビア印刷により、3種類の強
誘電性高分子液晶組成物を基板の塗布して液晶光学素子
を連続的に製造する一態様を示す。基板供給ロール3a
から供給された基板1の電極2を形成した面には、2機
のグラビア印刷機5により2種類の互いに非相溶な強誘
電性高分子液晶組成物4が順次塗布される。一方、もう
一枚の基板1が基板供給ロール3bから供給され、1機
のグラビア印刷機5により、上記2種類の強誘電性高分
子液晶組成物のいずれとも非相溶な強誘電性高分子液晶
組成物4が塗布される。通常、各グラビア印刷機5の印
刷ロール6には、所望の形状の凹板が貼付されており、
基板1の電極2を形成した面上に強誘電性高分子液晶組
成物4が印刷される。このようにして強誘電性高分子液
晶組成物を塗布された2枚の基板1同士は、積層用ロー
ル8により積層され、液晶光学素子9が製造される。
【0083】グラビア印刷機5の印刷ロール6は通常基
板1の流れ方向と同じ向きに回転させるが、必要に応
じ、基板1の流れ方向とは逆向きに回転させてもよい。
印刷ロール6を基板1の流れ方向と逆向きに回転させた
場合、回転速度を変化させることにより、印刷された強
誘電性高分子液晶組成物4の塗布層の膜厚を制御するこ
とができる。この場合の印刷ロール6の回転速度は、印
刷ロール6の表面の線速度が基板1の流れ速度の1.5
〜100倍、好ましくは2〜50倍となるように設定す
る。エアーシリンダーにより上下動可能なロールをグラ
ビア印刷機5の前又は後に配置して基板1を上下動させ
たり、あるいはグラビア印刷機5自体を上下動させたり
することにより、印刷ロール6を基板1に接触させたり
離したりして、印刷を間欠的に行うことができる。
【0084】スクリーン印刷により本発明の製造方法を
行う場合、各々所望の形状のスクリーン目を有する複数
枚のスクリーン版を用意し、各スクリーン版を用いて2
種類以上の互いに非相溶な強誘電性高分子液晶組成物を
基板に順次塗布する。その後、2枚の基板の積層を行
い、液晶光学素子を得る。基板が可撓性のものである場
合は、上記のオフセット印刷又はグラビア印刷における
ように積層用ロールを用いて積層することも可能であ
る。
【0085】液晶光学素子製造の連続化という観点から
は、スクリーン印刷に比べてオフセット印刷及びグラビ
ア印刷等、印刷ロールを用いる印刷法が本発明には好適
である。
【0086】なお、塗布にあたって強誘電性高分子液晶
組成物の溶液を用いた場合には、各強誘電性高分子液晶
組成物を基板に塗布した後、次の強誘電性高分子液晶組
成物の塗布の前、又は基板同士の積層工程の前に、乾燥
工程を設け、溶液中の溶媒を除去することが好ましい。
【0087】本発明においては、印刷のしかたとして
は、少なくとも2種類の強誘電性液晶組成物が少なくと
も部分的に互いに重なり合うように塗布される限り、特
に制限はない。目的とする表示対象に応じて、様々な形
態に塗布することができる。
【0088】図3、図4及び図5は、それぞれ、本発明
の方法により、互いに非相溶である2種類の強誘電性高
分子液晶組成物A及びBを印刷法により塗布した基板の
状態の例を示す斜視図である。図3においては、基板1
の電極2を形成した面上一面に、強誘電性高分子液晶組
成物Aが塗布され、その上に強誘電性高分子液晶組成物
Aと非相溶な強誘電性高分子液晶組成物Bが完全に重な
るように塗布されている。図4においては、基板1の電
極2を形成した面上一面に強誘電性高分子液晶組成物A
が塗布され、その上に強誘電性高分子液晶組成物Bが、
強誘電性液晶高分子組成物BとAとが重なり合った4つ
の分離した矩形の領域が形成されるように塗布されてい
る。図5においては、基板1の電極2を形成した面上
に、強誘電性高分子液晶組成物Aが2本の帯状に塗布さ
れ、その上に、強誘電性高分子液晶組成物Bが、強誘電
性高分子組成物Aの2本の帯に部分的に重なるように1
本の帯状に塗布されている。
【0089】2種類以上の強誘電性高分子液晶組成物が
重なり合った部分における各強誘電性高分子液晶組成物
の層の厚みについて、特に限定はしないが、2種類の強
誘電性高分子液晶組成物A、Bが重なり合った部分にお
いては、A及びBの重量比が、通常、1:9〜9:1の
範囲、好ましくは2:8〜8:2の範囲、更に好ましく
4:6〜6:4の範囲になるように塗布することが望ま
しい。3種類以上の強誘電性高分子液晶組成物が重なり
合う部分においては、そのうちの1種の強誘電性高分子
液晶組成物の割合が通常90重量%を超えないようにす
ることが望ましい。好ましくは60重量%、更に好まし
くは40重量%を超えないようにする。上記の範囲外で
