JPH074270B2 - モノクローナル抗体 - Google Patents
モノクローナル抗体Info
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- JPH074270B2 JPH074270B2 JP61146252A JP14625286A JPH074270B2 JP H074270 B2 JPH074270 B2 JP H074270B2 JP 61146252 A JP61146252 A JP 61146252A JP 14625286 A JP14625286 A JP 14625286A JP H074270 B2 JPH074270 B2 JP H074270B2
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- plasmin
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Description
【発明の詳細な説明】 a. 産業上の利用分野 本発明はヒトプラスミノーゲン(Plasminogen)に対す
るモノクローナル抗体、特にプラスミン(Plasmin)に
は結合せず、プラスミノーゲンに対して特異的に結合す
るモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマ細胞及び該モノクローナル抗体の製造
方法に関するものである。
るモノクローナル抗体、特にプラスミン(Plasmin)に
は結合せず、プラスミノーゲンに対して特異的に結合す
るモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマ細胞及び該モノクローナル抗体の製造
方法に関するものである。
b. 従来技術 プラスミノーゲン(Plasminogen)は、血漿中の唯一の
消化性プロテアーゼ前駆体であり、その活性型のプラス
ミンは、主に凝固反応の結果生じるフイブリン塊に作用
して、それを溶解する。この現象は線維素溶解(線溶)
と呼ばれ、プラスミンはその線溶機構に関与する主因子
である。
消化性プロテアーゼ前駆体であり、その活性型のプラス
ミンは、主に凝固反応の結果生じるフイブリン塊に作用
して、それを溶解する。この現象は線維素溶解(線溶)
と呼ばれ、プラスミンはその線溶機構に関与する主因子
である。
プラスミノーゲンは、肝で合成されるが、その血中含量
は150〜200μg/mlと非常に高いことが知られている。精
製はLys−セフアロースカラムによるアフイニテイクロ
マトグラフイー及びDEAEイオン交換カラムクロマトグラ
フイーの2段階の操作でほぼ定量的に単一成分として分
離することができる。ヒトプラスミノーゲンは、総アミ
ノ酸約800残基からなる、分子量90,000〜94,000の1本
鎖の糖タンパク質である。また、ヒトプラスミノーゲン
には、NH2末端にグルタミン酸残基を有するGlu−プラス
ミノーゲンとリジン残基を有するLys−プラスミノーゲ
ンが知られているが、前者がintactなプラスミノーゲン
であり、後者はプラスミノーゲンの活性化の際にプラス
ミンによつてGlu−プラスミノーゲンのNH2末端領域にあ
るLys−Lys結合が切断されて生成したものである。従つ
て、Lys−プラスミノーゲンの分子量はintactのものよ
り8,000ほど小さい。
は150〜200μg/mlと非常に高いことが知られている。精
製はLys−セフアロースカラムによるアフイニテイクロ
マトグラフイー及びDEAEイオン交換カラムクロマトグラ
フイーの2段階の操作でほぼ定量的に単一成分として分
離することができる。ヒトプラスミノーゲンは、総アミ
ノ酸約800残基からなる、分子量90,000〜94,000の1本
鎖の糖タンパク質である。また、ヒトプラスミノーゲン
には、NH2末端にグルタミン酸残基を有するGlu−プラス
ミノーゲンとリジン残基を有するLys−プラスミノーゲ
ンが知られているが、前者がintactなプラスミノーゲン
であり、後者はプラスミノーゲンの活性化の際にプラス
ミンによつてGlu−プラスミノーゲンのNH2末端領域にあ
るLys−Lys結合が切断されて生成したものである。従つ
て、Lys−プラスミノーゲンの分子量はintactのものよ
り8,000ほど小さい。
一方、プラスミノーゲンはウロキナーゼや種々の細胞
(メラノーマ,血管内皮細胞など)の分泌する組織アク
チベーターにより560番目のArgと561番目のValの結合、
すなわちArg−Valが切断され、2本鎖のプラスミンに変
換する。
(メラノーマ,血管内皮細胞など)の分泌する組織アク
チベーターにより560番目のArgと561番目のValの結合、
すなわちArg−Valが切断され、2本鎖のプラスミンに変
換する。
このプラスミンは2本鎖からなり、NH2末端側が分子量
の大きいH鎖であり、COOH末端側がL鎖である。H−L
鎖間のS−S結合は2カ所存在する。酵素活性に重要な
働きをしている部位はL鎖に存在する。H鎖には糖類の
ほか、アミノ酸配列の上で相互に酷似するドメイン(そ
