JPH0742556B2 - 鉄損が低く磁束密度が高い極薄電磁鋼帯およびその製造方法 - Google Patents

鉄損が低く磁束密度が高い極薄電磁鋼帯およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0742556B2
JPH0742556B2 JP1331698A JP33169889A JPH0742556B2 JP H0742556 B2 JPH0742556 B2 JP H0742556B2 JP 1331698 A JP1331698 A JP 1331698A JP 33169889 A JP33169889 A JP 33169889A JP H0742556 B2 JPH0742556 B2 JP H0742556B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic flux
flux density
steel strip
ultra
iron loss
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1331698A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02277748A (ja
Inventor
義行 牛神
憲人 阿部
貞見 香坂
忠生 野沢
修 本城
正 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP1331698A priority Critical patent/JPH0742556B2/ja
Publication of JPH02277748A publication Critical patent/JPH02277748A/ja
Publication of JPH0742556B2 publication Critical patent/JPH0742556B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、圧延方向に磁化容易軸<001>方位を有し、
圧延面に{110}面が現れている(ミラー指数で{110}
<001>と表示される)極薄電磁鋼帯およびその製造方
法に関するものである。本発明によって得られる極薄電
磁鋼帯は、薄い材料であるにも係わらず磁束密度が高く
かつ鉄損が低いという特徴をもち、中、高周波電源用変
圧器或は制御素子に用いられる。
(従来の技術) 方向性電磁鋼板の基本的な磁気的概念は、1926年に鉄の
単結晶の磁気異方性が発見された(K.Honda and S.Kaya
Sci.Reps.Tohoku Imp.Univ.15,(1926),p721)ことに
その端緒がある。その後、N.P,Goss(米国特許第1,965,
559号明細書)によって、{110}<001>方位集合組織
を有する材料の製造方法が発見されて以来、方向性電磁
鋼板の磁気特性は大きく改善されてきた。
電磁鋼板における、この{110}<001>方向への集積化
は、二次再結晶と呼ばれるカタストロフィックな粒成長
現象を利用することによって達成される。二次再結晶を
制御するためには、二次再結晶前の一次再結晶組織の調
整と、インヒビターと呼ばれる微細析出物若しくは粒界
偏析型の元素の調整が必須である。このインヒビター
は、一次再結晶組織の中で{110}<001>方位以外の粒
の成長を抑制し、{110}<001>方位粒のみを選択的に
成長させる機能をもつ。
現在、工業生産されている代表的な一方向性電磁鋼板の
製造技術には、3つの種類の技術がある。
第一の技術は、M.F.Littmannによって特公昭30−3651号
公報に開示された、MnSをインヒビターとして機能させ
る、2回冷延工程による製造技術である。
第二の技術は、田口、坂倉によって特公昭40−15644号
公報に開示された、AlN+MnSをインヒビターとして機能
させ、最終冷延における圧延率を80%を超える強圧下と
する工程を採る製造技術である。
第三の技術は、今中等によって特公昭51−13469号公報
に開示された、MnS(またはMnSe)+Sbをインヒビター
として機能させる、2回冷延工程による製造技術であ
る。
これらの技術によって、現在、磁束密度(B8値)が1.92
Tesla前後である、極めて{110}<001>方位集積度の
高い方向性電磁鋼板が製造され、市販されている。しか
しながら、インヒビターを利用するこれらの製造技術に
おいては、材料の板厚が薄くなると、界面を通してのイ
ンヒビターの変化挙動が著しくなるため、板厚の薄いも
のを工業的に生産することは困難であり、現在、板厚0.
20mm以上のものが主として生産されている。
ところで、高周波数域での方向性電磁鋼板の鉄損は、た
とえばR.H.Pry,C.P.Bean(J.Appl.Phys.29(1958),p.5
32)の報告にあるように、板厚の二乗に比例して大きく
なるから、鉄損の低い電磁鋼板を得るためには、板厚を