は、後に記載するように階調表示を行おうとしても効果
が著しく減少してしまうことがある。
【0090】図6は、本発明の方法により得られる液晶
光学素子の構成の一例を示す断面説明図である。2種類
以上の強誘電性高分子液晶組成物からなる液晶材料10
は2枚の配向膜11を有する電極2付基板1によって挟
持されており、基板1の両外側には偏光板12が配置さ
れている。配向膜11は後に述べるような剪断法で液晶
材料を配向させる場合には不要である。
【0091】偏光板12は、必要に応じて、本発明の方
法によって得られる液晶光学素子の基板1の両外側又は
片外側に設けられるものであり、通常の液晶光学素子に
使用される偏光板が好適に用いられる。偏光軸方向とし
ては特に制限はないが、基板の両外側に偏光板12を設
ける場合、2枚の偏光板の偏光軸が互いに直交している
ことが好ましい。
【0092】本発明によって得られる液晶光学素子で
は、基板間に挟持される液晶材料を構成する強誘電性高
分子液晶組成物を一方向に配向させて光学素子として用
いる。配向方法は一般に知られているあらゆる方法を用
いることができる。図6に示されるように配向膜を用い
る場合は、ポリイミドやポリビニルアルコールなどの高
分子膜を一方向にラビング処理した層、酸化シリコンを
斜方蒸着したものなど、種々の配向膜を基板の電極面と
液晶材料との間に設ける。配向膜を用いない場合は、剪
断法を用いることができる。また、可撓性基板を用いる
場合には、特開昭2−10322号公報に記載されるよ
うな、未配向の液晶光学素子に曲げ変形を与えることな
どにより、液晶材料を配向させることができる。
【0093】このようにして得られる液晶光学素子内に
おいては、強誘電性高分子液晶組成物が重なり合って塗
布された部分及びその周囲において、強誘電性高分子液
晶組成物が互いに相分離し、複数種類の性質の異なるミ
クロドメインを形成する。ミクロドメインの大きさ(直
径)は1nm〜10mmが好ましい。
【0094】ミクロドメインの大きさは液晶光学素子
を、強誘電性高分子液晶組成物が等方相になる温度から
冷却し、その冷却速度を変えることにより制御できる。
ゆっくり冷却すればミクロドメインは大きくなる。しか
しながら、この方法に限定されるものではなく、冷却す
る際に加熱及び冷却を繰り返しながら冷却する場合の熱
サイクルや、強誘電性高分子液晶組成物調製の際、又は
強誘電性高分子液晶組成物を溶液として塗布する際に用
いられる溶媒の種類を変えることによっても制御するこ
とができる。
【0095】本発明の液晶光学素子の階調表示方法は、
上記のようにして得られた液晶光学素子に、印加する電
圧のパルス幅又は電界強度を変化させて電圧を印加する
ことにより行われる。
【0096】まず、しきい値電圧について説明する。配
向させた強誘電性液晶素子に図7(a)のようなパルス
波形電圧を印加する。例えばリセットパルスで暗状態に
して書込みパルスで明状態にスイッチングしようとす
る。このときの透過光強度の変化の様子は図7(b)の
ようである。パルス波形電圧印加後の透過光強度を書込
みパルスの電圧に対してグラフにすると、図7(c)の
ようになる。図7(c)において、透過光強度の変化し
始める電圧をこのパルス幅τのパルスに対してしきい値
電圧と呼ぶ。
【0097】各々のパルスのパルス幅(時間)は強誘電
性液晶の応答時間程度にする。また、リセットパルスの
電圧は十分に強誘電性液晶が反転するように大きな電圧
(Vsat以上)とする。
【0098】このようなしきい値は同じセル厚、同じパ
ルス幅のパルスを印加したときに強誘電性液晶の種類に
よって異なっているのが通常である。これは液晶によっ
て応答時間が異なることや、基板(電極を含む)と液晶
との相互作用が異なることが理由であると考えられる。
【0099】次に階調表示の原理について説明する。強
誘電性液晶ではセル厚を薄くしていくと、双安定性を示
すようになり、分子の方向が2状態で安定となる。この
双安定性のため単純マトリックス駆動による光学素子が
可能となる。
【0100】しかしながら、2状態のみが安定というこ
とは明あるいは暗の2状態しか示さないことであり、中
間調を出せないという欠点にもなる。すなわち、前述し
たしきい値以下の電圧では暗状態であり、しきい値以上
の電圧では明状態である。
【0101】本発明に用いられる液晶光学素子では、2
種類以上の強誘電性高分子液晶組成物が重なり合って塗
布された部分では、各強誘電性高分子液晶組成物がミク
ロドメインに分れて存在している。図8に示すように単
一の電極(画素)内に液晶A、Bからなる2種類のミク