れぞれ約80残基)が5つ存在する。これらのドメイン
は、一般にKringleと呼ばれ、約34%の相同配列が各ド
メイン間に見出されている。これらKringle領域はフイ
ブリンやα2−プラスミンインヒビターとの相互作用部
位としての機能を果しており、中でもリジン結合部位
(LBS)は重要である。ε−アミノカプロン酸は、このL
BSに反応し、高次構造を変化させ、フイブリンやα2−
プラスミンインヒビターとの作用に影響を及ぼすことが
知られている(E.Suenson & S.Thorsen:Biochem.J.,19
7,619−628(1981)参照)。
の大きいH鎖であり、COOH末端側がL鎖である。H−L
鎖間のS−S結合は2カ所存在する。酵素活性に重要な
働きをしている部位はL鎖に存在する。H鎖には糖類の
ほか、アミノ酸配列の上で相互に酷似するドメイン(そ
れぞれ約80残基)が5つ存在する。これらのドメイン
は、一般にKringleと呼ばれ、約34%の相同配列が各ド
メイン間に見出されている。これらKringle領域はフイ
ブリンやα2−プラスミンインヒビターとの相互作用部
位としての機能を果しており、中でもリジン結合部位
(LBS)は重要である。ε−アミノカプロン酸は、このL
BSに反応し、高次構造を変化させ、フイブリンやα2−
プラスミンインヒビターとの作用に影響を及ぼすことが
知られている(E.Suenson & S.Thorsen:Biochem.J.,19
7,619−628(1981)参照)。
従つて、プラスミノーゲン,プラスミンを抗原として選
択的に認識するモノクローナル抗体を提供できれば、こ
れを使用することによつて線溶糸を生化学的,生理学的
により一層広く研究することができるので、非常に興味
あることである。
択的に認識するモノクローナル抗体を提供できれば、こ
れを使用することによつて線溶糸を生化学的,生理学的
により一層広く研究することができるので、非常に興味
あることである。
例えば、ヒト血液中のプラスミノーゲン量を特異的に、
モノクローナル抗体を用いて測定できれば、生体内の凝
固線溶の状態把握,血栓症,汎発生静脈血栓症(DIC)
等の病状の診断に有効であると考えられる。また、プラ
スミノーゲンのタンパク分子異常等の解析などタンパク
生化学的な面からも、非常に興味あることである。
モノクローナル抗体を用いて測定できれば、生体内の凝
固線溶の状態把握,血栓症,汎発生静脈血栓症(DIC)
等の病状の診断に有効であると考えられる。また、プラ
スミノーゲンのタンパク分子異常等の解析などタンパク
生化学的な面からも、非常に興味あることである。
c. 本発明の構成 本発明者の研究によれば、ヒトプラスミノーゲンに対す
るモノクローナル抗体、特にヒトプラスミンには全く結
合せず、ヒトプラスミノーゲンを抗原として選択的に結
合する性質を有する高度に特異的なモノクローナル抗体
(monoclonal antibodies)、それらを分泌するハイブ
リドーマ細胞(hybridoma cell)および該モノクローナ
ル抗体の製造方法が提供される。
るモノクローナル抗体、特にヒトプラスミンには全く結
合せず、ヒトプラスミノーゲンを抗原として選択的に結
合する性質を有する高度に特異的なモノクローナル抗体
(monoclonal antibodies)、それらを分泌するハイブ
リドーマ細胞(hybridoma cell)および該モノクローナ
ル抗体の製造方法が提供される。
本発明のハイブリドーマ細胞は、ケーラーとミルシユタ
インの方法〔Khler & Milstein,Nature 256,495−4
97,(1975)〕としてそれ自体知られた手法によつて産
生される。すなわち、ヒトプラスミノーゲンでマウスを
免疫した後、このマウスの脾臓細胞を取り出しこれとマ
ウスミエローマ細胞とを融合させ、得られた目的とする
ハイブリドーマ細胞はマイクロタイターブレート(micr
otiter plates)に固定されたヒトプラスミノーゲンと
反応する抗体に対し、系統的に検査し選択される。
インの方法〔Khler & Milstein,Nature 256,495−4
97,(1975)〕としてそれ自体知られた手法によつて産
生される。すなわち、ヒトプラスミノーゲンでマウスを
免疫した後、このマウスの脾臓細胞を取り出しこれとマ
ウスミエローマ細胞とを融合させ、得られた目的とする
ハイブリドーマ細胞はマイクロタイターブレート(micr
otiter plates)に固定されたヒトプラスミノーゲンと
反応する抗体に対し、系統的に検査し選択される。
このようにして、ヒトプラスミノーゲンに対する抗体を
合成し、分泌するハイブリドーマ細胞を選別する。得ら
れたハイブリドーマ細胞の培養上清中に分泌されたヒト
プラスミノーゲンに対する抗体は、Immuno−Blotting法
を用いて、プラスミン,プラスミン−α2−プラスミン
インヒビター複合体そしてプラスミン−α2−マクログ
ロブリン複合体との反応性について検査を行なう。その
結果、ヒトプラスミンには全く反応性,結合性を示さ
ず、ヒトプラスミノーゲンに対して選択的,特異的に反
応し結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマ細胞が単離された。
合成し、分泌するハイブリドーマ細胞を選別する。得ら
れたハイブリドーマ細胞の培養上清中に分泌されたヒト
プラスミノーゲンに対する抗体は、Immuno−Blotting法
を用いて、プラスミン,プラスミン−α2−プラスミン
インヒビター複合体そしてプラスミン−α2−マクログ
ロブリン複合体との反応性について検査を行なう。その
結果、ヒトプラスミンには全く反応性,結合性を示さ
ず、ヒトプラスミノーゲンに対して選択的,特異的に反
応し結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマ細胞が単離された。
本発明のモノクローナル抗体は、かかるハイブリドーマ
細胞が産生する産生物から分離することによつて得られ
る。
細胞が産生する産生物から分離することによつて得られ
る。
かくして得られたモノクローナル抗体はヒトプラスミノ
ーゲンとプラスミンを区別して認識し、特異的にヒトプ
ラスミノーゲンに結合する。
ーゲンとプラスミンを区別して認識し、特異的にヒトプ
ラスミノーゲンに結合する。
次に本発明のハイブリドーマ細胞を産生する具体的方法
について詳細に説明する。
について詳細に説明する。
A. 抗原の単離,精製 抗原に用いるヒトプラスミノーゲンはウオーレンとウイ
ーマン(Walln & Wiman)の方法に従い、Lysine Sep
haroseカラムクロマト及びDEAE Sephadexカラムクロマ
トによりヒト血漿中より単離,精製された。
ーマン(Walln & Wiman)の方法に従い、Lysine Sep
haroseカラムクロマト及びDEAE Sephadexカラムクロマ
トによりヒト血漿中より単離,精製された。
B. ヒトプラスミノーゲンによるマウスの免疫 雄Balb/cマウスを用いるが、他の系(strains)のマウ
スを使用することもできる。その際、免疫計画及びヒト
プラスミノーゲンの濃度は十分な量の抗原刺激を受けた
リンパ球が形成されるよう選ばれるべきである。例えば
マウスに少量のプラスミノーゲンで或る間隔で腹腔に数
回免疫の後、さらに数回静脈に投与した。最終免疫の数
日後に融合の為に脾臓細胞を取り出す。
スを使用することもできる。その際、免疫計画及びヒト
プラスミノーゲンの濃度は十分な量の抗原刺激を受けた
リンパ球が形成されるよう選ばれるべきである。例えば
マウスに少量のプラスミノーゲンで或る間隔で腹腔に数
回免疫の後、さらに数回静脈に投与した。最終免疫の数
日後に融合の為に脾臓細胞を取り出す。
C. 細胞融合; 脾臓を無菌的に取り出し、それから単細胞懸濁液を調製
する。それらの脾臓細胞を適当なラインからのマウス骨
髄腫細胞と適当な融合促進剤の使用により細胞融合させ
る。脾臓細胞対骨髄腫細胞の好ましい比率は約20:1〜約
2:1の範囲である。約108個の脾臓細胞について0.5〜1.5
mlの融合媒体の使用が適当である。
する。それらの脾臓細胞を適当なラインからのマウス骨
髄腫細胞と適当な融合促進剤の使用により細胞融合させ
る。脾臓細胞対骨髄腫細胞の好ましい比率は約20:1〜約
2:1の範囲である。約108個の脾臓細胞について0.5〜1.5
mlの融合媒体の使用が適当である。
細胞融合に用いる骨髄腫細胞は多く知られているが、本
発明ではP3−X63−Ag8−U1細胞(以下P3−U1と略記す
る)〔Yelton,D.E.et al.,Current Topics in Microbio
logy and Immunology,81,1(1978)参照〕を用いた。こ
れは、8−アザグアニン耐性の細胞ラインであり、酵素
ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフエ
ラーゼ(hypoxanthine-guanine phosphoribosyl transf
erase)が欠失しており、それゆえにHAT(ヒポキサンチ
ン,アミノプテリン,チミジン)培地中では生存しな
い。また、この細胞ラインは、それ自体抗体を分泌しな
い、いわゆる非分泌型である。
発明ではP3−X63−Ag8−U1細胞(以下P3−U1と略記す
る)〔Yelton,D.E.et al.,Current Topics in Microbio
logy and Immunology,81,1(1978)参照〕を用いた。こ
れは、8−アザグアニン耐性の細胞ラインであり、酵素
ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフエ
ラーゼ(hypoxanthine-guanine phosphoribosyl transf
erase)が欠失しており、それゆえにHAT(ヒポキサンチ
ン,アミノプテリン,チミジン)培地中では生存しな
い。また、この細胞ラインは、それ自体抗体を分泌しな
い、いわゆる非分泌型である。
好ましい融合促進剤としては例えば平均分子量が1,000
