JPH0742564B2 - 硬質溶射皮膜の製造方法 - Google Patents

硬質溶射皮膜の製造方法

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JPH0742564B2
JPH0742564B2 JP63288533A JP28853388A JPH0742564B2 JP H0742564 B2 JPH0742564 B2 JP H0742564B2 JP 63288533 A JP63288533 A JP 63288533A JP 28853388 A JP28853388 A JP 28853388A JP H0742564 B2 JPH0742564 B2 JP H0742564B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、硬質の溶射皮膜の製造方法に関し、特に耐熱
衝撃性に優れた硬質溶射皮膜の製造方法に関する。
<従来の技術> 各種構造部材の耐摩耗性、耐熱性、耐熱衝撃性、耐食性
などを大きく向上させる方法として溶射皮膜を表面に設
ける方法が広く使用されるようになってきている。
溶射方法としては、一般に大気中でプラズマ溶射する方
法(以下大気溶射法)と50〜250Torrの低圧不活性ガス
中でプラズマ溶射する方法(以下低圧プラズマ溶射法)
がある。
また、前記大気溶射法には、硬質な酸化物、炭化物、
或いは窒化物を主成分とする溶射材料を溶射被覆するも
の、低融点材料を溶射被覆し、その後大気中で熱処理
するもの、酸化物形成元素を含む材料を溶射被覆し、
その後大気中で熱処理するもの等がある。
そして、前記の低融点材料には、例えば、Ni,Cr,Si,
B,Feなどの自溶性合金があり、の方法では、これを溶
射被覆したあと熱処理を行って被覆層のみを溶かして緻
密な皮膜を形成させようとするものである。なお、この
場合の熱処理は、自溶性合金を溶かすことを目的とする
ものであるから、必ずしも大気中で行う必要はないが、
この方がコスト上有利である。
また、の前記酸化物形成元素としてはAlが代表的であ
り、これを含む材料としては、例えば、Co,Ni,Cr,Al,Y
がある。そして、これを溶射被覆後、大気中で熱処理す
ることによって、表面にAl2O3を形成させて、耐摩耗性
等を向上させようとするものである。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、大気溶射法の硬質な酸化物等を溶射被
覆するものについては、硬質な被膜が得られるが、物理
的に被覆したものであるから、溶射材粒子間の結合力が
弱く脆い。従って、機械的もしくは熱的衝撃に弱いとい
う欠点がある。
また、大気溶射法については、用いる材料の融点が低
いため、高温では使用できないという欠点がある。例え
ば、前述したNi,Cr,Si,B,Feの融点は1100℃前後であ
り、800℃以上になると急激に硬度が低下する。
また、大気溶射法の酸化物形成元素を含む材料を用い
たものについては、大気中で熱処理を行った場合、酸化
反応が急速に起こるため、酸化物の形成は被覆層の表層
部に限られ、しかもこの時できた酸化層は非常に脆くて
熱的・機械的衝撃が加えられると脱落するという問題が
ある。
一方、低圧プラズマ溶射法は、低圧の不活性ガスで行う
ので気体抵抗が小さく、溶射材の被溶射体に衝撃する速
度が高くなり、緻密な被膜が得られる。しかし、真空室
など装置が大がかりとなり、かつ大巾な硬度上昇にはな
らないため、あまり好ましくない。
本発明は、このような上述の問題を解決し、特に耐熱衝
撃性に優れた硬質溶射皮膜の製造方法を提供することを
目的とするものである。
<課題を解決するための手段> そこで、本発明は、窒化物形成元素を含む合金もしくは
その合金を20%以上含むサーメット材料を溶射被覆した
後に窒素雰囲気中で加熱処理したことを特徴とする硬質
溶射皮膜の製造方法を提供する。
本発明では、窒化物形成元素を含む材料を溶射被覆した
後、N2ガス雰囲気中で熱処理することによって窒化物が
生成し、高硬度で衝撃に強い皮膜が得られる。
まず、本発明の根拠を下記の実験結果に基づいて説明す
る。
用いた試験片は、100mm×80mm×14mmのステンレス鋼板
であり、その表面には表1に示す成分組成でもって各供
試材を0.1mmの厚みに溶射被覆した。被覆後、熱処理は
高温雰囲気炉を用い、900℃で4時間保持した。
熱衝撃試験は、大気中で行ない、1000℃で20分間保持し
た後、水冷するという操作を繰り返して行い、皮膜に割
れまたは剥離が発生するまで継続した。
また、硬さはマイクロヴィッカース硬さ計を用い測定し
た。
この結果から以下のことがわかる。
No.1の大気溶射法では皮膜硬度はHv400であり、No.2の
低圧プラズマ法を用いてもHv450である。また、No.3の
大気中で熱処理を行なうとHv500まで上昇するが熱衝撃
性は低下する。
No.4は窒化物を形成しやすいAlを含有していないので、
硬さの上昇はわずかである。
No.5〜7は、Alの含有量を2%、5%、13%と増加させ
たものであり、Alの含有量の増加とともに皮膜硬度は上
