JP2838226B2 - α―(4―(1―ヒドロキシ―2―メチルプロピル)フェニル)エタノール - Google Patents

α―(4―(1―ヒドロキシ―2―メチルプロピル)フェニル)エタノール

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な物質であるα−(4−(1−ヒドロ
キシ−2−メチルプロピル)フェニル)エタノールに関
するものである。この化合物は、消炎材であるα−(4
−イソブチルフェニル)プロピオン酸(商品名:イブプ
ロフェン)合成用の中間体として有用である。
[従来の技術とその課題] イブプロフェンの合成法としては、p−イソブチルス
チレンを中間体に用いる方法が従来から提案されてい
る。このp−イソブチルスチレンは、例えば、特公昭59
−35899号公報に開示されているように、p−イソブチ
ルアセトフェノンを水素添加した後脱水して製造される
ことが知られている。また、特開昭61−24527号公報に
開示されているように、イソブチルベンゼンとアセトア
ルデヒドとを硫酸触媒存在下で反応させて1,1−ビス
(p−イソブチルフェニル)エタンとし、この1,1−ビ
ス(p−イソブチルフェニル)エタンを酸触媒の存在下
に接触分解してp−イソブチルスチレンを製造する。
しかし、これらは高価な原料を用いること、収率が必
ずしも高くないこと、あるいは工程数が多いことなどの
点から、実用上は解決すべき問題が少なくない。従っ
て、これらの課題を解決すべく、新規なイブプロフェン
合成用の中間体が望まれている。
[課題を解決するための手段] 本発明は上述のような課題を解決するために、イブプ
ロフェンを容易に、少ない工程数で、かつ高収率で合成
するための、下記式(I)で表わされる新規な中間体α
−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェ
ニル)エタノールを提供するものである。下記式の化合
物は不斉炭素原子を有するために光学異性体が存在する
が、それらの光学異性体も本発明の化合物に含まれるも
のである。
式(I)で表わされるα−(4−(1−ヒドロキシ−
2−メチルプロピル)フェニル)エタノールの製法は、
以下に説明する方法に限定されるものではないが、次の
ようにして容易に合成することができる。
例えば、p−ブロモアセトフェノンを出発物質とする
下記の反応式による場合、p−ブロモアセトフェノンの
カルボニル基を酸触媒の存在下にエチレングリコールで
あらかじめアセタール保護し、これを金属マグネシウム
と反応させてグリニャール試薬とする。このグリニャー
ル試薬とイソブチルアルデヒドとを反応させ、その後希
酸で加水分解することにより保護基を外しp−(ヒドロ
キシ−2−メチルプロピル)アセトフェノン(式II)と
する。
上記アセタール保護のためのケタール化試薬は任意の
ジオールでよい。また、メタノール等の低級アルコール
によってジアルキルアセタール化してもよい。あるい
は、常法に従い、カルボニル基をチオアセタール、セミ
カルバゾン、ヒドラゾン、イミン等の保護基に変換して
もよい。
グリニャール付加反応は、温度0〜100℃、好ましく
は20〜80℃で行なう。金属マグネシウムは1.0〜1.2当量
あればよい。イソブチルアルデヒドは0.5〜2.0当量、好
ましくは1.0〜1.2当量で行なう。脱ケタール化は、温度
0〜100℃、好ましくは20〜80℃で行なう。この際、メ
タノール、テトラヒドロフラン、酢酸などの有機溶媒を
使用してもよい。
次に、得られたp−(1−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロピル)アセトフェノンを、下記反応式に示すように水
素添加することによってα−(4−(1−ヒドロキシ−
2−メチルプロピル)フェニル)エタノールが得られ
る。
上記p−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ア
セトフェノンの水素添加は任意の常法により行なうこと
ができる。
すなわち、第四アンモニウム塩あるいはアルコール等
の水素供与体の存在下におけるNa、Li等の金属あるいは
金属塩による水素添加、NaBH4、LiBH4、LiAlH4、NaAl
H4、LiAlH(OC2H5)3、NaAlH2(OCH2CH2OCH3)2、((CH3)2CH