〜4,000のポリエチレングリコールを有利に使用できる
が、この分野で知られている他の融合促進剤を使用する
こともできる。本発明の実施例では平均分子量1,540の
ポリエチレングリコールを用いた。
〜4,000のポリエチレングリコールを有利に使用できる
が、この分野で知られている他の融合促進剤を使用する
こともできる。本発明の実施例では平均分子量1,540の
ポリエチレングリコールを用いた。
D. 融合した細胞の選択; 別の容器内(例えばマイクロタイタープレート)で未融
合の脾臓細胞,未融合の骨髄腫細胞および融合した細胞
の混合物を、未融合の骨髄腫細胞を支持しない選択培地
で希釈し、未融合の細胞を死滅させるのに十分な時間
(約1週間)培養する。培地は薬物抵抗性(例えば8−
アザグアニン抵抗性)で未融合の骨髄腫細胞を支持しな
いもの(例えば前記HAT培地)が使用される。この選択
培地中では未融合の骨髄腫細胞は死滅する。この未融合
の脾臓細胞は非腫瘍性細胞なのである一定期間後(約1
週間後)死滅する。これらに対して融合した細胞は骨髄
腫の親細胞の腫瘍性と親脾臓細胞の性質をあわせ持つた
めに選択培地中で生存できる。
合の脾臓細胞,未融合の骨髄腫細胞および融合した細胞
の混合物を、未融合の骨髄腫細胞を支持しない選択培地
で希釈し、未融合の細胞を死滅させるのに十分な時間
(約1週間)培養する。培地は薬物抵抗性(例えば8−
アザグアニン抵抗性)で未融合の骨髄腫細胞を支持しな
いもの(例えば前記HAT培地)が使用される。この選択
培地中では未融合の骨髄腫細胞は死滅する。この未融合
の脾臓細胞は非腫瘍性細胞なのである一定期間後(約1
週間後)死滅する。これらに対して融合した細胞は骨髄
腫の親細胞の腫瘍性と親脾臓細胞の性質をあわせ持つた
めに選択培地中で生存できる。
E. 各容器中のヒトプラスミノーゲンに対する抗体の確
認; かくしてハイブリドーマ細胞が検出された後、その培養
上清を採取し、ヒトプラスミノーゲンに対する抗体につ
いて酵素免疫定量法(Enzyme Linked Immuno Sorbent A
ssay)によりスクリーニングする。
認; かくしてハイブリドーマ細胞が検出された後、その培養
上清を採取し、ヒトプラスミノーゲンに対する抗体につ
いて酵素免疫定量法(Enzyme Linked Immuno Sorbent A
ssay)によりスクリーニングする。
F. ヒトプラスミンには結合せず、ヒトプラスミノーゲ
ンに対して特異的に結合する抗体を産生するハイブリド
ーマ細胞の選択; ヒトプラスミン,プラスミン−α2−プラスミンインヒ
ビター複合体,プラスミン−α2−マクログロブリン複
合体及びプラスミノーゲンをSDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動後、ニトロセルロース膜に電気的に移行
(Blotting)し、前項Eでスクリーニングし、得られた
ハイブリドーマ細胞の培養上清と反応させた。抗原タン
パクと結合した抗体の検出は酵素標識化した抗マウスIg
抗体を用いた。このようにして、ヒトプラスミンとプラ
スミノーゲンを選択的に認識し、プラスミノーゲンに対
して特異的に結合する抗体を産生するハイブリドーマ細
胞を選択する。
ンに対して特異的に結合する抗体を産生するハイブリド
ーマ細胞の選択; ヒトプラスミン,プラスミン−α2−プラスミンインヒ
ビター複合体,プラスミン−α2−マクログロブリン複
合体及びプラスミノーゲンをSDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動後、ニトロセルロース膜に電気的に移行
(Blotting)し、前項Eでスクリーニングし、得られた
ハイブリドーマ細胞の培養上清と反応させた。抗原タン
パクと結合した抗体の検出は酵素標識化した抗マウスIg
抗体を用いた。このようにして、ヒトプラスミンとプラ
スミノーゲンを選択的に認識し、プラスミノーゲンに対
して特異的に結合する抗体を産生するハイブリドーマ細
胞を選択する。
G. 目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞のクロー
ン化; 目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を適当な方法
(例えば限定希釈法)でクローン化すると、抗体は2つ
の異なつた方法で産生される。その第1の方法によれば
ハイブリドーマ細胞を一定時間適当な培地で培養するこ
とにより、その培養上清からそのハイブリドーマ細胞の
産生するモノクローナル抗体を得ることができる。第2
の方法によればハイブリドーマ細胞は同質遺伝子又は半
同質遺伝子を持つマウスの腹腔に注射することができ
る。一定時間後の宿主動物の血液中及び腹水中より、そ
のハイブリドーマ細胞の産生するモノクローナル抗体を
得ることができる。
ン化; 目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を適当な方法
(例えば限定希釈法)でクローン化すると、抗体は2つ
