JPH06148643A - 強誘電性液晶素子及びその製造方法 - Google Patents

強誘電性液晶素子及びその製造方法

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JPH06148643A
JPH06148643A JP29733292A JP29733292A JPH06148643A JP H06148643 A JPH06148643 A JP H06148643A JP 29733292 A JP29733292 A JP 29733292A JP 29733292 A JP29733292 A JP 29733292A JP H06148643 A JPH06148643 A JP H06148643A
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ferroelectric liquid
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less
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JP29733292A
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English (en)
Inventor
Yasushi Saito
寧 齋藤
Toru Kashiwagi
亨 柏木
Kensaku Takada
憲作 高田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速応答性を有し、液晶分子の配向安定性に
すぐれるとともに、マトリクス駆動に適した閾値特性を
有する強誘電性液晶素子とその製造方法を提供する。 【構成】 強誘電性液晶素子は、数平均分子量が100
00以下あるいは重合度が20以下の高分子量の強誘電
性液晶材料1を、一対の基材間2,2に挟着する。製造
方法は、数平均分子量が10000以下あるいは重合度
が20以下の高分子量の強誘電性液晶材料1を、一対の
基材2,2間に挟着し、加熱、徐冷して液晶を配向させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TV画面や一般OA機
器用、自動車等の表示パネル用又は車載ナビゲーション
のディスプレイ等に利用される強誘電性液晶材料を使用
した動画表示可能な強誘電性液晶素子及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記各用途に使用される表示素子とし
て、走査電極および信号電極をマトリクス状に配置した
一対の基材間に液晶材料を充填することで、両電極の重
なりの部分に画素を構成した液晶素子が普及している。
しかしこの単純マトリクス型の液晶素子は応答速度が遅
い上、画素数が増えるといわゆるクロストークが発生し
て、鮮明で高精細の画面表示が困難になるという問題が
あった。
【0003】そこで、基材上の各画素に相当する部分に
薄膜トランジスタ(TFT)を始めとする非線形素子を
形成し、各画素を独立に動作させることでクロストーク
を防止して、鮮明で高精細の画面表示を可能としたアク
ティブマトリクス型の液晶素子が開発され、既に実用化
もされている。しかし、上記アクティブマトリクス型の
液晶素子は、画面上の全ての画素について、一つの欠陥
もなく非線形素子を形成するのが困難であり、歩留りの
低さによる高コスト化や、あるいは大画面化の困難さが
問題となっている。
【0004】上記従来の液晶素子の問題点を解消するも
のとして、強誘電性液晶材料を用いた表面安定化型強誘
電性液晶素子(SSFLCD)が、ClarkとLag
erwallによって提案された(特開昭56−107
216号、米国特許明細書第4367924号)。上記
SSFLCD等の強誘電性液晶素子は、液晶分子のらせ
ん構造の形成を抑制し得る間隔に配置された、少なくと
も一方の表面に配向処理を施した一対の基材2,2と、
当該基材2,2間に挟着された、カイラルスメクチック
C相(SC * 相)を示し、液晶分子の配向が、基材2の
表面の配向処理により制御された強誘電性液晶材料1
と、基材2,2の外側に配置された一対の偏光子3,3
とで構成されている(図1参照)。
【0005】上記強誘電性液晶素子において、基材2の
表面の配向処理により配向が制御された液晶分子10
は、図2に示すように基材2,2間のセル間隔が十分に
広い場合には、液晶層法線L1を軸とするらせん状の構
造をとり、各液晶分子10の双極子11はばらばらの方
向を向く。しかし、セルの間隔をらせん構造の1ピッチ
(図2中の寸法α)より小さくすると、液晶分子10は
らせん構造の形成が抑制され、らせん構造がほどけて、
図3中に実線または一点鎖線で示すように、分子内の双
