JPH0742260B2 - アルキルヒドラジン類の製造方法 - Google Patents

アルキルヒドラジン類の製造方法

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JPH0742260B2
JPH0742260B2 JP61218729A JP21872986A JPH0742260B2 JP H0742260 B2 JPH0742260 B2 JP H0742260B2 JP 61218729 A JP61218729 A JP 61218729A JP 21872986 A JP21872986 A JP 21872986A JP H0742260 B2 JPH0742260 B2 JP H0742260B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアルキルヒドラジンの新規な製造方法に関する
ものである。
(従来の技術) アルキルヒドラジン類は農薬、医薬、発泡剤等の原料と
して有用な化合物である。
従来より、ヒドラジンを原料とするアルキルヒドラジ
ン、特にtert−ブチルヒドラジンの製造方法が種々、開
発されている。米国特許第4,248,800号では、クロラミ
ンを水酸化カリウムおよびtert−ブチルアミンと反応さ
せて、tert−ブチルヒドラジンを製造する方法が開示さ
れている。しかしtert−ブチルアミンはtert−ブチルク
ロライドとアンモニアより製造されるものであり高価で
ある。特公昭57−21267号ではヒドラジンの無機酸塩とt
ert−ブチルハライドを反応させてtert−ブチルヒドラ
ジンの無機酸塩を製造する方法が開示されている。しか
しtert−ブチルハライドはtert−ブタノールとハロゲン
化水素から製造されるものであり高価である。特開昭59
−137453号ではヒドラジン・ハロゲン化水素酸塩とtert
−ブタノールとをヒドラジン・ジハロゲン化水素酸塩ま
たはハロゲン化水素の存在下に反応させて、tert−ブチ
ルヒドラジン・ハロゲン化水素酸塩を製造する方法が開
示されている。しかしtert−ブチルアルコールはイソブ
チレンの水和反応により製造されるものであり高価であ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は安価な原料を使用し、高収率でアルキルヒドラ
ジン類を得ることができる経済的に有利なアルキルヒド
ラジン類の製造方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は無機酸の存在下で、ヒドラジンと式(1) (式中、R1,R2およびR3は同一でも異なつてもよく、そ
れぞれ水素原子又は低級アルキル基を示す)で表わされ
るオレフイン系炭化水素を反応させることを特徴とする
式(2) (式中、R1,R2およびR3は上記と同意義を有する)およ
び式(3) (式中R1,R2およびR3は上記と同意義有する)で表わさ
れるアルキルヒドラジン類の製造方法に係る。
上記において低級アルキル基としては炭素数1〜6のア
ルキル基を挙げることができる。
本発明のアルキルヒドラジンの製造方法における反応機
構の詳細は解明されていないが、無機酸(これをHAとす
る)の存在下でヒドラジンとオレフイン系炭化水素を反
応させて、アルキルヒドラジン類無機酸塩が生成する
際、以下のように反応が進行するものと推測される。
但し本発明は上記の反応機構の推測によつて、制限を受
けるものではない。
上記反応式(2)及び(3)によつて形成されたアルキ
ルヒドラジン類の無機酸塩は、アルカリ例えば水酸化ナ
トリウムで中和することにより、対応するアルキルヒド
ラジン類に変換することができる。
本発明におけるヒドラジンは通常、ヒドラジンヒドラー
トあるいはヒドラジンの無機酸塩の水溶液を使用する。
ヒドラジン水溶液の濃度は特に限定されないが、ヒドラ
ジンヒドラートの場合、好ましくは約60〜80重量%の水
溶液を使用する。本発明におけるオレフイン系炭化水素
を例示すると、エチレン、プロピレン、イソブチレン、
ブテン−1、ブテン−2、2−メチル−ブテン−2、ペ
ンテン−1等を挙げることができる。オレフイン系炭化
水素の使用量は、式(2)で表わされるモノアルキルヒ
ドラジンを製造する場合と式(3)で表わされるジアル
キルヒドラジンを製造する場合とで異なる。モノアルキ
ルヒドラジンを主目的として製造する場合、オレフイン
系炭化水素の使用量は、ヒドラジン1モルに対して通常
2モル以下、好ましくは0.5〜1.5モルの範囲である。一