の異なつた方法で産生される。その第1の方法によれば
ハイブリドーマ細胞を一定時間適当な培地で培養するこ
とにより、その培養上清からそのハイブリドーマ細胞の
産生するモノクローナル抗体を得ることができる。第2
の方法によればハイブリドーマ細胞は同質遺伝子又は半
同質遺伝子を持つマウスの腹腔に注射することができ
る。一定時間後の宿主動物の血液中及び腹水中より、そ
のハイブリドーマ細胞の産生するモノクローナル抗体を
得ることができる。
以下実施例を掲げ本発明を詳細に説明する。
実施例1 (1) ヒトプラスミノーゲンの調製 リジン−セフアロースとDEAE−Sephadexによりヒト血漿
200mlからヒトプラスミノーゲン14mgを得た。
200mlからヒトプラスミノーゲン14mgを得た。
(2) マウスの免疫 雄のBalb/cマウスをヒトプラスミノーゲン100μgと完
全なフロイントのアジユバント(Complete Freund′s a
djuvant)とのエマルジョン(emulsion)で14日間の間
隔をおいて2回腹腔に免疫した。さらに7日後にヒトプ
ラスミノーゲン50μgを生理食塩水とともに静脈に追加
投与した。最終免疫の4日後にその脾臓細胞を細胞融合
のために用いた。
全なフロイントのアジユバント(Complete Freund′s a
djuvant)とのエマルジョン(emulsion)で14日間の間
隔をおいて2回腹腔に免疫した。さらに7日後にヒトプ
ラスミノーゲン50μgを生理食塩水とともに静脈に追加
投与した。最終免疫の4日後にその脾臓細胞を細胞融合
のために用いた。
(3) 脾臓細胞の懸濁液の調製 脾臓を無菌的に取り出し、ステンレス製メツシユを通過
させることにより単細胞懸濁液が得られた。細胞をL−
グルタミン0.39g/,硫酸カナマイシン0.2g/及びNaH
CO32.0g/を補充したRPMI−1640培地(GIBCO製)に移
した。増殖した細胞をRPMI−1640で3回洗浄しRPMI−16
40培地に再懸濁させた。
させることにより単細胞懸濁液が得られた。細胞をL−
グルタミン0.39g/,硫酸カナマイシン0.2g/及びNaH
CO32.0g/を補充したRPMI−1640培地(GIBCO製)に移
した。増殖した細胞をRPMI−1640で3回洗浄しRPMI−16
40培地に再懸濁させた。
(4) 骨髄腫細胞の調製 マウス骨髄腫細胞P3−U1は、L−グルタミン0.39g/,
硫酸カナマイシン0.2g/,NaHCO32.0g/及び10%のウ
シ胎児血清で補充されたRPMI−1640培地(10%FCS−RPM
I−1640と略記する)中で培養した。骨髄腫細胞は細胞
融合の時点に細胞分裂の対数期にあつた。
硫酸カナマイシン0.2g/,NaHCO32.0g/及び10%のウ
シ胎児血清で補充されたRPMI−1640培地(10%FCS−RPM
I−1640と略記する)中で培養した。骨髄腫細胞は細胞
融合の時点に細胞分裂の対数期にあつた。
(5) 細胞融合 脾臓細胞と骨髄腫細胞とを7:1の比率で無血清RPMI−164
0培地中に懸濁し、5分間約200gで遠心分離した。上清
液培地を除去した御、沈降物を平均分子量1,540の50%
ポリエチレグリコール溶液(pH8.2)1mlと共に2分間37
℃でインキユベーシヨンした。次いで無血清RPMI−1640
培地9mlを加え、細胞を5分間注意深く再懸濁した。次
いでこの懸濁液を5分間約200gで遠心分離し、その後8
×108細胞/mlの濃度が得られるように10%FCS−RMPI−1
640培地に再懸濁し、次いで96マイクロウエルプレート
上に分配した(ウエル1個につき約100μ)。この融
合細胞は37℃において5%CO2を使用して培養した。
0培地中に懸濁し、5分間約200gで遠心分離した。上清
液培地を除去した御、沈降物を平均分子量1,540の50%
ポリエチレグリコール溶液(pH8.2)1mlと共に2分間37
℃でインキユベーシヨンした。次いで無血清RPMI−1640
培地9mlを加え、細胞を5分間注意深く再懸濁した。次
いでこの懸濁液を5分間約200gで遠心分離し、その後8
×108細胞/mlの濃度が得られるように10%FCS−RMPI−1
640培地に再懸濁し、次いで96マイクロウエルプレート
上に分配した(ウエル1個につき約100μ)。この融
合細胞は37℃において5%CO2を使用して培養した。
(6) ヒトプラスミノーゲンに対する抗体産生ハイブ
リドーマ細胞の選択及び培養 細胞融合の1日後にHAT培地をウエル1個につき100μ
加えた。以後2日間隔で半分量の培地を新たなHAT培地
と交換して培養した。8日後、ハイブリドーマ細胞の培
養上清液中に含まれる抗体について酵素免疫定量法によ
りスクリーニングをおこなつた。スクリーニングに用い
られた抗原はヒトプラスミノーゲン、第2抗体はアルリ
フオスフアターゼ(alkali phosphatase)標識付のヤギ
抗マウス抗体であつた。
リドーマ細胞の選択及び培養 細胞融合の1日後にHAT培地をウエル1個につき100μ
加えた。以後2日間隔で半分量の培地を新たなHAT培地
と交換して培養した。8日後、ハイブリドーマ細胞の培
