JPH0743679U - 冷暖房用配管構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 床暖房装置を備えた冷暖房装置の機器と配管
のスペースを節約し、暖房の立ち上がり時の効率を高め
る。 【構成】 冷房装置と暖房装置を備えたものにおいて、
冷房用と暖房用の熱交換部と配管を共用させるととも
に、同一室内にファンコイルユニット１１と床暖房装置
３を設置した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は冷暖房用配管構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来ファンコイルユニット用及び床暖房用の熱源及び配管は共に別に行われて いた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、熱源を別にするとコストが高くなるという欠点がある。また、配管も 別であるため、配管のスペースが広くなり、配管工事費が高くなるという欠点が ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記ような問題点を解決するための本考案の冷暖房用配管構造は、熱交換部１ ６より供給管６及び返送管７からなるメイン配管２を通して、冷房装置あるいは 暖房装置に熱媒体を供給する配管構造において、冷暖房の配管と熱交換部を共用 せしめる構造としたことを第１の特徴としている。

【０００５】 さらに、メイン配管２より分岐管８，９を分岐し、同一区画に床暖房装置３と ファンコイルユニット１１を設置して接続したことを第２の特徴としている。

【０００６】

【作用】

熱交換部１６より供給管６を通して、各建築物フロア１の冷房装置あるいは暖 房装置に熱媒体を供給し、フロア内の冷房若しくは暖房を終了した後、返送管７ を通して熱交換部１６に熱媒体を返送する。該熱媒体は、熱交換部１６内で熱交 換が行われた後、再び供給管６を通して建築物の各区画に供給される。

【０００７】

【実施例】

図面は、各建築物フロア１におけるメイン配管２の接続の概要と床暖房装置３ における配管図及び床暖房装置３における敷物材の詳細構造を示し、図１はファ ンコイルと床暖房併用式空調システムの全体図である。 本実施例では、供給管６と返送管７からなるメイン配管２から伸びる供給分岐 管８と返送分岐管９が、各建築物フロア又はルーム等の区画部１にあるファンコ イルユニット１１及び特定の区画部１にある床暖房装置３に接続されている。 また屋上等には、冷温水発生機１２等の熱源装置と冷却塔１３及び膨張タンク １４が設置されて、メイン配管２が上記各装置に接続されている。該冷温水発生 機１２及び該冷却塔１３等により、熱交換部１６が形成される。 以下図面に従い各部を詳述する。

【０００８】 メイン配管２は、供給管６及び返送管７により構成され、冷温水等の熱媒体が 場合に応じて供給管６及び返送管７内を流れる。 供給管６は、最上階に設置されている冷温水発生機１２に接続され、さらに冷 却塔１３に接続される。 返送管７の基端には、膨張タンク１４が接続されており、該膨張タンク１４に より内部圧力の逃がし調節を行い、熱媒体の流れを良くする。また、返送管７は 、最上階において分岐しており、該返送管７の返送分岐管９は、冷温水用のポン プ１７を介して冷温水発生機１２に接続され、さらに該冷温水発生機１２から冷 却水用のポンプ１８を介して、冷却塔１３に接続され、熱交換部１６が構成され る。

【０００９】 上記冷温水発生機１２により加熱又は冷却された水等の媒体が、供給管６を通 り供給分岐管８を介してファンコイルユニット１１及び床暖房装置３に供給され る。供給された媒体は、上記装置内に送り込まれ、装置内部に施されている配管 を通過した後、返送分岐管９を介して返送管７に返送される。返送された媒体は 、膨張タンク１４により圧力調節が行われ、冷温水ポンプ１７により引き上げら れ、冷温水発生機１２内部に送り込まれる。さらに、冷却ポンプ１８により冷却 塔１３内部に送り込まれ冷却されたのち、再び冷温水発生機１２に供給され、供 給管６により各建築物フロア１の各装置に供給される。

【００１０】 図２により床暖房装置３における配管構造について述べる。 床暖房装置３に接続された供給分岐管８及び返送分岐管９は、集中配管部２１を 介し複数の供給パイプ２２及び返送パイプ２３に接続され、廊下２４を介して和 室２６と洋室２７等の各部屋に配管される。この際、供給パイプ２２及び返送パ イプ２３はともに近接させて、供給流と返送流が交互に形成される向対流を形成 するように配管される。 該パイプ２８は鎖状高分子で構成されるポリエチレンに代えて、分子の中間部 を互いに結合し網目構造にした高分子量のポリエチレンよりなる高架橋ポリエチ レン樹脂温熱水管からなり、温水等の媒体を供給する供給パイプ２２と、該温水 を返送する返送パイプ２３による継目の無い１本長尺管（最大３００ｍ）による 配管である。 本実施例では床暖房の方法として、床下に上記パイプ２８による配管を行い、 該パイプ２８に温水等の媒体を供給することにより暖房を行う温水床暖房方式を 用いている。

【００１１】 次に和室２６及び洋室２７等における供給パイプ２２と返送パイプ２３の配管 構造について詳述する。 比較的狭い和室２６等においては、供給パイプ２２と返送パイプ２３は交互に それぞれが互いに接触及び連通することなく交差し配管される。供給パイプ２２ と返送パイプ２３を交互に配管することにより、場所による加熱の不均等が無く なり、床面全体の温度が均一に保たれる。この和室の配管構造の詳細は図４，図 ６に基づいて後で説明する。 他方、洋室２７等においては供給パイプ２２の下端側と、返送パイプ２３の上 流端側とが連通して接続され、両パイプとも常に平行を保ちながら且つ近接させ 、上記折り返し点を中心として渦巻状に配管され、上記和室２６等の配管と同様 に床面全体が均一に加熱されるという効果を得る。また図２に示されるように、 洋室２７等は広い場合は、複数の渦巻を形成して供給パイプ２２及び返送パイプ ２３が配管される。

【００１２】 図３は上記集中配管部２１の拡大図であり、該集中配管部２１は、図１におけ る熱交換部１６と接続しているメイン配管２から分岐する供給分岐管８及び返送 分岐管９が、往ヘッダー３１及び還ヘッダー３２に接続されて構成されている。 供給分岐管８が往ヘッダー３１に接続され、往ヘッダー３１から複数の供給パ イプ２２が分岐し、該供給パイプ２２により温水等の媒体が和室２６等の各場所 に供給される。

【００１３】 また、供給パイプ２２と同数の返送パイプ２３が還ヘッダー３２に接続されて おり、和室２６等の各場所に供給された温水が、返送パイプ２３により還ヘッダ ー３２を介して、返送分岐管９へ流出される。温水は、さらに返送管７を通り熱 交換部１６へと流入され暖められた後、再び供給管６へと送られ、床暖房装置３ の内部に供給される。供給された後、上記の作業が繰り返される。

【００１４】 次に和室２６における床暖房装置３について図４に基づいて説明する。図４は 和室２６における床暖房装置３の横断面図である。本実施例では、敷物材として 和畳５を用いた。 一般に和畳５の床に用いられる藁の代わりに、粉砕木質材をプレス成形したボ ードを芯材３３として用いて、該芯材３３の裏面に図５に示されるように、一定 間隔のピッチで放熱孔３４を穿ち、表面及び裏面を薄手の保護シート３６を接着 して覆われている。さらに該和畳５の裏面にパイプ２８を配置し、例えば０．７ ｍｍ厚位の薄手のアルミ板からなる放熱板３７により該パイプ２８が支持され、 また、上記放熱板３７は、床つか３８，大引き３９，根太４１により構成される 床構造部材４２の上面に、和畳５及びパイプ２８と共に載置して支持される。パ イプ２８は図２の和室２６の配管のように供給管と返送管が交互に位置するよう に配管されている。

【００１５】 大引き３９と根太４１は格子状に設置されており、該根太４１により放熱板３ ７を支持するため、底は空洞となる。空洞下面側を硬質スチレンフォームからな る断熱材４３でふさぐごとにより、大引き３９と根太４１と放熱板３７及び断熱 材４３により空間４４が形成される。 床暖房装置３の作動の際、外部に熱が漏れないばかりでなく、該空間４４を暖 めることにより放熱板３７の熱を保持し、かつ該放熱板３７の上部の和畳５への 熱伝導を高める。

【００１６】 図６に示されるように、上記和畳５の芯材３３には放熱孔３４が設けられてお り、該放熱孔３４は、下部孔４６，上部孔４７により構成され、下部孔４６は上 部孔４７に比べ大経をなしている。 芯材３３の表面，裏面とも保護シート３６で覆われて保護されており、該保護 シート３６を介して表面にはさらに藺草からなる和畳５が取り付けられており、 裏面には床板を兼ねている放熱板３７が、パイプ２８を支持するように取り付け られている。上記保護シート３６は例えばビニールメッシュに樹脂コーティング を施したものが使用され、両面の保護と防湿を兼ねている。

【００１７】 該放熱板３７にはパイプ２８を支持するための円弧状の溝を形成したパイプ支 持部４９が設けられており、パイプ支持部４９の内面は、パイプ２８の外面に接 した状態でパイプ２８を支持している。上記のように接することにより、温水等 の媒体により暖められたパイプ２８が、パイプ支持部４９を通し放熱板３７全体 を暖め、さらに放熱板３７の上部に取り付けられている和畳５を暖める。 さらに、芯材３３に設けられている放熱孔３４を通して、和畳５を暖めること により、和畳５の表面を暖める。放熱孔３４は畳５内の保温と上部への放熱の機 能を持っている。

【００１８】

【考案の効果】

以上の如く構成される本考案の配管構造によれば、冷暖房の配管及び熱交換部 を共通にしたことにより、配管のスペースが狭くて済み、残余の空間を有効に利 用することができ、配管の工事費を削減できるという利点がある。また暖房効果 の立ち上がりの良いファンコイルユニットで立ち上がり時の暖房を行い、暖房効 果の高い床暖房で後の継続的な暖房を行うことにより、暖房全体を効果的に行え る利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】ファンコイル式空調システムの全体図である。

【図２】床暖房装置の全体配管図である。

【図３】床暖房装置の集中配管部の拡大図である。

【図４】床暖房装置の横断面図である。

【図５】和畳の裏面図である。

【図６】敷物材の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 建築物フロア ２ メイン配管 ３ 床暖房装置 ６ 供給管 ７ 返送管 ８，９ 分岐管 １１ ファンコイルユニット １６ 熱交換部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱交換部（１６）より供給管（６）及び
   返送管（７）からなるメイン配管（２）を通して、冷房
   装置あるいは暖房装置に熱媒体を供給する配管構造にお
   いて、冷暖房の配管と熱交換部を共用せしめる構造とし
   た冷暖房用配管構造。
2. 【請求項２】 メイン配管（２）より分岐管（８），
   （９）を分岐し、同一区画に床暖房装置（３）とファン
   コイルユニット（１１）を設置して接続した請求項１に
   記載の冷暖房用配管構造。