JPH05297377A - 強誘電性液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

強誘電性液晶表示素子の製造方法

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JPH05297377A
JPH05297377A JP4101396A JP10139692A JPH05297377A JP H05297377 A JPH05297377 A JP H05297377A JP 4101396 A JP4101396 A JP 4101396A JP 10139692 A JP10139692 A JP 10139692A JP H05297377 A JPH05297377 A JP H05297377A
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ferroelectric liquid
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conductive base
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JP4101396A
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Yasushi Saito
寧 齋藤
Toru Kashiwagi
亨 柏木
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶分子が、素子の全面に亘って良好に配向
されて理想的な双安定性を示し、鮮明で高精彩な動画表
示を行える実用的な強誘電性液晶表示素子を製造する方
法を提供する。 【構成】 導電面に配向処理を施した一対の導電基材2
で強誘電性液晶材料1を挟着し、全体を強誘電性液晶材
料1の等方相転移温度以上に加熱し徐冷した後、一対の
導電基材2間に10Hz以上、500Hz未満の周波数
の電圧を印加し、次いで500Hz以上、5000Hz
以下の周波数の電圧を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TV画面や一般OA機
器用、自動車等の表示パネル用、または、車載ナビゲー
ションのディスプレイ等に使用される、強誘電性液晶材
料を使用した動画表示可能な強誘電性液晶素子の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記各用途に使用される表示素子とし
て、走査電極および信号電極をマトリクス状に配置した
一対の基材間に液晶材料を充填することで、両電極の重
なりの部分に画素を構成した液晶表示素子が普及してい
る。しかしこの単純マトリクス型の液晶素子は応答速度
が遅い上、画素数が増えるといわゆるクロストークが発
生して、鮮明で高精彩の画面表示が困難になるという問
題があった。
【0003】そこで、基材上の各画素に相当する部分に
薄膜トランジスタ(TFT)を始めとする非線形素子を
形成し、各画素を独立に動作させることでクロストーク
を防止して、鮮明で高精彩の画面表示を可能としたアク
ティブマトリクス型の液晶素子が開発され、既に実用化
もされている。しかし、上記アクティブマトリクス型の
液晶素子は、画面上の全ての画素について、一つの欠陥
もなく非線形素子を形成するのが困難であり、歩留りの
低さによる高コスト化や、あるいは大画面化の困難さが
問題となっている。
【0004】上記従来の液晶素子の問題点を解消するも
のとして、強誘電性液晶材料を用いた表面安定化型強誘
電性液晶表示素子(SSFLCD)が、ClarkとL
agerwallによって提案された(特開昭56−1
07216号、米国特許明細書大4367924号)。
上記SSFLCD等の強誘電性液晶表示素子は、図1に
示すように、カイラルスメクチックC相(SC * 相)を
示す強誘電性液晶材料1を、導電面に配向処理を施した
一対の導電基材2,2で挟着し、さらにその両側に一対
の偏光子3,3を積層することで構成される。
【0005】液晶分子10は、図3に示すように導電基
材2,2間のセル間隔が十分に広い場合には、液晶層法
線L1を軸とする螺旋状の構造をとり、各液晶分子10
の双極子11はばらばらの方向を向く。しかしセルの間
隔を螺旋構造の1ピッチ(図3中の寸法α)より小さく
すると、液晶分子10は螺旋構造がほどけて、図4中に
実線または一点鎖線で示すように、分子内の双極子11
が上向または下向きの2状態のうち何れかのみをとるよ
うになる。
【0006】この状態において、上記一対の導電基材
2,2間に正逆何れかの方向の電圧を印加すると、その
電界の方向に応じて、全ての液晶分子10の双極子11
の向きが上下何れか1方向に揃い、それにともなって全
ての液晶分子10が電界の方向に応じた2つの状態間で