CH2)2AlHなどの金属水素錯化合物または金属水素化物に
よる水素添加、Co、Cu、Pt、Pd、Rh等の金属触媒の存在
下の分子状水素による水素添加などの公知の水素添加方
法を採用することができる。
また、上記においてはグリニャール反応を利用する方
法を説明したが、α−(4−(1−ヒドロキシ−2−メ
チルプロピル)フェニル)エタノールは、特公昭40−26
184号または特公昭42−10483号公報に開示されているエ
ポキシ化合物の製造法を用いて、p−イソブチルエチル
ベンゼンを原料としてハイドロパーオキサイドを経由し
て得ることもできる。
すなわち、p−イソブチルエチルベンゼンを液相で分
子状酸素により酸化することによりジヒドロキシパーオ
キサイドを得て、これをプロピレンなどのオレフィンと
触媒の存在下、例えば、バナジウム、モリブテン、タン
グステンなどの溶解性金属触媒の存在下に反応させるこ
とにより製造することができる。
つぎに、このα−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロピル)フェニル)エタノール(式I)を用いたα
−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸またはその
アルキルエステル(式II)の合成について説明する。
例えば、下記反応式のようにして行なうことができ
る。このようにすることにより、従来の方法に比較し
て、少ない工程数で、かつ高収率でイブプロフェンを製
造することができる。
なお、式中Rは水素原子または低級アルキル基であ
る。
α−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)
フェニル)エタノール(式I)を、減圧下に酸触媒を加
えた熱シリコーン油に滴下すると、1−ビニル−4−
(2,2−ジメチルエテニル)ベンゼン(式III)が留出す
る。系内の圧力は5mmHg以下に維持する。シリコーン油
の温度は系内の圧力に依存するため、一概には言えない
が、通常は150〜160℃に加熱する。もちろん、その他の
公知の脱水方法を用いることもできる。ここで化合物
(式I)の光学異性体の脱水反応における反応性に差は
ないので、その混合物を用いてよく、また単離して何れ
か一方の光学異性体のみを用いてもよい。
次に、1−ビニル−4−(2,2−ジメチルエテニル)
ベンゼン(式III)のビニル基のみを選択的にヒドロカ
ルボキシル化またはヒドロエステル化することにより、
選択的にカルボニル化する。
すなわち、1−ビニル−4−(2,2−ジメチルエテニ
ル)ベンゼンを遷移金属錯体カルボニル化触媒の存在下
に、反応温度40〜250℃で、一酸化炭素および水または
アルコールと選択的に反応させることによりα−(4−
(2,2−ジメチルエテニル)フェニル)プロピオン酸ま
たはそのアルキルエステル(式IV)を得る。
上記のカルボニル化に使用する遷移金属錯体触媒はP
d、Rh、Ir等の遷移金属錯体である。その内特にPdの錯
体が好ましい。これら遷移金属は、ハロゲン原子、三価
のリン化合物、あるいはカルボニル錯化合物等として一
酸化炭素等を配位子として含有するものが用いられる。
遷移金属、例えばパラジウムは0価から2価のものが用
いられる。
遷移金属錯体触媒の具体例としては、ビストリフェニ
ルホスフィンジクロロパラジウム、ビストリシクロヘキ
シルホスフィンジクロロパラジウム、π−アリルトリフ
ェニルホスフィンクロロパラジウム、トリフェニルホス
フィンピペリジンジクロロパラジウム、ピスベンゾニト
リルジクロロパラジウム、ピスシクロヘキシルオキシム
ジクロロパラジウム、1,5,9−シクロドデカトリエンジ
クロロパラジウム、ビストリフェニルホスフィンジカル
ボニルパラジウム、ビストリフェニルホスフィンパラジ
ウムアセテート、ビストリフェニルホスフィンパラジウ
ムナイトレート、ビストリフェニルホスフィンパラジウ
ムサルフェート、テトラキストリフェニルホスフィンパ
ラジウム等が挙げられる。
これら触媒は、錯体として反応系に供給して使用す
る。また、別個に配位子を供給して反応系中において錯
体を形成させて使用することもできる。
触媒量は、1−ビニル−4−(2,2−ジメチルエテニ
ル)ベンゼン1.0モルに対して0.0001〜0.5モル、好まし
くは0.001〜0.1モルであり、配位子となりうる化合物の