薄くすることが必須となる。
1949年に、M.F.Littmannは薄い珪素鋼板の製造方法を、
米国特許第2,473,156号明細書で開示した。この技術
は、{110}<001>集合組織を有する出発材を、冷間圧
延し、再結晶させるプロセスを採り、インヒビターを使
用しない。この技術によって得られる製品の特性は、1
〜5mils(25.4〜127μm)の板厚で、磁束密度(B8値)
が1.600〜1.815Teslaであり、鉄損(周波数:60Hz、最大
磁束密度1.0T)は、0.26〜0.53W/1b(0.44〜0.90W/kg)
であった。現在、この方法によって、極薄電磁鋼帯が製
造されている。
最近の電子機器の発達に伴って、中、高周波電源用変圧
器、制御素子等において、小型化、高効率化が望まれて
いた。ところが、前記のように、従来技術によって得ら
れる極薄電磁鋼帯は、磁束密度が低く、設計磁束密度を
高くすることができないために機器の小型化が図れない
こと、また、特に高励磁域での鉄損が極めて大きいとい
う問題があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、従来技術における上述の問題を解決し、磁束
密度が極めて高く、かつ高励磁域における鉄損が低い極
薄電磁鋼帯およびその製造方法を提供することを目的と
している。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、鉄損(特に高励磁域での鉄損)を低くす
るためには、重量で、Si≦8%、残部が実質的にFeから
なり、平均粒径:1.0mm以下、板厚:150μm以下の極薄電
磁鋼帯で、磁束密度B8/Bs>0.9(Bs:その成分系での飽
和磁束密度)をもつ材料が必須の要件であることを見出
し、かかる電磁鋼帯およびその製造方法を提供しようと
するものであり、その要旨とするところは、下記のとお
りである。
(1) 重量で、Si≦8%、残部が実質的にFeからな
り、板厚≦150μm、平均粒径≦1.0mmで{110}<001>
方位集合組織を有し、磁束密度B8/Bs>0.9(Bs:その成
分系での飽和磁束密度)である鉄損が低く磁束密度が高
い極薄電磁鋼帯。
(2) 重量で、Si≦8%、残部が実質的にFeからな
り、{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8/B
s>0.9でありかつ、平均結晶粒径が、圧延方向および圧
延方向に直角な方向(鋼帯幅方向)にそれぞれ20mm以上
および40mm以上の結晶粒をもつ一方向性電磁鋼帯に、60
〜80%の圧下率を適用する少なくとも1回の冷間圧延を
施して150μm以下の最終板厚とし、次いで一次再結晶
焼鈍を施すことを特徴とする鉄損が低く磁束密度が高い
極薄電磁鋼帯の製造方法。
(3) 重量で、Si≦8%、残部が実質的にFeからな
り、{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8/B
s>0.9でありかつ、平均結晶粒径が圧延方向および圧延
方向に直角な方向(鋼帯幅方向)にそれぞれ20mm以上お
よび40mm以上の結晶粒をもつ一方向性電磁鋼帯に、60〜
80%の圧下率を適用する少なくとも1回の冷間圧延を施
して150μm以下の最終板厚とし、次いで一次再結晶焼
鈍を施すに際し、一次再結晶完了前に下式で定義される
温度・時間関係領域に保持した後昇温し一次再結晶を完
了させることを特徴とする鉄損が低く磁束密度が高い極
薄電磁鋼帯の製造方法。
400℃≦T≦700℃ 20(秒)≦t<(−6T(℃)+4400)(秒) (4) 重量で、Si≦8%、SnおよびSbの1種または2
種を0.005〜0.30%含有し、残部が実質的にFeからな
り、板厚≦150μm、平均粒径≦1.0mmで{110}<001>
方位集合組織を有し、磁束密度B8/Bs>0.9(Bs:その成
分系での飽和磁束密度)である鉄損が低く磁束密度が高
い極薄電磁鋼帯。
(5) 重量で、Si≦8%、SnおよびSbの1種または2
種を0.005〜0.30%含有し、残部が実質的にFeからなり
{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8/Bs>
0.9である一方向性電磁鋼帯を、60〜90%の圧下率を適
用する少なくとも1回の冷間圧延を施して150μm以下
の最終板厚とし、次いで一次再結晶焼鈍を施すことを特
徴とする鉄損が低く磁束密度が高い極薄電磁鋼帯の製造
方法。
(6) 重量で、Si≦8%、SnおよびSbの1種または2
種を0.005〜0.30%含有し、残部が実質的にFeからなり
{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8/Bs>
0.9である一方向性電磁鋼帯を、60〜90%の圧下率を適
用する少なくとも1回の冷間圧延を施して150μm以下
の最終板厚とし、次いで一次再結晶焼鈍を施すに際し、
一次再結晶完了前に下式で定義される温度・時間関係領
