JPH0742777Y2 - ファイル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願は、綴片を一体に有する裏表紙の綴込部と、綴孔を
設けた表表紙の綴込部とを鞘体により挟圧して、比較的
薄い書類などを綴じるファイルに関する。

従来の技術 従来、裏表紙と表表紙とを折線を介して一体に連設する
と共に、裏表紙の前記折線位置寄りに、切り起こし可能
な一対の綴片を隔設し、また表表紙の前記折線位置寄り
に、綴片が挿通する一対の綴孔を穿設し、かつ、所要の
書類を綴り込んだのち、折線によって閉じた表表紙の綴
孔に綴片を挿通すると共に、これを表表紙の表面に折曲
し、この状態で前記綴片を含む綴込部を、鞘体により挟
圧して成るファイルは、例えば実開昭56-151186号公報
において公知である。

考案が解決しようとする課題 ところが、前記した従来のファイルによれば、表表紙と
裏表紙とを一体に連設する構成であるから、表表紙と裏
表紙とが単一の材料に限定され、従って例えば綴り込ん
だ書類の見開きが容易となるように、例えば柔軟な合成
樹脂板から成るときは、裏表紙の腰が弱くなって使用に
不便となり、また、裏表紙の腰を強くするために、比較
的厚い合成樹脂板或いは厚紙から成るときは、書類の見
開きに不便となると共に、コスト高になるという不都合
があった。また、書類などの綴込操作において、書類の
綴孔に挿通した綴片を、さらに表表紙の綴孔に挿通する
ときに、表表紙と裏表紙が連続しており、かつ、綴片と
綴孔とが接近しているので、綴孔に綴片を挿通しにくい
という欠陥を有するほか、鞘体を単に綴込部に係挿する
構成であるから、使用中に鞘体が上下方向に移動して取
り扱いを不便にする惧れがあった。

課題を解決するための手段 そこで本願は、前記した目的を達成するために、一側に
設けた綴込部に、上下方向に長い複数の綴片を一体に設
け、かつ、綴込部の適所に切線を介して遊離可能な係止
舌片を設けた裏表紙と、一側に設けた綴込部に前記綴片
を夫々挿通する複数の綴孔を設けた表表紙と、表片と裏
片と、これらの外側縁を閉じる背部とを有し、かつ、裏
片に、前記係止舌片の遊端縁と係止する係止孔を設け
て、前記表片と裏片の内側縁で前記表表紙と裏表紙との
綴込部を挟圧する鞘体とから構成したことを特徴とする
ものであり、上記において鞘体の上下方向の係止を確実
にするために、裏表紙の綴込部の上下位置に、上向きに
遊離する係止舌片と、下向きに遊離する係止舌片とを設
け、かつ、鞘体の裏片の上下位置に、前記係止舌片と夫
々係止する係止孔を設けて成るものである。

作用 しかして、使用の際は、裏表紙と表表紙と鞘体を分解し
た状態で、裏表紙の上下の起立した綴片に書類の綴孔を
挿通したのち、表表紙の綴孔に挿通して、裏表紙と表表
紙の間に書類を介在し、この状態で綴り込まれた端部
で、鞘体の表片と裏片を押し開きながら、裏表紙の綴込
部と表表紙の綴込部とを表片と裏片との間に、上下方向
から係挿するものであり、この場合、綴片を予め表表紙
の表面に折曲しておくことにより、綴片は表片と裏片の
間に容易に介入する。この状態で裏表紙と書類と表表紙
との綴り込まれた重合部は、表片と裏片との内側縁によ
り強力に挟圧され、かつ、側方向への抜止めは、表片の
機内側縁が綴片の側縁に、かつ、上下方向への抜止め
は、係止孔が係止舌片の遊端縁と係止することにより行
われる。

実施例 以下本願の実施例を図面にもとづいて詳述すると、
（１）は一側に、ヒンジ部（２）を介して所要幅の綴込
部（３）を連設すると共に、該綴込部（３）の中間位置
に、切り起こし可能に、上下方向に長い上下一対の綴片
（４），（４）を一体に隔設し、また、前記綴込部
（３）の適所に、好ましくは綴込部（３）の上下位置
に、上向きに遊離された係止舌片（５）ａと下向きに遊
離された係止舌片（５）ｂとが、コ字状の切線（６）に
より設けた例えばポリプロピレンなどの合成樹脂から成
る分厚い例えば黒色の裏表紙、（７）は一側に、ヒンジ
部（８）を介して所要幅の綴込部（９）を連設すると共
に、該綴込部（９）の中間位置に、前記綴片（４）を挿
通する一対の綴孔（10）を穿設した例えばポリプロピレ
ンなどの合成樹脂から成る薄い柔軟な例えば透明の表表
紙、（11）は前記裏表紙（１）と表表紙（７）の綴込部
（３），（９）を上下方向から係挿して挟圧する長尺な
透明の合成樹脂の鞘体で、幅方向に湾曲する表片（12）
と、水平状の裏片（13）と、これらの外側縁同士を閉じ
る背部（14）とから成り、前記表片（12）には、その内
側縁（12）ａに沿って折返し状に突出する爪片（15）
が、また、裏片（13）には、背部（14）と所要の間隔
（16）をおいて平行する受片（17）と、内側縁（13）ａ
に内向きに膨出する突条（18）とが夫々形成してあり、
さらに裏片（13）の上下位置には、第4,5図で示すよう
に、前記係止舌片（15）a,（15）ｂの遊端縁と夫々係止
する係止孔（19）a,（19）ｂが設けてある。（20）は綴
り込まれる書類、（21）は表片（12）の内面と前記間隔
（16）に沿って介挿する見出片、（22）は切線である。

