JPH0743077A - 熱処理炉 - Google Patents

熱処理炉

Info

Publication number
JPH0743077A
JPH0743077A JP19035393A JP19035393A JPH0743077A JP H0743077 A JPH0743077 A JP H0743077A JP 19035393 A JP19035393 A JP 19035393A JP 19035393 A JP19035393 A JP 19035393A JP H0743077 A JPH0743077 A JP H0743077A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating material
heat treatment
heat insulating
heat
furnace
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19035393A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3018843B2 (ja
Inventor
Seiji Tanaka
清次 田中
Shunei Sekido
俊英 関戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP5190353A priority Critical patent/JP3018843B2/ja
Publication of JPH0743077A publication Critical patent/JPH0743077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3018843B2 publication Critical patent/JP3018843B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】熱処理条件が高温、かつ、長時間の苛酷な条件
であっても、処理室5内部の断熱材3に反り、劣化等が
発生せず、十分に長時間の高温処理が可能な断熱壁構造
を有する熱処理炉1を提供する。 【構成】内部に設けられた被加熱物4を抵抗発熱体6か
ら放射される輻射熱で加熱処理する熱処理炉1におい
て、その炉壁の断熱壁構造3として、炉殻2、炉殻側成
形断熱材30、熱処理室側成形断熱材31、および材質
が異方性を有する黒鉛から成り、曲げ弾性率が0.5T
on/mm2 以下であって、かつ、その厚さが3mm以
下の可撓性シート状保護材40を張設し、上記成形断熱
材30、31の分割接合部と可撓性シート状保護材40
の周囲に黒鉛から成る当板42、42′とL形部材4
3、43′を配設し、固定部材で炉殻側成形断熱材2表
面に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば抵抗発熱体を有
する抵抗炉等の熱処理炉の改良に関し、詳しくは昇温、
降温を繰り返しても、断熱材に反り、劣化等が生じにく
い断熱壁構造を備えた熱処理炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素系材料、セラミックス系材料
など各種工業用材料の加熱処理に用いられる熱処理炉と
しては、抵抗炉、誘導炉、アーク炉、プラズマ炉などが
知られており、この中でも抵抗発熱体に電流を通じ、発
生するジュール熱を利用した抵抗炉が広く用いられてい
る。
【0003】通常、この抵抗炉型式の熱処理炉は、筒型
または箱型をした炉殻の内壁面に断熱材を張り付けて被
処理物の熱処理室を形成し、該熱処理室内に筒状または
棒状の抵抗発熱体を上下あるいは環状に配設し、熱処理
室内に静置するか、または連続的に通過する被処理物
を、熱処理室内温度が2000〜3000℃付近の高温
下、かつ、減圧雰囲気下の窒素やアルゴンなどの不活性
ガス雰囲気中で抵抗発熱体表面から放射する輻射熱を利
用して加熱を行うものである。抵抗発熱体としては、金
属材料やセラミックス系材料では実用に供し得ない20
00〜3000℃の高温領域でも溶融、分解などを起こ
さずに十分にその機能を発揮し、かつ、比較的安価な材
料である炭素材(主として黒鉛)が一般に用いられてい
る。
【0004】ところで、高温下での一般的な断熱壁構造
としては、図5に示すように、その断熱壁構造3は、熱
処理炉の炉殻2に対し、炉殻側成形断熱材30と熱処理
室側成形断熱材31とがこの順に設けられた主として2
層構造のもので、さらに熱処理室側成形断熱材31の熱
処理側には、これら2層の断熱材30、31を熱処理室
内部の図示しない熱源から放射される強烈な輻射熱から
保護するため、例えば、シート状のc/cコンポジッ
ト、黒鉛板等の材質から成る保護層33が張設されたも
のである。なお、熱処理室側成形断熱材31は、高温加
熱時の膨脹・収縮を許容させると共に炉内雰囲気をシー
ルするため、所定の空隙を介して階段状に分割され、そ
の接合部の空隙には材質が黒鉛から成る成形フェルト3
9が充填されている。そして、これら成形断熱材30、
31、および保護層33は、貫通孔32が設けられて材
質が黒鉛から成る筒状のボス35が炉殻側成形断熱材3
0に埋込まれ、前記ボス35の左端と上記保護材33の
表面に炭素製の座38を介して炭素材あるいはc/cコ
ンポジットから成るボルト36とナット37とで一体化
されている。
【0005】なお、熱処理炉の昇降温に伴って断熱材3
が膨脹するため、断熱材3が可動し易いようにボス35
の打込み本数をできる限り少なくし、上記成形断熱材3
0、31の分割数を減らし、接合部が少なくなるように
配慮されていた。
【0006】このような高温領域、特に2500℃以上
の高温加熱処理に供される従来の熱処理炉としては、例
えば特開昭63−153388号公報に開示されたもの
が提案されている。
【0007】この熱処理炉は、断熱材の処理室側壁面の
少なくとも一部が、嵩密度0.3g/cm3 以上の黒鉛
系材料で形成され、かつ、黒鉛ヒ−タの外表面積(A
h)と断熱材の処理室側壁面の表面積(Ai)との比A
h/Aiは0.1〜0.4で、嵩密度0.3g/cm3
以上の黒鉛系材料で形成された壁面の表面積(Ar)と
黒鉛ヒ−タの外表面積(Ah)との関係はAr>Ahで
あり、黒鉛系材料は2000℃における輻射率が0.8
以下とすることにより、黒鉛ヒ−タと断熱材の熱劣化に
対する寿命延長を図ろうとするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の熱処理炉は、使用される成形断熱材がいずれもフェ
ルトを基材にフェノール樹脂などのバインダーを介して
積層成形し、抵抗炉などの熱処理炉で加熱処理されて製
造されたもので、その加熱処理温度が高温になると価格
が高騰するため、工業用に用いられる熱処理炉において
は2000〜2400℃処理品が多く使用されているの
が実情である。
【0009】このため、高温、特に上記処理温度より高
い2500℃以上の高温下で昇温、降温を繰り返すと成
形断熱材に進行性の反りが生じ、断熱材の処理室側壁面
に張設した前記黒鉛系材料が破損するという欠点があっ
た。その結果、成形断熱材の接合部に反りによる空隙が
生じ、熱処理室内の温度斑をきたし、被処理物の品質が
悪化することから、断熱材の熱劣化による寿命に到達す
る前に上記反りによって断熱材としての寿命に達すると
いう問題があった。
【0010】また、黒鉛系材料の破損部分は、抵抗発熱
体の表面から放射される輻射熱を反射できなくなるた
め、輻射熱が直接成形断熱材に当たることになるうえ被
処理物を加熱処理する際に発生する熱分解ガスが成形断
熱材に浸透するため、高価な成形断熱材の劣化が促進さ
れるという欠点があった。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、熱処理条件が高温、かつ、長時間の苛酷な条
件であっても、熱処理室内部の断熱材に反り、劣化等が
発生せず、十分に長時間の高温処理が可能な断熱壁構造
を有する熱処理炉を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱処理炉
は、上記目的を達成するため、被処理物を加熱する抵抗
発熱体と、前記被処理物および抵抗発熱体を包囲し、内
面に断熱材が固定された熱処理室とを有し、前記抵抗発
熱体の表面から放射される輻射熱により前記被処理物を
加熱処理する熱処理炉において、(イ)前記断熱材は、
炉殻に固定された炉殻側成形断熱材と、前記炉殻側成形
断熱材に積層され、前記熱処理室に面する熱処理室側成
形断熱材の少なくとも二層からなり、(ロ)前記熱処理
室側成形断熱材の表面に、曲げ弾性率が0.5Ton/
mm2 以下であって、かつ、厚さが3mm以下の黒鉛か
ら成る複数に分割された可撓性シート状保護材を接合し
て平面状に張設し、(ハ)前記熱処理室側成形断熱材の
接合部には、黒鉛から成る当板を、また、前記断熱材の
周辺部には、黒鉛から成るL形部材を配設すると共に、
前記当板およびL形部材を固定部材で前記炉殻側成形断
熱材の表面に固定したことを特徴とする。
【0013】この場合、前記炉殻側成形断熱材、熱処理
室側成形断熱材、可撓性シート状保護材、当板およびL
形部材は、黒鉛製で筒状のボス、および黒鉛材またはc
/cコンポジット製のボルトとナットから成る引抜け防
止構造の固定部材で一体に固定されていることが好まし
い。すなわち、ここでいう引抜け防止構造とは、上記断
熱材に差し込まれたボスやボルトが熱処理室側に抜ける
ことがないように、ボルトに螺合したナットが断熱材に
止められる構造や、上記特定の寸法関係をなすものをい
う。
【0014】また、前記炉殻側成形断熱材および熱処理
室側成形断熱材は、接合後の形状が矩形状であり、長辺
の長さ(L)と厚み(t)との関係がL≦7tであるこ
とが好ましい。
【0015】さらに、前記炉殻側成形断熱材および熱処
理室側成形断熱材は、接合後の形状が矩形状であり、長
辺の長さ(L)と厚み(t)との関係がL≦7tである
ことが好ましい。
【0016】
【作用】本発明の熱処理炉は、熱処理室側成形断熱材の
表面に曲げ弾性率0.5Ton/mm2 以下であって、
かつ、厚さ3mm以下の可撓性シート状保護材を張設し
たため、抵抗発熱体からの輻射熱により、たとえ炉殻側
成形断熱材および熱処理室側成形断熱材に反り、うねり
等が生じても、その曲げ弾性率が低いために破損するこ
となく断熱材の反り、うねり等に追随し、常時、輻射熱
を遮ることができる。
【0017】また、上記保護材は、2500℃以上の高
温下でも破損や劣化減耗がないため、被処理物から発生
する熱分解ガスの断熱材への浸透・吸着による断熱性能
の低下や、熱処理室側成形断熱材表面の抵抗発熱体から
の輻射熱による劣化が防止される。
【0018】また、炉殻側成形断熱材および熱処理室側
成形断熱材は、その接合部や周辺部が当板、L形部材お
よび固定部材等で固定されるので、見掛け上厚さ方向に
一体となった断熱材となり、したがって剛性が向上し、
結果的に高温にさらされる熱処理室側断熱材の周辺部の
反りが防止される。
【0019】さらに、炉殻側成形断熱材および熱処理室
側成形断熱材は、接合後の形状が矩形状であり、長辺の
長さ(L)と厚み(t)との関係をL≦7tとしたの
で、一枚当りの面積が小さくすることができ、同一厚み
でも反りによる変形を小さく抑えることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る熱処理炉の一実施例を図
面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明に係る
熱処理炉の縦断面図、図2は、図1の炉壁部の拡大断面
図、図3は、その右側面図、図4は、図2の全体右側面
図である。
【0021】図1において、1は、内部に熱処理室5が
形成された箱型状の熱処理炉で、炉殻2の内側に炉殻側
成形断熱材30と、熱処理室側成形断熱材31とが固定
され、さらに熱処理室側成形断熱材31の内壁面には、
本発明の特徴である可撓性シート状保護材40が張設さ
れている。熱処理室5には、抵抗発熱体6が紙面と直角
方向に3本ずつ上下2段に配設され、それぞれの両端部
が電極7に固定されると共に炉殻2から絶縁された給電
端子部8で支持されている。各抵抗発熱体6は、図示し
ない外部の給電設備から給電された電流によって発生し
たジュール熱により、支持材9に載置された被処理物4
に輻射熱を放射して加熱処理するものである。また、熱
処理炉1には、被処理物4を窒素ガス、アルゴンガス等
の不活性ガス雰囲気下、かつ、所定の圧力下で加熱処理
ができるように、炉底に不活性ガスGの給気口10が、
炉頂に電磁弁11が付帯した排気口12が設けられ、図
示省略のコントローラで制御されている。なお、13
は、抵抗発熱体6の表面温度を覗き窓14を介して測定
制御するための放射温度計であり、放射温度計13から
の出力信号は、加熱制御器15に伝達され、熱処理室5
内の温度が一定になるように抵抗発熱体の出力制御がさ
れる。16は、被処理物4を熱処理室5に出し入れする
ための扉で、図示省略の装置により開閉することができ
るようになっている。
【0022】ここで、上記炉殻2としては、厚さが3〜
10mmの例えばステンレス鋼、炭素鋼などの鋼板から
成り、その外形は、箱型状、円筒状等の任意の形状に形
成することができる。
【0023】炉殻側成形断熱材30、および熱処理室側
成形断熱材31としては、いずれも材質が黒鉛のものを
用いるのが好ましく、その厚さは、本発明の熱処理室内
温度2500℃以上の領域においては、それぞれ100
〜250mm、100〜200mm程度のものが好まし
い。
【0024】可撓性シート状保護材40としては、材
質が異方性を有する黒鉛から成り、かつ、曲げ弾性率
が0.5Ton/mm2 以下で、かつ、その厚さが3m
m以下のシート状物であるのが好ましい。その理由は、
上記の特性は、熱的特性と電気的特性に顕著な異方性
をもち、熱伝導度は面方向では高いが面と垂直な方向、
すなわち厚さ方向では低いという、輻射熱を遮断するう
えで好適な特性であり、上記の特性は、2500℃以
上の高温領域においては、前述したように工業用に用い
られる熱処理炉において2400℃以下の処理をした成
形断熱材がコスト面との兼ね合いから用いられるため、
実際の加熱時においては、成形断熱材30、31として
3〜5mm程度のうねりを避けられないが、可撓性シー
ト状保護材40を覆うことによって、抵抗発熱体からの
強烈な放射熱を遮断しつつも、自らは亀裂、焼損等をす
ることなく、昇温時には成形断熱材30、31のうねり
に応じて湾曲し、降温時には元通りの平らなシートに戻
ろうとする、両断熱材の保護機能を発揮するからであ
る。この保護機能は、上記特定の曲げ弾性率と厚さを越
えると、得ることができない。
【0025】このような2つの特性を発揮するシート状
保護材としては、例えば、膨脹黒鉛を加圧成形した厚さ
が0.2〜3mm程度のシート状物が挙げられ、その物
理的特性は、曲げ弾性率が0.5Ton/mm2 以下で
嵩密度がほぼ1.0g/cm3前後のもので、組織は緻密
質である。市販のものでは、“カーボフィット”(日立
化成工業株式会社製)、“パーマフォイル”(東洋炭素
株式会社製)、“ニカフィルム”(日本カーボン株式会
社製)、“グラフォイル”(ユニオンカーバイト社製)
等が存在する。この可撓性シート状保護材40は、穴明
け、形状作り等の加工が容易であるうえ、厚さが比較的
薄いものは小さな曲率半径で曲げることができるため、
熱処理室内のコーナ部にも貼付けることができ、従来の
シート状c/cコンポジットや黒鉛板による保護材に比
べ安価であり経済的にも有利である。
【0026】次に、図2を用いて上記熱処理炉の断熱壁
構造を具体的に説明する。
【0027】まず、炉殻側成形断熱材30を炉殻2に固
定し易くするため、複数に分割し、それぞれの炉殻側成
形断熱材30の炉殻2側に、引抜け防止ナット41装着
のための穴ぐり30aと、ボス35の埋込み用穴30b
を加工する。また、図示していない炉殻側成形断熱材3
0の接合部は、図示した熱処理室側成形断熱材31の接
合部と同様、予め厚さの半分位置でお互いの成形断熱材
が突合わないよう隙間31aを設けて階段状で異なった
接合位置で加工されている。
【0028】一方、熱処理室側成形断熱材31は、接合
部を予め厚さの半分位置でお互いの成形断熱材が突合わ
ないよう隙間31aを設けて階段状に加工した上、ボス
35の埋込み用穴30bは、ボス35の外径よりも5〜
15mm内径を大きくし、穴とボス間に若干の隙間を設
けることにより、熱処理炉の昇降温に伴う成形断熱材3
1の膨脹・収縮力が直接ボス35に加わらないようにす
る。
【0029】以上の加工を事前に終えた後、炉外で炉殻
側成形断熱材30にボス35の外周面へ黒鉛セメントを
塗布した後、ボス35を穴ぐり30a端面まで埋込み、
ボス35内に炭素材あるいはc/cコンポジットから成
るボルト36を貫通させ、引抜け防止ナット41を螺合
して組付けた上、炉殻2内で組立てる。
【0030】次いで、予め複数に分割した熱処理室側成
形断熱材31を予め決めた手順に従って組付けていく。
この分割数は、反り防止・低減の点から炉殻側成形断熱
材30に比べ多い方が好ましく、熱処理室側成形断熱材
31の一辺の長さ(L)と厚さ(t)との関係がL≦7
tであれば、その形状は、正方形、矩形等いずれであっ
てもよい。ここで上記熱処理室側成形断熱材31の一辺
の長さ(L)がその厚さ(t)の7倍を越えると成形断
熱材の反りが大きくなるため好ましくない。
【0031】このような事前準備が整ったら、炉殻側成
形断熱材30と接する側が凸になっている熱処理室側成
形断熱材31を炉殻側成形断熱材30より突出ているボ
ス35に装着し、接合部の隙間部分には吸収材として材
質が黒鉛から成る成形フェルト39を詰める。
【0032】次いで、炉殻側成形断熱材30と接する側
が凹になっている熱処理室側成形断熱材31をボス35
に装着した上、可撓性シート状保護材40を張設し、さ
らに黒鉛製の当板42を介して炭素材あるいはc/cコ
ンポジットから成るナット37をねじ込んで固定し、一
体化する。
【0033】以上の手順により、熱処理室内の断熱施工
を完了した全体右側面図が図4であり(炉壁2と内壁面
の可撓性シート状保護材40の図示は省略)、破断線の
左側は、可撓性シート状保護材40を剥がした状態を示
しており、矩形に分割された熱処理室側成形断熱材31
(図においては6分割)が、1分割当り複数の上記固定
部材(図においては1分割当り7箇所)で可撓性シート
状保護材40と共に固定され、隣り合う4枚の熱処理室
側成形断熱材31の四隅の接合部(図においては2箇
所)は、さらに当板42を介して固定されている。ま
た、分割された熱処理室側成形断熱材31の辺同士が隣
り合う部分での固定(図においては4箇所)は、基本的
には上記四隅の接合部の固定方法と同じで、当板42′
の大きさが異なる他は全て同じである。
【0034】さらに、熱処理室側成形断熱材31の反り
を防止し、見掛け上、厚さ方向に一体となった断熱壁を
形成することにより剛性の向上、および熱変形力の小さ
い炉殻側成形断熱材を形成するため、熱処理室側成形断
熱材31の周囲には、黒鉛製のL形部材43、43′を
配設し、その四隅には、黒鉛製の板状をした継ぎ部材4
4を介して可撓性シート状保護材40と共に炉殻側成形
断熱材30に固定する。
【0035】上記した実施例において、図示しない炉殻
側成形断熱材30同士の接合部や、図示した熱処理室側
成形断熱材31同士の接合部は、図示したような厚みが
半分の位置で階段状に加工された態様のものに限定され
るものではなく、その厚みがお互いに異なった状態で階
段状に加工してもよく、また、成形断熱材の厚みが比較
的薄い場合や、熱処理室側成形断熱材31の熱処理室5
側に可撓性シート状保護材40等の保護材を張設した場
合には、お互いの成形断熱材が厚み方向のストレート面
同士で隙間を隔てた接合部であってもよい。なお、図示
したような階段状に加工した場合の接合位置食い違い長
さは、成形断熱材の反りを抑える観点から100mm以
下が好ましく、50mm以下がより好ましい。また、本
実施例において断熱材は、炉殻側成形断熱材30と熱処
理室側成形断熱材31の2層から成る態様のものを示し
たが、少なくとも2層あればよく、3層以上の複層であ
ってもよい。
【0036】可撓性シート状保護材40同士の継ぎ位置
は、熱処理室5で発生した有害ガスを素通りさせないた
めに熱処理室成形断熱材31の接合位置と合致させず、
位置をずらすのが好ましい。また、接合部は100〜2
00mm程度の範囲で重ね合わせるのが好ましい。さら
に、可撓性シート状保護材40の張設場所は、図示した
ような熱処理室5側に面する熱処理室側成形断熱材31
への張設態様に限定されるものではなく、炉殻側成形断
熱材30と熱処理室側成形断熱材31との境界面に該可
撓性シート状保護材40をさらに張設してもよい。ま
た、可撓性シート状保護材40の張設は、一枚に限定さ
れるものではなく、勿論複数枚重ね合わせてもよい。
【0037】本発明の熱処理炉で処理可能な被処理理物
4としては、特に限定されないが、例えば、燃料電池の
電極基材等に用いられるc/cコンポジットや黒鉛材等
を処理することができる。
【0038】上記図1〜図4に示した熱処理炉1の炉殻
サイズが幅2m、高さ1.3m、奥行き2mである矩型
の炉殻に、2000℃で熱処理された厚さ150mmの
炉殻側成形断熱材30と、2400℃処理された厚さ1
00mmの熱処理室側成形断熱材31を矩形状で各々6
分割して断熱材3を構成した。また、可撓性シート状保
護材40には、曲げ弾性率0.5Ton/mm2 以下で
厚さが1.5mm、材質が黒鉛の“カーボフィット”を
用い、上記成形断熱材31に2枚重ねで張設した。引抜
け防止ナット41と当板42は黒鉛製とし、ボルト36
とナット37はc/cコンポジット製として断熱材3を
構成した。
【0039】このような断熱壁構造3から成る熱処理炉
1を不活性ガス雰囲気下で最高熱処理温度2500℃迄
の昇降温を50回繰り返したが、熱処理室側成形断熱材
31、可撓性シート状保護材40に特には異常が認めら
れなかった。
【0040】
【比較例】
比較例1 図1乃至図4に示した熱処理炉1において、炉殻側成形
断熱材30と熱処理室側成形断熱材31を3分割した他
は上記実施例と同一の断熱材処理品、固定部材、可撓性
シート状保護材40から成る断熱壁構造3とした。熱処
理室を形成する厚さ150mmの炉殻側成形断熱材30
の天井および床の1枚当りのサイズは、縦665mm、
横2000mm、また、厚さ100mmの熱処理室側成
形断熱材31の天井および床の1枚当りのサイズは、縦
615mm、横1700mm、また、炉壁の1枚当りの
サイズは、縦580mm、横800mmのいずれも一辺
の長さ(L)が各々の単層断熱材厚み(t)の7倍を越
えているものを使用した。そして、上記実施例と同一の
熱処理条件で繰り返し運転を行った結果、12バッチ過
ぎから接合部での反りのために固定部材であるc/cコ
ンポジット製のボルト36の一部が破損し、可撓性シー
ト状保護材40のうねりも大きくなり、熱処理室内の温
度斑をきたすようになり、29バッチ目で反りによって
断熱材としての寿命に達した。
【0041】比較例2 図1に示した熱処理炉1の断熱壁構造3は、断熱材の分
割接合部と周辺部に当板やL形部材を配設せず、断熱壁
構造3は第5図に示したような従来構造とした。すなわ
ち、熱処理室側成形断熱材31は矩形状に3分割し、保
護層33としてシ−ト状c/cコンポジットで曲げ弾性
率1Ton/mm2 、厚さ1.2mmの“Kシート”
(呉羽化学株式会社製)を張設し、座38は、黒鉛製、
ボルト、ナット36、37は、c/cコンポジット製の
固定部材を用いた他は上記実施例と同一の熱処理条件で
繰り返し運転を行った結果、4バッチ目で上記熱処理室
側成形断熱材31の分割接合部と周辺部が熱処理室側に
反りはじめ、“Kシート”にうねりが認められるように
なった。昇降温の繰り返しにより上記熱処理室側成形断
熱材31の反りがさらに進行し、10バッチ過ぎから
“Kシート”に破損が現われた。23バッチ目で反りに
よって断熱材としての寿命に達し、熱処理の継続が不可
能な状態となった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、熱処理炉の断熱材
を炉殻側成形断熱材と熱処理室側成形断熱材の少なくと
も二層で構成し、前記熱処理室側成形断熱材の表面に曲
げ弾性率が0.5Ton/mm2 以下で、かつ、厚さ3
mm以下の可撓性シート状保護材を張設し、この断熱材
の四隅の接合部、辺同士が隣り合う部分に、当板および
L形部材を介して固定部材で炉殻側成形断熱材に固定し
たので、2500℃以上の高温下であっても断熱材に反
り、劣化減耗、熱分解ガスの吸着等のトラブルが生じな
い優れた断熱構造の炉壁が容易に得られる。
【0043】また、熱処理条件が高温、かつ、長時間の
苛酷な条件であっても、断熱材の分割数を多くして一枚
当りの面積を小さくした上に上記可撓性シート状保護材
を張設したので、個々の断熱材の反りを軽微なものとす
ることができる。
【0044】したがって、本発明の熱処理炉は、被処理
物の長時間の高温処理を可能ならしめるとともに、断熱
材の交換周期が長くなるという優れた効果を奏すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱処理炉の一実施例の縦断面図で
ある。
【図2】図1の断熱壁の拡大断面図である。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】図2の全体右側面図である。
【図5】従来の熱処理炉の断熱壁構造の部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1 熱処理炉 30 炉殻側成形断
熱材 2 炉殻 31 熱処理室側成
形断熱材 3 断熱壁構造 32 貫通孔 4 被処理物 33 保護層 5 熱処理室 34 黒鉛板 6 抵抗発熱体 35 ボス 7 電極 36 ボルト 8 給電端子部 37 ナット 9 支持材 38 座 10 給気口 39 成形フェル
ト 11 電磁弁 40 可撓性シー
ト状保護材 12 排気口 41 引抜け防止
ナット 13 放射温度計 42、42′ 当
板 14 覗き窓 43、43′ L
形部材 15 加熱制御器 44 継ぎ部材 16 扉 G 不活性ガス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理物を加熱する抵抗発熱体と、前記被
    処理物および抵抗発熱体を包囲し、内面に断熱材が固定
    された熱処理室とを有し、前記抵抗発熱体の表面から放
    射される輻射熱により前記被処理物を加熱処理する熱処
    理炉において、 (イ)前記断熱材は、炉殻に固定された炉殻側成形断熱
    材と、前記炉殻側成形断熱材に積層され、前記熱処理室
    に面する熱処理室側成形断熱材の少なくとも二層からな
    り、 (ロ)前記熱処理室側成形断熱材の表面に、曲げ弾性率
    が0.5Ton/mm2 以下であって、かつ、厚さが3
    mm以下の黒鉛から成る複数に分割された可撓性シート
    状保護材を接合して平面状に張設し、 (ハ)前記熱処理室側成形断熱材の接合部には、黒鉛か
    ら成る当板を、また、前記断熱材の周辺部には、黒鉛か
    ら成るL形部材を配設すると共に、前記当板およびL形
    部材を固定部材で前記炉殻側成形断熱材の表面に固定し
    たことを特徴とする熱処理炉。
  2. 【請求項2】前記炉殻側成形断熱材、熱処理室側成形断
    熱材、可撓性シート状保護材、当板およびL形部材は、
    黒鉛製で筒状のボス、および黒鉛材またはc/cコンポ
    ジット製のボルトとナットから成る引抜け防止構造の固
    定部材で一体に固定されていることを特徴とする請求項
    1に記載の熱処理炉。
  3. 【請求項3】前記炉殻側成形断熱材または熱処理室側成
    形断熱材は、接合後の形状が矩形状であり、長辺の長さ
    (L)と厚み(t)との関係がL≦7tであることを特
    徴とする請求項1に記載の熱処理炉。
JP5190353A 1993-07-30 1993-07-30 熱処理炉 Expired - Fee Related JP3018843B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5190353A JP3018843B2 (ja) 1993-07-30 1993-07-30 熱処理炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5190353A JP3018843B2 (ja) 1993-07-30 1993-07-30 熱処理炉

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0743077A true JPH0743077A (ja) 1995-02-10
JP3018843B2 JP3018843B2 (ja) 2000-03-13

Family

ID=16256784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5190353A Expired - Fee Related JP3018843B2 (ja) 1993-07-30 1993-07-30 熱処理炉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3018843B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002042702A1 (fr) * 2000-11-24 2002-05-30 Nikko Materials Company, Limited Four comportant une surface de paroi interieure avec element chauffant
US6613481B2 (en) 1998-03-09 2003-09-02 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Hologram film having identification information recorded thereon and method for manufacturing the same
JP2004278940A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Ngk Insulators Ltd 焼成炉及び温度調整方法
JP2014070873A (ja) * 2012-10-02 2014-04-21 Koyo Thermo System Kk マッフル炉
JP2015025548A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 Dowaサーモテック株式会社 反射断熱材および熱処理炉
KR20160120762A (ko) * 2014-02-12 2016-10-18 시로나 덴탈 시스템스 게엠베하 소결 재료로 이뤄지는 부품, 특히 치과 부품을 위한 소결로
JP2017067438A (ja) * 2016-12-08 2017-04-06 光洋サーモシステム株式会社 マッフル炉

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009087928A (ja) 2007-09-13 2009-04-23 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置およびその作製方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6613481B2 (en) 1998-03-09 2003-09-02 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Hologram film having identification information recorded thereon and method for manufacturing the same
US7229720B2 (en) 1998-03-09 2007-06-12 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Hologram film having identification information recorded thereon and method for manufacturing the same
WO2002042702A1 (fr) * 2000-11-24 2002-05-30 Nikko Materials Company, Limited Four comportant une surface de paroi interieure avec element chauffant
JP2004278940A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Ngk Insulators Ltd 焼成炉及び温度調整方法
JP4510393B2 (ja) * 2003-03-17 2010-07-21 日本碍子株式会社 温度調整方法
JP2014070873A (ja) * 2012-10-02 2014-04-21 Koyo Thermo System Kk マッフル炉
JP2015025548A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 Dowaサーモテック株式会社 反射断熱材および熱処理炉
KR20160120762A (ko) * 2014-02-12 2016-10-18 시로나 덴탈 시스템스 게엠베하 소결 재료로 이뤄지는 부품, 특히 치과 부품을 위한 소결로
JP2017067438A (ja) * 2016-12-08 2017-04-06 光洋サーモシステム株式会社 マッフル炉

Also Published As

Publication number Publication date
JP3018843B2 (ja) 2000-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5664396A (en) Vacuum insulation panel
US7027722B2 (en) Electric heater for a semiconductor processing apparatus
JP5195419B2 (ja) 熱処理炉
JPS63153388A (ja) 熱処理炉
JP3018843B2 (ja) 熱処理炉
US5323484A (en) Heating apparatus with multilayer insulating structure
JP3929239B2 (ja) 遠赤外線薄型ヒータおよび基板加熱炉
KR102678295B1 (ko) 진공유리 제조 장치 및 이를 이용한 진공유리 제조 방법
TW494220B (en) Furnace having inner wall surface with heating element
CN1351576A (zh) 玻璃板加热设备
JPH07296955A (ja) カーボンヒーター
JP2023082488A (ja) 加熱炉
JP2995049B1 (ja) 内熱式電気炉用遮熱板
JP2004150538A (ja) 断熱パネル及び加熱装置
JP2003269866A (ja) 誘導加熱式乾留炉
JPS6125596Y2 (ja)
JP2014009723A (ja) 断熱材及びこれを備えた加熱装置
CN216115385U (zh) 一种真空炉加热系统
JPH05279132A (ja) シート状物熱処理方法
JPH02192592A (ja) 真空熱処理炉
JP3843030B2 (ja) 高温焼成炉
KR930004357Y1 (ko) 노벽(爐壁)용 단열패널 조립체
JPH11190516A (ja) 高温熱処理炉の断熱壁及びその施工方法
KR101811785B1 (ko) 디스플레이 패널 열처리장치
JP3175251B2 (ja) 加熱炉

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees