JPH0742246B2 - α−(3−(1−フエニルエテニル)フエニル)プロピオン酸及びそのアルキルエステル - Google Patents

α−(3−(1−フエニルエテニル)フエニル)プロピオン酸及びそのアルキルエステル

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JPH0742246B2
JPH0742246B2 JP6855087A JP6855087A JPH0742246B2 JP H0742246 B2 JPH0742246 B2 JP H0742246B2 JP 6855087 A JP6855087 A JP 6855087A JP 6855087 A JP6855087 A JP 6855087A JP H0742246 B2 JPH0742246 B2 JP H0742246B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は式(II)で示されるα−(3−(1−フェニル
エテニル)フェニル)プロピオン酸およびそのエステル
に関するものである。
α−(3−(1−フェニルエテニル)フェニル)プロピ
オン酸およびそのエステル(式II)は、消炎剤、鎮痛剤
などの医薬品として有用な下記式(I)に示されるα−
(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸(商品名:ケ
トプロフェン)を安価に製造するための中間体である。
[従来の技術] ケトプロフェンは従来から種々の製造法が提案されてお
り、その代表的なものとして次のような方法がある。
1)3−ベンゾイルプロピオフェノンをオルトギ酸メチ
ルの存在下に、硝酸タリウムで反応させることにより、
ケトプロフェンメチルエステルを得る(イギリス特許20
19393号公報)。
2)3−ベンジルアセトフェノンとクロル酢酸エチルを
強塩基の存在下に反応させてグリシド酸エステルとす
る。これを水酸化ナトリウム水溶液で処理することによ
り、加水分解・脱炭酸したα−(3−ベンジルフェニ
ル)プロピオンアルデヒドを得る。更に過マンガン酸カ
リウムで酸化しケトプロフェンを得る(特開昭55−3645
0号公報)。
[発明が解決しようとする問題点] 上記1)の方法は反応ステップは短いながら、有毒なタ
リウムを使用すること、原料の合成が容易であるとはい
い難い。また、2)の方法も原料の入手が容易とはいい
難い。このように、1)、2)共に工業的な製法として
はまだ十分とはいえない。
本発明の目的は、ケトプロフェンを安価に高収率で、且
つ容易に合成するための新規な中間体を提供することに
ある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は式(II)で表されるα−(3−(1−フェニル
エテニル)フェニル)プロピオン酸及びそのエステルに
関するものである。
(Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基) 具体的な上記式(II)の化合物は、α−(3−(1−フ
ェニルエテニル)フェニル)プロピオン酸、α−(3−
(1−フェニルエテニル)フェニル)プロピオン酸メチ
ルエステル、α−(3−(1−フェニルエテニル)フェ
ニル)プロピオン酸エチルエステル、α−(3−(1−
フェニルエテニル)フェニル)プロピオン酸プロピルエ
ステル、α−(3−(1−フェニルエテニル)フェニ
ル)プロピオン酸イソプロピルエステル、α−(3−
(1−フェニルエテニル)フェニル)プロピオン酸−n
−ブチルエステル、α−(3−(1−フェニルエテニ
ル)フェニル)プロピオン酸−sec−ブチルエステル、
α−(3−(1−フェニルエテニル)フェニル)プロピ
オン酸−tert−ブチルエステル、及びα−(3−(1−
フェニルエテニル)フェニル)プロピオン酸イソブチル
エステル等である。
上記式の化合物には、光学活性な異性体も含まれる。
本発明の上記α−(3−(1−フェニルエテニル)フェ
ニル)プロピオン酸およびそのエステルは、下記式(II
I)の1−(3−ビニルフェニル)−1−フェニルエチ
レンから公知のヒドロエステル化方法により製造するこ
とが出来る。
ここで、式(III)の1−(3−ビニルフェニル)−1
−フェニルエチレンは、例えば、次のようにして容易に
合成することができる。
アセトフェノンを出発物質とする方法を示すと、アセト
ンフェノンにグリニャール試薬である臭化m−ビニルフ
ェニルマグネシウムを反応させ、1−(3−ビニルフェ
ニル)−1−フェニルエチルアルコール(式IV)(以
下、「VPA」と称することもある)とする。しかる後
に、該生成物を硫酸水素カリウムの存在下において脱水
反応させて、1−(3−ビニルフェニル)−1−フェニ
ルエチレン(式III)とする。このグリニャール付加反
