JPH05281546A - 強誘電性液晶素子 - Google Patents

強誘電性液晶素子

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JPH05281546A
JPH05281546A JP8232292A JP8232292A JPH05281546A JP H05281546 A JPH05281546 A JP H05281546A JP 8232292 A JP8232292 A JP 8232292A JP 8232292 A JP8232292 A JP 8232292A JP H05281546 A JPH05281546 A JP H05281546A
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JP
Japan
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liquid crystal
hydrogen
orientation film
ferroelectric liquid
crystal orientation
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Pending
Application number
JP8232292A
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English (en)
Inventor
Toru Kashiwagi
亨 柏木
Koji Hara
浩二 原
Yasushi Saito
寧 齋藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 配向時のメモリー安定性と、マトリクス駆動
に適したしきい値特性とを有し、高精度、高画素数表示
が可能な強誘電性液晶素子を提供する。 【構成】 液晶配向膜を、水素結合可能な水素を有する
高分子で形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TV画面や一般OA機
器用、自動車等の表示パネル用、または、車載ナビゲー
ションのディスプレイ等に使用される動画表示可能な液
晶素子に関し、特に強誘電性液晶材料を使用した強誘電
性液晶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】1980
年にClarkとLagerwallによって、単純マ
トリクス駆動法を用いて動画表示できる表面安定化強誘
電性液晶(SSFLC)表示が提唱され、近年、強誘電
性液晶材料を用いた液晶素子について、数多くの研究が
なされている。
【0003】しかし、液晶の均一な配向制御が困難であ
ること、強誘電性液晶材料を挟着する一対の導電基材
を、1〜2μmという薄い電極間隔で配置する必要があ
ること、等の種々の問題を有するため、未だ実用化には
到っていない。強誘電性液晶素子においては、液晶の配
向制御が、応答性等の性能を大きく左右する。一般的な
液晶の配向制御法としては、液晶配向膜と呼ばれる厚み
0.1μm以下の有機高分子膜を導電基材の表面に形成
し、その表面を適当な布地で1方向にラビングする方法
がある。液晶配向膜としては種々の高分子の使用が検討
されているが、耐熱性、安定性、他の液晶表示方式での
使用実績などから、ポリイミド系の高分子が中心的に検
討されている。ポリイミド系高分子においては主鎖の直
線性が高い程、良配向を与えることが報告されている。
【0004】ラビング法においては、液晶配向膜および
強誘電性液晶材料の種類の選択や、ラビングの具体的方
法等により配向を制御するが、それらの特性を支配する
要因は複雑であって、未だ完全に解明されていない。ま
た単に配向性だけでなく、配向時のメモリー安定性、マ
トリクス駆動を考慮した時のしきい値特性など、総合的
に良好な特性を与える液晶配向膜については、ほとんど
明らかにされていない。とくに、素子に可撓性を付与す
べく、導電基材として導電フィルムを使用し、かつその
表面に液晶配向膜を形成した素子についての報告は、現
在のところ皆無に近い。
【0005】本発明は、以上の事情に鑑みてなされたも
のであって、配向時のメモリー安定性と、マトリクス駆
動に適したしきい値特性とを有し、高精度、高画素数表
示が可能な強誘電性液晶素子を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、導電基材として導電フィル
ムを使用した素子の開発途上で、種々の有機高分子につ
いて、液晶配向膜としての可能性を検討した。その中
で、水素結合可能な水素を含む高分子が、良好なメモリ
ー安定性と、マトリクス駆動に適したしきい値特性とを
可能にすることを見出した。
【0007】すなわち本発明の強誘電性液晶素子は、強
誘電性液晶材料を、導電面に液晶配向膜を形成した一対
の導電基材で挟着した強誘電性液晶素子において、上記
液晶配向膜が、水素結合可能な水素を有する高分子から
なることを特徴とする。強誘電性液晶を用いたSSFL
Cモードでは、電極間に挟まれた液晶材料が均一な配向
をし、かつ永久双極子モーメントをもつことが必要であ
る。強誘電性液晶材料における永久双極子モーメント
は、その多くは、分子中の>C=O基(カルボニル基)
に起因する。つまり強誘電性液晶材料では、液晶分子
が、分子長軸に対して直交する方向を向くカルボニル基
などの分極成分を有することが必須である。
【0008】上記液晶分子は、電極間で、液晶配向膜の
作用により均一に配向(単結晶と考えてよい)する。そ
して、電極間に正逆何れかの方向の電界が印加された
時、その電界の方向に対応して、カルボニル基の酸素を
何れかの電極の方向に向けた状態で均一に整列する。つ
まり液晶分子は、電界の方向に対応する2つの配向状態
が、等価的に安定となる。
【0009】したがって、電極表面に形成した液晶配向
膜が、液晶分子のカルボニル基の酸素と水素結合可能な
水素を有する場合には、液晶配向膜と、それに対向する
液晶分子のカルボニル基の酸素との間に安定な水素結合
が形成され、液晶分子自身の持つ安定なスメクティック
相構造と相俟って、通常以上の安定な構造体が形成さ
れ、配向時のメモリー安定性が向上する。
【0010】電極間に逆電圧を印加すると、液晶分子
は、カルボニル基の双極子モーメントによって逆方向に
配向転換する。液晶分子が完全に配向転換する条件は電
界強度によって決定されるが、この配向転換を妨害する
抵抗力が存在し、両者の関係によって素子のしきい値電
圧が決まる。液晶配向膜と液晶分子との間の相互作用
力、つまりここでいう水素結合力も、液晶分子の配向転
換を妨害する抵抗力の1つであり、水素結合力が大きい
程、液晶素子のしきい値電圧が高くなる。
【0011】強誘電性液晶を単純マトリクス法で駆動す
るときには、素子の構成上、OFF状態の画素にも、O
N状態のときの1/3程度の電圧がかかるので、液晶分
子は、ON状態のときの1/3程度までの電圧に応答し
ない、すなわち配向転換しない特性(しきい値特性)が
必要である。したがって前記のように、液晶配向膜と液
晶分子との間に水素結合による抵抗力があると、このし
きい値特性を満足させることが可能となり、素子の実際
駆動上、極めて有効となる。
【0012】以下に、本発明を説明する。本発明の強誘
電性液晶素子は、従来同様に、導電面に液晶配向膜を形
成した一対の導電基材で、強誘電性液晶材料を挟着する
ことにより構成される。液晶配向膜についても従来と同
様であって、導電基材の導電面に形成した有機高分子の
薄膜の表面を、適当な布地で1方向にラビングして形成
される。
【0013】液晶配向膜を構成する高分子として、本発
明では、前記のように液晶分子のカルボニル基の酸素と
水素結合可能な水素を有する高分子が使用される。カル
ボニル基の酸素と水素結合可能な水素とは、−OH基、
>NH基、−NH2 基等に含まれる水素を指し、これら
の基が高分子主鎖または側鎖に結合した高分子が使用さ
れる。なお−NH2 基は反応性が高いので、あまり好ま
しくない場合がある。
【0014】上記高分子の具体例としては、これに限定
されるものではないが、例えばポリビニルアルコール、
ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピ
ロリドン、各種デンプン類、多糖類(アルギン酸、キチ
ン、キトサン、セルロースおよびこれらの誘導体)、シ
アノエチル化セルロース、ポリアミド(ナイロン系)、
ポリアミドイミド等があげられる。また、−OH変性さ
れたポリイミドなど、それ自身はカルボニル基の酸素と
水素結合する水素を有さないが、−OH基、>NH基、
−NH2 基等を含有するように変性処理された高分子を
使用することもできる。
【0015】なお、分子構造中に上記基を含んでいて
も、例えば
【0016】
【化1】
【0017】の場合、>NH基に隣接するカルボニル基
が、液晶分子のカルボニル基と静電反発するので、水素
結合による効果が小さくなる。また、上記基を含んでい
ても、立体的コンフォーメーションが不適当で、液晶分
子のカルボニル基の酸素と水素結合しにくい高分子もあ
るので、高分子の選択に際しては、高分子自身の立体的
コンフォーメーションや、水素結合可能な水素を含む基
の構造、組み合わせる液晶分子の構造等を考慮するのが
望ましい。
【0018】上記高分子からなる液晶配向膜の膜厚は、
従来と同様に0.1μm以下程度であればよい。導電基
材としては、従来と同様に、基材表面にITO(インジ
ウムチンオキサイド)等の透明導電層を形成したものが
好適に使用される。単純マトリクス駆動等の素子の場
合、上記透明導電層には、エッチング等により所定のパ
ターンが形成される。
【0019】基材としては、ガラス板等の、従来より強
誘電性液晶表示素子の基材として使用されている種々の
基材が使用できるが、重くかつ割れやすいというガラス
板の欠点を解消して、軽量で、しかも丈夫な素子を形成
するには、プラスチックフィルムやプラスチック板が好
適に使用される。プラスチックフィルムとしては、耐熱
性、実用的強度、光学的均一性などに優れ、かつ偏光板
と組み合わせた際に複屈折による着色の起こらないポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエー
テルスルフォン(PES)フィルム等の非晶質のプラス
チックフィルムが好適に使用される。プラスチックフィ
ルムの厚みは50〜200μm程度が好ましい。
【0020】プラスチック板としては、各種アクリル樹
脂板、ポリカーボネート板、ポリスチレン板等の、光学
的特性に優れたプラスチック板が使用されるが、とく
に、偏光板と組み合わせた際に複屈折による着色の起こ
らない、非晶質のプラスチック板が好ましい。可撓性の
ないプラスチック板の厚みは、0.5〜3mm程度がよ
い。
【0021】強誘電性液晶材料としては、市販の単成分
または複数成分のものが好ましく使用されるが、側鎖
型、主鎖型等の各種高分子液晶、強誘電性高分子液晶を
補助成分として混合させる等、他の液晶成分をブレンド
することで、性能を調整したものでも良い。また、特性
の調整のために二色性色素、各種添加剤、非液晶性化合
物、非液晶性高分子等を混合したものでも良い。
【0022】強誘電性液晶材料には、導電基材の間隔を
一定に保つために粒状のスペーサが混入される。スペー
サとしては、シリカ製、ガラスファイバー製または樹脂
製の何れを使用してもよく、その粒径は、所望の電極間
隙に応じて選ぶことができる。混合割合は、液晶面積1
mm2 当たり10〜200個程度であればよい。強誘電性
液晶材料は、比較的粘度の高いクリーム状のSmC*
を示し、液晶の流動によってスペーサの分布が局在化す
ることがないので、スペーサを液晶中に均一に分散させ
れば、導電基材の間隔を一定に保つことができる。
【0023】なお、本発明の強誘電性液晶素子は、液晶
配向膜を形成する高分子の材質以外の構成については、
特に限定されない。例えば、一方の導電基材の裏面に反
射膜を設けて、反射型の液晶素子としてもよい。その
他、本発明の要旨を変更しない範囲で、従来の強誘電性
液晶素子と同様の種々の設計変更を施すことができる。
【0024】
【実施例】以下に、本発明を、実施例および比較例に基
づいて説明する。実施例1〜6、比較例1〜4 PESフィルムの表面にITO膜が形成された透明導電
フィルム(住友ベークライト社製の品番FST−134
3)の導電面に、表1に示す各種高分子またはそのプレ
ポリマーをスピンコート法で塗布し、溶媒の乾燥除去、
あるいは必要に応じて焼成処理等を行って高分子膜を形
成した後、その表面を、ラビング布(吉川化工社製の品
番YA20R)で1方向にラビングして液晶配向膜を形
成した。
【0025】つぎに上記透明導電フィルム2枚の間に、
強誘電性液晶材料(メルクジャパン社製の品番ZLI3
654)と粒径2μmのシリカ製スペーサとの混合物を
挟着し、液晶の等方相転移温度以上に加熱した後、徐徐
に冷却して液晶を配向させて、縦6cm、横6cmの強誘電
性液晶素子を製造した。各実施例、比較例の強誘電性液
晶素子を、一対の偏光膜間に角度を調整して挟み込み、
素子の2枚の透明導電フィルム間に、図1に示すよう
に、±30V、200μsのリセットパルスを印加した
直後、±aV、200μsの駆動パルスを印加して、H
e−Neレーザー光(波長633nm)の透過光強度を測
定した。測定は、駆動パルスの電圧aを0Vから段階的
に増加させて繰り返し行い、駆動パルスの印加前後で透
過光強度が変化しない最高電圧をしきい値電圧とした。
【0026】また、各実施例、比較例の強誘電性液晶素
子における液晶の配向性を、偏光顕微鏡にて観察した。
以上の結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】*1:下記式で表されるジアミンと芳香族
二酸無水物とから得られたポリアミック酸を焼成したも
の。
【0029】
【化2】
【0030】
【化3】
【0031】上記表1の結果より、液晶配向膜が、水素
結合可能な水素を有さない高分子からなる比較例1〜4
は、いずれもしきい値電圧が低く、また、液晶配向膜が
ポリイミドである比較例3を除いて、液晶の配向性もよ
くないことがわかった。これに対し、液晶配向膜が、水
素結合可能な水素を有する高分子からなる実施例1〜6
はいずれも、しきい値電圧が十分に高く、しかも、液晶
の配向性にも優れることが確認された。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の強誘電性
液晶素子は、液晶分子のカルボニル基の酸素と水素結合
可能な水素を有する高分子からなる液晶配向膜を備えて
いるので、液晶配向膜と、それに対向する液晶分子のカ
ルボニル基の酸素との間に安定な水素結合が形成され、
配向時のメモリー安定性と、マトリクス駆動に適したし
きい値特性とを有するものとなる。したがって本発明の
強誘電性液晶素子によれば、単純マトリクス駆動による
高精度、高画素数表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例、比較例の強誘電性液晶素子の特性を評
価するため、素子の透明導電フィルム間に印加されるリ
セットパルスと駆動パルスを示す波形図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強誘電性液晶材料を、導電面に液晶配向膜
    を形成した一対の導電基材で挟着した強誘電性液晶素子
    において、上記液晶配向膜が、水素結合可能な水素を有
    する高分子からなることを特徴とする強誘電性液晶素
    子。
JP8232292A 1992-04-03 1992-04-03 強誘電性液晶素子 Pending JPH05281546A (ja)

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