JPH0742953Y2

JPH0742953Y2 - 倒立型フロントフォークを備えたバーハンドル型車両

Info

Publication number: JPH0742953Y2
Application number: JP1986204155U
Authority: JP
Inventors: 俊充朝倉
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 1986-12-26
Filing date: 1986-12-26
Publication date: 1995-10-04
Anticipated expiration: 2001-12-26
Also published as: JPS63105597U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、倒立型フロントフォークにディスクブレーキ
を配設した自動二輪車等のバーハンドル型車両に関す
る。

〔従来の技術〕

正立型フロントフォークは、例えば、特開昭60-222384
号公報に開示される如く、車体フレームの前部に回動可
能に設けたトップ及びボトムの両ブリッジの両側に一対
のインナチューブを固着し、該インナチューブにその下
方に配置した一対のアウタチューブを伸縮自在に嵌挿し
て形成されるもので、両アウタチューブの下端間に、前
輪を支承したフロントアクスルの両端が支持されてい
る。

そして、アウタチューブの下端後部に、アウタチューブ
と前輪との間に配設されたディスクロータの制動面に摩
擦係合して制動を行うキャリパを支持し、該キャリパに
接続されるブレーキ配管を、前記ディスクロータの制動
面より径方向外側のアウタチューブ内側を通してアウタ
チューブの前部に配管して、アウタチューブの上部前側
に備えた配管支持部に支持させて上方に指向せしめ、さ
らにボトム及びトップの両ブリッジに支持させている。

一方、倒立型フロントフォークは、車体フレームの前部
に回動可能に設けたトップ及びボトムの両ブリッジの両
側に一対のアウタチューブを固着し、該アウタチューブ
にその下方に配置した一対のインナチューブを伸縮自在
に嵌挿して形成されるもので、両インナチューブの下端
間に、前輪を支承したフロントアクスルの両端が支持さ
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

この倒立型フロントフォークは、正立型フロントフォー
クに比べ、クッションストロークが大きくとれる利点が
あるが、インナチューブが縮小作動するとアウタチュー
ブ内に挿入されるため、インナチューブにブレーキ配管
の支持部が設けられず、また、上記正立型フロントフォ
ークのブレーキ配管の如く、前記ディスクロータの制動
面より径方向外側のアウタチューブ内側、即ち、アウタ
チューブの略中間部内側を通してアウタチューブの前部
に配管すると、アウタチューブの下端がインナチューブ
の外径より突出しているため、インナチューブの伸縮作
動の際に、ブレーキ配管がアウタチューブの下端と干渉
する虞があるため、倒立型フロントフォークでは、その
下方のブレーキ配管を大きく迂回させている。

即ち、倒立型フロントフォークの下端に懸架した前輪に
ディスクブレーキを装着したものにあっては、インナチ
ューブの下端と前輪との間に配設した前輪と一体に回転
するディスクロータを制動するキャリパをインナチュー
ブの下端後部に支持し、該キャリパに接続されるブレー
キ配管を、インナチューブの外側面に沿って配設して、
インナチューブの一側に沿って上方へ指向させ、ブレー
キレバーに連結している。

したがって、ブレーキ配管の長さを長くする必要がある
と共に、ブレーキ配管に保護部材を被せている。

特に、キャリパが摺動ピンの案内により車体幅方向にス
ライドするピンスライド型のディスクブレーキでは、ホ
ースに脹らむ余裕を持たせるために更に長くする必要が
あった。

本考案は、かかる実情を背景にしてなされたもので、キ
ャリパやキャリパに接続されるブレーキ配管等のブレー
キ装置がディスクロータや前輪等の回転部材に干渉する
ことを避けて、ブレーキ配管を、必要最短長さで且つ確
実に取付けできる倒立型フロントフォークを備えたバー
ハンドル型車両を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上述の目的を達成するため、トップブリッジ
とボトムブリッジの両側に固着される一対のアウタチュ
ーブに、下方に配置されるインナチューブを夫々伸縮自
在に嵌挿した倒立型フロントフォークを備えたバーハン
ドル型車両において、前輪と一体回転するディスクロー
タを、その内周部を車幅方向内側に、外周部の制動面を
車幅方向外側に位置するよう屈曲形成し、前記インナチ
ューブの下部を、前記ディスクロータの反前輪側面の側
方まで延出し、該インナチューブの下端に、前輪を支承
したフロントアクスルを支持するロアブラケットを固着
し、該ロアブラケットの後部に、前記ディスクロータ外
周部の制動面に摩擦係合して制動を行うキャリパを支持
し、前記ロアブラケットのディスクロータの内周部に対
応する部分にガイド路を形成すると共に、前記ロアブラ
ケットの前側に配管支持部を備え、前記キャリパに接続
されるブレーキ配管を、前記ガイド路に挿通させて前記
配管支持部に支持させて上方に指向せしめたことを特徴
とするものである。

〔作用〕

したがって、ディスクロータの内周部が車幅方向内側に
屈曲形成されることにより、ストローク長が大きい倒立
型フロントフォークのインナチューブの長さを長くで
き、かつキャリパやキャリパに接続されるブレーキ配管
等のブレーキ装置がディスクロータや前輪等の回転部材
に干渉することを回避できる。

また、インナチューブ下端のロアブラケットの部分にお
いて、ブレーキ配管を、ディスクロータの制動面を巧み
に避けて、ロアブラケットとディスクロータの間の距離
を確保して、ロアブラケットのガイド路に通すことによ
り、ブレーキ配管は、アウタチューブの下端及びインナ
チューブと干渉せず、倒立型フロントフォークに堅固に
取付けることができる。

特に、キャリパが摺動ピンの案内により車体幅方向にス
ライドするピンスライド型のディスクブレーキの場合で
も、ブレーキ配管が、ロアブラケットのガイド路に支持
されるため、ブレーキ配管の撓みが極力防止される。

〔実施例〕

以下、本考案の各実施例を図面に基づいて説明する。

第１図乃至第４図は第１実施例を示し、オフロードタイ
プの自動二輪車１は、車体フレーム２の前部にバーハン
ドル３にて操向される倒立型フロントフォーク４の下端
に、フロントフェンダ５で覆われる前輪６が懸架され、
該フレーム２の後方上部に配設したリアフェンダ７の下
部には、スイングアーム８とリアサスペンション９とに
より、後輪10が懸架されている。

また、車体フレーム２の上部にはフューエルタンク11
が、その後部にはシート12がリアフェンダ７の上部に亙
って配置され、フューエルタンク11下部の車体フレーム
２の内部空間には、エンジン13が配置されて車体フレー
ム２に搭載されると共に、その前方にはラジエータ14が
配設されている。

前記倒立型フロントフォーク４は、車体フレーム２の前
部に固設したヘッドパイプ20に、ステアリングステム
（図示せず）を介して回動可能に支持されるトップブリ
ッジ21とボトムブリッジ22とに、一対のアウタチューブ
23,23を固着し、両チューブ23,23に夫々下方に配置した
インナチューブ24,24を伸縮自在に嵌挿して形成され
る。

また、両ブリッジ21,22の前部には、ゼッケンプレート2
5が装着され、トップブリッジ21の上部に突設したハン
ドルホルダ26にバーハンドル３が固着されると共に、ボ
トムブリッジ22下部の両アウタチューブ23,23間にフロ
ントフェンダ５が挾着されており、さらにインナチュー
ブ24,24の下端には、前輪６と共にピンスライド型のデ
ィスクブレーキ27が装着されている。

前記前輪６は、インナチューブ24,24の下端に固設した
ロアブラケット28,29間に両端を支持されて横架される
フロントアクスル30に軸支されるもので、前輪６と一方
のロアブラケット28の間には、該前輪６と一体に回転す
るディスクロータ31が配設される。このディスクロータ
31は、その外周部に制動面31aが形成され、制動面31aよ
りも内周部31bは、前輪６側に屈曲して位置し、前輪６
のハブ部に結合され、前輪６と一体回転する。即ち、デ
ィスクロータ31は、その内周部31bを車幅方向内側に、
外周部の制動面31aを車幅方向外側に位置するよう屈曲
形成され、一方のインナチューブ24の下部を、ディスク
ロータ31の反前輪側面の側方まで延出し、該インナチュ
ーブ24の下端に、ロアブラケット28を固着する。

また、ロアブラケット28の車体後部側には、ディスクロ
ータ31の制動面31aに摩擦係合して制動を行うディスク
ブレーキ27のキャリパ34が支持されている。即ち、ロア
ブラケット28の、車体後側に突設したキャリパブラケッ
ト32には、摺動ピン33,33の案内により、車体幅方向へ
スライドして前記ディスクロータ31を制動するキャリパ
34が設けられている。尚、本考案におけるキャリパ34
は、ピンスライド型のみに限定されることはなく、固定
されるものであってもよい。

前記キャリパ34とバーハンドル３に固設される液圧マス
タシリンダ35間には、ブレーキレバー36の握り操作によ
り発生した液圧マスタシリンダ35内の圧液をキャリパ34
へ供給するブレーキホース37が配管されている。

即ち、前記ゼッケンプレート25の前面、車体左側のアウ
タチューブ23の前側下端及びロアブラケット28の前側に
は、例えばハーネスからなる配管支持部38が夫々備えら
れ、また、前記ディスクロータ31の制動面31aより内周
部31bに対応するロアブラケット28の内側面には、ブレ
ーキホース37が配設嵌挿される溝状のガイド路39が形成
されている。

そして、端部に固着した連結リング40をユニオンボルト
41にてキャリパ34の液導入口に接続されたブレーキホー
ス37は、ロアブラケット28の内側を挿通して、ガイド路
39に嵌挿され、ロアブラケット28の前側の配管支持部38
に上方に指向するよう支持され、さらにアウタチューブ
23の前側下端の配管支持部28及びゼッケンプレート25の
前面の配管支持部38に支持されて液圧マスタシリンダ35
に接続される。

本実施例は以上のように、キャリパ34に接続されるブレ
ーキホース37を、ロアブラケット28の車体内側に形成し
たガイド路39に挿通させることにより、前輪６のハブ部
に結合されるディスクロータ31の内周部31bとロアブラ
ケット28の間に確保される隙間を通して、ディスクロー
タ31の制動面31aを巧みに避けて、ロアブラケット28と
ディスクロータ31の間の距離を確保して、ロアブラケッ
ト28の前側に設けた配管支持部38に上方に指向させて支
持したから、ブレーキホース37の余分な長さを排して必
要最短長さで接続でき、車体振動にも確実に保持できる
と共に、車体外部への露出が抑えられるので、制動時に
キャリパ34が車体幅方向に移動しても、ブレーキホース
37が車体外側に膨出することがなく、ブレーキ配管は、
アウタチューブ23の下端及びインナチューブ24と干渉せ
ず、倒立型フロントフォークに堅固に取付けることがで
きる。

第５図乃至第７図は、本考案の第２実施例を示すもの
で、キャリパ34と共に車体左側に設けられるロアブラケ
ット50のディスクロータ31の制動面31aより内周部31bに
対応する下端面には、車体内外側に斜め方向に貫通する
溝状のガイド路51が下部を開口して設けられており、フ
ロントフォーク上方から配設されるブレーキホース37
は、ロアブラケット50とディスクロータ31との空隙を通
って、内側前部の開口51aからガイド路51内に挿通さ
れ、外側後部の開口51bより導出してキャリパ34に接続
される。

また第８図及び第９図は第３実施例を示し、ロアブラケ
ット60のディスクロータ31の制動面31aより内周部31bに
対応する下端面には、孔状のガイド路61が穿設されてい
る。即ち、ロアブラケット60の下部前方でフロントアク
スル30を軸支する支持アーム60aの基部からロアブラケ
ット60の下端面に亙って、孔状のガイド路61が上下方向
に貫通形成され、上部開口61aからガイド路61に挿通し
たブレーキホース37を、下部開口61bより導出してキャ
リパ34に接続している。

尚、第２及び第３実施例も、上記第１実施例と同様の作
用効果を奏し、また、本考案のガイド路の形状は上記実
施例のみに限定するものでなく、キャリパの形状や取付
け位置等車種に合わせて適宜変更可能である。