極子11が上向または下向きの2状態のうち何れかのみ
をとるようになる。
【0006】この状態において、上記一対の基材2,2
間に正逆何れかの方向の電圧を印加すると、その電界の
方向に応じて、全ての液晶分子10の双極子11の向き
が上下何れか1方向に揃い、それにともなって全ての液
晶分子10が電界の方向に応じた2つの状態間でスイッ
チングされるようになる。この2状態は、電圧の印加を
停止した後も安定に存続し、素子は双安定性(メモリー
性)を示す。
【0007】一方偏光子3,3は、図4に示すように偏
光軸30,30を互いに直交させ、かつ、何れか一方の
偏光子3の偏光軸30を、液晶分子10のとり得る2状
態のうち何れか一方における、液晶分子10の平均分子
長軸方向と一致させて積層されている。したがって図1
の層構成の強誘電性液晶素子においては、一対の基材
2,2間に印加する電圧の方向を正逆何れかに切り替え
ると、それに応じて、液晶分子10が前記2状態間でス
イッチングされて、一方の偏光子3の偏光軸30と一致
する状態と一致しない状態とを生じ、明(ON)、暗
(OFF)2状態の表示が可能となる。
【0008】上記のように強誘電性液晶素子は、液晶分
子が双安定性を有する上、従来の液晶と違い双極子によ
って明暗2状態のスイッチングが行われるので、応答速
度が数10μs程度と極めて速い。このため上記強誘電
性液晶素子によれば、単純マトリクス駆動により、クロ
ストークのない鮮明で高精細な画像を、高速動画表示す
ることが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記強誘電性
液晶素子においては、強誘電性液晶材料を挟着する一対
の基材を、前記のように1〜数μmという薄い電極間隔
で配置する必要があるため、わずかな衝撃や温度変化等
の外力によってセル間隔が不均一になったり歪みが生じ
たりして、液晶の配向が乱されるおそれがあり、とくに
大面積の素子において、液晶の均一な配向を維持するの
が難しいという問題があった。
【0010】また、上記強誘電性液晶素子は、前記双極
子の作用による液晶分子のスイッチングの閾電圧値が急
峻でないため、単純マトリクス駆動で十分な表示コント
ラストが得られないという問題もある。つまり単純マト
リクス駆動では、書込みを行わない画素にも、書込みを
行う画素の1/3程度の電圧が常時印加されるため、閾
電圧値が急峻でない場合、必要のない画素まで応答して
しまい、表示のコントラストが低下して表示不良を起こ
すのである。
【0011】高分子主鎖に、柔軟な屈曲鎖を介して、強
誘電性液晶材料に相当するメソゲン基を結合した構造を
有する強誘電性液晶高分子を、プラスチック基材と組み
合わせた素子が提案されている(特開平1−99025
号公報)。上記強誘電性液晶高分子は、通常の低分子量
の強誘電性液晶材料に比べて粘度が著しく高いので配向
が乱れにくい。しかし強誘電性液晶高分子は、上記のよ
うに粘度が高いので、通常の低分子量の強誘電性液晶材
料に比べて応答速度が遅く、また高電圧で長い駆動パル
スを必要とするという問題があり、高速動画表示は不可
能である。
【0012】しかも上記素子においては、強誘電性液晶
高分子を一対のプラスチック基材で挟み込んでラミネー
トする際に、ずり応力やせん断応力を加えることで配向
させており、基材の表面には前記のような配向処理を施
していないので、使用時の素子が液晶の等方相転移温度
以上に加熱されると、冷却後に加熱前の配向状態に復帰
させることができないため、使用温度範囲が限られてし
まうという問題もある。
【0013】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であって、高速応答性を有し、液晶分子の配向安定性に
すぐれるとともに、マトリクス駆動に適した閾値特性を
有する強誘電性液晶素子とその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、高分子量の強誘電性液晶材
料の特性について種々検討を行った結果、高分子量の強
誘電性液晶材料の数平均分子量(Mn)を10000以
下もしくは重合度(n)を20以下にすれば、高分子量
の強誘電性液晶材料の配向安定性はそのままに液晶分子
の応答速度を高速化させるとともに、マトリクス駆動に
適した急峻な閾値特性を実現できるとの知見を得、本発
明を完成するに到った。
【0015】また、高分子量の強誘電性液晶材料の数平
均分子量を5000以下もしくは重合度を10以下にす
れば、ずり応力や剪断応力によらず低分子量の強誘電性
液晶で用いられている基材表面に配向処理を施す方法に
よって液晶分子の配向を制御することが可能であり、使
用温度範囲が限られない実用的な液晶素子を実現できる
ことを見出した。
【0016】従って、本発明の強誘電性液晶素子は、高
分子量の強誘電性液晶材料を、液晶分子のらせん構造の
形成が抑制される間隔に配置した、少なくとも一方の表
面に電極層を形成した一対の基材間に挟着した強誘電性
液晶素子において、上記高分子量の強誘電性液晶材料の
数平均分子量が10000以下あるいは重合度が20以
下であることを特徴とするものである。
【0017】即ち、高分子量の強誘電性液晶材料は、そ
の数平均分子量が10000を越えても重合度が20以
下であれば良く、また、重合度が20を越えても数平均
分子量が10000以下であれば良い。また、本発明の
強誘電性液晶素子は、高分子量の強誘電性液晶材料を、
液晶分子のらせん構造の形成が抑制される間隔に配置し
た、少なくとも一方の表面に電極層を形成し、配向処理
を施した一対の基材間に挟着した強誘電性液晶素子にお
いて、上記高分子量の強誘電性液晶材料の数平均分子量
が5000以下あるいは重合度が10以下であることを
特徴とするものである。
【0018】即ち、高分子量の強誘電性液晶材料は、そ
の数平均分子量が5000を越えても重合度が10以下
であれば良く、また、重合度が10を越えても数平均分
子量が5000以下であれば良い。一方、本発明の第1
の製造方法は、少なくとも一方の表面に電極層を形成し
た、一対の基材のうちの一方の基材上に数平均分子量が
10000以下あるいは重合度が20以下である高分子
量の強誘電性液晶材料を載せ、その上に他方の基材を重
ねてラミネート処理して、両基材を液晶分子のらせん構
造の形成が抑制される間隔に配置するとともに、ラミネ
ート処理時に全体を加熱した後、徐冷して液晶の配向を
制御することを特徴とするものである。
【0019】また、本発明の第2の製造方法は、少なく
とも一方の表面に電極層を形成し、配向処理を施した一
対の基材のうちの一方の基材上に、数平均分子量が50
00以下あるいは重合度が10以下である高分子量の強
誘電性液晶材料を載せ、その上に他方の基材を重ねてラ
ミネート処理して、両基材を液晶分子のらせん構造の形
成が抑制される間隔に配置するとともに、ラミネート処
理時または処理後、あるいは両方の段階で全体を加熱し
た後、徐冷して液晶の配向を制御することを特徴とする
ものである。
【0020】さらに、本発明の第3の製造方法は、少な
くとも一方の表面に電極層を形成し、配向処理を施した
一対の基材を液晶分子のらせん構造の形成が抑制される
間隔に配置し、両基材間に、数平均分子量が5000以
下あるいは重合度が10以下である高分子量の強誘電性
液晶材料を注入するとともに、注入時または注入後、あ
るいは両方の段階で、全体を加熱した後、徐冷して液晶
の配向を制御することを特徴とするものである。
【0021】上記構成からなる本発明の強誘電性液晶素
子によれば、高分子量の強誘電性液晶材料の数平均分子
量を10000以下もしくは重合度を20以下とするこ
とで、適度な粘度を有し、液晶分子の配向安定性にすぐ
れ、衝撃や温度変化等の外力によって液晶の配向が乱さ
れるおそれがないという高分子量の強誘電性液晶材料の
特徴を損なわずに低電圧、短時間の駆動パルスでの高速
応答性を達成することが可能である。また、マトリクス
駆動に適した急峻な閾値特性が得られるため誤動作を生
じないので、表示のコントラストが低下して表示不良を
起こす怖れもない。
【0022】また、本発明の強誘電性液晶素子では、高
分子量の強誘電性液晶材料の数平均分子量を5000以
下もしくは重合度を10以下とすることで、従来低分子
量の強誘電性液晶材料での素子作製法である強誘電性液
晶材料の配向を、基板表面の配向処理により制御するこ
とが可能であるので、使用時の素子が液晶の等方相転移
温度以上に加熱されても冷却後には加熱前の配向状態に
復帰させることができ、使用温度範囲が限られることも
ない。
【0023】なお、本発明の強誘電性液晶素子は、高分
子量の強誘電性液晶材料における、数平均分子量が10
000以下あるいは重合度が20以下であることに限定
されるが、好ましくは、数平均分子量が500〜100
00の範囲であるか、重合度が2〜20の範囲であるも
のが使用される。即ち、数平均分子量が500未満ある
いは重合度が2未満となれば、液晶素子における液晶層
の自己支持性が悪化し、セル間隔が不均一になったり歪
みが生じたりして、液晶の配向が乱されるおそれがあ
り、とくに大面積の素子において、液晶の均一な配向を
維持するのが困難になる。加えて、この場合、液晶分子
の配向安定性が低下したり、マトリクス駆動に必要な急
峻な閾値特性が得られなくなるおそれもある。
【0024】また、本発明の強誘電性液晶素子は、高分
子量の強誘電性液晶材料における、数平均分子量が50
00以下あるいは重合度が10以下であることに限定さ
れるが、好ましくは、数平均分子量が500〜5000
の範囲に、重合度が2〜10の範囲にあるものが使用さ