しかして、使用の際は、裏表紙（１）と表表紙（７）と
鞘体（11）を分解した状態で、裏表紙（１）の上下の起
立した綴片（４），（４）に書類（20）の綴孔を挿通し
たのち、表表紙（７）の綴孔（10）に挿通して、裏表紙
（１）と表表紙（７）の間に書類（20）を介在し、この
状態で綴りこまれた端部を、例えば鞘体（11）の端縁位
置で表片（12）と裏片（13）を押し開きながら裏表紙
（１）の綴込部（３）と、表表紙（７）の綴込部（９）
とを表片（12）と裏片（13）との間に係挿し、次いで摺
動しながら裏表紙（１）の綴込部（３）と表表紙（７）
の綴込部（９）の全体を表片（12）と裏片（13）との間
に介挿するものであり、この場合、綴片（４）を予め表
表紙（７）の表面に折曲しておくことにより、綴片
（４）は表片（12）と裏片（13）の間に容易に介入す
る。この状態で、第２図仮想線で示すように、裏表紙
（１）の綴込部（３）と書類（20）と表表紙（７）の綴
込部（９）との綴り込まれた重合部は、鞘体（11）内に
正しく介入した状態で、係止舌片（５）a,（５）ｂを背
面側に押圧して、係止孔（19）a,（19）ｂ内に介入す
る。

すると、綴り込まれた重合部は爪片（15）と突条（18）
とにより強力に挟圧されると共に、第５図で示すように
係止舌片（５）ａと（５）ｂの各遊端縁が、係止孔（1
9）ａの上縁と係止孔（19）ｂの下縁とに夫々係止し
て、鞘体（11）の上下方の抜脱は防止され、かつ、爪片
（15）が綴片（４）の側縁と係止することにより鞘体
（11）の側方への抜脱も防止される。次に前記挟圧状態
から鞘体（11）を抜脱するときは、いずれか一方の係止
舌片（５）ａ乃至（５）ｂを指圧して一方の係止孔と遊
端縁との係止を外した状態で鞘体（11）を上方または下
方に引き抜くことにより行われる。なお、表片（12）の
内面及びその背部（14）と受片（17）との間に見出片
（21）を挿入して、これを表片（12）を介して透視する
ものである。

考案の効果 本願は叙上のように、表表紙と裏表紙とを分離した構成
であるから、夫々の機能に適した材料を自由に選択でき
て、機能のき優れた製品が提供できると共に、表表紙の
綴孔に対する綴片の挿通操作も簡単に行うことができる
ほか、係止舌片と係止孔との係止により使用中に鞘体が
上方または下方に乱りに移動する惧れはなく、かつ、表
片の内側縁が綴片の側縁に、係止するので、鞘体の側方
への脱出も防止できて取り扱いに便利であり、また請求
項２に記載した構成とするときは、上下方向に移動を同
時に防止できるなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示すもので、第１図は一部切欠し
た総体平面図、第２図は一部省略した拡大縦断面図、第
３図は分解斜視図、第４図は中間を省略した綴込状態を
示す拡大底面図、第５図は中間を省略した拡大縦断側面
図である。 図中、（１）は裏表紙、（３），（９）は綴込部、
（４）は綴片、（５）a,（５）ｂは係止舌片、（６）は
切線、（７）は表表紙、（10）は綴孔、（11）は鞘体、
（12）は表片、（12）a,（13）ａは内側縁、（13）は裏
片、（14）は背部、（19）a,（19）ｂは係止孔である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一側に設けた綴込部に、上下方向に長い複
   数の綴片を一体に設け、かつ、綴込部の適所に切線を介
   して遊離可能な係止舌片を設けた裏表紙と、一側に設け
   た綴込部に前記綴片を夫々挿通する複数の綴孔を設けた
   表表紙と、表片と裏片と、これらの外側縁を閉じる背部
   とを有し、かつ、裏片に、前記係止舌片の遊端縁と係止
   する係止孔を設けて、前記表片と裏片の内側縁で前記表
   表紙と裏表紙との綴込部を挟圧する鞘体とから構成した
   ことを特徴とするファイル。
2. 【請求項２】裏表紙の綴込部の上下位置に、上向きに遊
   離する係止舌片と、下向きに遊離する係止舌片とを設
   け、かつ、鞘体の裏片の上下位置に、前記係止舌片と夫
   々係止する係止孔を設けて成る請求項１記載のファイ
   ル。