スイッチングされるようになる。この2状態は、電圧の
印加を停止した後も安定に存続し、素子は双安定性(メ
モリー性)を示す。
【0007】一方偏光子3,3は、図5に示すように偏
光軸30,30を互いに直交させ、かつ、何れか一方の
偏光子3の偏光軸30を、液晶分子10のとり得る2状
態のうち何れか一方における、液晶分子10の平均分子
長軸方向と一致させて積層されている。したがって図1
の層構成の強誘電性液晶表示素子においては、一対の導
電基材2,2間に印加する電圧の方向を正逆何れかに切
り替えると、それに応じて、液晶分子10が前記2状態
間でスイッチングされて、一方の偏光子3の偏光軸30
と一致する状態と一致しない状態とを生じ、明(O
N)、暗(OFF)2状態の表示が可能となる。
【0008】上記のように強誘電性液晶表示素子は、液
晶分子が双安定性を有する上、従来の液晶と違い双極子
によって明暗2状態のスイッチングが行われるので、応
答速度が数10μs程度と極めて速い。このため上記強
誘電性液晶表示素子によれば、単純マトリクス駆動によ
り、クロストークのない鮮明で高精彩な画像を、高速動
画表示することが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来、上記強誘電性液
晶表示素子を製造するには、一対の導電基材2,2の導
電面に配向処理を施し、この導電基材2,2で強誘電性
液晶材料1を挟着した後、全体を強誘電性液晶材料1の
等方相転移温度以上に加熱し徐冷して、液晶分子10を
配向させていた。導電基材2,2の導電面の配向処理方
法としては、 導電面にSiO等を斜方蒸着する方法、 導電面に高分子膜(液晶配向膜)を形成し、その表
面を1方向にラビングする方法、 導電面に、1方向に延伸した高分子フィルムを貼付
する方法、 等がある。
【0010】しかし上記加熱、徐冷処理だけでは、素子
の全面に亘って、強誘電性液晶表示素子の特徴である双
安定性を実現する良好な液晶分子の配向が得られず、鮮
明で高精彩な表示を行う実用的な素子の作製が難しいと
いう問題があった。本発明は、以上の事情に鑑みてなさ
れたものであって、液晶分子が素子の全面に亘って良好
に配向し、鮮明で高精彩な動画表示を行える実用的な強
誘電性液晶表示素子を作製するための製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】上記の問題が
発生する原因について検討したところ、従来の製造方法
で製造された強誘電性液晶表示素子においては、液晶分
子の配向が、従来考えられていたような2状態のみの配
向だけでなく、図6に示すように、素子の厚み方向内方
においては、液晶分子10が基材面に垂直な方向にねじ
れた構造を生じるため、双安定性を実現するのに良好な
配向が得られないことがわかった。
【0012】すなわち図の状態では、一対の導電基材
2,2間に電圧を印加している間は、全ての液晶分子1
0が同一方向に配向するため、明暗2状態の表示が可能
であるが、両導電基材2,2間に電圧を印加しない状態
では、図のように液晶分子10がばらばらな方向を向く
ため、表示が行えなくなるのである。また、前述した導
電基材の導電面の配向処理方法のうちの、液晶配向膜
の表面を1方向にラビングする方法では、ラビングの強
度が強過ぎた場合に、図7に示すように、各液晶層Lの
液晶分子10が全て、その平均分子長軸を図中実線の矢
印で示すラビングの軸方向に向けた配向状態で安定し
て、双安定性を示さない単安定状態になってしまい、表
示が行えなくなるという問題もあった。
【0013】そこで上記の問題を解決すべく、本発明者
らは、加熱、徐冷処理によって生じる液晶分子のねじれ
構造や単安定状態を解消する方法について種々検討を行
った結果、加熱、徐冷後の素子の一対の導電基材間に比
較的低周波の電圧を印加すると、ねじれ構造や単安定状
態を強制的に修正して、液晶分子を理想的な双安定状態
に配向できることを見出した。
【0014】しかし低周波の電圧を印加すると、強誘電
性液晶材料中に含まれるイオン不純物等がセル内を移動
してセルの厚み方向に分極を生じ、液晶分子がこの分極
によって単安定的に配向して、双安定性が失われるおそ
れがあった。そこでさらに検討を行った結果、低周波電
圧印加後の素子の導電基材間に比較的高周波の電圧を印
加すると、セルの分極を緩和もしくは解消できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】すなわち本発明の強誘電性液晶表示素子の
製造方法は、導電面に配向処理を施した一対の導電基材
で強誘電性液晶材料を挟着し、全体を強誘電性液晶材料
の等方相転移温度以上に加熱し徐冷した後、一対の導電
基材間に10Hz以上、500Hz未満の周期で極性が
反転する電圧を印加し、次いで500Hz以上、500
0Hz以下の周期で極性が反転する電圧を印加すること
を特徴とする。
【0016】上記本発明の製造方法によれば、加熱、徐
冷後の素子の一対の導電基材間に比較的低周波の電圧を
印加することで、液晶分子のねじれ構造や単安定状態を
強制的に修正できるとともに、修正後の一対の導電基材
間に比較的高周波の電圧を印加することで、セルの分極
を緩和もしくは解消できる。以下に本発明を説明する。
【0017】まず図1に示すように、カイラルスメクチ
ックC相(SC * 相)を示す強誘電性液晶材料1を、導
電面に配向処理を施した一対の導電基材2,2で挟着す
る。挟着の方法は従来同様でよい。たとえば導電基材2
として、可撓性を有する導電フィルムを使用する場合に
は、ラミネートロールを用いたラミネート法が好適に採
用される。
【0018】つぎに、全体を強誘電性液晶材料1の等方
相転移温度以上に加熱したのち徐冷する。徐冷後、一対
の導電基材2,2間に、10Hz以上、500Hz未満
の低周波の電圧を印加し、次いで500Hz以上、50
00Hz以下の高周波の電圧を印加する。
【0019】低周波の電圧の周波数が10Hz未満また
は500Hz以上である場合には、液晶分子のねじれ構
造や単安定状態を十分に修正することができない。また
高周波の電圧の周波数が500Hz未満または5000
Hzを超える場合には、セルの分極を十分に緩和できな
い。両処理に使用される印加電圧の波形としては、図2
(a) に示す矩形波、図2(b) に示す正弦波、または図2
(c) に示す三角波の何れかが好ましい。
【0020】低周波の電圧の印加と高周波の電圧の印加
は連続して行うのがよく、その場合、印加電圧の周期
は、上記低周波の電圧と高周波の電圧との間で連続的に
変化させてもよく、不連続に変化させてもよい。低周波
の電圧および高周波の電圧の電圧値は、本発明では特に
限定されないが、各材料の耐圧等を考慮すると、何れも
素子の駆動電圧と同程度、すなわち2〜50V程度がよ
い。また低周波の電圧および高周波の電圧の印加時間は
とくに限定されないが、前後者ともに0.5〜30分間
程度でよい。連続的に周波数を変化させる場合には、周
波数が500Hz未満の状態にある時間、および周波数
が500Hz以上の状態にある時間が、それぞれ上記範
囲内であればよい。
【0021】処理が完了したあと、両側に一対の偏光子
3,3を積層すれば、強誘電性液晶表示素子が得られ
る。強誘電性液晶材料1としては、市販の単成分または
複数成分のものが好ましく使用されるが、側鎖型、主鎖
型等の各種高分子液晶、強誘電性高分子液晶を補助成分
として混合させる等、他の液晶成分をブレンドすること
で、性能を調整したものでも良い。また、特性の調整の
ために二色性色素、各種添加剤、非液晶性化合物、非液
晶性高分子等を混合したものでも良い。
【0022】強誘電性液晶材料1には、導電基材2,2
の間隔を一定に保つために粒状のスペーサが混入され
る。スペーサとしては、シリカ製、ガラスファイバー製
または樹脂製の何れを使用してもよく、その粒径は、所
望の電極間隙に応じて選ぶことができる。混合割合は、
液晶面積1mm2 当たり10〜200個程度であればよ
い。強誘電性液晶材料1は、比較的粘度の高いクリーム
状のSC * 相を示し、液晶の流動によってスペーサの分
布が局在化することがないので、スペーサを液晶中に均
一に分散させれば、導電基材2,2の間隔を一定に保つ
ことができる。
【0023】導電基材2としては、従来と同様に、基材
表面にITO(インジウムチンオキサイド)等の透明導
電層を形成したものが好適に使用される。単純マトリク
ス駆動等の素子の場合、上記透明導電層には、エッチン
グ等により所定のパターンが形成される。基材として
は、ガラス板等の、従来より強誘電性液晶表示素子の基
材として使用されている種々の基材が使用できるが、重
くかつ割れやすいというガラス板の欠点を解消して、軽
量で、しかも丈夫な素子を形成するには、プラスチック
フィルムやプラスチック板が好適に使用される。
【0024】プラスチックフィルムとしては、耐熱性、
実用的強度、光学的均一性などに優れ、かつ偏光板と組
み合わせた際に複屈折による着色の起こらないポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルムやポリエーテル
スルフォン(PES)フィルム等の非晶質のプラスチッ
クフィルムが好適に使用される。プラスチックフィルム
の厚みは50〜200μm程度が好ましい。
【0025】プラスチック板としては、各種アクリル樹
脂板、ポリカーボネート板、ポリスチレン板等の、光学
的特性に優れたプラスチック板が使用されるが、とく
に、偏光板と組み合わせた際に複屈折による着色の起こ
らない、非晶質のプラスチック板が好ましい。可撓性の
ないプラスチック板の厚みは、0.5〜3mm程度がよ
い。
【0026】導電基材2の導電面を配向処理する方法
は、前述した3つの方法の何れでもよいが、とくにの
液晶配向膜を形成してその表面を1方向にラビングする
