JPH0742452Y2

JPH0742452Y2 - スキー場の融雪防止用の断熱マット

Info

Publication number: JPH0742452Y2
Application number: JP1990091734U
Authority: JP
Inventors: 喜代司篠原; 基彰宮崎; 広泰緒方; 義勝谷
Original assignee: Nippon Steel Corp; Nippon Steel Chemical Co Ltd; Iwatani Corp; Sekisui Kasei Co Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp; Iwatani Corp; Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd; Sekisui Kasei Co Ltd
Priority date: 1990-08-31
Filing date: 1990-08-31
Publication date: 1995-10-04
Anticipated expiration: 2005-08-31
Also published as: JPH0450411U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、スキー場において地熱による雪の融解を低減
するための融雪防止用の断熱マットに関するものであ
る。

［従来の技術と考案が解決しようとする課題］スキー場には、自然降雪を利用した天然スキー場のほ
か、人口降雪機によってゲレンデに人工雪を散布した所
謂人工スキー場がある。いずれのスキー場でも、地盤が
有する熱によって、積もった雪が融解し易い。この地熱
による融雪の程度は大きく太陽熱や外気温等による融雪
の２倍以上に達すると推察される。比較的地熱の高い地
方や地熱が低い地方であっても初冬や初春においては、
この地熱による融雪量が大きい。これにより、スキー滑
走に適した積雪の確保が困難となり、人工スキー場にあ
っては、補充用人工雪の頻繁な散布が必要となり、これ
により維持費の負担が増えるといった問題が起こる。ま
た、これを回避しようとするとスキー場の営業期間の短
縮を余儀なくされる。

そこで、地熱を遮断して融雪量を低減させる必要性が生
じる。このため、地盤と積雪との間に断熱材として、例
えば畳やムシロを敷設することが考えられる。しかしこ
の場合、雪が溶けて生じた所謂融雪水が、畳やムシロに
吸収される。水は熱を伝え易いので、この水が畳やムシ
ロの断熱効果を低減して、地熱を上方に伝え、雪がこの
熱によって溶ける。

さらに、これら畳やムシロは、長時間の使用により腐蝕
し易い。

また、一口に畳と言っても、その内部に有する芯材の種
類や厚みが違えば、畳によって断熱性の度合は異なる。
また、ムシロに関しても、その素材が違えば断熱性に違
いを生じる。したがって、これらを地盤の上に敷きなら
べても、一様な断熱効果を期待することができず、ゲレ
ンデにおいて局部的に融雪の進んだ箇所ができる。

さらに、畳のように大きくて柔軟性に欠ける部材を起伏
の多いスキー場に敷設したり、また、軽量であるムシロ
をスキー場の斜面に敷設しても、外部からの衝撃により
移動し易い。

［課題を解決するための手段］本考案において、上記の種々の問題点を解決するため
に、次のような手段を講じた。

すなわち、請求項１記載のスキー場の融雪防止用の断熱
マットは、板状の合成樹脂発泡体とこの上に接合すべく
載置され上面がスキー滑走面として形成された合成樹脂
製の滑走用マットとからなり、スキー場の地盤の上に多
数敷きならべるようになしたスキー場の融雪防止用の断
熱マットであって、前記滑走用マットは、これを前記合
成樹脂発泡体上に載置した状態において、該合成樹脂発
泡体の外周縁から外側に突出する係合部を備えていると
ともに、隣接する他の滑走用マットにおける前記係合部
を受け入れるための上方が開放した係合孔を備えている
ことを特徴とする。

また、請求項２に記載のように、前記断熱マットを連結
することも可能である。

また、請求項３に記載のように、前記合成樹脂発泡体
が、ポリスチレン系樹脂発泡体であることが好ましい。

［作用］請求項１記載の断熱マットにおいて、合成樹脂発泡体は
優れた断熱材として知られている。この発泡体を板状と
なし、地盤の上に敷設されることにより、地熱が積雪に
伝導するのを遮断され、融雪が防止できる。

また、融雪水は、隣り合う合成樹脂発泡体の間の継目を
介して速やかに地中に浸透する。これにより、融雪水が
断熱効果を低減して地熱を上方に伝えるおそれがなく、
発泡体の断熱効果を維持することができる。

さらに、合成樹脂発泡体の上に前記滑走用マットを載置
することによって、発泡体が安定し、外部からの衝撃に
より容易に移動しない。また、この滑走用マットによ
り、積雪のかたよりを防止でき、ほぼ一定の厚みを積雪
を有したゲレンデを得ることができる。

さらに、断熱マットを構成する、前記発泡体および滑走
用マットは合成樹脂からなることから、この断熱マット
は優れた耐腐蝕性を有する。これにより、この断熱材を
半永久的に使用できる。また、前記発泡体を数多く製造
しても、各々の断熱効果は均等となり、これらを地盤の
上に多数敷きならべて一様な断熱効果を得ることができ
る。

さらに、前記合成樹脂発泡体と滑走用マットとを接合し
て、断熱マットを一体化すれば、この断熱マットの取扱
いが容易となり、また、敷設作業が簡便となる。

さらに、請求項２のように、断熱マットを連結すれば、
断熱マットの安定性が増す。

さらに、請求項３のように、前記合成樹脂発泡体として
ポリスチレン系樹脂発泡体を用いれば、特に優れた断熱
効果が得られる。

［実施例］以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図と第２図において、Ｇはスキー場におけるゲレン
デの地盤である。Ａは、地盤Ｇの上に縦横両方向に多数
敷きならべる断熱マットである。断熱マットＡは、板状
の合成樹脂発泡体12と、この発泡体12の上に取付けられ
上面がスキー滑走面として形成された合成樹脂製の滑走
用マット16からなる。

合成樹脂発泡体12は、例えば、縦、横30センチメート
ル、厚み５センチメートルの大きさである。また、合成
樹脂発泡体12は、発泡性ポリスチレンビーズを40倍に発
泡させたものを使用するのが好適である。しかし、これ
に限らず、例えば、塩化ビニル系樹脂発泡体を使用して
も構わない。

また、滑走用マット16は、耐摩耗性のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂の射出成形により得られる。この滑走
用マット16は、第３図に示すように、平面から見て、外
形が直径15センチメートルの４つの円形のリング体が縦
横に連結した形状をなし、２〜３センチメートルの厚み
を有する。また、第４図に示すように、この滑走用マッ
ト16の上面において、長さ２〜３センチメートルの細棒
状の突起18が上方に向かって多数延びている。また、こ
の滑走用マット16の外縁において、前記合成樹脂発泡体
12の外周縁より外側に突出するＴ型係合部19が設けられ
ている。また、前記Ｔ型係合部19と相対向する滑走用マ
ット16の外縁には、前記Ｔ型係合部19と係合する係合孔
20が内方向に向って設けられている。

なお、滑走用マット16を構成する前記リング体は、平面
円形のものであるが、これに限らず、四角形であっても
構わない。

前記合成樹脂発泡体12の上に、滑走用マット16を載置
し、接着剤を用いて両者を接合する。これにより、断熱
マットＡの取扱いが容易となり、敷設作業を簡素化でき
る。こうして構成した断熱マットＡを、地盤の上に多数
敷きならべる。そして、一つの滑走用マット16のＴ型係
合部19と、隣接する他の滑走用マット16の係合孔20とを
係合させて、断熱マットＡを縦横に順次連結すれば、断
熱マットＡは安定し、外部の衝撃により容易に移動しな
い。

地盤Ｇの上に敷設した断熱マットＡは、合成樹脂発泡体
12により、地熱が雪Ｓに伝導するのを遮断する。これに
より、地熱による雪Ｓの融解を防止することができる。

また、融雪水が生じた場合、融雪水は隣り合う合成樹脂
発泡体12の継目を通って速やかに地中に浸透する。これ
により、融雪水が断熱効果を低減して地熱を上方に伝え
るおそれがなく、合成樹脂発泡体12の断熱効果を維持す
ることができる。なお、発泡体12に、厚み方向に貫通す
る水抜き孔を設けると、融雪水の排除がより一層効果的
に行なえる。また、融雪水の排除を促進させるため、地
盤Ｇの上に砂利を敷いても構わない。