域に保持した後昇温し一次再結晶を完了させることを特
徴とする鉄損が低く磁束密度が高い極薄電磁鋼帯の製造
方法。
400℃≦T≦700℃ 20(秒)≦t<(−6T(℃)+4400)(秒) (7) 重量で、Si≦8%、SnおよびSbの1種または2
種を0.005〜0.30%含有し、残部が実質的にFeからな
り、{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8/B
s>0.9でありかつ、平均結晶粒径が圧延方向および圧延
方向に直角な方法(鋼帯幅方向)にそれぞれ20mm以上お
よび40mm以上の結晶粒をもつ一方向性電磁鋼板に、60〜
90%の圧下率を適用する少なくとも1回の冷間圧延を施
して150μm以下の最終板厚とし、次いで一次再結晶焼
鈍を施すことを特徴とする鉄損が低く磁束密度が高い極
薄電磁鋼帯の製造方法。
(8) 重量で、Si≦8%、SnおよびSbの1種または2
種を0.005〜0.30%含有し、残部が実質的にFeからな
り、{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8/B
s>0.9でありかつ、平均結晶粒径が圧延方向および圧延
方向に直角な方法(鋼帯幅方向)にそれぞれ20mm以上お
よび40mm以上の結晶粒をもつ一方向性電磁鋼帯に、60〜
90%の圧下率を適用する少なくとも1回の冷間圧延を施
して150μm以下の最終板厚とし、次いで一次再結晶焼
鈍を施すに際し、一次再結晶完了前に下式で定義される
温度・時間関係領域に保持した後昇温し一次再結晶を完
了させることを特徴とする鉄損が低く磁束密度が高い極
薄電磁鋼帯の製造方法。
400℃≦T≦700℃ 20(秒)≦t<(−6T(℃)+4400)(秒) 以下、本発明を詳細に説明する。
電磁材料の鉄損を支配する磁化機構については、一般
に、“静的なまたは低周波の磁化過程では、磁壁移動が
主役を演ずるが、高周波になると、磁壁は動き難くなる
のみならずエネルギー損失を伴うので、むしろ磁壁を動
き易くして回転磁化を行わせるのが得策とされている”
(近浦、応用物理53(1984)p.294)と述べられている
ように、電磁材料の結晶方位の集積度(磁束密度B8で表
示される)は、高周波域においてはあまり重要な因子と
は考えられておらず、Si量を多くして固有抵抗値を高く
する等の方策が重要視されてきた。たとえば、Y.Takada
et al(Journal of App.Phys.No.64(1988),p.5367〜
5369)によると、一方向性電磁鋼板、無方向性電磁鋼
板、6.5%Si−Feを比較した場合、周波数50Hzの低周波
域においては、結晶方位制御を行っている一方向性電磁
鋼板の鉄損が最も低いが、周波数10kHzの高周波域にお
いては、6.5%Si−Feが最も鉄損が低く、Siのほぼ等し
い一方向性電磁鋼板と無方向性電磁鋼板の鉄損は大きな
差はなく、高周波域においては、結晶方位は鉄損にあま
り影響しないことが分かる(第1表)。
本発明者等は、中、高周波電源用変圧器或は制御素子等
に用いられる極薄電磁鋼帯に関する研究によって、板
厚:150μm以下、平均粒径:1.0mm以下、磁束密度B8/Bs
>0.9をもつ材料(極薄電磁鋼帯)が高周波域における
鉄損が格段に優れていることを新たに知見した。
第1図(a)に、種々の方法で製造した極薄電磁鋼帯の
磁束密度と鉄損の関係を示す。
この図から、B8≧1.85Teslaで、高周波域における鉄損
が低くなることが分る。
第1図(a)は、1.5Tで1000Hzにおける鉄損と磁束密度
の関係を示している。
第1図(b)に、周波数と鉄損の関係を、本発明の極薄
電磁鋼帯(○印:磁束密度B8値=1.94T)と従来技術に
よって得られた製品(●印:磁束密度B8値=1.60T)の
対比において示す。この図からも、高い磁束密度をもつ
極薄電磁鋼帯が高周波数領域において低い鉄損値を示す
ことが分る。このような磁束密度の高い極薄電磁鋼帯
は、鉄損が低いことと併せ設計磁束密度を高くすること
ができ、機器の小型化を可能ならしめるとともに中、高
周波電源用変圧器や制御素子の特性を飛躍的に向上させ
る。
また、前記の研究によって本発明者等は、重量で、Si≦
8.0%、SnおよびSbの1種または2種を0.005〜0.30%含
有し、残部が実質的にFeからなり、板厚:150μm以下、
平均粒径:1.0mm以下、磁束密度B8/Bs>0.9をもつ材料
(極薄電磁鋼帯)が、高周波域における鉄損が格段に優
れている。(鉄損値が極めて低い)ということを新たに
知見した。
次に、このような極薄電磁鋼帯の製造方法を、詳細に説
明する。
本発明者等は、先に述べたように、電磁鋼帯の板厚が薄
くなると、インヒビター制御が困難になり二次再結晶が
不安定になると考え、インヒビターを用いない一次再結
晶により、{110}<001>方位への集積度を高める研究
を行った。その結果、極めて高い{110}<001>方位集
積度を有する一方向性電磁鋼帯を出発材とし、この材料