ロドメインがあるとき、例えば図9に示すように同じパ
ルス幅のパルスに対してしきい値電圧が異なっていると
する。V1の電圧を印加したときはどちらも反転せず暗
状態であるが、V2ではAのみ反転し、画素全体で見れ
ば、中間調、V3では両方反転するので暗状態となる。
この場合、3階調が可能となる。画素全体としてのしき
い値特性を図10に示す。本発明においては、重なり合
って塗布される強誘電性高分子液晶組成物の種類を増や
せば、更に多階調表示が可能となる。具体的には、しき
い値電圧が好ましくは0.1V以上異なっていれば実用
的に階調表示が達成できる。また、印加電圧のパルス幅
を変化させて電圧を印加した場合も同様に階調表示が可
能である。
【0102】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 なお、実施例中、相転移挙動を示す式において、gla
ssはガラス状態を、Crystは結晶を、SmC
カイラルスメクチックC相を、SmCはスメクチックC
相を、SmAはスメクチックA相を、Isoは等方相を
示す。
【0103】
【化32】
【0104】強誘電性高分子液晶Aと低分子液晶Cを重
量比で8:2に秤量し、ジクロロメタンに溶解し、濃度
20重量%の溶液とした。これを液晶溶液(1)とす
る。この液晶溶液中(1)の強誘電性高分子液晶Aと低
分子液晶Cからなる組成物の相転移挙動を以下に示す。
【0105】
【化33】
【0106】強誘電性高分子液晶Bと低分子液晶Cを重
量比で7:3に秤量し、ジクロロメタンに溶解し、濃度
20重量%の溶液とした。これを液晶溶液(2)とす
る。この液晶溶液(2)中の強誘電性高分子液晶Bと低
分子液晶Cからなる組成物の相転移挙動を以下に示す。
【0107】
【化34】
【0108】上記液晶溶液(1)及び(2)を用いて液
晶光学素子を作製するにあたり、基板として、ITO電
極付きポリエーテルスルホン(PES)基板を用いた。
この基板は幅150mm、長さ500mm、厚さ125
μmであり、ITO電極は線幅5mm、ギャップ1mm
のストライプ状にパターニングされている。
【0109】上記基板に、図11に示されるようなオフ
セット印刷法により、液晶溶液(1)及び(2)を塗布
した。図11において、2重の矢印は、基板1の流れ方
向を示す。図12の(a)及び(b)は、各々、液晶溶
液を基板に転写するための図11中のロール6a及び6
bの上半分の部分正面図である。ロール6a及び6bは
直径80mmのステンレス製ロールであり、幅3mm、
ギャップ1mm、高さ0.05mmの凸部がストライプ
状に設けられている。ロール7a及びロール7bは、液
晶溶液をロール6a及びロール6bに転写するためのス
テンレス製、直径40mmのロールである。
【0110】基板1を送り速度1m/分で送りながら、
液晶溶液(1)をロール7aに、液晶溶液(2)をロー
ル7bにほぼ同量の割合で供給した。ロール7aからロ
ール6aの凸部に転写された液晶溶液(1)が基板1に
転写され、次いでロール7bからロール6bの凸部に転
写された液晶溶液(2)が、液晶溶液(1)が塗布され
た基板1上に転写された。液晶溶液(1)及び(2)を
塗布後、乾燥工程を経た後の基板の部分断面説明図を図
13に示す。基板1の電極2を形成した面上に強誘電性
高分子液晶組成物(1)の層15がストライプ状に形成
され、その上に、強誘電性高分子液晶組成物(2)の層
16が、強誘電性高分子液晶組成物(1)の層15に部
分的に重なるようにストライプ状に形成されている。
【0111】乾燥工程にて溶媒を乾燥した後、直ちに、
何も塗布していない上記基板と同種の基板を、液晶の層
と電極面が接するように積層し、配向処理前の未配向素
子原反(幅150mm、長さ500mm)を作製した。
積層に用いた基板に設けられた電極は、ストライプの方
向が上記基板の電極のストライプと直交していることを
除いては、上記基板の電極と同様の素材及び形状のもの
である。
【0112】得られた未配向素子中の強誘電性高分子液
晶組成物(1)及び(2)からなる液晶材料の層の厚み
は3μmであった。
【0113】次いで、図14に示すような4本の加熱ロ
ール17群からなる配向装置を用いて、上記の未配向素
子18の曲げ配向処理を行った。各加熱ロール17は直
径80mmのクロムメッキを施した鉄製であり、幅30
0mmのものを用いた。表面温度は、T1=80℃、T2
=75℃、T3=70℃、T4=65℃にコントロール
し、ライン速度はv=8m/分とした。この配向装置に
よって未配向素子18中の強誘電性高分子液晶組成物
(1)及び(2)は曲げ変形による剪断を与えられなが
ら等方相から液晶相へ冷却され、最終的に基板長手方向
に一軸水平配向し、配向済素子19が得られた。
【0114】得られた配向済素子の、上下電極が直交す
る1つの画素にパルス幅2ms、電圧5V、15V、3
0Vのパルス波形を印加し、クロスニコル下で透過光強
度比を調べたところ強誘電性高分子液晶組成物(1)と
強誘電性高分子液晶組成物(2)とが重なり合って塗布
された部分では各印加電圧における透過光強度の比が
1:7:20となり、パルス電圧によって階調表示可能
であることがわかった。
【0115】また、パルス電圧30Vで、パルス幅0.
5ms、1ms、2msと変化させても透過光強度の比
が1:5:15となり、同じく階調表示可能であること
がわかった。
【0116】また、この画素にパルス幅2ms、15V
電圧を印加した後、偏光顕微鏡で観察したところ、強誘
電性高分子液晶組成物(1)と強誘電性高分子液晶組成
物(2)とが重なり合って塗布された部分では、各々の
組成物が明るさの異なるミクロドメインに分れているこ
とが確認できた。ミクロドメインの大きさは、半径がほ
ぼ20μmであった。
【0117】実施例2 実施例1と同じ液晶溶液(1)及び(2)を実施例1で
用いたと同じ基板にオフセット印刷法により塗布した。
オフセット印刷にあたっては、基板に液晶溶液を転写す
るロール6a及び6bに凸部が設けられていない他は、
実施例1で用いたものと同じ装置を用い、液晶溶液
(1)及び(2)を、順次、基板上全面にわたって、塗
布した。溶媒乾燥後の強誘電性高分子液晶組成物(1)
及び(2)の層の厚みは、各々1.5μm程度であっ
た。
【0118】溶媒乾燥後、直ちに、何も塗布していない
上記基板と同種の基板を、液晶の層と電極面が接するよ
うに積層し、配向処理前の未配向素子原反(幅150m
m、長さ500mm)を作製した。積層に用いた基板に
設けられた電極は、ストライプの方向が上記基板の電極
のストライプと直交していることを除いては、上記基板
の電極と同様の素材及び形状のものである。
【0119】得られた未配向素子中の強誘電性高分子液
晶組成物(1)及び(2)からなる液晶材料の層の厚み
は3μmであった。
【0120】この未配向素子原反を、強誘電性高分子液
晶組成物(1)及び(2)が等方相となる温度、90℃
で10分間保持したあと、実施例1と同様の配向装置を
用いて配向済素子を得た。
【0121】得られた配向済素子の1つの画素にパルス
幅2ms、電圧5V、15V、30Vのパルス波形を印
加し、クロスニコル下で透過光強度比を調べたところ、
各印加電圧における透過光強度の比が1:7:20とな
り、パルス電圧によって階調表示可能であることがわか
った。
【0122】また、この画素にパルス幅2ms、15V
電圧を印加した後、この画素の部分を偏光顕微鏡で観察
したところ、1つの画素内で各々の組成物が明るさの異
なるミクロドメインに分れていることが確認できた。ミ
クロドメインの大きさは、半径がほぼ20μmであっ
た。
【0123】
【発明の効果】本発明により、強誘電性高分子液晶を用
いた液晶光学素子であって、階調表示が可能な液晶光学
素子を、簡便な方法により得ることができる。また、本
発明によって得られる液晶光学素子は、印加する電圧の
パルス幅又は電界強度を変化させて電圧を印加するとい
う簡単な方法により、階調表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶光学素子の製造方法の一態様を示
す断面説明図。
【図2】本発明の液晶光学素子の製造方法の一態様を示
す断面説明図。
【図3】本発明の液晶光学素子の製造方法により、液晶
材料を塗布された基板の一例を示す斜視図。
【図4】本発明の液晶光学素子の製造方法により、液晶
材料を塗布された基板の一例を示す斜視図。
【図5】本発明の液晶光学素子の製造方法により、液晶
材料を塗布された基板の一例を示す斜視図。
【図6】本発明の液晶光学素子の製造方法により製造さ
れる液晶光学素子の構成の一例を示す断面説明図。
【図7】しきい値電圧を説明する説明図。
【図8】ミクロドメインの説明図。
【図9】電圧と透過光強度の関係を示すグラフ。
【図10】電圧と透過光強度の関係を示すグラフ。
【図11】本発明の実施例で用いたオフセット印刷の装
置を示す斜視図。
【図12】図11に示されるオフセット印刷の装置のロ
ールの形状を示す部分正面図。
【図13】本発明の実施例において図11及び図12に
示される装置を用いて液晶材料を塗布した基板を説明す
る部分断面図。