添加量は、Pd、Rh、Ir等の錯体の核となり得る遷移金属
1モルに対して0.8〜10モル、好ましくは1〜4モルで
ある。反応温度は40〜250℃、好ましくは70〜200℃であ
る。40℃未満では反応速度が遅くなり実用的ではない。
また、250℃を超える場合には、重合や錯体触媒の分解
等を起こし好ましくない。その他、エテニル基までカル
ボニル化されるため好ましくない。
一酸化炭素の圧力は10〜600kg/cm2、好ましくは50〜3
00kg/cm2である。10kg/cm2未満では反応が遅く実用出来
ない。圧力は高い程反応は速やかに進行するが、600kg/
cm2を超えると、目的とするビニル基ではない方のエテ
ニル基までカルボニル化されるので好ましくない。
また、反応を促進する目的で、塩化水素、三フッ化ホ
ウ素等の酸を添加してもよい。
一酸化炭素と併用するアルコールは、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等の低級アルコールである。
カルボニル化の終了後、低級アルコールと反応させた
場合のように、反応物がエステルとして得られるとき
は、好ましくは減圧下で蒸留分離を行なうことにより、
容易に目的のα−(4−(2,2−ジメチルエテニル)フ
ェニル)プロピオン酸アルキルエステルが得られる。水
を反応させる場合のように反応物が酸として得られると
きは、例えば、アルカリ溶液で抽出し抽出液を酸性にす
れば目的物であるα−(4−(2,2−ジメチルエテニ
ル)フェニル)プロピオン酸が得られる。また、回収し
た触媒は再度の使用が可能である。
α−(4−(2,2−ジメチルエテニル)フェニル)プ
ロピオン酸またはそのアルキルエステル(式IV)は、パ
ラジウム/炭素を触媒として未反応で残った置換エテニ
ル基を接触水素化還元し、目的化合物であるα−(4−
イソブチルフェニル)プロピオン酸またはそのアルキル
エステル(式V)を得る。そのほか、脂肪族性二重結合
に水素添加する公知の方法によって置換エテニル基を水
素化還元することができる。
低級アルコールによりヒドロエステル化した場合のよ
うにエステルが得られるときは、必要に応じてそのエス
テルの置換エテニル基を水素化還元する前または後に、
常法に従い酸またはアルカリによって加水分解すれば、
遊離酸としてのα−(4−イソブチルフェニル)プロピ
オン酸を容易に得ることができる。
もちろん、反応終了後、再結晶などの公知の精製手段
により精製することにより、高純度のα−(4−イソブ
チルフェニル)プロピオン酸を製造できる。
[発明の効果] 本発明において提案した新規化合物であるα−(4−
(ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル)エタノ
ール(式I)は、α−(4−イソブチルフェニル)プロ
ピオン酸と同一の基本炭素骨格を有している。本発明の
化合物は、形式的にはp−イソブチルエチルベンゼンの
各アルキル基における特定の位置の水素原子一個をそれ
ぞれヒドロキシル基に置換した化合物として認識され
る。該特定の位置の水素原子がヒドロキシル基により置
換されているので、本発明の化合物は特有の効果を奏す
るものと推測される。それ故に、この化合物を出発物質
とすれば、容易に、少ない工程数で、且つ高収率でα−
(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸を製造するこ
とができる。
例えば、α−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロピル)フェニル)エタノールは、脱水反応等により容
易にかつ有効的に1−ビニル−4−(2,2−ジメチルエ
テニル)ベンゼンに変換し得る。この1−ビニル−4−
(2,2−ジメチルエテニル)ベンゼンは、遷移金属錯体
カルボニル化触媒の存在下に、一酸化炭素と水またはア
ルコールと反応させることにより、そのビニル基のみを
選択的にヒドロカルボキシル化あるいはヒドロエステル
化した後、未反応で残った置換エテニル基を水素添加す
ることによりα−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸あるいはそのエステルが得られる。エステルとして
得られるときは、必要に応じて置換エテニル基の水素化
