JPH074294B2 - スライダ−保持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ファスナーチェーンにスライダーを取り付け
るために使用されるスライダー保持装置に関するもので
ある。

従来の技術 スライドファスナーの仕上加工あるいは被着物に対する
取付加工等に際してファスナーチェーンにスライダーを
取り付けるために使用されるスライダー保持装置は、特
公昭52−28057号公報および実公昭59−42905号公報等に
よって公知であり、これら公知の装置は、ファスナーチ
ェーンに取り付けようとするスライダーを自動的に保持
できるようになっている。

すなわち、特公昭52−28057号公報に記載の保持装置
は、スライダーホルダー本体の上端部において、上方に
開放する凹部を形成しており、前記ホルダーが上昇する
時に該凹部にスライダー引手を挿入することによってス
ライダーを保持するようにしたものである。

また、実公昭59−42905号公報に記載の保持装置は、ス
ライダーホルダー本体の上端部一側において、スライダ
ー供給部のシュートに向かって後方に開放する凹部を形
成しており、スライダー引手を前記シュートから前記本
体に対して容易に挿入し得るようにしたものである。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、一般的にスライダー引手はスライダー本
体に対して揺動自在に取り付けられており機械的な振動
等により振れ易くなっているため、前記特公昭52−2805
7号公報に記載の装置においては、前記ホルダー本体の
上昇時にスライダー引手が前記凹部に円滑に挿入されず
スライダーが脱落することがある。

また、前記実公昭59−42905号公報に記載の装置におい
ては、前記凹部に挿入されたスライダー引手は、自由に
振れ易い状態にあるため、前記ホルダー本体に取り付け
た保持レバーの係止爪が該引手の係止孔部に十分に係合
しないことがある。このため、ファスナーチェーンをス
ライダーに挿通する際に、スライダーが保持装置から外
れる恐れがある等の問題点がある。

故に、本発明は、容易且つ確実にスライダーを固定保持
できるとともに、構造が極めて簡単なスライダー保持装
置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本発明は、上述した目的を達成するため、上方および後
方に開放する引手挿入空間部（２）を形成しており、ス
ライダーシュート（Ｃ）から供給されたスライダー
（Ｓ）の前部を支持する前方支持部（４）を上端部に設
けたホルダー本体（１）と、前記前方支持部（４）に対
応する箇所に係止爪（７）を有し、前記ホルダー本体
（１）に揺動自在に取り付けられており、且つ、弾性部
材（９）によって、前記係止爪（７）が前記スライダー
（Ｓ）の引手（21）の孔部（21a）に係合する方向に常
時付勢されたクランパー（６）と、前記スライダーシュ
ート（Ｃ）側においてホルダー本体（１）に揺動可能に
取り付けられており、一端部に前記クランパー（６）を
揺動させるカム部（10e）を有し、他端部側に前記スラ
イダー（Ｓ）の後部を支持する後方支持部（13）を有す
るレバー（10）とから成り、前記レバー（10）が起立位
置に揺動した時、前記後方支持部（13）は前記前方支持
部（４）と共働して前記引手空間部（２）において前記
引手（21）を挟持するとともに、前記カム部（10e）は
前記係止爪（７）が前記孔部（21a）に係合する様に前
記クランパー（６）を揺動させる構成とした。

実施例 以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を説明する。

第１図及び第４図で示すように、本発明によるスライダ
ー保持装置は、スライダーシュート（Ｃ）から供給され
たスライダー（Ｓ）を固定保持するためのものであっ
て、スライダー本体（20）に設けた引手取付部（20a）
から垂下する引手（21）を導入できるようように対向離
隔した１対の上方壁部（1a,1a）に備えたホルダー本体
（１）を有する。このようにして、該ホルダー本体
（１）は上方および後方［前記シュート（Ｃ）方向］に
向かって開放した引手挿入空間部（２）を形成してい
る。前記壁部（1a,1a）間に延び該上方壁部（1a,1a）の
上端から突出するように設けられているのは、スライダ
ー（Ｓ）の前部を支持するための前方支持部（４）であ
る。該支持部（４）は、スライダー本体（20）の前部を
支持するため上端に形成された本体載置面（4a）と引手
（21）の前面と当接する引手支承面（4b）とを有する。
なお、（4c）は後述する係止爪（７）を貫入させるため
の中央孔であって、（4d）はスライダー（Ｓ）の引手取
付部（20a）の前部を収容する凹部である。

