JPH0743092A - 熱交換器用アルミニウムフィン材 - Google Patents
熱交換器用アルミニウムフィン材Info
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- JPH0743092A JPH0743092A JP20814393A JP20814393A JPH0743092A JP H0743092 A JPH0743092 A JP H0743092A JP 20814393 A JP20814393 A JP 20814393A JP 20814393 A JP20814393 A JP 20814393A JP H0743092 A JPH0743092 A JP H0743092A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 潤滑性皮膜が形成され、これにより優れた成
形性を示すとともに、その皮膜は中性あるいは酸性水で
の水洗浄により容易に除去できる熱交換器用アルミニウ
ムフィン材を提供する。 【構成】 アルミニウム又はアルミニウム合金基板の上
に、シリカ及びケイ酸塩から選ばれた少なくとも１種の
ケイ素化合物を含有する親水性皮膜を形成し、その上に
水洗浄によって容易に脱離する、潤滑性樹脂組成物の皮
膜を被覆してなる熱交換器用アルミニウムフィン材であ
る。
形性を示すとともに、その皮膜は中性あるいは酸性水で
の水洗浄により容易に除去できる熱交換器用アルミニウ
ムフィン材を提供する。 【構成】 アルミニウム又はアルミニウム合金基板の上
に、シリカ及びケイ酸塩から選ばれた少なくとも１種の
ケイ素化合物を含有する親水性皮膜を形成し、その上に
水洗浄によって容易に脱離する、潤滑性樹脂組成物の皮
膜を被覆してなる熱交換器用アルミニウムフィン材であ
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金薄板（以下単にアルミニウム薄板という）
に、プレス成形時のプレス油の塗布を不要とし、水洗浄
により潤滑性の皮膜が容易に脱離しうる親水性の皮膜が
露出しうるようにしたことを特徴とする潤滑性に優れた
熱交換器用親水性アルミニウムフィン材に関するもので
ある。
ミニウム合金薄板（以下単にアルミニウム薄板という）
に、プレス成形時のプレス油の塗布を不要とし、水洗浄
により潤滑性の皮膜が容易に脱離しうる親水性の皮膜が
露出しうるようにしたことを特徴とする潤滑性に優れた
熱交換器用親水性アルミニウムフィン材に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】空調機のエバポレーターやコンデンサー
など熱交換器のフィンとして、熱伝導性に優れたアルミ
ニウム薄板が使用されている。アルミニウム薄板をフィ
ンに成形するには、通常、条材の状態でフィンプレス機
にかけ、高速で連続的に成形することが行われる。この
成形は張出し、絞り、しごき、打ち抜き、穴拡げ、曲
げ、コルゲート加工、ルーバー加工など組み合わさった
もので非常に高度の成形性を要する。このため、アルミ
ニウム材自体成形性に優れることは勿論必要であるが、
さらにフィン材の成形加工時において潤滑性を与えるた
め、従来はアルミニウム薄板の表面にプレス油を塗布し
ている。成形されたフィンは通常、銅管と組み合わさ
れ、エバポレーターやコンデンサーなどのコアとなるが
フィンにプレス油がついたままでは、Ｕベントろう付時
の加熱で煙が発生したり、使用時に異臭を発生したりす
る。そのため、コア組み後の洗浄脱脂は不可欠となる。
しかし、この洗浄脱脂には、フロン、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレンなどの塩素系溶剤あるいは水性
洗剤（界面活性剤）を用いているが、塩素系溶剤による
洗浄は環境汚染の問題があり、また、水性洗剤を用いる
洗浄は工程を煩雑にする。最近は、洗浄脱脂がいらない
石油系の揮発性プレス油も用いられているが、低粘度油
のため加工条件が厳しくなり、金型のメンテナンスを頻
繁に行うことが必要になったり、引火の危険性や作業環
境の悪化等問題が多い。
など熱交換器のフィンとして、熱伝導性に優れたアルミ
ニウム薄板が使用されている。アルミニウム薄板をフィ
ンに成形するには、通常、条材の状態でフィンプレス機
にかけ、高速で連続的に成形することが行われる。この
成形は張出し、絞り、しごき、打ち抜き、穴拡げ、曲
げ、コルゲート加工、ルーバー加工など組み合わさった
もので非常に高度の成形性を要する。このため、アルミ
ニウム材自体成形性に優れることは勿論必要であるが、
さらにフィン材の成形加工時において潤滑性を与えるた
め、従来はアルミニウム薄板の表面にプレス油を塗布し
ている。成形されたフィンは通常、銅管と組み合わさ
れ、エバポレーターやコンデンサーなどのコアとなるが
フィンにプレス油がついたままでは、Ｕベントろう付時
の加熱で煙が発生したり、使用時に異臭を発生したりす
る。そのため、コア組み後の洗浄脱脂は不可欠となる。
しかし、この洗浄脱脂には、フロン、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレンなどの塩素系溶剤あるいは水性
洗剤（界面活性剤）を用いているが、塩素系溶剤による
洗浄は環境汚染の問題があり、また、水性洗剤を用いる
洗浄は工程を煩雑にする。最近は、洗浄脱脂がいらない
石油系の揮発性プレス油も用いられているが、低粘度油
のため加工条件が厳しくなり、金型のメンテナンスを頻
繁に行うことが必要になったり、引火の危険性や作業環
境の悪化等問題が多い。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、成形性に優れ、プレス油の塗布を必要としない熱
交換器用アルミニウムフィン材を提供することにある。
さらに、本発明の目的は潤滑性皮膜が形成され、これに
より優れた成形性を示すとともに、その皮膜は中性ある
いは酸性水での水洗浄により容易に除去できる熱交換器
用アルミウムフィン材を提供することにある。
的は、成形性に優れ、プレス油の塗布を必要としない熱
交換器用アルミニウムフィン材を提供することにある。
さらに、本発明の目的は潤滑性皮膜が形成され、これに
より優れた成形性を示すとともに、その皮膜は中性ある
いは酸性水での水洗浄により容易に除去できる熱交換器
用アルミウムフィン材を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を進めてきた結果、アルミニウム
薄板に親水性皮膜を形成したのち、その上に特定の組成
の潤滑性皮膜を形成することによりその目的が達成しう
ることを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至
った。すなわち本発明はアルミニウム又はアルミニウム
合金基板の上に、シリカ及びケイ酸塩から選ばれた少な
くとも１種のケイ素化合物を含有する処理剤で形成した
親水性皮膜を形成し、その上に、水洗浄によって容易に
脱離する樹脂組成物の潤滑性皮膜を形成してなることを
特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材を提供する
ものである。本発明において基材として用いられるアル
ミニウム薄板は純アルミニウムの規格又はアルミニウム
合金組成は特に制限はなく、一般にアルミニウムフィン
材として使用されるものであれば使用できるが、好まし
いものとしてＪＩＳ Ａ１０５０，Ａ１１００やＡ３０
０３あるいはそれらの相当品を挙げることができる。こ
のアルミニウム薄板の厚さは、通常０．１〜０．２ｍｍ
であるが、これに制限されるものではない。
を解決すべく鋭意研究を進めてきた結果、アルミニウム
薄板に親水性皮膜を形成したのち、その上に特定の組成
の潤滑性皮膜を形成することによりその目的が達成しう
ることを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至
った。すなわち本発明はアルミニウム又はアルミニウム
合金基板の上に、シリカ及びケイ酸塩から選ばれた少な
くとも１種のケイ素化合物を含有する処理剤で形成した
親水性皮膜を形成し、その上に、水洗浄によって容易に
脱離する樹脂組成物の潤滑性皮膜を形成してなることを
特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材を提供する
ものである。本発明において基材として用いられるアル
ミニウム薄板は純アルミニウムの規格又はアルミニウム
合金組成は特に制限はなく、一般にアルミニウムフィン
材として使用されるものであれば使用できるが、好まし
いものとしてＪＩＳ Ａ１０５０，Ａ１１００やＡ３０
０３あるいはそれらの相当品を挙げることができる。こ
のアルミニウム薄板の厚さは、通常０．１〜０．２ｍｍ
であるが、これに制限されるものではない。
【０００５】熱交換器用アルミニウムフィン材の成形
は、ドローレス成形が主流となっているが、この方式
は、図１（イ）〜（ホ）に示すように、ピアスバーリン
グ（ロ）、第１アイアニング（ハ）、第２アイアニング
（ニ）、リフレア（ホ）の工程からなっている。この場
合、（ニ）の第２アイアニング工程は成形条件が厳し
く、特に（ニ）の第２アイアニングポンチは摩耗を受け
やすい。本発明において、水洗浄により容易に脱離する
潤滑性皮膜として、好ましくは水酸基及び／又はカルボ
キシル基を有する樹脂とポリオレフィンワックス及びフ
ッ素系樹脂から選ばれた少なくとも１種を含有する樹脂
組成物からなる潤滑性の皮膜が形成される。この潤滑樹
脂組成物に使用するベース樹脂は、水酸基及び／又はカ
ルボキシル基を有する樹脂であるが、このような樹脂と
しては、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げ
られる。これらベース樹脂中に反応促進剤、安定剤、分
散剤等の一般的な添加剤を本発明の目的とする効果を損
なわない範囲で適宜添加してもよい。次に、ポリオレフ
ィンワックス及びフッ素系樹脂は融点が高くかつ比重の
小さい有機系樹脂剤である。具体的には、本発明に使用
することができるポリオレフィンワックスとしては、融
点７０℃以上のものが好ましく、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン等のオレフィン系重合
体からなる融点７０℃以上のワックスが挙げられる。ま
た、フッ素系樹脂としては、ポリ四フッ化エチレン樹
脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹
脂、ポリフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。このポ
リオレフィンワックス及びフッ素系樹脂は単独で、又は
２種以上を混合しても用いることができる。ポリオレフ
ィンワックス及び／又はフッ素系樹脂は水酸基又はカル
ボキシル基を有する樹脂に対して好ましくは２〜４０重
量％用いられ、より好ましくは５〜３０重量％用いられ
る。
は、ドローレス成形が主流となっているが、この方式
は、図１（イ）〜（ホ）に示すように、ピアスバーリン
グ（ロ）、第１アイアニング（ハ）、第２アイアニング
（ニ）、リフレア（ホ）の工程からなっている。この場
合、（ニ）の第２アイアニング工程は成形条件が厳し
く、特に（ニ）の第２アイアニングポンチは摩耗を受け
やすい。本発明において、水洗浄により容易に脱離する
潤滑性皮膜として、好ましくは水酸基及び／又はカルボ
キシル基を有する樹脂とポリオレフィンワックス及びフ
ッ素系樹脂から選ばれた少なくとも１種を含有する樹脂
組成物からなる潤滑性の皮膜が形成される。この潤滑樹
脂組成物に使用するベース樹脂は、水酸基及び／又はカ
ルボキシル基を有する樹脂であるが、このような樹脂と
しては、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げ
られる。これらベース樹脂中に反応促進剤、安定剤、分
散剤等の一般的な添加剤を本発明の目的とする効果を損
なわない範囲で適宜添加してもよい。次に、ポリオレフ
ィンワックス及びフッ素系樹脂は融点が高くかつ比重の
小さい有機系樹脂剤である。具体的には、本発明に使用
することができるポリオレフィンワックスとしては、融
点７０℃以上のものが好ましく、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン等のオレフィン系重合
体からなる融点７０℃以上のワックスが挙げられる。ま
た、フッ素系樹脂としては、ポリ四フッ化エチレン樹
脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹
脂、ポリフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。このポ
リオレフィンワックス及びフッ素系樹脂は単独で、又は
２種以上を混合しても用いることができる。ポリオレフ
ィンワックス及び／又はフッ素系樹脂は水酸基又はカル
ボキシル基を有する樹脂に対して好ましくは２〜４０重
量％用いられ、より好ましくは５〜３０重量％用いられ
る。
【０００６】この潤滑性樹脂皮膜の膜厚は特に制限はな
いが、好ましくは０．０５〜５．０μｍである。膜厚が
あまり薄いと潤滑性が十分ではなく、また、厚すぎる皮
膜が厚くなることによりプレス成形性が低下し、経済的
でもないからである。本発明においてこの潤滑性の皮膜
は、シリカ及び／又はケイ酸塩で構成された親水性の皮
膜の上に被覆されて十分な潤滑効果が得られ、プレス油
なしでもプレス成形が可能となる。この親水性皮膜の厚
さも特に制限はないが、親水性を付与するのに十分な量
のケイ素が存在する厚さに塗布され、通常ケイ素塗布量
で３０〜３００ｍｇ／ｍ2 の範囲で適宜設定される。こ
のシリカ、及び／又はケイ酸塩で構成された親水性の皮
膜の上に積層形成した潤滑性の皮膜は、この皮膜を中性
あるいは酸性の溶液に浸漬するかあるいはスプレー処理
を行う水洗浄により、下層の親水性の皮膜との界面で容
易に脱離し、親水性の皮膜が露出して十分な親水性能が
得られる。このような洗浄に用いられる中性あるいは酸
性の溶液としては、腐食の恐れがなく、しかも親水性の
皮膜に影響を及ぼさない蒸留水、イオン交換水、硝酸、
酢酸、りん酸等が挙げられる。特に酸性の溶液を用いる
と潤滑性の皮膜の脱離が早くなり、ラインスピードを増
すことができる。また、純水、イオン交換水でも温度を
上げることにより、潤滑性の皮膜の脱離を早めることが
可能である。
いが、好ましくは０．０５〜５．０μｍである。膜厚が
あまり薄いと潤滑性が十分ではなく、また、厚すぎる皮
膜が厚くなることによりプレス成形性が低下し、経済的
でもないからである。本発明においてこの潤滑性の皮膜
は、シリカ及び／又はケイ酸塩で構成された親水性の皮
膜の上に被覆されて十分な潤滑効果が得られ、プレス油
なしでもプレス成形が可能となる。この親水性皮膜の厚
さも特に制限はないが、親水性を付与するのに十分な量
のケイ素が存在する厚さに塗布され、通常ケイ素塗布量
で３０〜３００ｍｇ／ｍ2 の範囲で適宜設定される。こ
のシリカ、及び／又はケイ酸塩で構成された親水性の皮
膜の上に積層形成した潤滑性の皮膜は、この皮膜を中性
あるいは酸性の溶液に浸漬するかあるいはスプレー処理
を行う水洗浄により、下層の親水性の皮膜との界面で容
易に脱離し、親水性の皮膜が露出して十分な親水性能が
得られる。このような洗浄に用いられる中性あるいは酸
性の溶液としては、腐食の恐れがなく、しかも親水性の
皮膜に影響を及ぼさない蒸留水、イオン交換水、硝酸、
酢酸、りん酸等が挙げられる。特に酸性の溶液を用いる
と潤滑性の皮膜の脱離が早くなり、ラインスピードを増
すことができる。また、純水、イオン交換水でも温度を
上げることにより、潤滑性の皮膜の脱離を早めることが
可能である。
【０００７】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。工業用純アルミニウム（ＪＩＳ Ａ１１００
−Ｈ２６，厚さ０．１０ｍｍ）の条材を用いて、その両
面を連続的に脱脂を行った後、りん酸クロメート処理を
行い、その後、シリカ及び／又はケイ酸塩の親水性処理
剤を塗布し、焼付け後、その上に潤滑性樹脂組成物を塗
布し、焼付けを行った。脱脂は、市販の弱アルカリ性洗
剤を用い、りん酸クロメート処理は、日本ペイント社製
のアルサーフ４０１−４５を用いてＣｒ量が２０ｍｇ／
ｍ2 になるように処理した。親水性処理剤及び潤滑性樹
脂組成物は、ロールコーターにてそれぞれ塗布し、熱風
乾燥炉で親水性処理剤は、２３０℃で１５秒間、潤滑性
樹脂組成物は、１５０℃で１５秒間の焼付けを行った。
樹脂皮膜の成分組成及び親水性皮膜のケイ素量は表１に
示す通りである。
説明する。工業用純アルミニウム（ＪＩＳ Ａ１１００
−Ｈ２６，厚さ０．１０ｍｍ）の条材を用いて、その両
面を連続的に脱脂を行った後、りん酸クロメート処理を
行い、その後、シリカ及び／又はケイ酸塩の親水性処理
剤を塗布し、焼付け後、その上に潤滑性樹脂組成物を塗
布し、焼付けを行った。脱脂は、市販の弱アルカリ性洗
剤を用い、りん酸クロメート処理は、日本ペイント社製
のアルサーフ４０１−４５を用いてＣｒ量が２０ｍｇ／
ｍ2 になるように処理した。親水性処理剤及び潤滑性樹
脂組成物は、ロールコーターにてそれぞれ塗布し、熱風
乾燥炉で親水性処理剤は、２３０℃で１５秒間、潤滑性
樹脂組成物は、１５０℃で１５秒間の焼付けを行った。
樹脂皮膜の成分組成及び親水性皮膜のケイ素量は表１に
示す通りである。
【０００８】
【表１】
【０００９】こうして得られた条材をフィン成形プレス
にかけ、連続１０万ショット後の成形工具の摩耗状況と
成形加工性を調べた。成形加工性は、リフレア割れの発
生率で評価した。比較として、同一材料の無塗装条材を
用い、プレス油を用いて、又は用いないで同様のプレス
加工試験及び評価を行った。また、成形されたフィンを
積層させ、銅管を挿入、拡管してコアを作成し、表１に
示す中性あるいは酸性の溶液に所定温度で所定時間浸漬
処理を行った後、そのコアに霧吹きで水を噴霧し、水溜
り、ブリッジ（フィン間の水による架橋現象）の有無を
調べて、親水性能を評価した。表２にその結果を示す。
にかけ、連続１０万ショット後の成形工具の摩耗状況と
成形加工性を調べた。成形加工性は、リフレア割れの発
生率で評価した。比較として、同一材料の無塗装条材を
用い、プレス油を用いて、又は用いないで同様のプレス
加工試験及び評価を行った。また、成形されたフィンを
積層させ、銅管を挿入、拡管してコアを作成し、表１に
示す中性あるいは酸性の溶液に所定温度で所定時間浸漬
処理を行った後、そのコアに霧吹きで水を噴霧し、水溜
り、ブリッジ（フィン間の水による架橋現象）の有無を
調べて、親水性能を評価した。表２にその結果を示す。
【００１０】
【表２】
【００１１】同表の結果から明らかなように実施例のＮ
ｏ．１〜６ではプレス油を使用しなくてもリフレア割れ
の発生率が低く、また、工具摩耗を起こさず、また、親
水性能も良好である。これに対し、参考例のＮｏ．７で
は、フィン材は本発明のものであるが潤滑性の皮膜の除
去を行わなかったのでフィンの親水性能が悪い。また、
比較例のＮｏ．８のように潤滑性の皮膜を塗布せずに、
プレス油を使用しないでプレスするとリフレア割れの発
生率が著しく大きく、工具摩耗も発生することがわか
る。比較例Ｎｏ．９のようにプレス油を使用すると、リ
フレア割れの発生率を抑えることができるが、洗浄脱脂
が必要となる。
ｏ．１〜６ではプレス油を使用しなくてもリフレア割れ
の発生率が低く、また、工具摩耗を起こさず、また、親
水性能も良好である。これに対し、参考例のＮｏ．７で
は、フィン材は本発明のものであるが潤滑性の皮膜の除
去を行わなかったのでフィンの親水性能が悪い。また、
比較例のＮｏ．８のように潤滑性の皮膜を塗布せずに、
プレス油を使用しないでプレスするとリフレア割れの発
生率が著しく大きく、工具摩耗も発生することがわか
る。比較例Ｎｏ．９のようにプレス油を使用すると、リ
フレア割れの発生率を抑えることができるが、洗浄脱脂
が必要となる。
【００１２】
【発明の効果】本発明の潤滑性に優れた親水性アルミニ
ウムフィン材は、フィン成形時にプレス油を使用するこ
となく、連続的にかつ高速でフィン成形加工が可能であ
り、しかもその潤滑性の皮膜が中性あるいは酸性の溶液
に浸漬するかあるいはスプレー処理すること、すなわち
水洗浄により容易に脱離することから、親水性皮膜が露
出し、十分な親水性能を持たせることができる。本発明
の熱交換器用アルミニウムフィン材をコアに組み立てた
場合、プレス油を使用しないのでコア組み後の脱脂が不
要であり、排液処理の問題や、洗浄の煩雑さがない。さ
らに環境汚染防止並びに洗浄工程の省略による生産性向
上の点で極めて有効である。
ウムフィン材は、フィン成形時にプレス油を使用するこ
となく、連続的にかつ高速でフィン成形加工が可能であ
り、しかもその潤滑性の皮膜が中性あるいは酸性の溶液
に浸漬するかあるいはスプレー処理すること、すなわち
水洗浄により容易に脱離することから、親水性皮膜が露
出し、十分な親水性能を持たせることができる。本発明
の熱交換器用アルミニウムフィン材をコアに組み立てた
場合、プレス油を使用しないのでコア組み後の脱脂が不
要であり、排液処理の問題や、洗浄の煩雑さがない。さ
らに環境汚染防止並びに洗浄工程の省略による生産性向
上の点で極めて有効である。
【図１】（イ）〜（ホ）は熱交換器用アルミニウムフィ
ン材のドローレス成形の工程の説明図であり、（イ）は
アルミニウム薄板成形前、（ロ）はピアスパーリング、
（ハ）は第１アイアニング、（ニ）は第２アイアニン
グ、（ホ）はリフレアの各工程を示す。
ン材のドローレス成形の工程の説明図であり、（イ）は
アルミニウム薄板成形前、（ロ）はピアスパーリング、
（ハ）は第１アイアニング、（ニ）は第２アイアニン
グ、（ホ）はリフレアの各工程を示す。
１ アルミニウム薄板 ２ 第２アイアニングポンチ ３ 第２アイアニングダイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｃ０９Ｄ 127/12 ＰＦＧ
Claims (2)
- 【請求項１】 アルミニウム又はアルミニウム合金基板
の上に、シリカ及びケイ酸塩から選ばれた少なくとも１
種のケイ素化合物を含有する親水性皮膜を形成し、その
上に水洗浄によって容易に脱離する、潤滑性樹脂組成物
の皮膜を被覆してなることを特徴とする熱交換器用アル
ミニウムフィン材。 - 【請求項２】 潤滑性樹脂組成物の皮膜が、水酸基及び
／又はカルボキシル基を有する樹脂とポリオレフィンワ
ックス及びフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも１種と
の樹脂組成物の皮膜であることを特徴とする請求項１記
載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5208143A JP3050728B2 (ja) | 1993-08-02 | 1993-08-02 | 熱交換器用アルミニウムフィン材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5208143A JP3050728B2 (ja) | 1993-08-02 | 1993-08-02 | 熱交換器用アルミニウムフィン材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0743092A true JPH0743092A (ja) | 1995-02-10 |
| JP3050728B2 JP3050728B2 (ja) | 2000-06-12 |
Family
ID=16551354
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5208143A Expired - Lifetime JP3050728B2 (ja) | 1993-08-02 | 1993-08-02 | 熱交換器用アルミニウムフィン材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3050728B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016099101A (ja) * | 2014-11-26 | 2016-05-30 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器、及び熱交換器の製造方法 |
| JP2016099100A (ja) * | 2014-11-26 | 2016-05-30 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器、及び熱交換器の製造方法 |
| WO2017170772A1 (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 株式会社Uacj | 親水性皮膜及びそれを用いた熱交換器用フィン並びに熱交換器 |
-
1993
- 1993-08-02 JP JP5208143A patent/JP3050728B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016099101A (ja) * | 2014-11-26 | 2016-05-30 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器、及び熱交換器の製造方法 |
| JP2016099100A (ja) * | 2014-11-26 | 2016-05-30 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器、及び熱交換器の製造方法 |
| WO2017170772A1 (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 株式会社Uacj | 親水性皮膜及びそれを用いた熱交換器用フィン並びに熱交換器 |
| CN108885071A (zh) * | 2016-03-30 | 2018-11-23 | 株式会社Uacj | 亲水性覆膜以及使用该亲水性覆膜的热交换器用翅片和热交换器 |
| CN108885071B (zh) * | 2016-03-30 | 2019-11-05 | 株式会社Uacj | 亲水性覆膜以及使用该亲水性覆膜的热交换器用翅片和热交换器 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3050728B2 (ja) | 2000-06-12 |
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