〔考案の効果〕

本考案は、以上のように、前輪と一体回転するディスク
ロータを、その内周部を車幅方向内側に、外周部の制動
面を車幅方向外側に位置するよう屈曲形成し、トップブ
リッジとボトムブリッジの両側に固着される一対のアウ
タチューブに伸縮自在に嵌挿したインナチューブの下部
を、前記ディスクロータの反前輪側面の側方まで延出
し、該インナチューブの下端に、前輪を支承したフロン
トアクスルを支持するロアブラケットを固着し、該ロア
ブラケットの後部に、ディスクロータ外周部の制動面に
摩擦係合して制動を行うキャリパを支持し、前記内周部
に対応するロアブラケットにガイド路を形成すると共
に、前記ロアブラケットの前側に配管支持部を備え、前
記キャリパに接続されるブレーキ配管を、前記ガイド路
に挿通させて前記配管支持部に支持させて上方に指向せ
しめたので、ディスクロータの内周部が車幅方向内側に
屈曲形成されることにより、キャリパやキャリパに接続
されるブレーキ配管等のブレーキ装置がディスクロータ
や前輪等の回転部材に干渉することを回避できる。

また、インナチューブ下端のロアブラケットの部分にお
いて、ブレーキ配管を、ロアブラケットのガイド路に挿
通させることにより、前輪のハブ部に結合されるディス
クロータの内周部とのロアブラケットの間に確保される
隙間を通して、ディスクロータの制動面を巧みに避け
て、ロアブラケットとディスクロータの間の距離を確保
して、ロアブラケットの前側に設けた配管支持部に上方
に指向させて支持したから、ブレーキホースの余分な長
さを排して必要最短長さで接続でき、車体振動にも確実
に保持できると共に、車体外部への露出が抑えられるの
で、制動時にキャリパが車体幅方向に移動しても、ブレ
ーキホースが車体外側に膨出することがなく、ブレーキ
配管は、アウタチューブの下端及びインナチューブと干
渉せず、倒立型フロントフォークに堅固に取付けること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の第１実施例を示し、第１図
はオフロードタイプの自動二輪車の側面図、第２図は同
じく正面図、第３図は要部の正面図、第４図は第３図の
IV-IV断面図、第５図乃至第７図は第２実施例を示し、
第５図は要部正面図、第６図は第５図のVI-VI矢視図、
第７図は同じく第５図のVII-VII断面図、第８図及び第
９図は第３実施例を示し、第８図は要部正面図、第９図
は第８図のIX-IX矢視図である。１……自動二輪車、３……バーハンドル、４……倒立型
フロントフォーク、６……前輪、21……トップブリッ
ジ、22……ボトムブリッジ、23……アウタチューブ、24
……インナチューブ、27……ディスクブレーキ、28,29,
50,60……ロアブラケット、30……フロントアクスル、3
1……ディスクロータ、31a……制動面、31b……内周
部、32……キャリパブラケット、33……摺動ピン、34…
…キャリパ、35……液圧マスタシリンダ、36……ブレー
キレバー、37……ブレーキホース、39,51……溝状のガ
イド路、51a,51b……開口、61……孔状のガイド路、61
a,61b……開口

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】トップブリッジとボトムブリッジの両側に
固着される一対のアウタチューブに、下方に配置される
インナチューブを夫々伸縮自在に嵌挿した倒立型フロン
トフォークを備えたバーハンドル型車両において、前輪
と一体回転するディスクロータを、その内周部を車幅方
向内側に、外周部の制動面を車幅方向外側に位置するよ
う屈曲形成し、前記インナチューブの下部を、前記ディ
スクロータの反前輪側面の側方まで延出し、該インナチ
ューブの下端に、前輪を支承したフロントアクスルを支
持するロアブラケットを固着し、該ロアブラケットの後
部に、前記ディスクロータ外周部の制動面に摩擦係合し
て制動を行うキャリパを支持し、前記ロアブラケットの
ディスクロータの内周部に対応する部分にガイド路を形
成すると共に、前記ロアブラケットの前側に配管支持部
を備え、前記キャリパに接続されるブレーキ配管を、前
記ガイド路に挿通させて前記配管支持部に支持させて上
方に指向せしめたことを特徴とする倒立型フロントフォ
ークを備えたバーハンドル型車両。
【請求項２】前記ガイド路は、溝状に形成されているこ
とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の倒
立型フロントフォークを備えたバーハンドル型車両。
【請求項３】前記ガイド路は、孔状に形成されているこ
とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の倒
立型フロントフォークを備えたバーハンドル型車両。