昇する。
No.8〜10は、No.7の成分組成の合金に酸化物であるZrO2
を混合し、合金の比率を10、20、30%と増加させたもの
である。No.8の合金の比率が10%の時は皮膜硬度は非常
に高いが耐熱衝撃性は低い。No.9の合金の比率が20%の
時は皮膜硬度はHv950で、耐熱衝撃性も優れている。No.
10の合金の比率を30%にしたものではHv900で耐熱衝撃
性も十分にあるが、No.7の酸化物を含まない皮膜と性能
的にはかわらなくなってくる。
以上のことから、次のことがわかる。すなわち、熱処理
は窒素雰囲気下で行なうのがよい。熱処理を行なわない
と、表面を緻密な金属膜とすることができず、好ましく
ない。また、溶射方法を低圧プラズマで行なってもコス
トがかかる割には強度は高くならないため、一般的なプ
ラズマ溶射法で行なう方法で十分である。なお、窒素雰
囲気下で溶射を行なうと、窒化物が生成しやすくなり、
さらに高硬度で衝撃に強い被膜を得ることができる。
また、窒素雰囲気下での加熱温度は、800〜1100℃で行
なうのが好ましい。800℃未満では、窒化物形成反応が
緩慢で、1100℃超では熱処理中に皮膜が剥離する危険が
あるためである。
また、供試材成分としては、窒化物を形成しやすい元素
を含有しているのがよい。この理由は、前述と同じであ
る。
また、成分中に酸化物を含む(サーメット材料)場合
は、酸化物に対してNi,Co,Cr,YおよびAlを含有する合金
比率は20%以上とするのがよい。また、好ましくは30%
以上がよい。合金比率が20%未満では熱衝撃性が低いた
めである。
また、酸化物は供試材成分中に含有されていてもいなく
ても、その効果はあまり変わらない。
なお、本実験では窒化物生成元素としてAlの効果を示し
たが、本発明において窒化物生成元素であればいずれで
もよく、例えばAl以外にTi,Nb,Ta,Zr,Mo,V,B,Ce,In,Be,
Li,Mg,Mn,Siなどがある。より好ましくは表2に示すご
とく、Ti,Nb,Ta,Zr,Siを用いる。
また、窒化物生成元素を含む合金と混合する酸化物、炭
化物の例として本実験ではZrO2を示したが、高温で安定
な酸化物、炭化物であればいずれでもよく、例えばZrO2
以外に、Al2O3,Cr2O3,SiO2およびそれら酸化物の混合、
さらにはCr3C2,Cr7C3,Cr23C6,WC,W2C,SiCなどの炭化物
を用いることができる。
なお、本発明に用いるこの他の供試材料としては、Ni,C
o,CrおよびY等を含むことができる。Ni,Coは、耐熱材
料として、Crは保護皮膜形成元素として、Yは保護皮膜
補強維持機能を高める元素としてプラズマ溶射に用いる
のがよい。
また、サーメット材料としては、Ni,Co,Cr,Yと窒化物生
成元素を含む合金と前述した酸化物、炭化物とを混合あ
るいは焼結させた粉末を用いるのがよい。
これらの硬質溶射皮膜は、連続熱処理ラインのハースロ
ール、ボイラーチューブやガスタービン翼などの高温部
材、転炉や溶銑予備処理設備のランス、サブランスある
いは高炉の羽口等について適用することができる。
<実施例> 以下、本発明を実施例に基づいて、さらに具体的に説明
する。
(実施例1) 本発明の前述のNo.7の供試材成分・組成および製造方法
に従って溶射皮膜付鋼板を自社の連続焼鈍ラインのハー
スロールにて用い、ロール表面粗度の変化を調べた。
本発明の供試材No.7は、5年間の使用の後も粗度はRa3
からRa2に低下しただけで、十分使用に耐えうることが
分かった。
(比較例1) 従来からある成分・組成および製造方法によって前述の
No.1の溶射皮膜付鋼板を製造し、実施例1と同様に自社
の連続焼鈍ラインのハースロールにて用い、ロール表面
粗度の変化を調べた。
その結果、約2年間でロール表面粗度がRa3からRa1に低
下し、ロールスリップによる板の蛇行およびスリキズが
発生していた。
<発明の効果> 本発明は、窒素雰囲気で熱処理をする簡単なプロセスの
追加によって耐熱衝撃性などの皮膜の本来の性質を損な
うことなく、皮膜の大巾な向上を計れるものであり、従
来の硬質酸化物や炭化物被覆による剥離の危険性もな
く、低圧プラズマ溶射法や、PVD(真空蒸着法)、HIP
(熱間静水圧プレス法)などの大がかりな真空チャンバ
ーも必要ないものとした。
また、この皮膜付鋼板を連続焼鈍ラインのハースロール
等に用いた場合、その表面粗度の減少が少ないことよ
り、修繕費コスト削減はもちろんのこと生産性および製
品品質上多大な効果が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化物形成元素を含む合金もしくはその合
    金を20%以上含むサーメット材料を溶射被覆した後に窒
    素雰囲気中で加熱処理したことを特徴とする硬質溶射皮
    膜の製造方法。
JP63288533A 1988-11-15 1988-11-15 硬質溶射皮膜の製造方法 Expired - Fee Related JPH0742564B2 (ja)

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