方法が好適に採用される。液晶配向膜としては、耐熱
性、安定性、他の液晶表示方式での使用実績などから、
ポリイミド系の高分子やその誘導体、あるいはその共重
合体が好適に使用されるが、強誘電性液晶材料との相性
等を考慮して、ポリビニルアルコール等の他の高分子を
使用することもできる。また、素子の特性等を考慮する
と、液晶配向膜を形成する高分子材料は、着色が少なく
透明性に優れ、しかも、電圧降下を少なくするために高
誘電率であることが望ましい。
【0027】上記液晶配向膜は、高分子材料を適当な溶
媒に溶解または分散させた塗布液を塗布または印刷して
溶媒を乾燥除去するか、または、高分子材料の硬化性の
プレポリマー(オリゴマー、モノマー)を適当な溶媒に
溶解または分散させた塗布液を塗布または印刷して、溶
媒を乾燥除去するとともにプレポリマーを硬化させるこ
とで形成される。
【0028】塗布液の塗布には、バーコート法、スピン
コート法、スプレーコート法等の通常の塗布方法を採用
できる他、前述したスクリーン印刷法やオフセット印刷
法等の種々の印刷方法を採用することもできる。液晶配
向膜の膜厚はとくに限定されないが、30Å〜0.5μ
m程度がよい。また形成された液晶配向膜のラビングに
は、従来同様に、適当な布地を使用すればよい。
【0029】なお、本発明で製造される強誘電性液晶素
子の層構成は、図1のものに限定されない。例えば、一
方の導電基材の裏面に反射膜を設けて、反射型の液晶素
子としてもよい。その他、本発明の要旨を変更しない範
囲で、従来の強誘電性液晶素子と同様の種々の設計変更
を施すことができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明を、実施例および比較例に基
づいて説明する。実施例1、比較例1 PESフィルムの表面にITO膜が形成された透明導電
フィルム(住友ベークライト社製の品番FST−134
3)の導電面に、ポリビニルアルコール(日本合成化学
社製の品番NH−20)の1%水溶液をスピンコート法
で塗布し、溶媒を乾燥除去して高分子膜を形成した後、
その表面を、ラビング布(吉川化工社製の品番YA18
R)で1方向にラビングして液晶配向膜を形成した。
【0031】つぎに上記透明導電フィルム2枚の間に、
強誘電性液晶材料(メルクジャパン社製の品番ZLI3
654)と粒径2μmのシリカ製スペーサとの混合物を
挟着し、液晶の等方相転移温度以上に加熱した後、徐徐
に冷却して液晶を配向させた。なお、上記強誘電性液晶
材料の相転移温度特性は以下のとおりである。
【0032】
【外1】
【0033】つぎに、一対の透明導電フィルム間に、ま
ず±30V、パルス幅100ms(周波数10Hz)の
矩形波を5分間印加した後、引き続いて±30V、パル
ス幅200μs(周波数5000Hz)の矩形波を5分
間印加して実施例1の強誘電性液晶表示素子を作製し
た。また、何れの周波数の矩形波も印加しなかったもの
を比較例1とした。
【0034】上記実施例1、比較例1の素子に、30
V、パルス幅1000μs、500μsおよび200μ
sの駆動パルスを順次印加したところ、比較例1の素子
は、何れの駆動パルスでも双安定的な応答が得られず、
明暗2状態の表示を行うことができなかった。これに対
し実施例1の素子では、何れの駆動パルスでも、下記表
1に示すように高速で、しかも良好な双安定的応答が得
られ、明暗2状態の表示を行うことができた。なお、表
中のTONは暗→明の応答時間(μs)、TOFF は明→暗
の応答時間(μs)を示す。
【0035】
【表1】
【0036】実施例2 一対の透明導電フィルム間に、まず±30V、パルス幅
100ms(周波数10Hz)の矩形波を1分間印加し
た後、矩形波のパルス幅を、1分間かけて連続的に1m
s(周波数1000Hz)まで短くし、さらに1msで
1分間印加したこと以外は上記実施例1と同様にして、
実施例2の強誘電性液晶表示素子を作製した。
【0037】上記実施例2の素子に、30V、パルス幅
1000μs、500μsおよび200μsの駆動パル
スを順次印加したところ、何れの駆動パルスでも、下記
表2に示すように高速で、しかも良好な双安定的応答が
得られ、明暗2状態の表示を行うことができた。
【0038】
【表2】
【0039】実施例3、比較例2 ポリビニルアルコール(日本合成化学社製の品番NH−
20)の水溶液の濃度を0.5%にしたことと、一対の
透明導電フィルム間に、まず±30V、パルス幅100
ms(周波数10Hz)の矩形波を5分間印加した後、
引き続いて±30V、パルス幅1ms(周波数1000
Hz)の矩形波を5分間印加したこと以外は、前記実施
例1と同様にして、実施例3の強誘電性液晶表示素子を
作製した。また、何れの周波数の矩形波も印加しなかっ
たものを比較例2とした。
【0040】上記実施例3、比較例2の素子に、30
V、パルス幅1000μs、500μsおよび200μ
sの駆動パルスを順次印加したところ、比較例2の素子