に冷間圧延を施して150μm以下の最終板厚とした後、
結晶粒界からの再結晶を抑制した一次再結晶焼鈍するこ
とによって、鋭い{110}<001>方位集積度を有しか
つ、低い鉄損値をもつ極薄電磁鋼帯を製造できることを
見出した。
かかる知見は、以下の実験によって得られたものであ
る。
重量で、Si:3.3%、C:0.002%、N:0.002%、Al:0.002
%、S:0.0002%、Mn:0.13%、残部が実質的にFeからな
り、{110}<001>方位集合組織を有する一方向性電磁
鋼帯(磁束密度(B8値):1.92T、平均粒径:40mm、板厚:
0.30mm)を、冷間圧延して最終板厚:0.09mm(90μm)
とし、次いで850℃で10分間焼鈍し一次再結晶を完了さ
せた。
このようにして得られた製品の集合組織を、第2図に示
す。第2図から、一次再結晶粒の方位として、{110}
<001>方位と併せて{111}<011>方位が混在してお
り、後者の方位の粒の増加が磁束密度の低下の原因とな
っていることが分る。
この集合組織は、M.F.Littmannによって、米国特許第2,
473,156号明細書に開示された方法によって得られる集
合組織({210}<001>〜{310}<001>)とは明らか
に異なっている。これは、M.F.Littmannの技術における
出発材は、磁束密度がB10=1.74Tと低く、{110}<001
>方位の集積度が悪いためであると、考えられる。従っ
て、製品の高磁束密度化を達成するためには、出発材の
{110}<001>方位の集積度を高くするとともに、{11
1}<011>方位粒の一次再結晶を抑制することが必要で
ある。
本発明者等は、この出発材の冷間圧延・再結晶に関する
研究によって、{110}<001>方位粒は出発材の粒内か
ら、{111}<011>方位粒は種に粒界から核発生し、成
長することを解明した(第10図)。この解明によって、
極薄製品の{110}<001>方位への集積度を高めるため
には、出発材の結晶粒界面積を小さくすることは或は、
粒界からの核発生を抑制すればよいことが判明した。
以下、具体的な工程を説明する。
本発明者等は、製品の磁束密度を高くするには、出発材
の{110}<001>方位集積度が高いことと共に、結晶粒
界からの核発生を少なくすることが重要であるという知
見に基づいて、磁束密度B8/Bs>0.9を有する種々の粒径
の一方向性電磁鋼帯を出発材として、これに60〜80%の
圧下率を適用する冷間圧延を施して150μm以下の最終
板厚とした後、700〜900℃の温度域で焼鈍し一次再結晶
させ、得られた極薄電磁鋼帯の磁気測定を行った。その
結果、1.85Tesla以上の磁束密度を有する極薄電磁鋼帯
を得るためには、出発材としての一方向性電磁鋼帯の結
晶粒の圧延方向における寸法RDが20mm以上であることが
必要である。また、圧延方向に直交する方向における粒
径寸法RCが特に重要であり、可及的に大きい方が望まし
く、少なくとも40mmでなければならない、との知見を得
た。このような出発材を工業的に得る手段として、本発
明者等は、例えば特開昭59−215419号公報に開示されて
いる技術を提案している。
さらに本発明者等は、結晶粒界からの悪い方位粒の核発
生を抑止する手段について種々検討を重ねた結果、出発
材である一方向性電磁鋼帯にSnおよびSbの1種または2
種を添加することにより、粒界からの{111}<011>方
位粒の核発生を抑制し、{110}<001>方位への集積度
を高め製品の磁束密度を向上せしめ得ることを見出し
た。
かかる知見は、次の実験によって得られた。
重量で、Si:3.2%、C:0.002%、N:0.001%、Al:0.002
%、S:0.0004%、Mn:0.05%を基本成分とし、SnおよびS
bの1種または2種を0〜0.5%含有する一方向性電磁鋼
帯(磁束密度(B8値)=1.90T、平均粒径:5〜40mm、板
厚0.14mm)を、冷間圧延して30μmの最終板厚とした。
この材料を、850℃で10分間焼鈍し、一次再結晶を完了
させた。
Sn含有量と得られた製品の磁束密度の関係を、第3図に
示す。第3図から、Sn添加量:0.01%から結晶粒界から
の{111}<011>方位粒の核生成を制御し、製品の磁束
密度を向上させ得ることが分る。Sn添加量が0.30%を超
えると磁束密度が低下するのは、出発材である一方向性
電磁鋼帯の結晶粒が微細になり、結晶粒界面積が増加
し、結晶粒界からの核発生の頻度が高くなるためである
と考えられる。
また、出発材にSnおよびSbの1種または2種を合計量で
0.03〜0.30%含有せしめると、第4図に示すように、得
られる製品の磁束密度(B8値)の到達レベルが1.94Tesl
aと極めて高いものとなる。さらに、製品が最も高い磁
束密度をもつことになる冷延率が、SnおよびSbの1種ま
たは2種を含有しないものに比し高い冷延率側へシフト
するから、同一厚さの出発材から極めて薄い製品を得る
ことができる。また、製品が高い磁束密度を有すること