【図14】本発明の実施例において用いた配向装置の説
明図。
【符号の説明】
1 基板 2 電極 3a 基板供給ロール 3b 基板供給ロール 4 強誘電性高分子液晶組成物 5 グラビア印刷機 6 印刷ロール 6a 印刷ロール 6b 印刷ロール 7 ロール 7a ロール 7b ロール 8 積層用ロール 9 液晶光学素子 A 強誘電性高分子液晶組成物A B 強誘電性高分子液晶組成物B 10 液晶材料 11 配向膜 12 偏光板 13 液晶A 14 液晶B 15 強誘電性高分子液晶組成物(1) 16 強誘電性高分子液晶組成物(2) 17 加熱ロール 18 未配向素子 19 配向済素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を形成した基板2枚の間に液晶材料
    を挟持して液晶光学素子を製造する方法において、該液
    晶材料が互いに非相溶である少なくとも2種類の強誘電
    性高分子液晶組成物からなり、該強誘電性高分子液晶組
    成物を、印刷法を用いて、該強誘電性高分子液晶組成物
    の少なくとも2種類が少なくとも部分的に互いに重なり
    合うように少なくとも一方の基板の電極面上に塗布した
    後、2枚の該基板を、互いの電極面が相対するように積
    層することを特徴とする液晶光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法で製造された液晶光
    学素子に、印加する電圧のパルス幅又は電界強度を変化
    させて電圧を印加し、階調表示を行うことを特徴とする
    液晶光学素子の階調表示方法。
JP20445393A 1993-07-28 1993-07-28 強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子の製造方法及びその階調表示方法 Pending JPH0743691A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20445393A JPH0743691A (ja) 1993-07-28 1993-07-28 強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子の製造方法及びその階調表示方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20445393A JPH0743691A (ja) 1993-07-28 1993-07-28 強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子の製造方法及びその階調表示方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0743691A true JPH0743691A (ja) 1995-02-14

Family

ID=16490786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20445393A Pending JPH0743691A (ja) 1993-07-28 1993-07-28 強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子の製造方法及びその階調表示方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0743691A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19649761A1 (de) * 1996-11-30 1998-06-10 Ernst Lueder Verfahren zur Herstellung von Flüssigkristall-Displays auf Kunststoff-Folien unter Verwendung von bistabilen Flüssigkristallen
JP2000047264A (ja) * 1998-07-21 2000-02-18 Aventis Research & Technol Gmbh & Co Kg スメクティック液晶ディスプレイの製造方法
JP2007248503A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Epson Imaging Devices Corp 液晶装置の製造方法
JP2008506986A (ja) * 2004-07-13 2008-03-06 スティッチング ダッチ ポリマー インスティテュート 接触印刷を用いたメソゲンのマイクロ構造化

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19649761A1 (de) * 1996-11-30 1998-06-10 Ernst Lueder Verfahren zur Herstellung von Flüssigkristall-Displays auf Kunststoff-Folien unter Verwendung von bistabilen Flüssigkristallen
DE19649761C2 (de) * 1996-11-30 2003-04-03 Univ Stuttgart Verfahren zur Herstellung von Flüssigkristall-Displays auf Kunststoff-Folien unter Verwendung von bistabilen Flüssigkristallen
JP2000047264A (ja) * 1998-07-21 2000-02-18 Aventis Research & Technol Gmbh & Co Kg スメクティック液晶ディスプレイの製造方法
JP2008506986A (ja) * 2004-07-13 2008-03-06 スティッチング ダッチ ポリマー インスティテュート 接触印刷を用いたメソゲンのマイクロ構造化
JP2007248503A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Epson Imaging Devices Corp 液晶装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5332521A (en) Ferroelectric liquid crystal composition, liquid crystal optical device produced by using the ferroelectric liquid crystal composition, and method of producing the liquid crystal optical device
CN100565300C (zh) 液晶显示元件
CN100523958C (zh) 液晶显示元件
JPS61249019A (ja) 液晶素子
JPH0743691A (ja) 強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子の製造方法及びその階調表示方法
EP0400654B1 (en) Method of orienting a liquid crystal material, apparatus therefor, and liquid crystal device oriented thereby
JP3187197B2 (ja) 強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子及びその階調表示方法
JP3054212B2 (ja) ゲストホスト型液晶光学素子
JP2672628B2 (ja) 液晶光学素子の配向方法
JP2505258B2 (ja) 液晶光学素子及びその製造方法
JPH01252690A (ja) 液晶組成物及び液晶素子
JPH028292A (ja) 強誘電性液晶表示素子
JPH04322227A (ja) 強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子
JPH01172927A (ja) 液晶素子
JPH10293309A (ja) 液晶表示素子の製造方法
JP2648342B2 (ja) 液晶光学素子の配向方法
JPH05273602A (ja) 液晶表示素子
JPS63214721A (ja) 液晶素子
JPH06118440A (ja) 液晶表示素子およびその製造方法
JPH05297377A (ja) 強誘電性液晶表示素子の製造方法
JPH0236299A (ja) 強誘電性液晶物質組成物及び液晶光学素子
JPH02217820A (ja) 強誘電性高分子液晶素子
JPH07311394A (ja) 液晶光学素子の製造方法
JPH06281964A (ja) 強誘電性高分子液晶を用いた液晶光学素子の製造方法及び液晶光学素子の階調表示方法
JPH02271326A (ja) 液晶光学素子及びその駆動方法