応は温度0〜100℃、好ましくは20〜80℃で行う。ま
た、脱水反応は170〜250℃、好ましくは190〜230℃で減
圧条件下で行う。グリニャール試薬はアセトフェノンに
対して1.0〜1.2当量でよい。
このようにして得られた新規化合物の1−(3−ビニル
フェニル)−1−フェニルエチレンに対して公知のヒド
ロエステル化反応を施すことにより、式(II)で表され
るカルボニル化合物であるα−(3−(1−フェニルエ
テニル)フェニル)プロピオン酸およびそのエステルを
得ることができる。
上記のヒドロエステル化に使用される貴金属錯体触媒と
しては、Pd、Rh、Ir等の貴金属錯体であり、特にPdの錯
体である。これら貴金属は、ハロゲン原子、3価のリン
化合物あるいはカルボニル錯化合物等として一酸化炭素
等を配位子として含有するものが用いられる。貴金属、
例えばパラジウムは、0価から2価のものが使用され
る。
触媒の具体例は、ビストリフェニルフォスフィンジクロ
ロパラジウム、ビストリブチルホスフィンジクロロパラ
ジウム、ビストリジクロロヘキシルホスフィンジクロロ
パラジウム、π−アリルトリフェニルホスフィンジクロ
ロパラジウム、トリフェニルホスフィンピペリジンジク
ロロパラジウム、ビスベンゾニトリルジクロロパラジウ
ム、ビスシクロヘキシルオキシムジクロロパラジウム、
1,5,9−シクロドデカトリエン−ジクロロパラジウム、
ビストリフェニルホスフィンジカルボニルパラジウム、
ビストリフェニルフォスフィンパラジウムアセテート、
ビストリフェニルフォスフィンパラジウムジナイトレー
ト、ビストリフェニルフォスフィンパラジウムサルフェ
ート、テトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム
等が挙げられる。
触媒は、錯体として反応系に供給して使用することもで
きる。また、別個に配位子を供給し反応系において錯体
を生成させて使用することもできる。
その触媒量は、式(III)で示される1−(3−ビニル
フェニル)−1−フェニルエチレン1.0モルに対して0.0
001〜0.5モル、好ましくは0.001〜0.1モルであり、配位
子となり得る化合物の添加量は、Pd、Rh、Ir等の錯体の
核となり得る貴金属1モルに対して0.8〜10モル、好ま
しくは1〜4モルである。
ヒドロエステル化反応は、反応温度は40〜150℃、好ま
しくは70〜120℃、一酸化炭素圧20〜700kg/cm2、好まし
くは40〜500kg/cm2の圧力で行う。また、反応を促進す
る目的で、塩化水素、三弗化ホウ素等の酸を添加しても
よい。
該ヒドロエステル化反応において、式(III)で表され
る1−(3−ビニルフェニル)−1−フェニルエチレン
を水の存在下で反応させると、式(II)におけるRが水
素原子であるカルボン酸、即ちケトプロフェンが得られ
る。また、任意のアルキル基を有する低級アルコールの
存在下で反応させた場合、式(II)におけるRが該低級
アルコールのアルキルであるエステルが得られ、例えば
メチルアルコールではメチルエステルが得られる。
アルコールは、メチルアルコール、エチルアルコール、
n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n
−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−
ブチルアルコール及びイソブチルアルコール等の炭素数
1〜4の低級アルコールであるが、好ましくはメチルア
ルコールである。
上記の方法により得られた本発明の化合物であるα−
(3−(1−フェニルエテニル)フェニル)プロピオン
酸又はそのアルキルエステルであるカルボニル化合物
(式II)を、酸化剤あるいは酸化触媒の存在下に、分子
状酸素によって酸化する。かくすることにより、式
(I)で表されるケトプロフェン及びそのエステル化物
で、即ちα−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸
又はそのアルキルエステルを容易に得ることができる。
エステルを酸化するときは、酸化に先立ち、通常の加水
分解操作によって酸の形態に変換しておくこともでき
る。勿論、エステルをそのまま酸化してもよい。
上記の酸化法には公知の酸化法が適用され、例えば、酸
化触媒存在下における分子状酸素による酸化、あるいは
酸化剤として過マンガン酸塩、二酸化マンガン、クロム
酸塩、四酢酸鉛、過ヨウ素酸塩、四酸化ルテニウム、四
酸化オスミウム、過酸化水素、二酸化セレン、オゾンお
よびこれらの混合物からなる酸化剤を用いる酸化などが
挙げられる。
分子状酸素による酸化の際の触媒には、周期律表中第VI
−B、VII−B、VIII族から選ばれる金属、たとえば、
クロム、マンガン、タングステン、モリブデン、白金、
パラジウム、コバルト、ニッケル、鉄、ロジウム、ルテ
ンニウムの塩およびこれらの混合物があげられ、特に好
ましいのは、コバルト、鉄、マンガン、クロムの塩であ
る。塩としては、たとえばナフテン酸の塩が好ましい。
触媒の使用量は、たとえば原料に対して0.05〜10重量%
が適当である。分子状酸素は、純酸素あるいは空気とし
て供給することもでき、また純酸素と他の不活性ガスと
混合して反応系に供給してもよい。
分子状酸素による酸化の反応温度は、30〜250℃、好ま
しくは50〜200℃である。反応温度が30℃未満では反応
速度が著しく小さくなり、また250℃を越えると目的物
の選択率が著しく低下するのでいずれも好ましくない。
また、過マンガン酸塩等の酸化剤との接触効率を向上さ
せるために溶媒を用いてもよく、このような溶媒として
は、たとえば、水、アセトン、t−ブチルアルコールな
どのアルコール、氷酢酸、酢酸、イソオクタン、ベンゼ
ン、クロロホルム、ピリジンなどの単一あるいは混合溶
媒などが用いられる。
過マンガン酸塩などの酸化剤は、原料に対して少なくと
も1当量以上、好ましくは1.5当量以上必要である。使
用量の上限は特に制限はないが、通常は10当量を越える
と、不経済となるだけで好ましくない。酸化剤による酸
化の反応温度は、0〜200℃、好ましくは30〜150℃であ
る。0℃未満の反応温度では反応が進まず、また200℃
を越えると副生成物などが生じ目的物の選択率が著しく
低下するのでいずれも好ましくない。
何れの酸化後においても、酸化剤または酸化触媒を濾過
などにより分離するか、あるいはベンゼン、酢酸エチ
ル、クロロホルムなどの有機溶媒で反応混合物を抽出し
た後、通常の蒸留により、あるいは再結晶により、高純
度のα−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸であ
るケトプロフェンまたはそのアルキルエステルが得られ
る。
Rがアルキルであるケトプロフェンのエステル化物は、
通常の加水分解操作によって容易に高純度のケトプロフ
ェンとすることができる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明において提案した新規な化
合物であるα−(3−(1−フェニルエテニル)フェニ
ル)プロピオン酸およびそのエステルを利用することに
より、該化合物を中間体として経由して、容易に高収率
で且つ安価にケトプロフェンを合成することができる。
また、本発明の化合物は、その置換基が特定されている
ところから、これを中間体として利用すれば、特異な消
炎効果を有するケトプロフェンが安価に且つ容易に製造
される。
[実施例] 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 1−(3−ビニルフェニル)−1−フェニルエチレンの
(式III)の合成 滴下漏斗、還流冷却器、及び撹拌機付の2三つ口フラ
スコ中に、金属マグネシウム25.5g(1.05モル)を入
れ、乾燥窒素を流して、十分乾燥した後、モレキュラー
シーヴ5Aで乾燥したテトラヒドロフラン50mlを入れて激
しく撹拌する。しかる後に臭化3−ビニルベンゼン183g
(1.0モル)の乾燥テトラヒドロフラン500ml溶液を2時
間かけて徐々に滴下した。反応温度は75℃〜80℃に保
ち、該溶液滴下終了後もそのままで更に一時間撹拌を続
けた。このようにして得たグリニャール試薬、臭化3−
ビニルフェニルマグネシウム溶液中に、更にアセトフェ
ノン122.6g(1.02モル)の乾燥テトラヒドロフラン500m
l溶液を2時間かけて徐々に滴下した。反応温度は75〜8
0℃に保ち、滴下終了後もそのまま更に1時間撹拌を続
けた。しかる後、反応液を塩化アンモニウム75gの水溶
液3中に注入し、20時間静置した後油層を分液して回
収し、テトラヒドロフランを留去して1−(3−ビニル
フェニル)−1−フェニルエチルアルコール(VPA:式
(IV))を収率89%(アセトフェノン基準)で得た。
蒸留塔及び滴下漏斗付き300ml三つ口フラスコに、硫酸
水素カリウム81gを入れ、減圧して15〜20mmHgにし、該
生成アルコールを2時間かけて滴下した。脱水反応して
蒸留塔頂より流出した水及び油分を回収し、分液して油
層中の1−(3−ビニルフェニル)−1−フェニルエチ
レンを収率100%(VPA基準)で得た。脱水反応は反応温
度200〜250℃で行った。
生成した題記化合物である1−(3−ビニルフェニル)
−1−フェニルエチレン(式III)の分析結果を以下に
示す。
沸点:134.0〜135.5℃/2.0〜3.0mmHg IR:(Neat)cm-1 3050、1690、1495、1260、995、900、810、780、7001 H−NMR:(CCl4、δppm) 7.10〜7.70(9H、多重線) 6.65〜6.80(1H、4重線) 5.65〜5.80(1H、2重線) 5.45〜5.50(2H、2重線) 5.20〜5.30(1H、2重線) 元素分析:(C16H14として) 計算値 C:93.20% H: 6.80% 実測値 C:93.24% H: 6.76% 実施例2 α−(3−(1−フェニルエテニル)フェニル)プロピ
オン酸の合成 上で得られた1−(3−ビニルフェニル)−1−フェニ
ルエチレン43g、ビストリフェニルホスフィンジクロロ
パラジウム5.5g、10%塩酸水溶液80g、及び溶媒として
トルエン80mlを内容液500mlの撹拌機付きオートクレー
ブに入れ、常温で一酸化炭素により100kg/cm2まで加圧
した後、120℃に達するまで昇温しながら昇圧し、300kg
/cm2まで加圧した。反応によって一酸化炭素の吸収がな
くなった後、24時間反応を続けた。
反応終了後、オートクレーブを冷却して反応液を回収
し、分液漏斗で油層と水層を分離し、油層を8%苛性ソ
ーダ水溶液50mlで3回抽出した後、抽出水溶液を分液後
の水層と混合し、塩酸を加えてpH2にした。しかる後
に、クロロホルム500mlで3回抽出し、抽出液を減圧に
してクロロホルムを留去して題記化合物を44.7g得た。
精製したα−(3−(1−フェニルエテニル)フェニ
ル)プロピオン酸の分析結果を以下に示す。
なお、以下の分析結果は、実施例4において得られたα
−(3−(1−フェニルエテニル)フェニル)ピロピオ
ン酸メチルエステルを常法に従い加水分解して得られた
α−(3−(1−フェニルエテニル)フェニル)プロピ
オン酸のそれと同一であった。
性状:融点69.0〜71.0℃ IR:(Neat)cm-1 3030、2750、2650、1715、1610、1420、1240 1070、91
0、785、7101 H−NMR:(CCl4、δppm) 12.2 (1H、一重線) 6.80〜7.50(9H、多重線) 5.38 (2H、一重線) 3.45〜3.90(1H、四重線) 1.35〜1.65(3H、二重線) 元素分析:(C17H16O2として) 計算値 C:80.95% H: 6.35% O:12.70% 実測値 C:80.91% H: 6.32% O:12.77% 実施例3 α−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸(ケトプ
ロフェン)の合成(その1) 実施例2で得られたα−(3−(1−フェニルエテニ
ル)フェニル)プロピオン酸3gをベンゼン250mlに溶か
し、更に水250mlを加えて激しく撹拌して懸濁させた。
しかる後に2%過マンガン酸カルシウム水溶液2を徐
々に1.5時間かけて滴下し、滴下終了後、室温で18時間
撹拌を続けた。反応終了後、濃硫酸を加えて酸性とし、
亜硫酸ナトリウムを35gを加えて処理した後に水500mlを
加えてエーテル150mlで3回抽出した。エーテル溶液を
水洗した後、5%苛性ソーダ水溶液200mlで3回抽出
し、しかる後に塩酸を加えて酸性にした。これを再度エ
ーテル150mlで3回抽出し、水洗した後に無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濾過してからエーテルを減圧留去し
た。最後にベンゼン/石油エーテルから再結晶してα−
(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸(ケトプロフ
ェン)を20g得た。融点、スペクトル等は標品と同様で
あった。
実施例4 α−(3−(1−フェニルエテニル)フェニル)プロピ
オン酸メチルエステルの合成 上で得られた1−(3−ビニルフェニル)−1−フェニ
ルエチレン43g、塩化パラジウム(II)0.74g、トリフェ
ニルホスフィン2.19g、メチルアルコール13.4g及び溶媒
としてトルエン90mlを、500mlの撹拌機付きオートクレ
ーブに入れ、一酸化炭素によって常温で150kg/cm2まで
加圧し、更に加熱して125℃まで昇温し、同時に400kg/c
m2まで昇圧した。一酸化炭素の吸収がなくなった後、16
時間反応を続けた。反応終了跡、反応液を2〜3mmHgで
減圧蒸留して沸点144.5〜145.5℃のα−(3−(1−フ
ェニルエテニル)フェニル)プロピオン酸メチルエステ
ルを収率87%〔1−(3−ビニルフェニル)−1−フェ
ニルエチレン基準〕で得た。スペクトル分析の結果を次
に示す。
IR:(Neat)cm-1 3040、2995、2960、2880、2850、1740、1610、1500、14
45、1340、1260、1190、1075、1032、905、785、7101 H−NMR:(CCl4、δppm) 6.70〜7.30(9H、多重線) 5.32 (2H、1重線) 3.20〜3.75(4H、多重線) 1.45〜1.56(3H、2重線) 元素分析:(C18H18O2として) 計算値 C:81.20% H: 6.77% O:12.03% 実測値 C:81.20% H: 6.80% O:12.00% 実施例5 α−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸(ケトプ
ロフェン)の合成(その2) 実施例4で得られたα−(3−(1−フェニルエテニ
ル)フェニル)プロピオン酸メチルエステル36gをベン
ゼン250mlに溶かし、水250mlを加えて激しく撹拌して懸
濁させた。しかる後、2%過マンガン酸カリウム水溶液
2を徐々に1.5時間かけて滴下し、滴下終了後室温で1
8時間撹拌を続けた。反応終了後、濃硫酸を加えて酸性
として、亜硫酸ナトリウム35g加えて処理した後に、水5
00mlを加えてエーテル150mlで3回抽出した。エーテル
溶液を水洗した後、エーテルを留去し、5%苛性ソーダ
水溶液を加え、これを還流温度で5時間加水分解した。
冷却後、エーテルで油層を抽出し、更に水層に塩酸を加
えて酸性にして、これを再度エーテルで抽出した。エー
テル層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
ろ過してからエーテルを減圧留去した。最後にベンゼン
/石油エーテルから再結晶させてα−(3−ベンゾイル
フェニル)プロピオン酸(ケトプロフェン)を23g得
た。融点、スペクトル等は標品と同一であった。
実施例6 α−(3−(1−フェニルエテニル)フェニル)プロピ
オン酸−tert−ブチルエステルの合成 実施例4と同様にして、tert−ブチルアルコールで1−
(3−ビニルフェニル)−1−フェニルエチレンをヒド
ロエステル化させた。得られらα−(3−(1−フェニ
ルエテニル)フェニル)プロピオン酸−tert−ブチルエ
ステルの収率は、原料オレフィン基準で50%であった。
生成した題記化合物であるα−(3−(1−フェニルエ
テニル)フェニル)プロピオン酸−tert−ブチルエステ
ルの分析結果を次に示す。
沸点:172〜174℃/2〜3mmHg IR:(Neat)cm-1 3045 2990、2955、1745、1490、1370、1260、1150、91
5 875、820、775、715。1 H−NMR:(CCl4、δppm) 6.75〜7.30(9H、多重線) 5.32 (2H、1重線) 3.50 (1H、4重線) 1.58 (9H、1重線) 1.45〜1.53(3H、2重線) 元素分析:(C21H24O2として) 計算値 C:81.82% H: 7.79% O:10.39% 実測値 C:81.80% H: 7.80% O:10.40% 次いで、得られたα−(3−(1−フェニルエテニル)
フェニル)プロピオン酸−tert−ブチルエステル36g
を、実施例5と同様にして酸化し、加水分解してから再
結晶することにより、α−(3−ベンゾイルフェニル)
プロピオン酸(ケトプロフェン)23g得た。融点、スペ
クトル等は標品と同一であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式で示されるα−(3−(1−フ
    ェニルエテニル)フェニル)プロピオン酸およびそのア
    ルキルエステル (ここで、RはH又は炭素数1〜4の低級アルキル
    基)。
  2. 【請求項2】前記低級アルキル基が、メチル基である特
    許請求の範囲第1項記載のアルキルエステル。
JP6855087A 1987-03-23 1987-03-23 α−(3−(1−フエニルエテニル)フエニル)プロピオン酸及びそのアルキルエステル Expired - Lifetime JPH0742246B2 (ja)

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JP6855087A JPH0742246B2 (ja) 1987-03-23 1987-03-23 α−(3−(1−フエニルエテニル)フエニル)プロピオン酸及びそのアルキルエステル

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JP6855087A JPH0742246B2 (ja) 1987-03-23 1987-03-23 α−(3−(1−フエニルエテニル)フエニル)プロピオン酸及びそのアルキルエステル

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KR960002598B1 (ko) * 1987-03-20 1996-02-23 니혼 세끼유 가가꾸 가부시끼가이샤 α-(3-벤질페닐)프로피온산 유도체의 제조방법

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