方、ジアルキルヒドラジンを主目的として製造する場
合、オレフイン系炭化水素の使用量はヒドラジン1モル
に対して通常2モル以上、好ましくは5〜15モルの範囲
である。
本発明における無機酸は、例えばハロゲン化水素酸、硫
酸、硫酸水素アルカリ、リン酸等の1種または1種以上
である。ハロゲン化水素酸として、HCl,HBr,HI等を挙げ
ることができる。無機酸の使用量はヒドラジン1モルに
対して1モル以上、好ましくは1〜5モルの範囲で使用
する。ヒドラジンがヒドラジンの無機酸塩の形で使用さ
れるときは、ヒドラジン無機酸塩1モルに対し、塩を形
成している無機酸のモル数と、塩を形成していない遊離
の無機酸のモル数の合計が1〜5モルの範囲になるよう
に使用する。無機酸の形態は特に限定されないが、通常
水溶液で使用し濃度は20〜70重量%の範囲が好ましい。
本発明において反応原料の添加順序は特に限定されず、
任意の順序で添加することができる。但しモノアルキル
ヒドラジンを製造する場合、無機酸とヒドラジンあるい
はヒドラジン無機酸塩溶液に、オレフイン系炭化水素を
徐々に導入しながら反応させた方が好ましい。またジア
ルキルヒドラジンを製造する場合、無機酸とオレフイン
系炭化水素の溶液に、ヒドラジンを徐々に導入しながら
反応させた方が好ましい。本発明の反応温度は通常約70
〜150℃、好ましくは約90〜110℃の範囲である。本発明
の反応圧力は常圧下、密閉系における自発生圧力下ある
いは、不活性ガス等による加圧下のいずれの場合でも実
施することができる。
本発明の反応時間は反応温度に関与し、適宜決定するこ
とができる。例えば反応温度が100℃の場合、約2〜4
時間である。本発明の反応溶媒は反応に関与しない有機
溶媒、例えばトルエン等を使用することもできるが、通
常水を使用するのが好ましい。本発明の反応は回分式、
連続式のいずれでも実施することができる。
本発明においては、反応終了後、反応液を冷却し次にア
ルカリ性にすることにより生成したアルキルヒドラジン
類の無機酸塩を遊離のアルキルヒドラジン類とする。遊
離のアルキルヒドラジン類は、空気中の酸素と反応して
分解が進行する恐れがあるため窒素雰囲気にするのが好
ましい。このアルカリ水溶液を有機溶媒、例えばクロロ
ホルムを使用して抽出することにより、アルキルヒドラ
ジン類は有機層に移行する。この際、未反応ヒドラジン
は抽出されないで水層に残るため、ヒドラジンとアルキ
ルヒドラジン類を分離することができる。次にアルキル
ヒドラジン類を含む有機層を水で逆抽出することによ
り、モノアルキルヒドラジンは水層に移行し、N,N′−
ジアルキルヒドラジンは有機層に残るため、モノアルキ
ルヒドラジンとN,N′−ジアルキルヒドラジンを分離す
ることができる。モノアルキルヒドラジンを含む水層を
アルカリとともに蒸留することにより高純度のモノアル
キルヒドラジンを単離できる。またモノアルキルヒドラ
ジンを含む水層に同モル数の無機酸を加え濃縮すること
により、高純度のモノアルキルヒドラジン無機酸塩を単
離できる。N,N′−ジアルキルヒドラジンを含む有機層
を蒸留することにより、高純度のN,N′−ジアルキルヒ
ドラジンを単離できる。またN,N′−ジアルキルヒドラ
ジンを含む有機層を同モル数の無機酸水溶液で逆抽出を
行つた後、水層を濃縮することにより、高純度のN,N′
−ジアルキルヒドラジン無機酸塩を単離できる。
また本発明においては、反応終了後、未反応ヒドラジン
が少ない場合などは、反応液を冷却し生成した結晶を
過分離し、必要に応じて再結晶することにより、高純度
のアルキルヒドラジン類の無機酸塩を単離できる。ある
いは反応液を冷却下、カセイソーダを添加した後、蒸留
することにより、高純度のアルキルヒドラジン類を単離
することもできる。
(実 施 例) 次に本発明を実施例を挙げて説明する。反応の結果につ
いて、転化率、選択率および収率として示す。これらは
次のように定義する。
転化率とは、反応に使用したヒドラジンに対する反応
で消費されたヒドラジンのモル%を示す。
選択率(A)とは、反応で消費されたヒドラジンに対
する生成モノアルキルヒドラジンのモル%を示す。
選択率(B)とは、反応で消費されたヒドラジンに対
する生成ジアルキルヒドラジンのモル%を示す。
実施例1 温度計、圧力計、攪拌装置を備えた容量100mlのオート
クレーブに、30重量%HCl 24.3g(0.20モル)を仕込
み、これに80重量%ヒドラジンヒドラート6.25g(0.10
モル)を添加した。次に内容物を−10℃に冷却し、イソ
ブチレン5.6g(0.10モル)を導入後、系内を窒素ガス雰
囲気とし、密閉後、徐々に95℃まで昇温し、同温度で3
時間反応を行なつた。
反応液の分析の結果、tert−ブチルヒドラジン塩酸塩お
よびN,N′−ジ−tert−ブチルヒドラジン塩酸塩が生成
しており、転化率93%、選択率(A)97%、選択率
(B)2%であつた。反応液をカセイソーダでアルカリ
性とし、ジクロルメタンで抽出することにより、未反応
ヒドラジンを水層に、tert−ブチルヒドラジン及びN,
N′−ジ−tert−ブチルヒドラジンを有機層に分離させ
た。有機層を水で逆抽出し、tert−ブチルヒドラジンを
水層にN,N′−ジ−tert−ブチルヒドラジンを有機層に
分離させた。水層にtert−ブチルヒドラジンと同モル数
の塩酸を加え、減圧濃縮し、110℃で乾燥することによ
り白色結晶を単離した。この結晶についてNMRスペクト
ル及びマススペクトル測定の結果、標品のtert−ブチル
ヒドラジン塩酸塩のスペクトルと完全に一致し同定確認
した。N/20−KIO3還元滴定及びN/10−AgNO3滴定の結
果、本結晶はtert−ブチルヒドラジン塩酸塩の含量が99
%であつた。
N,N′−ジ−tert−ブチルヒドラジンを含む有機層に、
同モル数の塩酸水溶液を加え逆抽出し、水層を減圧濃縮
し、110℃で乾燥することにより白色結晶を単離した。
この結晶はN,N′−ジ−tert−ブチルヒドラジン塩酸塩
であり、含量が99%であつた。
実施例2〜7 実施例1において、無機酸の種類と使用量、イソブチレ
ンの使用量および反応温度と反応時間を変化させた以外
は、同様にして反応を行つた。結果を第1表に示す。
実施例8〜11 実施例1と同一装置に無機酸を仕込み、これに60重量%
ヒドラジンヒドラート8.33g(0.10モル)を添加し、系
内を窒素ガス雰囲気とし、密閉後、徐々に90℃まで昇温
した。これにオレフイン系炭化水素を3時間を要して徐
々に導入し、更に同温度で3時間反応を行なつた。結果
を第2表に示す。
実施例12 実施例1と同一装置に、ヒドラジン2塩酸塩10.5g(0.1
0モル)および水20gを仕込み、−10℃に冷却しイソブチ
レン5.6g(0.10モル)を導入後、系内を窒素ガス雰囲気
とし、密閉後、徐々に100℃まで昇温し、同温度で3時
間反応を行つた。反応液の分析の結果、tert−ブチルヒ
ドラジン塩酸塩が生成しており、転化率94%、選択率
(A)97%、選択率(B)2%であつた。
実施例13 実施例1と同一装置に、35%HCl 20.9g(0.20モル)を
仕込み、これに80%ヒドラジンヒドラート6.25g(0.10
モル)を添加した。これを−10℃に冷却しイソブチレン
14.0g(0.25モル)を仕込み、系内を窒素ガス雰囲気と
し、密閉後、徐々に100℃まで昇温し、同温度で5時間
反応を行つた。反応液の分析の結果、転化率98%、選択
率(A)47%、選択率(B)51%であつた。
実施例14 実施例1と同一装置に、35%HCl 31.3g(0.30モル)を
仕込み、これを−10℃に冷却しイソブチレン56.0g(1.0
0モル)を仕込み、系内を窒素ガス雰囲気とし、密閉
後、徐々に90℃まで昇温した。これに80%ヒドラジンヒ
ドラート6.25g(0.10モル)を3時間を要して徐々に導
入し、更に同温度で5時間反応を行つた。反応液の分析
の結果、転化率100%、選択率(A)17%、選択率
(B)82%であつた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機酸の存在下で、ヒドラジンと式(1) (式中、R1,R2およびR3は同一でも異なつてもよく、そ
    れぞれ水素原子又は低級アルキル基を示す)で表わされ
    るオレフイン系炭化水素を反応させることを特徴とする
    式(2) (式中、R1,R2およびR3は上記と同意義を有する)およ
    び式(3) (式中R1,R2およびR3は上記と同意義有する)で表わさ
    れるアルキルヒドラジン類の製造方法。
  2. 【請求項2】無機酸がハロゲン化水素酸、硫酸、硫酸水
    素アルカリ及びリン酸の群から選ばれる少なくとも1種
    である特許請求の範囲第1項記載の方法。
JP61218729A 1986-09-16 1986-09-16 アルキルヒドラジン類の製造方法 Expired - Lifetime JPH0742260B2 (ja)

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