還元の前後に、常法により酸またはアルカリによって加
水分解することにより、消炎効果に優れたα−(4−イ
ソブチルフェニル)プロピオン酸を得ることができる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。
〈実施例1〉 α−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フ
ェニル)エタノール(式I)の合成 還流冷却器、水抜き管および攪拌機を付けた5l三つ口
フラスコにトルエン2lを入れ、これにp−ブロモアセト
フェノン300g(1.5モル)を溶かした。この溶液にp−
トルエンスルホン酸−水和物15g(0.079モル)とエチレ
ングリコール421g(6.8モル)を加え攪拌した。反応温
度は110〜120℃に保ち、水が出なくなるまでトルエンを
還流させた。その後トルエン1.7lを蒸留で除き、残りの
溶媒をポンプで減圧して除いた。その残油にモレキュラ
ーシーブ3Aで乾燥したテトラヒドロフラン(以下「TH
F」という)600mlを加え、溶液とした。
滴下漏斗、還流冷却器および攪拌機を付けた3l三つ口
フラスコ中に金属マグネシウム30g(1.6モル)を入れ、
乾燥窒素を流して十分乾燥した後、乾燥THF150mlを入れ
て激しく攪拌した。しかる後に、先に用意したアセター
ル保護したp−ブロモアセトフェノンのTHF溶液を3時
間かけて徐々に滴下した。反応温度は60〜70℃に保ち、
溶液滴下終了後もそのまま更に5時間攪拌を続けた。こ
のようにして得たマグネシウム試薬のTHF溶液に、更に
イソブチルアルデヒド108g(1.5モル)を乾燥THF150ml
に溶解した溶液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下
中、反応温度は60〜70℃に保ち、滴下終了後温度を室温
に戻して一晩攪拌を続けた。しかる後、反応液を2N塩酸
水溶液で失活させ、油層を分液して回収しTHFを留去し
た。
THFを留去した残油350gを酢酸890mlに溶かし、6N塩酸
水溶液304mlを加え2時間80〜100℃に加温した。酢酸を
留去した後、残油をクロロホルムで抽出した。クロロホ
ルムを留去した後残油247gにリフラックス油300mlを加
え、減圧蒸留を行ない、未反応アセトフェノン相当物と
重質な副生成物を除去した。圧力1mmHg以下で温度75〜9
0℃の留分198gを次の還元反応に用いた。
滴下漏斗、還流冷却器および攪拌機を付けた5l三つ口
フラスコを乾燥窒素で十分置換し、それにモレキュラー
シーブ3Aで乾燥したジエチルエーテル3lとリチウムアル
ミニウムハイドライド76g(2.0モル)を入れ攪拌した。
先の75〜90℃/1mmHg以下の留分を乾燥ジエチルエーテル
600mlに溶かし、この溶液を3時間かけて徐々に滴下し
た。反応温度は30〜40℃に保ち、溶液滴下終了後も、そ
のままで3時間攪拌を続けた。その後攪拌下に、水素が
発生しなくなるまで水を加え、更に無水硫酸ナトリウム
を500g加えた。1時間攪拌後、固体をセライト濾過し、
濾液は溶媒を留去して、白色の粗α−(4−(1−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピル)フェニル)エタノール結
晶190g(収率66%、但しp−ブロモアセトフェノン基
準)で得た。
粗α−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピ
ル)フェニル)エタノール190gをヘキサンとジエチルエ
ーテルの混合溶媒で再結晶して、α−(4−(1−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピル)フェニル)エタノールの
無色針状結晶133g(収率46%、但しp−ブロモアセトフ
ェノン基準)で得た。
生成したα−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロピル)フェニル)エタノール(式I)の分析結果を以
下に示す。
融点:(セイコー電子工業(株)製DSC装置 SSC 5020を使用。測定温度範囲:−50〜115℃、昇温
速度:10℃/min) 69.0℃ IR:(GC、溶媒CHCl3、Cm-1 3649、3022、2981、2875、 1505、1467、1370、1292、 1257、1168、1085、1009、 937、834、1 H−NMR:(溶媒CDCl3、δppm) 7.03〜7.52(4H、4重線) 4.71〜5.00(1H、ブロード) 4.18〜4.45(1H、ブロード) 2.02〜2.39(2H、多重線) 1.80〜2.02(1H、多重線) 1.32〜1.59(3H、2重線) 0.88〜1.11(3H、2重線) 0.65〜0.88(3H、2重線)13 C−NMR:(デカップリング済み、溶媒CDCl3、δppm) 144.9、142.8、126.7、125.2、 79.7、 70.1、 35.2、 25.1、 18.9、 18.2、 元素分析:(C12H18O2として、%) 計算値 C:74.19 H: 9.34 O:16.47 実測値 C:73.90 H: 9.43 O:16.67 なお上記のIR、1H−NMRおよび13C−NMRのスペクトル
チャートをそれぞれ第1図から第3図に示す。
〈実施例2〉 α−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フ
ェニル)エタノール(式I)の別途合成 還流冷却器、空気吹き込み管および攪拌機を取り付け
た500ml三つ口フラスコに、p−イソブチルエチルベン
ゼン130gと反応開始剤としてアゾイソブチロニトリル5.
0gを入れ、空気を150ml/minでバブリングしながら激し
く攪拌する。反応圧力は大気圧に、および温度は150℃
に保ち、2時間反応させた。反応終了後冷却して反応液
を回収した。
回収反応液50g、二硫化モリブデン20mgを200mlオート
クレーブに入れ、攪拌しながら常温でプロピレンにより
約7kg/cm2まで加圧した。激しく攪拌しながら、反応温
度110℃で5時間反応させた。
反応終了後冷却し、反応液のガスクロマトグラフィー
によりα−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピ
ル)フェニル)エタノールの生成を確認した。GC−MAS
S、GC−IRのスペクトルは実施例1で得たものと同一で
あった。
〈参考例1〉 1−ビニル−4−(2,2−ジメチルエテニル)ベンゼン
(式III)の合成 理論段数5段の蒸留管とリービッヒ冷却器をつけた30
0mlの三つ口フラスコに、シリコーン油150mlおよび硫酸
水素カリウム11.2gを入れて150〜160℃に加熱し、真空
ポンプにて系内を5mmHg以下の圧力に維持しながら、実
施例1で得られたα−(4−(1−ヒドロキシ−2−メ
チルプロピル)フェニル)エタノール133gを徐々に滴下
した。リービッヒ冷却器からの留出物107gは、そのスペ
クトル等を標品のものと比べ、1−ビニル−4−(2,2
−ジメチルエテニル)ベンゼンであることを確認した。
α−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フ
ェニル)エタノールの転化率は100%および1−ビニル
−4−(2,2−ジメチルエテニル)ベンゼンの選択率は9
9.1%であった。
〈参考例2〉 α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸(式V、
R=H)の合成 参考例1で得た留出物33g、ビストリフェニルホスフ
ィンパラジウム5.5g、10%塩酸水溶液80g、および溶媒
としてトルエン80mlを500mlのオートクレーブに入れ、
攪拌しながら常温で一酸化炭素により100kg/cm2まで加
圧した後、120℃に達するまで加温しながら昇圧し300kg
/cm2まで加圧した。反応により一酸化炭素の吸収がなく
なった後、更に24時間反応を継続した。反応終了後冷却
して反応液を回収し、分液漏斗で油層を分離し、油層を
8%水酸化ナトリウムで抽出した。抽出水溶液を分液後
の水層と合わせ、塩酸を添加してpH2とした。ついでク
ロロホルムで抽出し、その抽出液から溶媒を留去してα
−(4−(2,2−ジメチルエテニル)フェニル)プロピ
オン酸の淡黄色結晶38.5gを得た。融点およびスペクト
ル等は標品と同一であった。1−ビニル−4−(2,2−
ジメチルエテニル)ベンゼンの転化率は100%で、α−
(4−(2,2−ジメチルエテニル)フェニル)プロピオ
ン酸の選択率は90.4%であった。
α−(4−(2,2−ジメチルエテニル)フェニル)プ
ロピオン酸38.5g、パラジウム炭素3.9g、溶媒としてメ
タノール80mlおよびトルエン80mlを500mlのオートクレ
ーブに入れ、反応温度を50℃に保ち、水素圧20kg/cm2
水素の吸収がなくなるまで反応させた。反応終了後冷却
して反応液を回収し、分液漏斗で油層を分離し、油層を
8%水酸化ナトリウムで抽出した。抽出水溶液を分液後
の水層と合わせ、塩酸を添加してpH2とした。ついでク
ロロホルムで抽出し、その抽出液から溶媒を留去して淡
黄色の粗α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸
結晶38.2gを得た。α−(4−(2,2−ジメチルエテニ
ル)フェニル)プロピオン酸の転化率は100%で、α−
(4−(2,2−ジメチルエテニル)フェニル)プロピオ
ン酸の選択率は98.2%であった。
粗α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸結晶
38.2gをノルマルヘキサン溶媒で再結晶させ白色の精製
α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸結晶30.6
gを得た。このものの融点およびスペクトルは標品と同
一であった。
〈参考例3〉 α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸メチル
(式V、R=CH3)の合成 参考例1で得た留出物33g、メタノール13.4g、溶媒と
してトルエン90ml、触媒としてジクロロパラジウム0.74
g、更に配位子のトリフェニルホスフィン2.19gを500ml
オートクレーブに入れ、攪拌しながら90℃に昇温した
後、一酸化炭素で70kg/cm2の圧力に保ち、8時間反応さ
せた。反応終了後冷却して反応液を回収し、減圧蒸留に
て触媒を分離除去した。
これとパラジウム炭素3.9gを、500mlオートクレーブ
に入れ、反応温度を50℃に保ち、水素圧20kg/cm2で水素
の吸収がなくなるまで反応させた。反応終了後冷却して
反応液を回収し、触媒を濾別し、溶媒を留去して残油4
1.0gをガスクロマトグラフィーで分析したところ、α−
(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸メチル95.6
%、その他4.4%であった。
〈参考例4〉 α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸メチルの
加水分解によるα−(4−イソブチルフェニル)プロピ
オン酸の製造 参考例3で得られたα−(4−イソブチルフェニル)
プロピオン酸メチルを含む残油と10%の水酸化ナトリウ
ム水溶液200mlとを攪拌しながら還流させ約3時間加水
分解を行なった。冷却後反応液から水層を分離し、これ
に塩酸を添加してpH2とした。次いでクロロホルムで抽
出し、その抽出液から溶媒を留去して淡黄色の粗α−
(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸結晶36.0gを
得た。
粗α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸結晶
36.0gをノルマルヘキサン溶媒で再結晶させ白色の精製
α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸結晶28.9
gを得た。このものの融点、スペクトルは標品と同一で
あった。
【図面の簡単な説明】
第1図はIRスペクトルチャート、第2図は1H−NMRスペ
クトルチャートおよび第3図は13C−NMRスペクトルチャ
ートである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式(I)で表わされるα−(4−
    (1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル)エ
    タノール。
JP2095330A 1990-04-11 1990-04-11 α―(4―(1―ヒドロキシ―2―メチルプロピル)フェニル)エタノール Expired - Fee Related JP2838226B2 (ja)

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