れる。これらの強誘電性液晶素子においても、数平均分
子量が500未満あるいは重合度が2未満となれば、上
記強誘電性液晶素子と同様な問題を生じるおそれがあ
る。
【0025】一方、本発明の第1の製造方法によれば、
高分子量の強誘電性液晶材料について従来用いられてき
たと同様の工程で本発明の強誘電性液晶素子を製造でき
るという利点がある。また、本発明の第2および第3の
製造方法によれば、低分子量の強誘電性液晶材料につい
て従来用いられてきたと同様の工程で本発明の強誘電性
液晶素子を製造できるという利点がある。
【0026】以下に本発明を説明する。本発明の強誘電
性液晶素子は、図1に示すように数平均分子量が100
00以下もしくは重合度が20以下の高分子量の強誘電
性液晶材料を少なくとも一方の表面に電極層を形成した
一対の基材2,2で挟着し、さらに、その外側に一対の
偏光子3,3を配置することにより構成される。
【0027】また、高分子量の強誘電性液晶材料の数平
均分子量が5000以下もしくは重合度が10以下の場
合には、少なくとも一方の表面に電極層を形成した一対
の基材2,2のうちの少なくとも一方に配向処理を施し
た構成をとることもできる。上記高分子量の強誘電性液
晶材料としては、主鎖型あるいは側鎖型の種々の液晶性
高分子が使用可能であるが、特に高分子主鎖に柔軟な屈
曲鎖を介して低分子量の強誘電性液晶材料に相当するメ
ソゲン基を結合した構造の側鎖型の強誘電性液晶高分子
が好適に使用される。
【0028】上記側鎖型の強誘電性液晶高分子は、高分
子主鎖として、例えば、ポリオキセタン主鎖、ポリシロ
キサン主鎖、ポリメタクリレート主鎖、ポリクロロアク
リレート主鎖、ポリオキシシラン主鎖、ポリエステル主
鎖などがあげられ、屈曲鎖として、例えば、炭素数1〜
12程度のアルキレン鎖やオキシアルキレン鎖などがあ
げられ、また、メソゲン基として、低分子量の強誘電性
液晶材料に相当する種々の構造のものを採用することが
できる。
【0029】上記側鎖型の強誘電性液晶高分子の具体例
としては、例えば、下記式(1)または(2)で表され
る繰り返し単位を有する化合物があげられる。
【0030】
【化1】
【0031】
【化2】
【0032】(両式中の*は不斉炭素原子を示す。)ま
た、上記強誘電性液晶高分子に、その特性を損なわない
範囲で、低分子量の液晶、二色性色素、各種添加物、非
液晶性化合物等を混合し、特性を調整したものでも良
い。上記低分子量の液晶としては、市販の単成分または
複数成分の低分子量の強誘電性液晶材料のうちカイラル
スメクチックC相(SC * 相)を示すものが好ましく使
用されるが、カイラルスメクチックH相(SH * 相)や
カイラルスメクチックI相(SI * 相)を示す強誘電性
液晶材料を使用することもできる。また、スメクチック
C相(SC 相)やスメクチックA相(SA 相)を示す液
晶材料も好適に使用することができる。
【0033】強誘電性液晶材料には、基材の間隔を一定
に保つために粒状のスペーサが混入される。スペーサと
してはシリカ製、ガラスファイバー製または樹脂製のい
ずれを使用してもよく、その粒径は、所望の電極間隔に
応じて選ぶことができる。混合割合は、液晶面積1mm
2 あたり10〜300個程度であればよい。強誘電性液
晶材料は、比較的粘度の高いペースト状を呈し、液晶の
流動によってスペーサの分布が局在化することがないの
で、スペーサを液晶中に均一に分散させれば、基材の間
隔を一定に保つことができる。
【0034】基材2としては、ガラス板等の、従来より
強誘電性液晶素子の基材として使用されている種々の基
材が使用できるが、重くかつ割れやすいというガラス板
の欠点を解消して、軽量でしかも丈夫な素子を形成する
には、プラスチックフィルムやプラスチック板が好適に
使用される。プラスチックフィルムとしては、耐熱性、
実用的強度、光学的均一性などにすぐれ、かつ偏光板と
組み合わせた際に複屈折による着色のおこらないポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエーテ
ルスルフォン(PES)フィルム等の非晶質のプラスチ
ックフィルムが好適に使用される。プラスチックフィル
ムの厚みは50〜500μm程度が好ましい。
【0035】プラスチック板としては、各種アクリル樹
脂板、ポリカーボネート板、ポリスチレン板等の、光学
的特性にすぐれたプラスチック板が使用されるが、プラ
スチックフィルムの場合と同様に、偏光板と組み合わせ
た際に複屈折による着色のおこらない非晶質のプラスチ
ック板が好ましい。プラスチック板の厚みは0.5〜5
mm程度がよい。
【0036】基材の表面に形成される電極層としてはI
TOやSnO2 等の透明導電膜が好適に採用される。これ
らの透明導電膜は、真空蒸着法やスパッタリング法によ
って形成される。また、上記透明導電材料を含む透明導