は、何れの駆動パルスでも双安定的な応答が得られず、
明暗2状態の表示を行うことができなかった。これに対
し実施例3の素子では、何れの駆動パルスでも、下記表
3に示すように高速で、しかも良好な双安定的応答が得
られ、明暗2状態の表示を行うことができた。
【0041】
【表3】
【0042】実施例4 一対の透明導電フィルム間に、まず±30V、周期20
0ms(周波数10Hz)の正弦波を5分間印加した
後、引き続いて±30V、周期2ms(周波数1000
Hz)の正弦波を5分間印加したこと以外は、前記実施
例1と同様にして、実施例4の強誘電性液晶表示素子を
作製した。
【0043】上記実施例4の素子に、30V、パルス幅
1000μs、500μsおよび200μsの駆動パル
スを順次印加したところ、何れの駆動パルスでも、下記
表4に示すように高速で、しかも良好な双安定的応答が
得られ、明暗2状態の表示を行うことができた。
【0044】
【表4】
【0045】実施例5 一対の透明導電フィルム間に、まず±40V、周期20
0ms(周波数10Hz)の三角波を5分間印加した
後、引き続いて±40V、周期1ms(周波数2000
Hz)の三角波を15分間印加したこと以外は、前記実
施例1と同様にして、実施例5の強誘電性液晶表示素子
を作製した。
【0046】上記実施例5の素子に、30V、パルス幅
1000μs、500μsおよび200μsの駆動パル
スを順次印加したところ、何れの駆動パルスでも、下記
表5に示すように高速で、しかも良好な双安定的応答が
得られ、明暗2状態の表示を行うことができた。
【0047】
【表5】
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、加
熱、徐冷後の素子の一対の導電基材間に比較的低周波の
電圧を印加することで、液晶分子のねじれ構造や単安定
状態を強制的に修正できるとともに、その後、比較的高
周波の電圧を印加することで、セルの分極を緩和もしく
は解消することができる。したがって本発明の製造方法
によれば、液晶分子が素子の全面に亘って良好に配向さ
れているため理想的な双安定性を示し、鮮明で高精彩な
動画表示を行える実用的な強誘電性液晶表示素子を製造
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で製造される強誘電性液晶表示素子の、
層構成の一例を示す斜視図である。
【図2】同図(a) 〜(c) は何れも、本発明の製造方法に
おいて、一対の導電基材間に印加される電圧の波形の例
を示す波形図である。
【図3】セル間隔が十分に広い場合における液晶分子の
状態を模式的に説明する図である。
【図4】セル間隔が狭い場合における液晶分子の配向状
態を模式的に説明する図である。
【図5】図4の配向状態における液晶分子の平均分子長
軸と、偏光子の偏光軸との関係を模式的に説明する図で
ある。
【図6】液晶分子のねじれ構造を模式的に説明する図で
ある。
【図7】液晶分子の単安定的配向を模式的に説明する図
である。
【符号の説明】
1 強誘電性液晶材料 2 導電基材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電面に配向処理を施した一対の導電基材
    で強誘電性液晶材料を挟着し、全体を強誘電性液晶材料
    の等方相転移温度以上に加熱し徐冷した後、一対の導電
    基材間に10Hz以上、500Hz未満の周期で極性が
    反転する電圧を印加し、次いで500Hz以上、500
    0Hz以下の周期で極性が反転する電圧を印加すること
    を特徴とする強誘電性液晶表示素子の製造方法。
  2. 【請求項2】印加電圧の周期を、連続または不連続に変
    化させる請求項1記載の強誘電性液晶表示素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】印加電圧の波形が矩形波、正弦波および三
    角波のうちの何れかである請求項1または2記載の強誘
    電性液晶表示素子の製造方法。
JP4101396A 1992-04-21 1992-04-21 強誘電性液晶表示素子の製造方法 Pending JPH05297377A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20050007113A (ko) * 2003-07-09 2005-01-17 삼성전자주식회사 강유전 액정 소자의 액정 배향 방법

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KR20050007113A (ko) * 2003-07-09 2005-01-17 삼성전자주식회사 강유전 액정 소자의 액정 배향 방법

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