さらに、滑走用マット16により積雪のかたよりを防止で
き、ほぼ一定の厚みの積雪を有したゲレンデを得ること
ができる。

なお、本実施例の断熱マットＡは、合成樹脂発泡体12
と、滑走用マット16とを接着剤によって接合したもので
あるが、これに限らず、発泡体12と、滑走用マット16と
を別体として作業現場に用意し、まず、発泡体12を地盤
Ｇの上に縦横両方向に敷きならべ、この上に滑走用マッ
ト16を敷きならべたものであっても構わない。この場
合、発泡体12の上に、滑走用マット16の形状に対応する
くぼみを設ければ、滑走用マット16が発泡体12に対して
ずれにくくなる。

また、本考案の断熱マットＡをスキー場のゲレンデ全面
に敷設してもよいし、比較的融雪量の多い部分だけに敷
設してもよい。

その他、実用新案登録請求の範囲に属する全ての実施態
様がこの考案の範囲である。

［考案の効果］請求項１記載のスキー場の融雪防止用の断熱マットにお
いて、地盤の上に敷設した合成樹脂発泡体により、地熱
による雪の融解を防止できる。

さらに、融雪水が生じた場合、融雪水は速やかに地中に
浸透するので、前記発泡体の断熱効果を維持できる。

さらに、前記合成樹脂発泡体の上に滑走用マットを設け
ることにより、発泡体が安定し、外部からの衝撃により
容易に移動しない。またこの滑走用マットにより、積雪
のかたよりを防止できる。

さらに、前記発泡体および滑走用マットは優れた耐腐蝕
性を有し、これを半永久的に使用できる。また、前記発
泡体を数多く製造した際、各々の断熱効果は均一であ
り、ゲレンデにおいて融雪が局部的に進むことを防止で
きる。

また、前記合成樹脂発泡体と前記滑走用マットとが接合
されていれば、取扱いが容易であり、敷設作業が簡便と
なる。

さらに、請求項２のように、断熱マットが連結されてい
れば、断熱マットの安定性が増す。

さらに、請求項３のように、合成樹脂発泡体として、ポ
リスチレン系樹脂発泡体を用いれば、特に優れた断熱効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の１実施例を示す斜視図、第２図は、
要部の拡大断面図、第３図は、断熱マットの平面図、第
４図は、滑走用マットの係合部の斜視図である。Ａ……断熱マット、12……合成樹脂発泡体、16……滑走
用マット、Ｇ……地盤。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者篠原喜代司東京都千代田区大手町２丁目６番３号新日本製鐵株式会社内 (72)考案者宮崎基彰東京都目黒区目黒本町４丁目９番７号 (72)考案者緒方広泰神奈川県横浜市金沢区並木２丁目６番１号 402 (72)考案者谷義勝兵庫県川西市湯山台２丁目16番８号 (56)参考文献特開昭61−162604（ＪＰ，Ａ) 特開平４−52307（ＪＰ，Ａ) 特開平４−73304（ＪＰ，Ａ) 特公昭64−71（ＪＰ，Ｂ２)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】板状の合成樹脂発泡体とこの上に接合すべ
く載置され上面がスキー滑走面として形成された合成樹
脂製の滑走用マットとからなり、スキー場の地盤の上に
多数敷きならべるようになしたスキー場の融雪防止用の
断熱マットであって、前記滑走用マットは、これを前記合成樹脂発泡体上に載
置した状態において該合成樹脂発泡体の外周縁から外側
に突出する係合部を備えているとともに、隣接する他の
滑走用マットにおける前記係合部を受け入れるための上
方が開放した係合孔を備えていることを特徴とするスキ
ー場の融雪防止用の断熱マット。
【請求項２】互いに連結されることを特徴とする請求項
１に記載のスキー場の融雪防止用の断熱マット。
【請求項３】前記合成樹脂発泡体が、ポリスチレン系樹
脂発泡体であることを特徴とする請求項１または２に記
載のスキー場の融雪防止用の断熱マット。