電インクを塗布あるいは印刷してもよい。単純マトリク
ス駆動等の素子の場合、上記透明導電膜には、エッチン
グ等により所定のパターンが形成される。
【0037】基材表面の配向処理方法としては、 Si
O等を斜方蒸着する方法、 高分子膜(液晶配向膜)
を形成し、その表面を一定方向にラビングする方法、
一定方向に延伸した高分子フィルムを貼付する方法、
等があるが、とくにの液晶配向膜を形成してその表面
を一定方向にラビングする方法が好適に採用される。
【0038】液晶配向膜としては、耐熱性、安定性、他
の液晶表示方式での使用実績などから、ポリイミド系の
高分子やその誘導体、あるいはその共重合体が好適に使
用されるが、強誘電性液晶材料との相性等を考慮して、
ポリビニルアルコール等の他の高分子を使用することも
できる。また、素子の特性等を考慮すると、液晶配向膜
を形成する高分子材料は、着色が少なく透明性に優れ、
しかも電圧降下を少なくするために高誘電率であること
が望ましい。
【0039】上記液晶配向膜は、高分子材料を適当な溶
媒に溶解または分散させた塗布液を塗布または印刷して
溶媒を乾燥除去するか、または高分子材料の硬化性のプ
レポリマー(オリゴマー、モノマー)を適当な溶媒に溶
解または分散させた塗布液を塗布または印刷して、溶媒
を乾燥除去するとともにプレポリマーを硬化させること
で形成される。
【0040】塗布液の塗布には、スピンコート法、バー
コート法、スプレーコート法等の通常の塗布方法を採用
できる他、スクリーン印刷法やオフセット印刷法等の種
々の印刷方法を採用することもできる。液晶配向膜の膜
厚はとくに限定されないが、20Å〜0.5μm程度が
よい。また形成された液晶配向膜のラビングには、従来
同様に、適当な布地を使用すればよい。
【0041】偏光子3としては、フィルム状、板状等の
形状の市販品を使用すればよい。なお、本発明の強誘電
性液晶素子は、強誘電性液晶材料1に数平均分子量が1
0000以下もしくは重合度が20以下の強誘電性液晶
高分子を用いて、一対の基材で挟着すること、あるいは
数平均分子量が5000以下もしくは重合度が10以下
の強誘電性液晶高分子を用いて、配向処理を施した一対
の基材で挟着すること以外の構成については、特に限定
されない。たとえば、一方の基材2の裏面に反射膜を設
けて反射型の表示素子としてもよい。その他、本発明の
要旨を変更しない範囲で、従来の強誘電性液晶素子と同
様の種々の設計変更を施すことができる。
【0042】上記本発明の強誘電性液晶素子を製造する
ための、本発明の製造方法は、前記のように3つある。
第1及び第2の製造方法は、基材として柔軟なプラスチ
ックフィルムを使用する際に好適に採用される方法であ
って、まず、1枚の基材2の表面に、スペーサSを添加
した高分子量の強誘電性液晶材料1を載せる(図5(a)
)。
【0043】そしてその上にもう1枚の基材2を重ね
て、一端部から、一対のラミネートロールR,R間に挿
通し、両基材2,2が、液晶分子のらせん構造の形成が
抑制される距離に配置されるようにラミネート処理する
(図5(b) )。このとき図5(c) に示すように、強誘電
性液晶材料1に添加されたスペーサSにより、基材2,
2間の距離が、液晶分子のらせん構造の形成を抑制しう
る一定の間隔に保たれる。
【0044】この際、ラミネート時の強誘電性液晶材料
1にずり応力やせん断力を加えてやることにより素子の
全面に亘って均一に配向した強誘電性液晶素子が得られ
る。なお上記ラミネート処理時の強誘電性液晶材料1を
加熱すると、ラミネートが容易になる。加熱の温度は、
強誘電性液晶材料1がカイラルスメクチックC相を示す
ものである場合、当該カイラルスメクチックC相を維持
しうる温度範囲でよいが、強誘電性液晶材料1がスメク
チックA相、コレステリック相または等方相の何れかに
転移する温度以上に加熱してラミネート処理し、ラミネ
ートの進行とともに徐冷及びずり応力やせん断応力を加
えてやれば、液晶の配向をより一層均一にできる。
【0045】また、ラミネート時の強誘電性液晶材料1
にずり応力やせん断を加えてやれば、液晶の配向をより
一層均一にできる。本発明の強誘電性液晶素子を製造す
るための第3の製造方法は、基材としてガラス板や屈曲
性のないプラスチック板等を使用する際に好適に採用さ
れる方法であって、まず、一対の基材を、液晶分子のら
せん構造の形成が抑制される間隔に配置する。一対の基
材を、上記のように液晶分子のらせん構造の形成が抑制
される間隔に配置するには、スペーサ等を介して、両基
材を上記の距離に配置しその周辺部で貼り合わせればよ
い。
【0046】つぎに、高分子量の強誘電性液晶材料を、
両基材間に注入する。強誘電性液晶材料を両基材間に注
入するには、当該強誘電性液晶材料を、毛細管現象によ
り基材間に含浸させる方法や、基材間を減圧状態とし
て、強誘電性液晶材料を注入する方法等がある。また、
注入時の強誘電性液晶材料を加熱して粘度を下げれば、
注入がよりスムーズに行えるようになる。加熱の温度
は、注入を容易にできる温度であれば、とくに限定され
ない。
【0047】そして、強誘電性液晶材料の注入時または
注入後、あるいは両方の段階で、全体を加熱した後、徐
冷すると、強誘電性液晶材料1が、基材2の表面の配向
処理により配向制御されて、素子の全面に亘って均一に
配向した強誘電性液晶素子が得られる。なお上記注入の
際に、強誘電性液晶材料を、スメクチックA相、コレス
テリック相または等方相の何れかに転移する温度以上に
加熱して両基材間に注入し、それをそのまま徐冷すれ
ば、注入後の加熱、徐冷処理を省略できる。
【0048】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例に基づい
て説明する。実施例1 導電フィルム基材として、表面にITO膜が形成された
PESフィルム(住友ベークライト社製)を2枚用意
し、1枚の導電フィルム基材のITO膜上に前記式
(2)で表される強誘電性液晶高分子(特開昭63−2
80742号公報所載のもの)で数平均分子量Mn=2
100、重合度n=4のものに粒径2μmのシリカ製ス
ペーサを添加した強誘電性液晶材料を載せた。
【0049】そして、その上に、もう1枚の導電フィル
ム基材をITO膜が強誘電性液晶材料と接するように重
ね合わせて図5(a)〜(c)に示したように一対のラ
ミネートロールR,Rによりラミネートしながら、全体
の温度を70℃に保って、ずり応力をかけ、次いで、3
0分間かけて室温まで徐冷し強誘電性液晶素子を作製し
た。実施例2 強誘電性液晶高分子の数平均分子量をMn=5000、
重合度をn=10にした以外は、上記実施例1と同様に
して強誘電性液晶素子を作製した。実施例3 強誘電性液晶高分子の数平均分子量をMn=7400、
重合度をn=15にした以外は、上記実施例1と同様に
して強誘電性液晶素子を作製した。実施例4 強誘電性液晶高分子の数平均分子量をMn=9800、
重合度をn=20にした以外は、上記実施例1と同様に
して強誘電性液晶素子を作製した。実施例5 表面にITO膜が形成されたPESフィルム(住友ベー
クライト社製)のITO膜上にポリイミド系配向膜用塗
布液(日本合成ゴム(株)製の品番AL1051)をス
ピンコート法で塗布し、乾燥の後180℃で2時間加熱
して硬化させ、高分子膜を形成した。
【0050】そして、この高分子膜の表面をラビング布
(吉川化工社製の品番YO15N)を用いて一定方向に
ラビングして液晶配向膜を形成して導電フィルム基材を
形成した。上記導電フィルム基材を2枚用意し、1枚の
導電フィルム基材の液晶配向膜の上に、前記式(2)で
表される強誘電性液晶高分子(特開昭63−28074
2号公報所載のもの)で数平均分子量Mn=2100、
重合度n=4のものに粒径2μmのシリカ製スペーサを
添加した強誘電性液晶材料を載せた。
【0051】そして、その上にもう1枚の導電フィルム
を液晶配向膜が強誘電性液晶材料と接するように重ね合
わせて全体の温度を70℃に保ちながら図5(a)〜
(c)に示したように、一対のラミネートロールR,R
によりラミネートした後、全体を液晶の等方相転移温度
以上の150℃まで加熱し、次いで、8時間かけて室温
まで徐冷して液晶を配向させ、強誘電性液晶素子を作製
した。実施例6 強誘電性液晶高分子の数平均分子量をMn=5000、
重合度をn=10にした以外は、上記実施例5と同様に
して強誘電性液晶素子を作製した。実施例7 表面にITO膜が形成されたガラス基板のITO膜上に
ポリイミド系配向膜用塗布液(日本合成ゴム(株)製の
品番AL1051)をスピンコート法で塗布し、乾燥の
後180℃で2時間加熱して硬化させ、高分子膜を形成
した。
【0052】そして、この高分子膜の表面をラビング布
(吉川化工社製の品番YO15N)を用いて一定方向に
ラビングして液晶配向膜を形成して導電ガラス基材を形
成した。上記導電ガラス基材を2枚、それぞれの配向膜
を対向させて、スペーサを介して2μmの間隔で貼り合
わせた。
【0053】次いで、前記式(2)で表される強誘電性
液晶高分子(特開昭63−280742号公報所載のも
の)で数平均分子量Mn=2100、重合度n=4のも
のを両基材間の隙間に130℃にて真空注入した。そし
て、全体を150℃まで加熱し、次いで、8時間かけて
室温まで徐冷して液晶を配向させ、強誘電性液晶素子を
作製した。実施例8 強誘電性液晶高分子を数平均分子量をMn=5000、
重合度をn=10にした以外は、上記実施例7と同様に
して強誘電性液晶素子を作製した。実施例9 強誘電性液晶高分子を数平均分子量をMn=1220
0、重合度をn=10にした下記構造式(3)の強誘電
製液晶高分子を用いた以外は、上記実施例1と同様にし
て強誘電性液晶素子を作製した。
【0054】
【化3】
【0055】(式中、*は不斉炭素原子を示し、n=1
0、m=40の整数を示す。)比較例1 強誘電性液晶高分子を数平均分子量をMn=1460
0、重合度をn=30にした以外は、上記実施例1と同
様にして強誘電性液晶素子を作製した。比較例2 強誘電性液晶高分子を数平均分子量をMn=2430
0、重合度をn=50にした以外は、上記実施例1と同
様にして強誘電性液晶素子を作製した。上記各実施例お
よび比較例の強誘電性液晶素子について以下の試験を行
い特性を評価した。
【0056】閾値特性試験 各実施例、比較例の強誘電性液晶素子を、一対の偏光膜
間に角度を調整して挟み込み、一対の透明電極付基材間
に、幅20ms〜1000msの駆動パルスを波高値
(電圧値)を変えて印加したときの、He−Neレーザ
ー光(波長633nm)の透過光強度の変化を観察し、透
過光強度が変化しない最高電圧を閾値電圧VT とした。
また上記測定において、透過光強度が完全に変化した後
に、その状態を保持し続ける最低電圧値を、双安定性
(メモリー性)発現に必要な書込み電圧VM とした。そ
して、上記閾値電圧VT の3倍と書込み電圧VM との比
3VT/VM を求め、素子の閾値特性を評価した。すな
わち、マトリクス駆動では、書込を行わない画素にも書
込を行う画素の1/3程度の電圧が常時印加されるため
閾値特性がほぼ3VT /VM >1を満たせばマトリクス
駆動に適したものとなる。さらに、上記比3VT /VM
の値が大きい程、素子は急峻な閾値特性を有することに
なるので、マトリクス駆動により適したものとなる。
【0057】応答速度試験 各実施例、比較例の強誘電性液晶素子を、一対の偏光膜
間に角度を調整して挟み込み、暗状態(OFF状態)の
素子の2枚の透明電極付基材間に幅20〜1000m
s、40Vの駆動パルスを印加した際に、透過光強度が
10%から90%まで変化するのに要した時間tONを求
めた。また、透明状態の素子の2枚の透明電極付基材間
に、幅20〜1000ms、40Vの駆動パルスを上記
と逆方向に印加した際に、透過光強度が90%から10
%に変化するのに要した時間tOFFを求めた。
【0058】上記各試験の結果を表1に示すとともに、
実施例1〜4及び比較例1,2について閾値特性3VT
/VM 及び応答速度tON,tOFF を数平均分子量Mnに
対してプロットしたものを、図6,7にそれぞれ示す。
【0059】
【表1】
【0060】上記表1の結果より、実施例1〜9の強誘
電性液晶素子はいずれも3VT /V M の値がほぼ1を越
えており、マトリクス駆動に適していることが判る。こ
れに対して、比較例1,2の強誘電性液晶素子では、3
T /VM の値が1よりはるかに小さくマトリクス駆動
に適していないことが判る。また、図6より、液晶材料
の数平均分子量Mnが10000以下の場合(実施例1
〜4)3VT /VM の値がほぼ1より大きくマトリクス
駆動に適していることが判るとともに、この数平均分子
量が小さくなる程3VT /VM の値が大きくなり、より
急峻な閾値特性が得られ、マトリクス駆動により適して
いることが判る。
【0061】さらに、図7より、液晶材料の数平均分子
量Mnが10000以下であって、しかも小さい程高速
応答が可能であり、かつ表1より、駆動に必要な印加パ
ルスの幅が短くて済むことが示されている。即ち、液晶
材料の数平均分子量Mnが10000以下で、小さい程
マトリクス駆動の素子として高速駆動が可能であること
が判る。
【0062】また、実施例5〜8と実施例1,2とを比
較すると強誘電性高分子液晶の数平均分子量および重合
度が同じ場合、配向処理を施した導電基材を用いた実施
例5〜8の方が、配向処理を施さなかった導電基材を用
いた実施例1,2に比べて閾値特性3VT /VM の値が
大きくマトリクス駆動により適していることが判る。こ
れは、実施例5〜8のものは、実施例1,2と比較して
より完全に配向が制御されているからだと考えられる。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の強誘電性
液晶素子は、高分子量の強誘電性液晶材料の数平均分子
量を10000以下もしくは重合度を20以下とするこ
とで強誘電性液晶高分子の安定配向性はそのままに液晶
分子の応答が高速化し、かつマトリクス駆動に適した閾
値特性を有するものとなる。したがって、本発明の強誘
電性液晶素子によれば、単純マトリクス駆動による高精
細、高画素数表示が可能となる。
【0064】また、本発明の強誘電性液晶素子は、高分
子量の強誘電性液晶材料が、数平均分子量を5000以
下もしくは重合度を10以下のものを、配向処理が施さ
れた一対の基材間に挟着することによって、上記効果に
加えて、使用時の素子が液晶の等方相転移温度以上に加
熱されても冷却後には加熱前の配向状態に復帰させるこ
とができ、温度範囲が限られず使用することができる。
【0065】一方、本発明の強誘電性液晶素子の製造方
法によれば、高分子量の強誘電性液晶材料の数平均分子
量を10000以下もしくは重合度を20以下とするこ
と以外は、従来と同様の工程で本発明の強誘電性液晶素
子を製造できる。また、本発明の強誘電性液晶素子の製
造方法によれば、高分子量の強誘電性液晶材料が、数平
均分子量を5000以下もしくは重合度を10以下のも
のと、配向処理が施された一対の基材を用いて、従来と
同様の工程で本発明の強誘電性液晶素子を製造できる
他、低分子量の強誘電性液晶材料での素子作成法にて製
造することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電性液晶素子の、層構成の一例を
示す斜視図である。
【図2】セル間隔が十分に広い場合における液晶分子の
状態を模式的に説明する図である。
【図3】セル間隔が狭い場合における液晶分子の配向状
態を模式的に説明する図である。
【図4】図3の配向状態における液晶分子の平均分子長
軸と、偏光子の偏光軸との関係を模式的に説明する図で
ある。
【図5】同図(a) 〜(c) は、本発明の強誘電性液晶素子
をラミネート処理により製造する工程を示す側面図であ
る。
【図6】実施例1〜4および比較例1,2の素子につい
て、閾値特性3VT /VM と数平均分子量Mnとの相関
を説明する図である。
【図7】実施例1〜4および比較例1,2の素子につい
て、応答速度tと数平均分子量Mnとの相関を説明する
図である。
【符号の説明】
1 強誘電性液晶材料 2 基材 3 偏光子 10 液晶分子 11 双極子 30 偏光軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子量の強誘電性液晶材料を、液晶分子
    のらせん構造の形成が抑制される間隔に配置した、少な
    くとも一方の表面に電極層を形成した一対の基材間に挟
    着した強誘電性液晶素子において、上記高分子量の強誘
    電性液晶材料の数平均分子量が10000以下あるいは
    重合度が20以下であることを特徴とする強誘電性液晶
    素子。
  2. 【請求項2】高分子量の強誘電性液晶材料を、液晶分子
    のらせん構造の形成が抑制される間隔に配置した、少な
    くとも一方の表面に電極層を形成し、配向処理を施した
    一対の基材間に挟着した強誘電性液晶素子において、上
    記高分子量の強誘電性液晶材料の数平均分子量が500
    0以下あるいは重合度が10以下であることを特徴とす
    る強誘電性液晶素子。
  3. 【請求項3】少なくとも一方の表面に電極層を形成した
    一対の基材のうちの一方の基材上に数平均分子量が10
    000以下あるいは重合度が20以下である高分子量の
    強誘電性液晶材料を載せ、その上に他方の基材を重ねて
    ラミネート処理して、両基材を液晶分子のらせん構造の
    形成が抑制される間隔に配置するとともに、ラミネート
    処理時に全体を加熱した後、徐冷して液晶の配向を制御
    することを特徴とする強誘電性液晶素子の製造方法。
  4. 【請求項4】少なくとも一方の表面に電極層を形成し、
    配向処理を施した一対の基材のうちの一方の基材上に、
    数平均分子量が5000以下あるいは重合度が10以下
    である高分子量の強誘電性液晶材料を載せ、その上に他
    方の基材を重ねてラミネート処理して、両基材を液晶分
    子のらせん構造の形成が抑制される間隔に配置するとと
    もに、ラミネート処理時または処理後、あるいは両方の
    段階で全体を加熱した後、徐冷して液晶の配向を制御す
    ることを特徴とする強誘電性液晶素子の製造方法。
  5. 【請求項5】少なくとも一方の表面に電極層を形成し、
    配向処理を施した一対の基材を液晶分子のらせん構造の
    形成が抑制される間隔に配置し、両基材間に、数平均分
    子量が5000以下あるいは重合度が10以下である高
    分子量の強誘電性液晶材料を注入するとともに、注入時
    または注入後、あるいは両方の段階で、全体を加熱した
    後、徐冷して液晶の配向を制御することを特徴とする強
    誘電性液晶表示素子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009064035A (ja) * 2001-10-02 2009-03-26 Sharp Corp 液晶表示装置用基板及びそれを用いた液晶表示装置
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