になる好ましい冷延率領域が、SnおよびSbの1種または
2種を含有しないものに比し非常に拡大されるから、あ
るゲージをもつ出発材から種々のゲージの、高い磁束密
度を有する極薄電磁鋼帯を作り分けることが可能にな
る。
また、一次再結晶焼鈍を行うに際し、一次再結晶完了前
に、低温域に保持若しくは徐加熱することによって一定
時間滞在させ、然る後温度を上昇させ一次再結晶を完了
させるプロセスを採ることによって、{110}<001>方
位粒を優先的に核発生・成長させ得ることを見出した。
従来、C.G.Dunn(Acta.Met.1(1953)p.163)によっ
て、550℃で低温予備焼鈍を行い、その後980℃で焼鈍す
ると、製品の磁束密度(トルクで測定している)が低下
すると言われてきた。ところが、本発明者等は、上記新
知見に基づいて一次再結晶焼鈍条件について詳細に検討
を行った結果、低温で長時間焼鈍すると、{110}<001
>方位粒と併せ{111}<011>方位粒も核発生・成長
し、製品の磁束密度が低下するが、一次再結晶が完了し
ない一定時間内で低温焼鈍すると、{110}<001>方位
粒のみが優先的に核発生し、その後昇温し粒成長させる
ことにより、製品の磁束密度を高くすることができると
いう新知見を得た。
第5図に、重量で、Si:3.3%、C:0.002%、N:0.001%、
Al:0.002%、S:0.002%、Mn:0.13%を含有し、残部が実
質的にFeからなる一方向性電磁鋼板(磁束密度(B8値)
=1.92T、平均粒径:40mm、板厚:0.17mm)を、冷間圧延
して0.05mm(50μm)の最終板厚とした後、400〜700℃
の温度域で1〜30分間焼鈍し、その後850℃で10分間焼
鈍し一次再結晶を完了させて得られた極薄電磁鋼帯の磁
束密度(B8値)と低温焼鈍条件の関係を示す。
第5図から、400℃≦T≦700℃、20(秒)≦t<(−6T
(℃)+4400)(秒)を満足する温度・時間で低温焼鈍
し、次いで昇温し一次再結晶を完了させることによっ
て、高い磁束密度を有する極薄電磁鋼帯を製造すること
が可能であることが分る。
第6図に、同一の冷延板を、2.5×10-3〜1.0×102℃/se
cの範囲の昇温速度で850℃まで加熱し、850℃で10分間
焼鈍して得た製品の磁束密度(B8値)と昇温速度の関係
を示す。この図から明らかなように、冷間圧延後の焼鈍
過程における昇温速度を5.0×10-2〜5.0×10℃/secの範
囲内とすることによって、本発明に規定するB8/Bs>0.9
の高い磁束密度をもつ製品を得ることができる。これは
焼鈍の昇温過程における温度・時間の覆歴を考慮する
と、第5図に示す条件と同一であることが分る。
前記のように、本発明を特徴づける、出発材の粒径が大
きいことおよび{110}<001>方位集積度が高いこと、
出発材へのSnおよびSbの1種または2種を添加するこ
と、一次再結晶焼鈍における一次再結晶完了前の所定時
間の低温焼鈍といった要件は、製品の磁束密度を低下さ
せる原因となる、粒界から核発生する{111}<011>方
位粒の核発生・成長を抑制し、{110}<001>方位粒を
優先的に核発生・成長させるために効果的に機能する。
従って、上記磁束密度向上のメカニズムからしても、こ
れらの要件を組合せて製造プロセスを構成することによ
って、さらに高い磁束密度を有する極薄電磁鋼帯を安定
して製造し得ることは言うまでもない。
このようにして得られる本発明の極薄電磁鋼帯の磁束密
度は、第7図に示すように、従来技術によって得られる
極薄電磁鋼帯の磁束密度に比し、格段に優れている。
本発明において、出発材として用いられる{110}<001
>方位集合組織を有する一方向性電磁鋼帯は、その製造
方法を限定されない。
先に述べた、特公昭30−3651号公報、特公昭40−15644
号公報、特公昭51−13469号公報に開示され、現在、工
業生産が行なわれている代表的な製造プロセスによって
得られる一方向性電磁鋼板或は、荒井等により、Met.Tr
ans.A17(1986),p.1295に開示されている。たとえば4.
5%Si−Feの急冷薄帯を冷間圧延、焼鈍して得られる一
方向性電磁鋼板を出発材として用いることができる。本
発明で用いる出発材は、Si≦8.0%を含有するものがよ
い。Si含有量が8.0%を超えると、飽和磁束密度が1.7T
以下となり、磁性材料としては不適当となるのみなら
ず、冷間圧延時に材料に割れを生じ易くなる。
特に、Si含有量が2〜4%の材料は、飽和磁束密度が1.
95T以上と高く、冷延性も優れている。その他、Mn、A
l、Cr、Ni、Cu、W、Co等が不純物として混入していて
も差し支えない。このような成分系をもつ出発材は、表
面皮膜を除去された後冷間圧延され、次いで、Feが酸化
されることのない組成および露点をもつ雰囲気中で焼鈍
され、一次再結晶を完了する。一次再結晶焼鈍に用いる
雰囲気用ガスとしては、窒素、アルゴン等の不活性ガ
ス、或は水素または前記不活性ガスと水素の混合ガスを
用いることができる。一次再結晶焼鈍後、極薄電磁鋼帯
は、絶縁性を付加するために、たとえば特公開53−2837
5号公報に開示されている絶縁皮膜を形成され、製品と
される。
〔実施例〕
実施例1 重量で、Si:3.3%、Mn:0.1%、C:0.001%、N:0.002%、
Al:0.002%、S:0.001%、残部が実質的にFeからなる、
特開昭59−215419号公報に開示されていると同じ一方向
電磁鋼帯(B8=1.98Tesla、粒径:RD=45mm、RC=500m
m、板厚:170μm)を、酸洗してグラス皮膜を除去した
後、冷間圧延して50μmの最終板厚とした。次いで、水
素雰囲気中で800℃×2分間の焼鈍を施した後、N2雰囲
気中で絶縁皮膜形成焼鈍を施した。
こうして得られら製品に、レーザを照射し磁区細分化処
理を施した。レーザ照射前後の、周波数400Hz/1000Hzに
おける製品の磁性を、第8図(a),(b)に示す。
従来技術によって製造された市販品と比較すると、たと
えば周波数400Hz、磁束密度1.5Tでの鉄損値は、市販品
が15W/kgであるのに対し、本発明品は11W/kgであり、さ
らにレーザ照射したものは8W/kgである。本発明による
製品の鉄損値が如何に低いものであるかが分る。
特に、1.7Tといった高励磁域における鉄損値は、従来の
データにはない。
本発明による製品は、このような高励磁域において使用
可能であり、かつ鉄損が低いという優れた特徴を有す
る。
実施例2 実施例1におけると同一の冷間圧延薄帯を、水素雰囲気
中、800℃で2分間焼鈍し、次いで、1200℃で10時間焼
鈍した。然る後、材料に実施例1におけると同様に絶縁
皮膜形成および磁区細分化処理を施して得られた製品の
磁気測定を行った。
結果は、以下の通りである。
B8=2.02T W15/400=6.5W/kg W17/400=8.5W/kg W19/400=12.5W/kg W15/1000=20W/kg W17/1000=27W/kg 上記材料の800℃×2分および800℃×2分+1200℃×10
時間での焼鈍後の粒組織を、第9図(a)および(b)
に夫々示す。
800℃での焼鈍後の材料の平均粒径は、約50μmであ
る。その後1200℃で焼鈍することによって、粒径が約10
0μmまで成長していることが分る。
実施例3 重量で、Si:3.0%、Mn:0.06%、C:0.003%、N:0.002
%、Al:0.001%、S:0.001%、Sn:0.07%、残部が実質的
にFeからなる一方向性電磁鋼板(B8=1.88T、粒径:RD
5mm、RC=3mm、板厚:230μm)を、酸洗してグラス皮膜
を除去した後、冷間圧延を施して50μmの最終板厚とし
た。然る後、N2:25%+H2:75%の雰囲気中で、850℃で1
0分間焼鈍した。こうして得られた製品の磁束密度は、B
8=1.91Tであった。
実施例4 磁束密度(B8値)が1.90〜1.92Tで、Sn含有量が0.00%
および0.06%である2種類の一方向性電磁鋼帯(Si:3.0
〜3.3%)を、平均粒径が2〜20mmのものと40〜60mmの
ものとに選別した。この出発材に圧下率:75%で50μm
まで冷間圧延を施した。然る後、この材料を水素雰囲気
中、850℃で10分間焼鈍した。こうして得られた製品の
磁気特性を第2表に示す。
実施例5 磁束密度(B8値)が1.90〜1.95Tで、Sn含有量が0.00%
および0.06%である2種類の一方向性電磁鋼帯(Si:3.0
〜3.3%)を、平均粒径が2〜20mmのものと、40〜60mm
のものとに選別した。この出発材を、圧下率75%で冷間
圧延して50μmの最終板厚とした。然る後、水素雰囲気
中、500℃で5分間焼鈍した後昇温し900℃で10分間焼鈍
し一次再結晶を完了させた。
このようにして得られた製品の磁気特性を、第3表に示
す。
実施例6 出願人会社から既に特願平1−82236号にて提案してい
る方法で製造した、Mn:0.1%、C:0.002%、N:0.002%、
Al:0.01%、S:0.002%、残部が実質的にFeからなる一方
向性電磁鋼帯(B8=2.01T、粒径:RD=12mm、RC=8mm、
板厚:500μm)を、酸洗してグラス皮膜を除去した後、
冷間圧延して150μmの最終板厚とした。然る後、水素
雰囲気中、550℃で5分間焼鈍した後昇温して850℃で10
分間焼鈍し一次再結晶を完了させた。
こうして得られた製品の磁束密度(B8値)は、1.99Tで
あった。
実施例7 重量で、Si:3.2%、Mn:0.05%、C:0.002%、N:0.001
%、Al:0.002%、S:0.001%、Sb:0.02%、残部:実質的
にFeからなる一方向性電磁鋼帯(B8=1.89T、粒径:RD
6mm、RC=6mm、板厚:280μm)を、酸洗してグラス皮膜
を除去した後、冷間圧延して60μmの最終板厚とした。
然る後、H2:100%の雰囲気中、800℃で5分間焼鈍し
た。
このようにして得られた製品の磁束密度(B8値)は、1.
