JP2813529B2 - 潤滑性に優れた親水性アルミニウムフィン材 - Google Patents

潤滑性に優れた親水性アルミニウムフィン材

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JP2813529B2 JP20814493A JP20814493A JP2813529B2 JP 2813529 B2 JP2813529 B2 JP 2813529B2 JP 20814493 A JP20814493 A JP 20814493A JP 20814493 A JP20814493 A JP 20814493A JP 2813529 B2 JP2813529 B2 JP 2813529B2
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文治 慈道
信夫 戸塚
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金薄板(以下単にアルミニウム薄板という)
の表面に潤滑性と親水性能を兼ね備えた皮膜を形成させ
ることにより、プレス成形時にプレス油の塗布を不要と
した熱交換器用親水性アルミニウムフィン材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】空調機のエバポレーターやコンデンサー
など熱交換器のフィンとして、熱伝導性に優れたアルミ
ニウム薄板が使用されている。アルミニウム薄板をフィ
ンに成形するには、通常、条材の状態でフィンプレス機
にかけ、高速で連続的に成形することが行われる。この
成形は張出し、絞り、しごき、打ち抜き、穴拡げ、曲
げ、コルゲート加工、ルーバー加工など組み合わさった
もので非常に高度の成形性を要する。このため、アルミ
ニウム材自体成形性に優れることは勿論必要であるが、
さらにフィン材の成形加工時において潤滑性を与えるた
め、従来はアルミニウム薄板の表面にプレス油を塗布し
ている。成形されたフィンは通常、銅管と組み合わさ
れ、エバポレーターやコンデンサーなどのコアとなるが
フィンにプレス油がついたままでは、Uベントろう付時
の加熱で煙が発生したり、使用時に異臭を発生したりす
る。そのため、コア組み後の洗浄脱脂は不可欠となる。
しかし、この洗浄脱脂には、フロン、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレンなどの塩素系溶剤あるいは水性
洗剤(界面活性剤)を用いているが、塩素系溶剤による
洗浄は環境汚染の問題があり、また、水性洗剤を用いる
洗浄は工程を煩雑にする。最近は、洗浄脱脂がいらない
石油系の揮発性プレス油も用いられているが、低粘度油
のため加工条件が厳しくなり、金型のメンテナンスを頻
繁に行うことが必要になったり、引火の危険性や作業環
境の悪化等問題が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、成形性が良くプレス成形時にあらためてプレス油の
塗布を必要としない、従ってコア組み後のプレス油洗浄
工程を必要としない潤滑性と親水性能の両者を持ち合あ
わせていることを特徴とする親水性アルミニウムフィン
材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を進めてきた結果、アルミニウム
薄板の両面に特定組成の樹脂組成物の皮膜を所定厚さに
設けることにより、そのアルミニウム薄板の成形性向上
に極めて有効であること、しかも、十分な親水性能を持
ち合わせていることを見出しこの知見に基づき本発明を
完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)アルミニウム
又はアルミニウム合金薄板の両面に(a)水酸基及び/
又はカルボキシル基を有する樹脂100重量部に対し、
(b)炭素鎖の鎖長が2〜10のエステル及び/又は多
価アルコールを1.0〜30重量部を含有させた樹脂組
成物を、乾燥重量で片面当たり0.05〜5g/m2
被覆量で被覆してなることを特徴とする潤滑性に優れた
親水性アルミニウムフィン材、及び(2)樹脂組成物の
皮膜の下地処理としてクロメート皮膜を形成させたこと
を特徴とする(1)項記載の親水性アルミニウムフィン
材、を提供するものである。
【0006】本発明において基材として用いられるアル
ミニウム薄板は純アルミニウムの規格又はアルミニウム
合金組成は特に制限はなく、一般にアルミニウムフィン
材として使用されるものであれば使用できるが、好まし
いものとしてJIS A1050,A1100やA30
03あるいはそれらの相当品を挙げることができる。こ
のアルミニウム薄板の厚さは、通常0.1〜0.2mm
であるが、これに制限されるものではない。熱交換器用
アルミニウムフィン材の成形は、ドローレス成形が主流
となっているが、この方式は、図1(イ)〜(ホ)に示
すように、ピアスバーリング(ロ)、第1アイアニング
(ハ)、第2アイアニング(ニ)、リフレア(ホ)の工
程からなっている。この場合、(ニ)の第2アイアニン
グ工程は成形条件が厳しく、特に(ニ)の第2アイアニ
ングポンチは摩耗を受けやすい。
【0007】本発明においては、アルミニウム薄板の表
面に(a)水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹
脂100重量部に対し、(b)炭素鎖の鎖長が2〜10
のエステル及び/又は多価アルコールを1.0〜3.0
重量部を含有させた樹脂組成物を、乾燥重量で片面当た
り0.05〜5g/m2 の被覆量の皮膜を形成させるこ
とにより無潤滑での成形を可能としたのである。この潤
滑樹脂組成物に使用するベース樹脂は、水酸基及び/又
はカルボキシル基を有する樹脂であるが、このような樹
脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が
挙げられる。これらベース樹脂中に反応促進剤、安定
剤、分散剤等の一般的な添加剤を本発明の目的とする効
果を損なわない範囲で適宜添加してもよい。
【0008】次に、エステル及び多価アルコールについ
て説明する。エステル及び多価アルコールは水溶性の性
質をもち、乳化性とともに潤滑性がある。圧延油には極
圧添加剤として使用されているものもある。具体的に
は、エステルでは、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、グリコール酸メチ
ル、シュウ酸ジメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げら
れ、多価アルコールでは、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール等が挙げられる。
【0009】本発明において、エステル及び/又は多価
アルコールの添加量は、水酸基及び/又はカルボキシル
基を有する樹脂100重量部に対し、1.0〜30重量
部含有させる。1.0重量部未満では潤滑効果が十分で
なく、30重量部を越えると樹脂の凝集力と密着力が低
下するため、加工時に樹脂皮膜の剥離を生じやすくな
る。添加するエステル及び多価アルコールの炭素鎖の鎖
長は2〜10とする。鎖長が10以上では、親水性能を
阻害するからである。また、このような樹脂組成物の皮
膜の膜厚は0.05〜5.0μmとする。0.05μm
未満では潤滑性が十分ではなく、また、5.0μmを越
えると皮膜が厚くなることによりプレス成形性が低下
し、経済的でもないからである。このような樹脂組成物
の皮膜の下地処理としてクロメート皮膜を形成させる
と、密着性が向上し、プレス成形性はさらに上がる。ま
た耐食性もさらに向上する。クロメート処理としては、
塗布型クロメート、電解クロメートあるいはリンスタイ
プのクロム酸クロメート、りん酸クロメート等がある
が、いずれでも十分な効果が見られる。
【0010】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。工業用純アルミニウム(JIS A1100
−H26,厚さ0.10mm)の条材を用いて、その両
面を連続的に脱脂を行った後、りん酸クロメート処理を
行い、その後、両面に本発明の樹脂組成物を塗布し、焼
付けを行った。脱脂は、市販の弱アルカリ性洗剤を用
い、りん酸クロメート処理は、日本ペイント社製のアル
サーフ401−45を用いてCr量が20mg/m2
なるように処理した。本発明の樹脂組成物は、ロールコ
ーターにて塗布し、熱風乾燥炉で150℃で15秒間の
焼付けを行った。樹脂皮膜の成分組成及び被覆量は表1
に示す通りである。
【0011】
【表1】
【0012】こうして得られた条材をフィン成形プレス
にかけ、連続10万ショット後の成形工具の摩耗状況と
成形加工性を調べた。成形加工性は、リフレア割れの発
生率で評価した。比較として、同一材料の無塗装条材を
用い、プレス油を用いて、又は用いないで同様のプレス
加工試験及び評価を行った。
【0013】また、成形されたフィンを積層させ、銅管
を挿入、拡管してコアを作成し、そのコアに霧吹きで水
を噴霧し、水溜り、ブリッジ(フィン間の水による架橋
現象)の有無を調べて、親水性能を評価した。以上の結
果を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】同表の結果より比較例のNo.7〜8では、
本発明の範囲を外れる樹脂組成物を用いるか又は樹脂組
成物の被覆膜厚が薄すぎると、プレス油を使用しない成
形を行うとリフレア割れの発生率が大きくなり、さらに
工具摩耗が起こる。これに対し、実施例のNo.1〜6で
は、プレス油を使用しなくてもリフレア割れの発生率が
低く、工具摩耗を起こさず、また親水性能も良好であ
る。なお、比較例のNo.9〜10からわかるように無塗
装材では、プレス油を使用しないとリフレア割れの発生
率が著しく大きく、プレス油を使用してそれを低下させ
ることができるが、洗浄脱脂が必要となる。
【0016】
【発明の効果】本発明の潤滑性に優れた親水性アルミニ
ウムフィン材は、アルミニウム薄板の両面に潤滑性と親
水性を兼ね備えた皮膜を形成することにより、フィン成
形時にプレス油を使用することなく、連続的に且つ高速
でフィン成形加工が可能であるという優れた作用効果が
ある。また、親水性能も十分に備えている。本発明の熱
交換器用アルミニウムフィン材をコアに組み立てた場
合、プレス油を使用しないのでコア組み後の脱脂が不用
であり、排液処理の問題や洗浄の煩雑さがない。さらに
環境汚染防止並びに洗浄工程の省略による生産性向上の
点で極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)〜(ホ)は熱交換器用アルミニウムフィ
レ材のドローレス成形の工程の説明図であり、(イ)は
アルミニウム薄板成形前、(ロ)はピアスパーリング、
(ハ)は第1アイアニング、(ニ)は第2アイアニン
グ、(ホ)はリフレアの各工程を示す。
【符号の説明】
1 アルミニウム薄板 2 第2アイアニングポンチ 3 第2アイアニングダイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F28F 1/32 C09D 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金基板
    の両面に(a)水酸基及び/又はカルボキシル基を有す
    る樹脂100重量部に対し、(b)炭素鎖の鎖長が2〜
    10のエステル及び/又は多価アルコールを1.0〜3
    0重量部を含有させた樹脂組成物を、乾燥重量で片面当
    たり0.05〜5g/m2 の被覆量で被覆してなること
    を特徴とする潤滑性に優れた親水性アルミニウムフィン
    材。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物の皮膜の下地処理としてクロ
    メート皮膜を形成させたことを特徴とする請求項1記載
    の親水性アルミニウムフィン材。
JP20814493A 1993-08-02 1993-08-02 潤滑性に優れた親水性アルミニウムフィン材 Expired - Lifetime JP2813529B2 (ja)

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