符号（６）で示すのは前記シュート（Ｃ）と反対側で前
記上方壁部（1a,1a）間に設けられたクランパーであっ
て、該クランパー（６）は、後方に突出する係止爪
（７）を前記前方支持部（４）に対応する箇所に有し、
略中間部が軸ピン（８）によって前記壁部（1a,1a）に
揺動可能に取り付けられている。また、前記クランパー
（６）の下端部とホルダー本体（１）との間には圧縮ば
ね等の弾性手段（９）が配設されており、前記クランパ
ー（６）は、前記係止爪（７）が前記前方支持部（４）
の中央孔（4c）に貫入する方向に常時付勢されている。

符号（10）は、一端部が軸ピン（11）によって前記壁部
（1a,1a）に軸支されたレバーである。該レバー（10）
は、前記軸ピン（11）から所定距離だけ離隔した箇所に
おいて、軸ピン（12）を介して昇降杆（15）に連結され
ている。該昇降杆（15）は、エアシリンダー（16）のピ
ストンロッド（16a）に連結されていて、前記壁部（1a,
1a）に沿って上下動可能となっている。このようにし
て、前記レバー（10）は、第１図および第２図で示す傾
倒位置と第３図で示す起立位置との間を揺動できるよう
になっている。

さらに、前記レバー（10）の前記一端部には、前記クラ
ンパー（６）の前記軸ピン（８）より上方に位置する部
分の後方側面と当接するカム部（10e）が設けられてい
る。該カム部（10e）は、前記レバー（10）が前記傾倒
位置にある時には前記係止爪（７）を第２図のように前
記中央孔（4c）内に退却させ、前記レバー（10）が前記
起立位置にある時には前記係止爪（７）を第３図のよう
に中央孔（4c）から突出させることができるようになっ
ている。また、スライダー（Ｓ）の後部を支持するた
め、レバー（10）の他端部側には、該レバー（10）が前
記起立位置にある時前記前方支持部（４）の本体載置面
（4a）と水平方向に隣接してスライダー本体（20）の後
部を支持するための本体載置面（10a）と、引手（21）
の後面と当接する引手支承面（10b）と、前記クランパ
ー（６）の係止爪（７）の先端を収容する溝部（10c）
と、引手取付部の後部を収容する凹部（10d）とから成
る後方支持部（13）が設けられている。

作用 次に、本発明による装置の作用を説明する。

先ず、スライダーシュート（Ｃ）から供給されたスライ
ダー（Ｓ）は、引手（21）がホルダー本体（１）の後方
から引手挿入空間部（２）に挿入されることにより、第
２図の位置に達して前部が前方支持部（４）によって支
持される。この時、レバー（10）は傾倒位置にあるた
め、クランパー（６）の係止爪（７）は、前方支持部
（４）の中央孔（4c）内に退却しており引手（21）の孔
部（21a）と係合していない。

次に、第３図のように、エアシリンダー（16）のピスト
ンロッド（16a）を伸長させて昇降杆（15）を上昇させ
ることによって、前記レバー（10）は、本体載置面（10
a）が前方支持部（４）の本体載置面（4a）と水平方向
に整列するまで、軸ピン（11）を中心として起立位置ま
で揺動する。この時、前記レバー（10）のカム部（10
e）がクランパー（６）に作用するため、該クランパー
（６）は弾性手段（９）の付勢力によって揺動し、前記
係止爪（７）が前記中央孔（4c）を貫通して引手（21）
の孔部（21a）と係合する。このようにして、レバー（1
0）が揺動して前記前方支持部（４）と前記後方支持部
（13）とが共働することにより、また、クランパー
（６）が揺動することにより、スライダー本体（20）は
本体載置面（4a,10a）によって支持され、引手（21）
は、係止爪（７）によって係止されると同時に、引手挿
入空間部（２）において引手支承面（4b,10b）間に挾持
される。その結果、スライダー（Ｓ）は、スライダー保
持装置に確実に固定保持されることとなり、第４図のよ
うにしてファスナーチェーン（Ｆ）を挿通することがで
きる。