養上清液中に含まれる抗体について酵素免疫定量法によ
りスクリーニングをおこなつた。スクリーニングに用い
られた抗原はヒトプラスミノーゲン、第2抗体はアルリ
フオスフアターゼ(alkali phosphatase)標識付のヤギ
抗マウス抗体であつた。
総数464個のウエルの全てが酵素免疫定量法により陽性
であり、ヒトプラスミノーゲンに対する抗体を産生して
いるという結果が得られた。
であり、ヒトプラスミノーゲンに対する抗体を産生して
いるという結果が得られた。
細胞の増殖が活発になつたと観察されたとき、HT培地を
加えた。1日間隔で計4回HT培地を用いて培地交換を行
ない、その後は通常の10%FCS−RPMI−1640培地を用い
て培養した。
加えた。1日間隔で計4回HT培地を用いて培地交換を行
ない、その後は通常の10%FCS−RPMI−1640培地を用い
て培養した。
実施例2 ヒトプラスミノーゲンに特異的に結合し、ヒトプラスミ
ンには結合しない性質を有する抗体を産生するハイブリ
ドーマ細胞の選択 上記、ヒトプラスミノーゲンに対する抗体を産生してい
るハイブリドーマ細胞中からヒトプラスミノーゲンに特
異的に結合し、ヒトプラスミンには結合しない性質を有
する抗体を産生するハイブリドーマ細胞を、その培養上
澄液を用いて酵素免疫定量法によりスクリーニングをお
こなつた。
ンには結合しない性質を有する抗体を産生するハイブリ
ドーマ細胞の選択 上記、ヒトプラスミノーゲンに対する抗体を産生してい
るハイブリドーマ細胞中からヒトプラスミノーゲンに特
異的に結合し、ヒトプラスミンには結合しない性質を有
する抗体を産生するハイブリドーマ細胞を、その培養上
澄液を用いて酵素免疫定量法によりスクリーニングをお
こなつた。
スクリーニングに用いられた抗原は、ヒトプラスミン,
プラスミン−α2−プラスミンインヒビター複合体及び
プラスミン−α2−マクログロブリン複合体であり、第
2抗体は、アルカリフオスフアターゼ標識付のヤギ抗マ
ウス抗体であつた。
プラスミン−α2−プラスミンインヒビター複合体及び
プラスミン−α2−マクログロブリン複合体であり、第
2抗体は、アルカリフオスフアターゼ標識付のヤギ抗マ
ウス抗体であつた。
前記、ヒトプラスミノーゲンに対する抗体を産生してい
るウエルのうち、1個のウエルがヒトプラスミン,プラ
スミン−α2−プラスミンインヒビター複合体、並びに
プラスミン−α2−マクログロブリン複合体、いずれに
も結合せず、ヒトプラスミノーゲンにのみ特異的に結合
することを認めた。
るウエルのうち、1個のウエルがヒトプラスミン,プラ
スミン−α2−プラスミンインヒビター複合体、並びに
プラスミン−α2−マクログロブリン複合体、いずれに
も結合せず、ヒトプラスミノーゲンにのみ特異的に結合
することを認めた。
実施例3 ハイブリドーマ細胞のクローニング; 実施例2においてスクリーニングしたハイブリドーマ細
胞(3H1)を次の方法でクローン化した。
胞(3H1)を次の方法でクローン化した。
3H1細胞を96ウエルマイクロタイタープレートの1ウエ
ルあたり0.9細胞となるように希釈し、Balb/cマウス胸
腺細胞をフイーダー細胞として加えプレートに分配し10
%FCS−RPMI−1640培地で培養した。顕微鏡下で観察
し、確実にシングルセルコロニーであることを認めた。
ハイブリドーマ細胞の培養上澄液中のヒトプラスミノー
ゲンに対する抗体につき酵素免疫定量法により、スクリ
ーニングをおこなつた。
ルあたり0.9細胞となるように希釈し、Balb/cマウス胸
腺細胞をフイーダー細胞として加えプレートに分配し10
%FCS−RPMI−1640培地で培養した。顕微鏡下で観察
し、確実にシングルセルコロニーであることを認めた。
ハイブリドーマ細胞の培養上澄液中のヒトプラスミノー
ゲンに対する抗体につき酵素免疫定量法により、スクリ
ーニングをおこなつた。
総数23個のウエルが酵素免疫定量法により陽性でありヒ
トプラスミノーゲンに特異的に結合するモノクローナル
抗体を産生していた。
トプラスミノーゲンに特異的に結合するモノクローナル
抗体を産生していた。
他のハイブリドーマ細胞も同様の操作を行ない、モノク
ローン化を行なつた。
ローン化を行なつた。
モノクローナル抗体の精製; 大量のヒトプラスミノーゲンに対するモノクローナル抗
体を産生させるために、約107個のハイブリドーマ細胞
をプリスタンで前処理したBalb/cマウスに腹腔内注射し
た。約1週間後採取された腹水液よりEyらの方法〔P.L.
Ey,S.J.Prowse and C.R.Jenkin,Immunochemistry,15,42
9−436(1978)参照〕に従いプロテインA−セフアロー
ス4B(protein A−Sepharose 4B)カラムを用いて抗体
を精製した。腹水液2.5mlよりヒトプラスミノーゲンに
対するモノクローナル抗体20mgを得た。
体を産生させるために、約107個のハイブリドーマ細胞
をプリスタンで前処理したBalb/cマウスに腹腔内注射し
た。約1週間後採取された腹水液よりEyらの方法〔P.L.
Ey,S.J.Prowse and C.R.Jenkin,Immunochemistry,15,42
9−436(1978)参照〕に従いプロテインA−セフアロー
ス4B(protein A−Sepharose 4B)カラムを用いて抗体
を精製した。腹水液2.5mlよりヒトプラスミノーゲンに
対するモノクローナル抗体20mgを得た。
精製したモノクローナル抗体のクラスの決定; 精製したモノクローナル抗体の特定のクラスを、クラス
特異性抗マウス抗血清を使用してオクタロニーゲル拡散
試験で決定した。その結果を下記表1に示した。
特異性抗マウス抗血清を使用してオクタロニーゲル拡散
試験で決定した。その結果を下記表1に示した。
以下の実施例においては上記、精製モノクローナル抗体
3H1E6及び4A3E8の2種類について、さらに詳細に諸性質
を検討した。
3H1E6及び4A3E8の2種類について、さらに詳細に諸性質
を検討した。
実施例4 ウロキナーゼによるプラスミノーゲンの活性化に及ぼす
モノクローナル抗体の影響 ヒトプラスミノーゲンとモノクローナル抗体3H1E6、あ
るいは4A3E8を表2に示すようなモル比で混合し、37℃
で30分間反応し、4℃で終夜放置した。
モノクローナル抗体の影響 ヒトプラスミノーゲンとモノクローナル抗体3H1E6、あ
るいは4A3E8を表2に示すようなモル比で混合し、37℃
で30分間反応し、4℃で終夜放置した。
この溶液にウロキナーゼ200単位を加え、37℃で25分間
反応後、撹拌し、10μをフイブリンプレートのウエル
に添加した。37℃で4時間反応後、溶解面積を測定し
た。モノクローナル抗体と反応させていないプラスミノ
ーゲンをウロキナーゼにより活性化した反応混液を添加
したウエルをControlとし、その溶解面積を100とした。
反応後、撹拌し、10μをフイブリンプレートのウエル
に添加した。37℃で4時間反応後、溶解面積を測定し
た。モノクローナル抗体と反応させていないプラスミノ
ーゲンをウロキナーゼにより活性化した反応混液を添加
したウエルをControlとし、その溶解面積を100とした。
フイブリン溶解面積の測定の結果、抗プラスミノーゲン
モノクローナル抗体4A3E8及び3H1E6は、ウロキナーゼに
よるプラスミノーゲンの活性化には影響を及ぼさないこ
と、すなわち、抗体に結合したプラスミノーゲンは、阻
害されることなく、ウロキナーゼ等のプラスミノーゲン
活性化因子の作用でプラスミンに変換していることがわ
かる。
モノクローナル抗体4A3E8及び3H1E6は、ウロキナーゼに
よるプラスミノーゲンの活性化には影響を及ぼさないこ
と、すなわち、抗体に結合したプラスミノーゲンは、阻
害されることなく、ウロキナーゼ等のプラスミノーゲン
活性化因子の作用でプラスミンに変換していることがわ
かる。
実施例5 ε−アミノカプロン酸共存下でのプラスミノーゲン及び
プラスミンに対する各種抗体の結合性 20mM ε−アミノカプロン酸(εACA)共存下での結合性
を酵素免疫測定法により調べた。
プラスミンに対する各種抗体の結合性 20mM ε−アミノカプロン酸(εACA)共存下での結合性
を酵素免疫測定法により調べた。
抗原として、プラスミノーゲン,プラスミンを96ウエル
マイクロタイタープレートに5μg/mlの濃度,100μ/
ウエルで添加し、4℃,一晩放置して吸着させた。20mM
εACAと1% BSAを含む、リン酸緩衝液(以下、PBS
と記す)を150μ/ウエルで添加し、Blocking後、0.0
5%Tween20を含むPBSで3回、ウエルを洗浄した。続い
て20mM εACAを含むPBSを用いて、0.5μg/ml濃度に希
釈した各種抗体溶液を100μ/ウエルで添加し、37℃
で2時間反応させた。洗浄後、20mM εACAを含むPBSを
用いて3000倍希釈したアルカリフオスフアターゼ標識化
ヤギ抗マウス抗体溶液、あるいはヤギ抗ウサギ抗体溶液
を100μ/ウエルで添加し、37℃,2時間反応させた。
洗浄後、1mg/ml濃度のアルカリフオスフアターゼ基質溶
液を100μ/ウエルで添加し、30分後に波長405nmにお
ける吸光度を測定した。
マイクロタイタープレートに5μg/mlの濃度,100μ/
ウエルで添加し、4℃,一晩放置して吸着させた。20mM
εACAと1% BSAを含む、リン酸緩衝液(以下、PBS
と記す)を150μ/ウエルで添加し、Blocking後、0.0
5%Tween20を含むPBSで3回、ウエルを洗浄した。続い
て20mM εACAを含むPBSを用いて、0.5μg/ml濃度に希
釈した各種抗体溶液を100μ/ウエルで添加し、37℃
で2時間反応させた。洗浄後、20mM εACAを含むPBSを
用いて3000倍希釈したアルカリフオスフアターゼ標識化
ヤギ抗マウス抗体溶液、あるいはヤギ抗ウサギ抗体溶液
を100μ/ウエルで添加し、37℃,2時間反応させた。
洗浄後、1mg/ml濃度のアルカリフオスフアターゼ基質溶
液を100μ/ウエルで添加し、30分後に波長405nmにお
ける吸光度を測定した。
尚、対象としてεACA非共存化での反応も、上記と同じ
方法で行ない、その結果を表3にまとめて示す。
方法で行ない、その結果を表3にまとめて示す。
この結果から、3H1E6,4A3E8 2種のモノクローナル抗
体は、ε−アミノカプロン酸と反応し、構造変化を受け
たプラスミノーゲン(あるいはプラスミン)に対しても
結合することがわかる。
体は、ε−アミノカプロン酸と反応し、構造変化を受け
たプラスミノーゲン(あるいはプラスミン)に対しても
結合することがわかる。
実施例6 モノクローナル抗体の反応性; Glu−プラスミノーゲン,Lys−プラスミノゲン,(還元
型,非還元型),プラスミン,組織型プラスミノーゲン
活性化因子(t−PA)との反応性 各種抗原(タンパク量0.5μg)を10%ゲル濃度のSDS−
ポリアクリルアミド電気泳動を行ない、続いてニトロセ
ルロース膜に電気的に50V,1時間でタンパクを固定化し
た。このニトロセルロース膜を3%w/w Gelatinを含む
トリス緩衝液(以下TBSと記す)でBlockingし、3H1E6及
び4A3E8モノクローナル抗体溶液(1μg/ml濃度,1%Gel
atin−TBS希釈溶液)と室温で一晩反応させた。0.05%T
ween20を含むTBSで3回洗浄後、1%Gelatin−TBSで300
0倍に希釈したパーオキシダーゼ標識化ヤギ抗マウス抗
体溶液を加え、室温で2時間反応させた。0.05%Tween2
0−TBSでニトロセルロース膜を洗浄後,パーオキシダー
ゼ基質溶液に移し、5分間放置し取り出し水洗した。モ
ノクローナル抗体が反応した抗原は、濃青色のバンドと
して認めることができた。
型,非還元型),プラスミン,組織型プラスミノーゲン
活性化因子(t−PA)との反応性 各種抗原(タンパク量0.5μg)を10%ゲル濃度のSDS−
ポリアクリルアミド電気泳動を行ない、続いてニトロセ
ルロース膜に電気的に50V,1時間でタンパクを固定化し
た。このニトロセルロース膜を3%w/w Gelatinを含む
トリス緩衝液(以下TBSと記す)でBlockingし、3H1E6及
び4A3E8モノクローナル抗体溶液(1μg/ml濃度,1%Gel
atin−TBS希釈溶液)と室温で一晩反応させた。0.05%T
ween20を含むTBSで3回洗浄後、1%Gelatin−TBSで300
0倍に希釈したパーオキシダーゼ標識化ヤギ抗マウス抗
体溶液を加え、室温で2時間反応させた。0.05%Tween2
0−TBSでニトロセルロース膜を洗浄後,パーオキシダー
ゼ基質溶液に移し、5分間放置し取り出し水洗した。モ
ノクローナル抗体が反応した抗原は、濃青色のバンドと
して認めることができた。
その結果、3H1E6,4A3E8モノクローナル抗体は、Glu−プ
ラスミノーゲン,Lys−プラスミノーゲン両方に結合し、
いずれを還元したプラスミノーゲにも結合しなかった。
また、組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)の
Kringle領域(構造)とプラスミノーゲンのKringle領域
の相同性は高いが、どちらのモノクローナル抗体もt−
PAには反応しなかつた。
ラスミノーゲン,Lys−プラスミノーゲン両方に結合し、
いずれを還元したプラスミノーゲにも結合しなかった。
また、組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)の
Kringle領域(構造)とプラスミノーゲンのKringle領域
の相同性は高いが、どちらのモノクローナル抗体もt−
PAには反応しなかつた。
表4に3H1E6,4A3E8モノクローナル抗体の抗原反応性並
びに諸性質をまとめて示す。
びに諸性質をまとめて示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91) (72)発明者 市川 弥太郎 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社中央研究所内 (56)参考文献 Ann.N.Y.Acad.Sci., 421(1983)P.143−148 The Journal of Bio logical Chemistry 260[22](1985)P.12106−12111 Eur.J.Biochem.,157 [1](1986)P.65−69
Claims (1)
- 【請求項1】ヒトプラスミンに対して結合性を示さず、
またε−アミノカプロン酸によって結合を阻害されず、
さらにプラスミノーゲンアクチベーターによるプラスミ
ノーゲンの活性化に対して影響を及ぼさない、ヒト−Gl
u−プラスミノーゲンおよびLys−プラスミノーゲンに対
して特異的な結合性を示すモノクローナル抗体。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61146252A JPH074270B2 (ja) | 1986-06-24 | 1986-06-24 | モノクローナル抗体 |
NO872633A NO872633L (no) | 1986-06-24 | 1987-06-23 | Monoklonalt antistoff mot humant plasminogen, samt fremstilling derav. |
EP87109091A EP0251186B1 (en) | 1986-06-24 | 1987-06-24 | Monoclonal antibody to human plasminogen, method for production thereof, assay reagent and kit comprising said antibody, and hybridoma producing said antibody |
DE87109091T DE3787220T2 (de) | 1986-06-24 | 1987-06-24 | Monoklonaler Antikörper gegen menschliches Plasminogen, Verfahren zu seiner Herstellung, diesen Antikörper enthaltendes Testreagenz sowie Testsatz und diesen Antikörper produzierendes Hybridoma. |
DK321687A DK321687A (da) | 1986-06-24 | 1987-06-24 | Monoklonalt antistof, dets fremstilling og anvendelse samt hybridomaceller til fremstillingen |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61146252A JPH074270B2 (ja) | 1986-06-24 | 1986-06-24 | モノクローナル抗体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS633795A JPS633795A (ja) | 1988-01-08 |
JPH074270B2 true JPH074270B2 (ja) | 1995-01-25 |
Family
ID=15403536
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61146252A Expired - Fee Related JPH074270B2 (ja) | 1986-06-24 | 1986-06-24 | モノクローナル抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH074270B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0516863B1 (en) * | 1990-12-20 | 1998-06-10 | Iatron Laboratories, Inc. | Antibody against human plasmin-alpha 2-plasmin inhibitor complex, hybridoma and immunoassay |
-
1986
- 1986-06-24 JP JP61146252A patent/JPH074270B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
Ann.N.Y.Acad.Sci.,421(1983)P.143−148 |
Eur.J.Biochem.,157[1(1986)P.65−69 |
TheJournalofBiologicalChemistry260[22(1985)P.12106−12111 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS633795A (ja) | 1988-01-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |