JPH0650692A - 熱交換器用アルミニウムフィン材 - Google Patents
熱交換器用アルミニウムフィン材Info
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- JPH0650692A JPH0650692A JP18281792A JP18281792A JPH0650692A JP H0650692 A JPH0650692 A JP H0650692A JP 18281792 A JP18281792 A JP 18281792A JP 18281792 A JP18281792 A JP 18281792A JP H0650692 A JPH0650692 A JP H0650692A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 フィン材の成形加工時にプレス油を必要とし
ない、従ってコア組み後のプレス油洗浄工程を必要とし
ない潤滑性皮膜を被覆した熱交換器用アルミニウムフィ
ン材を提供する。 【構成】 所定のクロメート処理を行ったアルミニウム
又はアルミニウム合金薄板の両面に(a)水酸基及び/
又はカルボキシル基を有する樹脂100重量部に対し、
(b)フッ素系樹脂及び/又はポリオレフィンワックス
1.0〜20重量部を含有させた樹脂組成物を、乾燥重
量で片面当たり0.1〜3g/m2 の被覆量で被覆して
なる熱交換器用アルミニウムフィン材。
ない、従ってコア組み後のプレス油洗浄工程を必要とし
ない潤滑性皮膜を被覆した熱交換器用アルミニウムフィ
ン材を提供する。 【構成】 所定のクロメート処理を行ったアルミニウム
又はアルミニウム合金薄板の両面に(a)水酸基及び/
又はカルボキシル基を有する樹脂100重量部に対し、
(b)フッ素系樹脂及び/又はポリオレフィンワックス
1.0〜20重量部を含有させた樹脂組成物を、乾燥重
量で片面当たり0.1〜3g/m2 の被覆量で被覆して
なる熱交換器用アルミニウムフィン材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金薄板(以下単にアルミニウム薄板とい
う)の表面に、プレス成形前に、潤滑性皮膜を形成する
ことによって、プレス成形時にプレス油の塗布を不要と
した熱交換器用アルミニウムフィン材に関するものであ
る。
ルミニウム合金薄板(以下単にアルミニウム薄板とい
う)の表面に、プレス成形前に、潤滑性皮膜を形成する
ことによって、プレス成形時にプレス油の塗布を不要と
した熱交換器用アルミニウムフィン材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】空調機のエバポレーターやコンデンサー
など熱交換器のフィンとして、熱伝導性に優れたアルミ
ニウム薄板が使用されている。アルミニウム薄板をフィ
ンに成形するには、通常、条材の状態でフィンプレス機
にかけ、高速で連続的に成形することが行われる。この
成形は張出し、絞り、しごき、打ち抜き、穴広げ、曲
げ、コルゲート加工、スリット加工、ルーバー加工など
が組み合わさったもので、非常に高度の成形性を要す
る。このため、アルミニウム材自体成形性に優れること
は勿論必要であるが、さらにフィン材の成形加工時にお
いて潤滑性を与えるため、従来はアルミニウム薄板にプ
レス油を塗っている。成形されたフィンは通常、銅管と
組み合わされ、エバポレーターやコンデンサーのコアと
なるが、フィンにプレス油がついたままでは、Uベンド
ろう付時の加熱で煙が発生したり、コアの表面処理がで
きなかったりあるいは使用時に異臭を発生したりする。
そのためコア組み後の洗浄脱脂が不可欠となる。この洗
浄脱脂にはトリクロロエタン、トリクロロエチレンある
いはフロンなどの溶剤、あるいは水性洗剤を用いるが、
溶剤による洗浄は環境汚染の問題があり、また水性洗剤
を用いる洗浄は工程を煩雑にする。
など熱交換器のフィンとして、熱伝導性に優れたアルミ
ニウム薄板が使用されている。アルミニウム薄板をフィ
ンに成形するには、通常、条材の状態でフィンプレス機
にかけ、高速で連続的に成形することが行われる。この
成形は張出し、絞り、しごき、打ち抜き、穴広げ、曲
げ、コルゲート加工、スリット加工、ルーバー加工など
が組み合わさったもので、非常に高度の成形性を要す
る。このため、アルミニウム材自体成形性に優れること
は勿論必要であるが、さらにフィン材の成形加工時にお
いて潤滑性を与えるため、従来はアルミニウム薄板にプ
レス油を塗っている。成形されたフィンは通常、銅管と
組み合わされ、エバポレーターやコンデンサーのコアと
なるが、フィンにプレス油がついたままでは、Uベンド
ろう付時の加熱で煙が発生したり、コアの表面処理がで
きなかったりあるいは使用時に異臭を発生したりする。
そのためコア組み後の洗浄脱脂が不可欠となる。この洗
浄脱脂にはトリクロロエタン、トリクロロエチレンある
いはフロンなどの溶剤、あるいは水性洗剤を用いるが、
溶剤による洗浄は環境汚染の問題があり、また水性洗剤
を用いる洗浄は工程を煩雑にする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、成形性がよくプレス成形時にプレス油を必要としな
い、従ってコア組み後のプレス油洗浄工程を必要としな
い潤滑性皮膜を被覆した熱交換器用アルミニウムフィン
材を提供することにある。
は、成形性がよくプレス成形時にプレス油を必要としな
い、従ってコア組み後のプレス油洗浄工程を必要としな
い潤滑性皮膜を被覆した熱交換器用アルミニウムフィン
材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意研究を進めてきたが、所定のクロメー
ト処理を施したアルミニウム薄板に特定組成の樹脂組成
物の潤滑性皮膜を所定厚さに設けることがその成形性向
上に極めて有効であることを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、クロム付着量が金属ク
ロム換算で片面200mg/m2 を越えないようにクロメー
ト皮膜を形成したアルミニウム薄板の両面に(a)水酸
基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂100重量部
に対し、(b)フッ素系樹脂及び/又はポリオレフィン
ワックス1.0〜20重量部を含有させた樹脂組成物
を、乾燥重量で片面当たり0.1〜3g/m2 の被覆量
で被覆してなることを特徴とする熱交換器用アルミニウ
ムフィン材を提供するものである。本発明においては上
記樹脂組成物にシリカを所定量含有させるのが好まし
い。
を解決すべく鋭意研究を進めてきたが、所定のクロメー
ト処理を施したアルミニウム薄板に特定組成の樹脂組成
物の潤滑性皮膜を所定厚さに設けることがその成形性向
上に極めて有効であることを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、クロム付着量が金属ク
ロム換算で片面200mg/m2 を越えないようにクロメー
ト皮膜を形成したアルミニウム薄板の両面に(a)水酸
基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂100重量部
に対し、(b)フッ素系樹脂及び/又はポリオレフィン
ワックス1.0〜20重量部を含有させた樹脂組成物
を、乾燥重量で片面当たり0.1〜3g/m2 の被覆量
で被覆してなることを特徴とする熱交換器用アルミニウ
ムフィン材を提供するものである。本発明においては上
記樹脂組成物にシリカを所定量含有させるのが好まし
い。
【0005】本発明において基材として用いられるアル
ミニウム薄板は、純アルミニウムの規格又はアルミニウ
ム合金組成は特に制限はなく、一般にアルミニウムフィ
ン材として使用されるものであれば使用できるが、好ま
しいものとしてJIS A1050、A1100やA3
003あるいはそれらの相当品を挙げることができる。
このアルミニウム薄板の厚さは通常0.1〜0.2mm
であるが、これに制限されるものではない。本発明にお
いては、このアルミニウム薄板を脱脂後、クロメート処
理を行う。クロメート処理は公知の方法でよく、クロム
酸クロメート皮膜やリン酸クロメート皮膜が適用でき
る。クロメート皮膜の厚さは、クロム付着量が金属クロ
ム換算で、片面200mg/m2 以下とする。付着量が少な
すぎると密着性の向上が不十分であり、200mg/m2 を
越えると、付着量の増加の割合に対して密着性の向上効
果が少なく、また、処理液の劣化が激しくなり、表面外
観が悪くなり、しかも皮膜量が厚くなることによりプレ
ス成形性が低下する。本発明においては、このクロメー
ト皮膜を形成したアルミニウム薄板上に樹脂組成物の皮
膜を形成させる。この樹脂組成物の皮膜は、(a)水酸
基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂と、該樹脂1
00重量部に対し、(b)固形潤滑剤としてフッ素系樹
脂及び/又はポリオレフィンワックス1.0〜20重量
部を含み、その被覆量が乾燥重量で片面0.1〜3g/
m2 の樹脂皮膜である。本発明に用いられる潤滑樹脂組
成物に使用する(a)成分のベース樹脂は、水酸基及び
/又はカルボキシル基を有する樹脂であるが、このよう
な樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アルキド樹
脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられ
る。このベース樹脂中に、反応促進剤、安定剤、分散剤
等の一般的な添加剤を、本発明の目的とする効果を損な
わない範囲で適宜添加することができる。
ミニウム薄板は、純アルミニウムの規格又はアルミニウ
ム合金組成は特に制限はなく、一般にアルミニウムフィ
ン材として使用されるものであれば使用できるが、好ま
しいものとしてJIS A1050、A1100やA3
003あるいはそれらの相当品を挙げることができる。
このアルミニウム薄板の厚さは通常0.1〜0.2mm
であるが、これに制限されるものではない。本発明にお
いては、このアルミニウム薄板を脱脂後、クロメート処
理を行う。クロメート処理は公知の方法でよく、クロム
酸クロメート皮膜やリン酸クロメート皮膜が適用でき
る。クロメート皮膜の厚さは、クロム付着量が金属クロ
ム換算で、片面200mg/m2 以下とする。付着量が少な
すぎると密着性の向上が不十分であり、200mg/m2 を
越えると、付着量の増加の割合に対して密着性の向上効
果が少なく、また、処理液の劣化が激しくなり、表面外
観が悪くなり、しかも皮膜量が厚くなることによりプレ
ス成形性が低下する。本発明においては、このクロメー
ト皮膜を形成したアルミニウム薄板上に樹脂組成物の皮
膜を形成させる。この樹脂組成物の皮膜は、(a)水酸
基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂と、該樹脂1
00重量部に対し、(b)固形潤滑剤としてフッ素系樹
脂及び/又はポリオレフィンワックス1.0〜20重量
部を含み、その被覆量が乾燥重量で片面0.1〜3g/
m2 の樹脂皮膜である。本発明に用いられる潤滑樹脂組
成物に使用する(a)成分のベース樹脂は、水酸基及び
/又はカルボキシル基を有する樹脂であるが、このよう
な樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アルキド樹
脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられ
る。このベース樹脂中に、反応促進剤、安定剤、分散剤
等の一般的な添加剤を、本発明の目的とする効果を損な
わない範囲で適宜添加することができる。
【0006】次に、(b)成分としてのフッ素樹脂及び
ポリオレフィンワックスについて説明する。乾式潤滑剤
としては、ワックス、二硫化モリブデン、グラファイ
ト、フッ化カーボン、金属せっけん、窒化ほう素、フッ
素樹脂等が知られており、これらは軸受け用潤滑剤とし
て使用されたり、プラスチックや油、グリース等に添加
して、潤滑性を向上させるために用いられている。そこ
で、これらの潤滑剤を用いて、アルミニウム薄板に潤滑
性の優れた樹脂皮膜を形成するため種々検討を行った。
その結果、融点が高く、且つ、比重の小さい有機系潤滑
剤である、フッ素系樹脂及びポリオレフィンワックスが
有効であることが見い出された。
ポリオレフィンワックスについて説明する。乾式潤滑剤
としては、ワックス、二硫化モリブデン、グラファイ
ト、フッ化カーボン、金属せっけん、窒化ほう素、フッ
素樹脂等が知られており、これらは軸受け用潤滑剤とし
て使用されたり、プラスチックや油、グリース等に添加
して、潤滑性を向上させるために用いられている。そこ
で、これらの潤滑剤を用いて、アルミニウム薄板に潤滑
性の優れた樹脂皮膜を形成するため種々検討を行った。
その結果、融点が高く、且つ、比重の小さい有機系潤滑
剤である、フッ素系樹脂及びポリオレフィンワックスが
有効であることが見い出された。
【0007】具体的には本発明に使用することができる
フッ素系樹脂としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン
樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹
脂、ポリフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。また、
ポリオレフィンワックスとしては融点70℃以上のもの
が有効であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン等のオレフィン系炭化水素重合体から成
る融点70℃以上のワックスが挙げられる。上記本発明
のフッ素系樹脂及びポリオレフィンワックスは単独で、
または2種以上を混合して用いることができる。また本
発明において、フッ素系樹脂は粉末として用いるのが好
ましい。このフッ素樹脂及びポリオレフィンワックスの
粒径は、0.1μm程度以上のものを用いることができ
るが、特に、樹脂皮膜から突き出た場合には、プレス加
工時に金型との摩擦衝撃を吸収する上で有効に働くと考
えられる。フッ素系樹脂粉末及びポリオレフィンワック
スの粒径はより好ましくは0.1〜7μmである。
フッ素系樹脂としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン
樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹
脂、ポリフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。また、
ポリオレフィンワックスとしては融点70℃以上のもの
が有効であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン等のオレフィン系炭化水素重合体から成
る融点70℃以上のワックスが挙げられる。上記本発明
のフッ素系樹脂及びポリオレフィンワックスは単独で、
または2種以上を混合して用いることができる。また本
発明において、フッ素系樹脂は粉末として用いるのが好
ましい。このフッ素樹脂及びポリオレフィンワックスの
粒径は、0.1μm程度以上のものを用いることができ
るが、特に、樹脂皮膜から突き出た場合には、プレス加
工時に金型との摩擦衝撃を吸収する上で有効に働くと考
えられる。フッ素系樹脂粉末及びポリオレフィンワック
スの粒径はより好ましくは0.1〜7μmである。
【0008】本発明において、(b)成分のフッ素系樹
脂粉末及び/又はポリオレフィンワックスは、ベース樹
脂である水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂
100重量部に対し、1.0〜20重量部含有させる。
(b)成分が1.0重量部未満では、潤滑効果が十分で
なく、20重量部を越えると樹脂の凝集力と密着力が低
下するため加工時に樹脂皮膜の剥離を生じやすくなる。
本発明においては前記樹脂組成物において前記(a)成
分100重量部及び(b)成分1.0〜20重量部に対
し、さらに(c)成分としてシリカを80重量部以下の
範囲含有させるのが好ましく、10〜80重量部含有さ
せるのがより好ましい。このシリカの添加により樹脂被
覆したフィンの耐食性をさらに向上させることができ
る。この効果はベース樹脂中の水酸基やカルボキシル基
とシリカ表面の水酸基とが反応してシリカ−樹脂の高耐
食性無機有機複合皮膜を形成することに起因すると考え
られる。このようなシリカとしてはコロイダルシリカ、
オルガノシリカゾル、シリカ粉末や有機シリケートが挙
げられ、シリカの粒径はシリカを均一に分散させるため
に、5〜70nmであることが望ましい。
脂粉末及び/又はポリオレフィンワックスは、ベース樹
脂である水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂
100重量部に対し、1.0〜20重量部含有させる。
(b)成分が1.0重量部未満では、潤滑効果が十分で
なく、20重量部を越えると樹脂の凝集力と密着力が低
下するため加工時に樹脂皮膜の剥離を生じやすくなる。
本発明においては前記樹脂組成物において前記(a)成
分100重量部及び(b)成分1.0〜20重量部に対
し、さらに(c)成分としてシリカを80重量部以下の
範囲含有させるのが好ましく、10〜80重量部含有さ
せるのがより好ましい。このシリカの添加により樹脂被
覆したフィンの耐食性をさらに向上させることができ
る。この効果はベース樹脂中の水酸基やカルボキシル基
とシリカ表面の水酸基とが反応してシリカ−樹脂の高耐
食性無機有機複合皮膜を形成することに起因すると考え
られる。このようなシリカとしてはコロイダルシリカ、
オルガノシリカゾル、シリカ粉末や有機シリケートが挙
げられ、シリカの粒径はシリカを均一に分散させるため
に、5〜70nmであることが望ましい。
【0009】また、シリカを含有させる場合、ベース樹
脂とシリカの反応促進剤としてシランカップリング剤を
用いて差し支えない。シランカップリング剤としては、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シランやγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
などが挙げられる。上記のシリカは、水酸基及び/又は
カルボキシル基を有する樹脂100重量部に対し、前記
のように10重量部以上添加するのが耐食性向上の上で
好ましいが、80重量部を越えると皮膜硬度が高まり、
成形時に型かじりを生じ、プレス成形性を低下させる。
本発明においてこのような潤滑性樹脂皮膜の被覆量は乾
燥重量で片面0.1〜3g/m2 とする。0.1g/m
2 未満では潤滑性が十分でなく、また、3g/m2 を越
えると、皮膜が厚くなることにより、プレス成形性が低
下し、経済的でもないからである。
脂とシリカの反応促進剤としてシランカップリング剤を
用いて差し支えない。シランカップリング剤としては、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シランやγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
などが挙げられる。上記のシリカは、水酸基及び/又は
カルボキシル基を有する樹脂100重量部に対し、前記
のように10重量部以上添加するのが耐食性向上の上で
好ましいが、80重量部を越えると皮膜硬度が高まり、
成形時に型かじりを生じ、プレス成形性を低下させる。
本発明においてこのような潤滑性樹脂皮膜の被覆量は乾
燥重量で片面0.1〜3g/m2 とする。0.1g/m
2 未満では潤滑性が十分でなく、また、3g/m2 を越
えると、皮膜が厚くなることにより、プレス成形性が低
下し、経済的でもないからである。
【0010】次に、本発明の熱交換器用アルミニウムフ
ィン材の製造方法について、その一例を説明する。基板
のアルミニウム薄板を脱脂後、クロメート処理を行う。
クロメート処理は公知の方法でよく、市販のクロム酸ク
ロメート処理やリン酸クロメート処理並びに塗布型クロ
メート処理が適用できる。処理後、熱風乾燥等の乾燥工
程を経てクロメート皮膜が薄板両面に形成される。次い
で、樹脂組成物の各成分を所定量用意し、それらを混合
・分散させて物理的に均一とする。なお、この組成物中
に前述の反応促進剤、安定剤、分散剤、希釈剤などを適
宜に添加しておいてもよい。この樹脂組成物で、ロール
塗布、スプレー塗布、浸漬塗布、刷毛塗り等の通常の方
法によって、アルミニウム薄板が所定の厚さとなるよう
に被覆し、通常、80〜180℃で3〜90秒間乾燥さ
せる。このようにして、本発明の、潤滑性に優れた熱交
換器用アルミニウムフィン材が製造される。
ィン材の製造方法について、その一例を説明する。基板
のアルミニウム薄板を脱脂後、クロメート処理を行う。
クロメート処理は公知の方法でよく、市販のクロム酸ク
ロメート処理やリン酸クロメート処理並びに塗布型クロ
メート処理が適用できる。処理後、熱風乾燥等の乾燥工
程を経てクロメート皮膜が薄板両面に形成される。次い
で、樹脂組成物の各成分を所定量用意し、それらを混合
・分散させて物理的に均一とする。なお、この組成物中
に前述の反応促進剤、安定剤、分散剤、希釈剤などを適
宜に添加しておいてもよい。この樹脂組成物で、ロール
塗布、スプレー塗布、浸漬塗布、刷毛塗り等の通常の方
法によって、アルミニウム薄板が所定の厚さとなるよう
に被覆し、通常、80〜180℃で3〜90秒間乾燥さ
せる。このようにして、本発明の、潤滑性に優れた熱交
換器用アルミニウムフィン材が製造される。
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。 実施例1 工業用純アルミニウム(JIS A1100−H26,
厚さ0.10mm)の条材を用いて、その両面を連続的
に脱脂、クロメート処理を行った後、本発明の潤滑性樹
脂組成物を塗布し、乾燥させた。脱脂には市販の弱アル
カリ性洗剤を用いた。クロメート処理は市販のクロム酸
クロメート処理剤を用いてクロメート皮膜を形成させ
た。本発明による潤滑樹脂組成物をロールコーターにて
塗布し、熱風乾燥炉で150℃、15秒間乾燥させた。
樹脂皮膜の成分組成は表1に示す通りである。こうして
得られた潤滑塗装条材をフィン成形プレスにかけ、連続
10万ショット後に成形工具の摩耗状況と成形加工性を
調べた。成形加工性はリフレア割れの発生率で評価し
た。比較として、同一材料の無塗装条材を用い、プレス
油を用いて、又は用いないで同様のプレス加工試験及び
評価を行った。
説明する。 実施例1 工業用純アルミニウム(JIS A1100−H26,
厚さ0.10mm)の条材を用いて、その両面を連続的
に脱脂、クロメート処理を行った後、本発明の潤滑性樹
脂組成物を塗布し、乾燥させた。脱脂には市販の弱アル
カリ性洗剤を用いた。クロメート処理は市販のクロム酸
クロメート処理剤を用いてクロメート皮膜を形成させ
た。本発明による潤滑樹脂組成物をロールコーターにて
塗布し、熱風乾燥炉で150℃、15秒間乾燥させた。
樹脂皮膜の成分組成は表1に示す通りである。こうして
得られた潤滑塗装条材をフィン成形プレスにかけ、連続
10万ショット後に成形工具の摩耗状況と成形加工性を
調べた。成形加工性はリフレア割れの発生率で評価し
た。比較として、同一材料の無塗装条材を用い、プレス
油を用いて、又は用いないで同様のプレス加工試験及び
評価を行った。
【0012】以上の結果を表2に示した。表2の結果よ
り、実験No.17〜21では本発明の範囲を外れる樹脂
組成物を用いるか又はクロメート皮膜量が多すぎるため
プレス油を使用しない成形を行うとリフレア割れが発生
して不良率が大きくなり、さらに工具摩耗が起きること
もある(実験No.18、19、21)。これに対し、実
験No.1〜16では、プレス油を使用しなくてもリフレ
ア割れの発生率が低く、工具摩耗も起こさないことが分
かる。また実験No.22から分かるように無処理材(ク
ロメート皮膜、樹脂被覆のいずれもなし)ではプレス油
を必要とするが、プレス成形後の洗浄脱脂が必要とな
る。
り、実験No.17〜21では本発明の範囲を外れる樹脂
組成物を用いるか又はクロメート皮膜量が多すぎるため
プレス油を使用しない成形を行うとリフレア割れが発生
して不良率が大きくなり、さらに工具摩耗が起きること
もある(実験No.18、19、21)。これに対し、実
験No.1〜16では、プレス油を使用しなくてもリフレ
ア割れの発生率が低く、工具摩耗も起こさないことが分
かる。また実験No.22から分かるように無処理材(ク
ロメート皮膜、樹脂被覆のいずれもなし)ではプレス油
を必要とするが、プレス成形後の洗浄脱脂が必要とな
る。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】実施例2 表3に示すようなシリカを含む樹脂組成物を用いた塗装
を行った以外は実施例1と全く同様にして塗装条材を作
成した。これを実施例1と同様にして成形性試験に付し
た。また耐食性試験を塩水噴霧試験(JIS Z237
1)により、フィンの腐食発生までの時間を評価するこ
とにより行った。比較のために実施例1の比較例と同様
に無処理材について実験No.24を行った。表4の、実
験No.1〜18の結果を実験No.19〜23のそれと比
較することにより、所定のシリカをさらに含有する樹脂
組成物を塗装することによりフィン材の成形性を向上し
うることが分かる。また、実験No.24に比べて耐食性
を著しく向上させることができることが分かる。
を行った以外は実施例1と全く同様にして塗装条材を作
成した。これを実施例1と同様にして成形性試験に付し
た。また耐食性試験を塩水噴霧試験(JIS Z237
1)により、フィンの腐食発生までの時間を評価するこ
とにより行った。比較のために実施例1の比較例と同様
に無処理材について実験No.24を行った。表4の、実
験No.1〜18の結果を実験No.19〜23のそれと比
較することにより、所定のシリカをさらに含有する樹脂
組成物を塗装することによりフィン材の成形性を向上し
うることが分かる。また、実験No.24に比べて耐食性
を著しく向上させることができることが分かる。
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【発明の効果】本発明の潤滑性に優れた熱交換器用アル
ミニウムフィン材はアルミニウム薄板に潤滑性皮膜を形
成することにより、成形性に優れ、フィン成形時にプレ
ス油を使用することなく、連続的に且つ高速でフィン成
形加工が可能であるという優れた作用効果を奏する。さ
らに潤滑性皮膜中に所定量のシリカを含有させた場合、
耐食性が優れ、長期の使用に耐える。また本発明の熱交
換器用アルミニウムフィン材をコアに組立てた場合、プ
レス油を使用しないのでコア組み後の脱脂が不要であ
り、溶剤排出の問題や、洗浄の煩雑さがない。また、環
境汚染の社会的要請に応えるとともに、洗浄工程の省略
による生産性の向上を達成できその意義が大きい。
ミニウムフィン材はアルミニウム薄板に潤滑性皮膜を形
成することにより、成形性に優れ、フィン成形時にプレ
ス油を使用することなく、連続的に且つ高速でフィン成
形加工が可能であるという優れた作用効果を奏する。さ
らに潤滑性皮膜中に所定量のシリカを含有させた場合、
耐食性が優れ、長期の使用に耐える。また本発明の熱交
換器用アルミニウムフィン材をコアに組立てた場合、プ
レス油を使用しないのでコア組み後の脱脂が不要であ
り、溶剤排出の問題や、洗浄の煩雑さがない。また、環
境汚染の社会的要請に応えるとともに、洗浄工程の省略
による生産性の向上を達成できその意義が大きい。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 武道 大阪府東大阪市高井田本通3丁目22番地 松下冷機株式会社内 (72)発明者 藤野 憲司 大阪府東大阪市高井田本通3丁目22番地 松下冷機株式会社内 (72)発明者 戸塚 信夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社内 (72)発明者 宮本 三也 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 クロム付着量が金属クロム換算で片面2
00mg/m2 を越えないようにクロメート皮膜を形成した
アルミニウム又はアルミニウム合金薄板の両面に(a)
水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂100重
量部に対し、(b)フッ素系樹脂及び/又はポリオレフ
ィンワックス1.0〜20重量部を含有させた樹脂組成
物を、乾燥重量で片面当たり0.1〜3g/m2 の被覆
量で被覆してなることを特徴とする熱交換器用アルミニ
ウムフィン材。 - 【請求項2】 クロム付着量が金属クロム換算で片面2
00mg/m2 を越えないようにクロメート皮膜を形成した
アルミニウム又はアルミニウム合金薄板の両面に(a)
水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂100重
量部に対し、(b)フッ素系樹脂及び/又はポリオレフ
ィンワックス1.0〜20重量部及び(c)シリカ10
〜80重量部を含有させた樹脂組成物を、乾燥重量で片
面当たり0.1〜3g/m2 の被覆量で被覆してなるこ
とを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18281792A JPH0650692A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 熱交換器用アルミニウムフィン材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18281792A JPH0650692A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 熱交換器用アルミニウムフィン材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0650692A true JPH0650692A (ja) | 1994-02-25 |
Family
ID=16124973
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18281792A Pending JPH0650692A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 熱交換器用アルミニウムフィン材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0650692A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG110055A1 (en) * | 2003-06-11 | 2005-04-28 | Sumitomo Bakelite Singapore Pt | Resin composition for mold cavity surface conditioning |
-
1992
- 1992-06-18 JP JP18281792A patent/JPH0650692A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG110055A1 (en) * | 2003-06-11 | 2005-04-28 | Sumitomo Bakelite Singapore Pt | Resin composition for mold cavity surface conditioning |
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