89Tであった。
(発明の効果) 本発明によって得られた製品は、下記のような優れた磁
気特性を有する。
(1) 励磁力800A/Mにおける磁束密度が、たとえば3
%Siの場合、1.84〜1.95Tと、従来技術によって得られ
た製品の磁束密度に比し、約0.2〜0.4Tも高い。
(2) 製品の鉄損値、たとえばW15/400は、従来技術
によって得られた製品の鉄損値の約50%であり、極めて
低い値を示す。特に、1.5T以上の高励磁における鉄損値
は、前例がない。
このような本発明品を、変圧器わけても高周波電源用変
圧器に用いれば、小型化、効率化の面で顕著な効果をも
たらす。また、本発明品は、制御素子を適用して大きな
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は、種々の方法で製造した極薄電磁鋼帯の
磁束密度と鉄損の関係を示す図、第1図(b)は、周波
数と鉄損の関係を、極薄電磁鋼帯の磁束密度水準別に示
す図、第2図は、本発明の知見を得る基礎となった実験
の結果得られた製品の集合組織を示す極点図、第3図
は、本発明のSnを添加した極薄電磁鋼帯の磁束密度(B8
値)とSn含有量の関係を示す図、第4図は、本発明のSn
添加材と無添加材における冷延率と製品の磁束密度の関
係を示す図、第5図は、本発明の知見を得る基礎となっ
た実験の結果得られた製品の磁束密度と、一次再結晶焼
鈍における温度・時間関係領域との関係を示す図、第6
図は、一次再結晶焼鈍における昇温速度と磁束密度の関
係を示す図、第7図は、製品板厚と磁束密度(B8値)の
関係を、本発明によって得られる製品と従来技術によっ
て得られる製品について示す図、第8図(a)は、1000
Hzにおける、励磁強度と鉄損の関係を本発明品と従来技
術によって得られた製品と対比して示す図、第8図
(b)は、400Hzにおける、励磁強度と鉄損の関係を本
発明品と従来技術によって得られた製品と対比して示す
図、第9図(a),(b)は、本発明の実施例2におけ
る材料の800℃×2分および800℃×2分+1200℃×10時
間での焼鈍後の粒組織を示す図、第10図は本発明の実験
に使用した出発材の粒界近傍から発生した一次再結晶粒
の結晶方位を示す金属組織顕微鏡写真(a)とそれを模
写的に示した図(b)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/16 (72)発明者 野沢 忠生 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式會社第3技術研究所内 (72)発明者 本城 修 東京都千代田区大手町2―6―3 新日本 製鐵株式會社内 (72)発明者 中山 正 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式會社第3技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量で、Si≦8%、残部が実質的にFeから
    なり、板厚≦150μm、平均粒径≦1.0mmで{110}<001
    >方位集合組織を有し、磁束密度B8/Bs>0.9(Bs:その
    成分系での飽和磁束密度)である鉄損が低く磁束密度が
    高い極薄電磁鋼帯。
  2. 【請求項2】重量で、Si≦8%、残部が実質的にFeから
    なり、{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8
    /Bs>0.9でありかつ、平均結晶粒径が、圧延方向および
    圧延方向に直角な方向(鋼帯幅方向)にそれぞれ20mm以
    上および40mm以上の結晶粒をもつ一方向性電磁鋼帯に、
    60〜80%の圧下率を適用する少なくとも1回の冷間圧延
    を施して150μm以下の最終板厚とし、次いで一次再結
    晶焼鈍を施すことを特徴とする鉄損が低く磁束密度が高
    い極薄電磁鋼帯の製造方法。
  3. 【請求項3】重量で、Si≦8%、残部が実質的にFeから
    なり、{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8
    /Bs>0.9でありかつ、平均結晶粒径が、圧延方向および
    圧延方向に直角な方向(鋼帯幅方向)にそれぞれ20mm以
    上および40mm以上の結晶粒をもつ一方向性電磁鋼帯に、
    60〜80%の圧下率を適用する少なくとも1回の冷間圧延
    を施して150μm以下の最終板厚とし、次いで一次再結
    晶焼鈍を施すに際し、一次再結晶完了前に下式で定義さ
    れる温度・時間関係領域に保持した後昇温し一次再結晶
    を完了させることを特徴とする鉄損が低く磁束密度が高
    い極薄電磁鋼帯の製造方法。 400℃≦T≦700℃ 20(秒)≦t<(−6T(℃)+4400)(秒)
  4. 【請求項4】重量で、Si≦8%、SnおよびSbの1種また
    は2種を0.005〜0.30%含有し、残部が実質的Feからな
    り、板厚≦150μm、平均粒径≦1.0mmで{110}<001>
    方位集合組織を有し、磁束密度B8/Bs>0.9(Bs:その成
    分系での飽和磁束密度)である鉄損が低く磁束密度が高
    い極薄電磁鋼帯。
  5. 【請求項5】重量で、Si≦8%、SnおよびSbの1種また
    は2種を0.005〜0.30%含有し、残部が実質的にFeから
    なり{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8/B
    s>0.9である一方向性電磁鋼帯を、60〜90%の圧下率を
    適用する少なくとも1回の冷間圧延を施して150μm以
    下の最終板厚とし、次いで一次再結晶焼鈍を施すことを
    特徴とする鉄損が低く磁束密度が高い極薄電磁鋼帯の製
    造方法。
  6. 【請求項6】重量で、Si≦8%、SnおよびSbの1種また
    は2種を0.005〜0.30%含有し、残部が実質的Feからな
    り{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8/Bs
    >0.9である一方向性電磁鋼帯を、60〜90%の圧下率を
    適用する少なくとも1回の冷間圧延を施して150μm以
    下の最終板厚とし、次いで一次再結晶焼鈍を施すに際
    し、一次再結晶完了前に下式で定義される温度・時間関
    係領域に保持した後昇温し一次再結晶を完了させること
    を特徴とする鉄損が低く磁束密度が高い極薄電磁鋼帯の
    製造方法。 400℃≦T≦700℃ 20(秒)≦t<(−6T(℃)+4400)(秒)
  7. 【請求項7】重量で、Si≦8%、SnおよびSbの1種また
    は2種を0.005〜0.30%含有し、残部が実質的Feからな
    り、{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8/B
    s>0.9でありかつ、平均結晶粒径が圧延方向および圧延
    方向に直角な方向(鋼帯幅方向)にそれぞれ20mm以上お
    よび40mm以上の結晶粒をもつ一方向性電磁鋼板に、60〜
    90%の圧下率を適用する少なくとも1回の冷間圧延を施
    して150μm以下の最終板厚とし、次いで一次再結晶焼
    鈍を施すことを特徴とする鉄損が低く磁束密度が高い極
    薄電磁鋼帯の製造方法。
  8. 【請求項8】重量で、Si≦8%、SnおよびSbの1種また
    は2種を0.005〜0.30%含有し、残部が実質的Feからな
    り、{110}<001>方位集合組織を有し、磁束密度B8/B
    s>0.9でありかつ、平均結晶粒径が圧延方向および圧延
    方向に直角な方向(鋼帯幅方向)にそれぞれ20mm以上お
    よび40mm以上の結晶粒をもつ一方向性電磁鋼帯に、60〜
    90%の圧下率を適用する少なくとも1回の冷間圧延を施
    して150μm以下の最終板厚とし、次いで一次再結晶焼
    鈍を施すに際し、一次再結晶完了前に下式で定義される
    温度・時間関係領域に保持した後昇温し一次再結晶を完
    了させることを特徴とする鉄損が低く磁束密度が高い極
    薄電磁鋼帯の製造方法。 400℃≦T≦700℃ 20(秒)≦t<(−6T(℃)+4400)(秒)
JP1331698A 1988-12-22 1989-12-21 鉄損が低く磁束密度が高い極薄電磁鋼帯およびその製造方法 Expired - Fee Related JPH0742556B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1331698A JPH0742556B2 (ja) 1988-12-22 1989-12-21 鉄損が低く磁束密度が高い極薄電磁鋼帯およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32203088 1988-12-22
JP63-322030 1988-12-22
JP1331698A JPH0742556B2 (ja) 1988-12-22 1989-12-21 鉄損が低く磁束密度が高い極薄電磁鋼帯およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02277748A JPH02277748A (ja) 1990-11-14
JPH0742556B2 true JPH0742556B2 (ja) 1995-05-10

Family

ID=26570664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1331698A Expired - Fee Related JPH0742556B2 (ja) 1988-12-22 1989-12-21 鉄損が低く磁束密度が高い極薄電磁鋼帯およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0742556B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6319586B2 (ja) * 2015-04-10 2018-05-09 Jfeスチール株式会社 無方向性電磁鋼板の製造方法
KR102009392B1 (ko) * 2017-12-26 2019-08-09 주식회사 포스코 무방향성 전기강판 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02277748A (ja) 1990-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2572947C2 (ru) Способ изготовления листа из текстурированной электротехнической стали с превосходными свойствами потерь в железе
KR100442101B1 (ko) 자속밀도가 높은 방향성 전기 강판의 제조 방법
JPH0651887B2 (ja) 粒子方向性珪素鋼ストリップの超急速熱処理方法および製造法
JPH0651889B2 (ja) 無方向性珪素鋼の超高速焼なましによる製造方法
KR930005897B1 (ko) 철손이 낮고 자속밀도가 높은 극박전자강대 및 그것의 제조방법
JP2002060842A (ja) 磁束密度の高い方向性電磁鋼板の製造方法
JP4268042B2 (ja) ストリップ鋳造を用いた(110)[001]粒子方向性電磁鋼の製造方法
JP3392664B2 (ja) 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3323052B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
US3096222A (en) Grain oriented sheet metal
JP2784683B2 (ja) {110}〈001〉方位集積度が高く鉄損の低い極薄電磁鋼帯の製造方法
US3147157A (en) Fabrication of magnetic material
JPH0742556B2 (ja) 鉄損が低く磁束密度が高い極薄電磁鋼帯およびその製造方法
JP2002212636A (ja) 磁束密度の高い方向性電磁鋼板の製造方法
JP3392579B2 (ja) 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3127262B2 (ja) {110}〈001〉方位集積度が高く鉄損の低い極薄電磁鋼帯およびその製造方法
JPH04224624A (ja) 磁気特性に優れた電磁鋼板の製造方法
JPH0784615B2 (ja) 磁束密度に優れる方向性けい素鋼板の製造方法
CN114829657B (zh) 取向电工钢板及其制造方法
JPH06256846A (ja) 高磁束密度が安定して得られる方向性電磁薄鋼板の製造方法
JP3498978B2 (ja) 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3169427B2 (ja) 磁気特性の優れた二方向性珪素鋼板の製造方法
JPS6256205B2 (ja)
CN117062921A (zh) 取向性电磁钢板的制造方法
Bertotti et al. 7.1. 2.5 Grain-oriented 3 wt% silicon steels: 7.1. 2 Crystalline Fe-Si, Fe-Al, and Fe-Si-Al alloys

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080510

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090510

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100510

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100510

Year of fee payment: 15