第５図で示すのは本発明の変更例によるスライダー保持
装置であって、該装置は、２個のスライダー（S,S）を
同時に保持するため、第１図で説明した係止爪（７）を
有するクランパー（６）と、前方支持部（４）と、カム
部（10e）および後方支持部（13）を有するレバー（1
0）とを前後方向（図面における左右方向）に対称とな
るように１対ずつ設けたものである。

第６図は、第５図に示した保持装置を使用して２個のス
ライダー（S,S）に挿通したファスナーチェーン（Ｆ）
を示し、該ファスナーチェーン（Ｆ）はカバン等に取り
付けられるのに好適である。

発明の効果 以上、説明したように、本発明のスライダー保持装置
は、上方および後方に向かって開放した引手挿入空間部
を形成しており、スライダーシュートから供給されたス
ライダーの前部を支持する前方支持部を上端部に設けた
ホルダー本体と、このホルダー本体に揺動可能に取り付
けられており、係止爪がスライダー引手の孔部に係合す
る方向に常時付勢されたクランパーと、スライダーシュ
ート側で一端部が前記ホルダー本体に揺動可能に取り付
けられており、前記一端部に前記クランパーを揺動させ
るカム部を有し、他端部側に前記スライダーの後部を支
持する後方支持部を有するレバーとから成るものであ
る。

このような構成を有する装置においては、先ず、スライ
ダーの引手が前記引手挿入空間部に挿入されるようにス
ライダーが供給され、次に、前記レバーが起立位置に揺
動することによって、前記引手が前記引手挿入空間部内
において前記前方、後方支持部により挟持されると同時
に前記カム部を介して前記クランパーが揺動し前記係止
爪が前記引手の孔部に係合するようにしたものである。

その結果、前記スライダーは、ホルダー本体、クランパ
ー及びレバーにより容易且つ確実に固定保持され、ファ
スナーチェーンをスライダーに挿通する時にスライダー
が保持装置から脱落することがない。

また、前記引手挿入空間部はスライダーシュートに向か
って開放しているので、ホルダー本体に対するスライダ
ーの供給が確実となり、スライダーの固定保持作業を自
動化するのが容易となる。

さらに、本装置は、ホルダー本体、クランパー及びレバ
ーの３点部品より成るものであるので、部品点数が少な
く極めて簡単な構造とすることができるという効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明によるスライダー保持装置の一部切欠
斜視図、 第２図および第３図は、前記スライダー保持装置の動作
を示す断面図、 第４図は、前記保持装置によって保持されたスライダー
にファスナーチェーンを挿通する動作を示す平面図、 第５図は、本発明の変更例によるスライダー保持装置を
示す断面図、 第６図は、第５図の保持装置を使用してスライダーに挿
通したファスナーチェーンを示す平面図である。 （１）：ホルダー本体、（２）：引手挿入空間部、
（４）：前方支持部、（６）：クランパー、（７）：係
止爪、（９）：弾性手段、（10）：レバー、（13）：後
方支持部、（21）：引手、（Ｃ）：スライダーシュー
ト、（Ｓ）：スライダー、（10e）：カム部、（21a）：
孔部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上方および後方に開放する引手挿入空間部
   （２）を形成しており、スライダーシュート（Ｃ）から
   供給されたスライダー（Ｓ）の前部を支持する前方支持
   部（４）を上端部に設けたホルダー本体（１）と、 前記前方支持部（４）に対応する箇所に係止爪（７）を
   有し、前記ホルダー本体（１）に揺動自在に取り付けら
   れており、且つ、弾性部材（９）によって、前記係止爪
   （７）が前記スライダー（Ｓ）の引手（21）の孔部（21
   a）に係合する方向に常時付勢されたクランパー（６）
   と、 前記スライダーシュート（Ｃ）側においてホルダー本体
   （１）に揺動可能に取り付けられており、一端部に前記
   クランパー（６）を揺動させるカム部（10e）を有し、
   他端部側に前記スライダー（Ｓ）の後部を支持する後方
   支持部（13）を有するレバー（10）とから成り、 前記レバー（10）が起立位置に揺動した時、前記後方支
   持部（13）は前記前方支持部（４）と共働して前記引手
   空間部（２）において前記引手（21）を挟持するととも
   に、前記カム部（10e）は前記係止爪（７）が前記孔部
   （21a）に係合する様に前記クランパー（６）を揺動さ
   せることを特徴とするスライダー保持装置。