JPH0743226Y2 - 配管ユニットの配管支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は排水管を備えた配管ユニットの配管支持構造に
関する。

（従来の技術） 排水管を内蔵する配管ユニットには、通常、大気圧供給
路としての通気管が通され、下行枝管で排水管に接続さ
れている。

斯かる、通気管は、概して、軽量で、シール条件が比較
的緩く、また、取合上の位置要件が余りうるさくない。

一方、排水管は、比較的重量で、水密なシーリングを必
要とし、傾斜姿勢を持たせる関係上、その位置要件、特
に、上下方向での要件が極めて厳しい。

然るに、従来は、配管の支持に当り、排水管だけでな
く、通気管も、配管ユニットの側面視、上下・左右両方
向の位置を規制するループタイで、配管枠に確実に固定
していた。

（考案が解決しようとする課題） この為、排水管の上下方向の動きに着目するとき、通気
管との間の枝管接続後は、排水管自身のループタイと、
通気管のループタイにより、二重に位置を規制され、排
水管の保守に手間取らざるを得なかった。

本考案は斯かる従来の配管ユニットの配管支持構造にお
ける問題点を有効に解決すべく為されたもので、その目
的とする処は、排水管が通気管側から上下方向の動きを
規制されずに済み、従って比較的保守の容易な配管ユニ
ットの配管支持構造を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成すべく本考案は、通気管を上下揺動可能
にクランプするようにした。

（作用） 上記手段によれば、排水管のループタイを外したとき、
通気管をクランプした状態のまゝでも、排水管と通気管
を一緒に上下動させることができる。

尚、通気菅自身の上下方向での支持は、枝管を介し、排
水管側から為される。

（実施例） 以下、本考案を大便器付配管ユニットに適用した実施例
に付き、添付図面に基いて詳細な説明を行なう。

先ず、第１図を参照して、本実施例に係る配管ユニット
の概要を説明しておく。第１図は配管ユニットの縦断側
面図である。

図中、Utは配管ユニットの全体を表し、同ユニットUt
は、壁式プレファブトイレの周壁Ws沿いに側面視縦長々
方形状輪郭の配管枠Frを組み、その状面をトップカウン
ターCtで被覆し、前面をフロントパネルFpで覆った、所
謂、エンクローズタイプのもので、内部に、フラッシュ
バルブ式給水管P1、通気管P2、排水管P3等の所要配管
（以降、総称的にはPiで表す）を収設保持し、パネルFp
外面に着設した水洗式大便器Dbと、送水管P4や拝便管P5
等の適宜な取合管で接続した構成になっている。図中、
FgはフロントパネルFgの上縁部を引掛ける止め金具、Mg
は同下縁部を吸着するマグネットキャッチ、またはFtは
防水下地タイル仕上床、Plは幅木である。

配管枠Frは、側面視コ字状の主枠Fr1複数組を、夫々、
それらの上下の前後端に取合う左右方向の通し枠Fr2,Fr
3,Fr4,Fr5で剛結連設し、後側の通し枠Fr3,Fr5間を縦枠
Fr6で結んで補強した構造のもので、各主枠Fr1が前側縦
枠Fr11とその上下端より後方に延びる短枠Fr12,Fr13か
ら成り、縦枠Fr11の上下半部適所に、アングル材から成
るブラケットBr1,Br2が止着されている。図中、Fr7は通
し枠Fr4,Fr5間に渡架したクロスフレーム、Dgはその上
の台木、Akはこれに縦通したアンカーボルト、Adは通し
枠Fr4,Fr5に通した高さ調整ボルト、またVsはブラケッ
トBr1,Br2を止着するビス、Vhは横長に形成したビス穴
である。

そして、ブラケットBr1,Br2の折曲片Br11,Br21にループ
タイLp1,Lp2がボルト止めされ、比較的小サイズの上側
タイLp1に給水管P1が略水平に抱持され、大サイズの下
側タイLp2に排水管P3が傾斜姿勢で保持されている。

通気管P2は、給水管P1と略同レベルで平行に延在し、不
図示のＴジョイントで取合う下行枝管P6により、排水管
P3へ接続され、大気圧を供給している。

本実施例では、以上において、上記通気管P2をクランパ
ー10により上下揺動可能にクランプして位置決め保持
し、以って、排水管P3のループタイLp2開放時の上下動
を通気管P2側から規制せずとも済むようにしており、こ
の為、排水管P3の点検保守作業を極めて容易に行え、手
間取らない。

クランパー10は、側面視略Ｗ字状に折曲した一対の板状
部材11,11と、これら板状部材11,11の略中央部間を結合
するボルト12から成り、板状部材11,11が、給水管P1に
上下から枢動可能に嵌着する略Ｖ形断面の基部11a,11a
と、これと同様に通気管P2に枢動可能に嵌着し矢張り略
Ｖ形の断面を有する先部11b,11bと、これらの基部11a,1
1aと先部11b,11bを夫々一体に連結する水平中間部11c,1
1cを備えていて、この中間部11c,11cの略中央に穿設し
た丸穴11d,11dに結合ボルト12が通され、ナット13で締
付けられている。

みこの為、通気管P2の支持に、ループタイを必要とせ
ず、クランパー10の装着のみで済、作業が楽である。

尚、本実施例ではクランパー10基部11a,11aの嵌着相手
を給水管P1にしているが、これに替え、排水管P3との相
対位置が実質的に固定された他の固定部材を利用しても
良い。

（考案の効果） 以上の説明により明らかな如く、本考案によれば、配管
ユニットの配管支持に際し、排水管に下行枝管で接続さ
れた通気管を、上下揺動可能にクランプするようにした
ので、排水管の保守に手間取らずに済み、しかも、通気
管の支持構造を簡略化できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を大便器付配管ユニットに適用した実施例
に付いてのもので、第１図は配管ユニットの縦断側面
図、第２図は第１図の矢視２部展開図である。 尚、図中、10はクランパー、11はＷ形に折曲した板状部
材、12はボルト、P1は給水管、P2は通気管、P3は排水
管、P6は下行枝管、Utは配管ユニットを表している。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下行枝管で排水管へ接続された通気管を備
   えて成る配管ユニットの配管支持構造において、前記通
   気管を上下揺動可能にクランプして成る配管ユニットの
   配管支持構造。
2. 【請求項２】前記排水管との相対位置が実質的に固定さ
   れた固定部材に枢動可能に嵌着する基部と、前記通気管
   に枢動可能に嵌着する先部と、該先部と基部を一体に連
   結する中間部とを有するクランパーにより前記通気管を
   クランプして成る請求項１に記載の配管ユニットの配管
   支持構造。
3. 【請求項３】前記クランパーは、側面視略Ｗ字状に折曲
   した一対の板状部材と、該板状部材の略中央部間を結合
   するボルト部材とから成る請求項２に記載の配管ユニッ
   トの配管支持構造。
4. 【請求項４】前記クランパーを通気管と給水管との間に
   介設して成る請求項２に記載の配管ユニットの配管支持
   構造。