JPH0742073A - 繊維製品の加工方法 - Google Patents

繊維製品の加工方法

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JPH0742073A
JPH0742073A JP20251593A JP20251593A JPH0742073A JP H0742073 A JPH0742073 A JP H0742073A JP 20251593 A JP20251593 A JP 20251593A JP 20251593 A JP20251593 A JP 20251593A JP H0742073 A JPH0742073 A JP H0742073A
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郁四郎 江原
Kiichiro Yoshimura
喜一郎 吉村
Joji Sato
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保湿効果、柔軟性、触感性が従来よりも優れ
これらの性能を持続させる耐洗濯性の高い繊維製品の加
工方法を開発する。 【構成】 繊維製品をカチオン系界面活性剤乳化分散水
溶液で処理後乾燥し、次いで保湿剤スクワランとホホバ
油が分散混合しているアニオン系界面活性剤乳化分散水
溶液で処理後乾燥することを特徴とする繊維製品の加工
方法により目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直接皮膚に接する衣料
として用いたときに皮膚に対する保湿効果を与え健康を
保持させると共に優れた柔軟性、風合いについて、その
耐洗濯性能を具備した繊維製品の加工方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より天然繊維や合成繊維等よりなる
紡績糸、編織布帛、不織布等の繊維製品に柔軟性を付与
させるために柔軟仕上剤として、シリコーン系油剤やア
ニオン性、非イオン性、カチオン性或いは両性界面活性
剤を用いて処理することが提案されている。特開平3−
14674号公報には、天然繊維材料を四級アンモニウ
ム基と繊維の水酸基と反応する反応基を有するカチオン
系化合物で処理後、アニオン系柔軟剤で柔軟処理する2
段処理する方法が開示されているが、第1段処理は天然
繊維材料とのカチオン化反応を目的としているためあら
ゆる繊維素材に供することが出来ない欠点がある。
【0003】又、衣料として皮膚に保湿性を与えるため
に特開平2−300301号公報に1種の保湿剤又はそ
のマイクロカプセルをバインダーで衣料に付着させるこ
とが開示されているが、バインダーを用いているために
柔軟性、耐洗濯性において劣る加工方法による衣料であ
る。そして保湿剤としてビタミンEとスクワラン成分を
マイクロカプセル化し繊維に付与した商品[東邦レーヨ
ン(株)製商品名ラァイブリスキン]が上市されている
が、その加工方法は開示されておらず、ビタミンEは日
光等により劣化する傾向が大きいので衣料を黄変させる
懸念がある。上述の状況下にあって、更に保湿効果、柔
軟性、触感性を具備し乍らその効果の持続性を発揮する
耐洗濯性に高い繊維製品の加工方法の開発が要望されて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の欠点
を解決し保湿効果、柔軟性、触感性が従来よりも優れこ
れらの性能を持続させる耐洗濯性の高い繊維製品の加工
方法を提供する。
【0005】
【発明が解決するための手段】本発明者等は上述の課題
を解決すべく鋭意改善研究を重ねた結果本発明を完成し
た。本発明は、繊維製品をカチオン系界面活性剤乳化分
散水溶液で処理後乾燥し、次いで保湿剤スクワランとホ
ホバ油が分散混合しているアニオン系界面活性剤乳化分
散水溶液で処理後乾燥する繊維製品の加工方法である。
【0006】本発明で用いられる繊維製品とは、絹、木
綿、麻、羊毛及びポリアミド、ポリエステル、ポリアク
リルニトリル、ポリウレタン、ポリビニールアルコール
等及びそれらを基本とする共重合ポリマーからなる合成
繊維、ビスコースレーヨン、アセテート等のあらゆる繊
維素材からなる単独または混合繊維の紡績糸、編織布
帛、不織布等である。
【0007】特に、これらの繊維製品を直接皮膚に接し
て着用される、ランジェリー、肌着、ブラジャー、ボデ
ィスーツ、和装用肌着類、パンティーストッキング、ガ
ードル、腹巻き、靴下、手袋等に供される繊維製品の加
工に優れた効果を発揮する。保湿剤としては、特開平2
−300301号公報に開示されている以外にソルビト
ール、ヒアルロン酸ナトリウム、ホホバ油やオリーブ油
及びヤシ油などの天然油脂、ポリブテン、水素添加ポリ
ブテンなどの液状高分子炭化水素、コラーゲン、月見草
油、ミンク油及びこれらの誘導体等が挙げられる。しか
し、本発明の目的からすれば保湿剤として人間に対する
安全性、皮膚への親和性、酸化安定性が高く繊維製品に
対して劣化、黄変等の影響のないもの及びアニオン系界
面活性剤乳化分散水溶液に支障なく分散混合する性能を
具備しているものが選択されることが重要である。
【0008】本発明者等は、従来1種類の保湿剤を用い
ることより相乗効果に加えて違った保湿効果の組合せで
より高い保湿性能を発揮する組合せについて鋭意検討の
結果、後述の実施例で具体的に開示している如くスクワ
ランとホホバ油の組合せが優れていることを見い出し
た。
【0009】スクワランとしては鮫肝油、オリーブ油由
来のスクワレンの部分水素添加物および完全水素添加物
あるいはイソプレンを出発原料として製造される合成ス
クワランが用いられる。
【0010】一方、ホホバ油としては、ホホバ(Sim
mondsia chinensis)の種子を圧搾し
て得られる油の金属ナトリウムによる還元により得られ
るホホバアルコール、圧搾油の精製油、脱臭油および水
素添加油、さらにホホバワックスなどが挙げられる。な
お、いずれにしろスクワランとホホバ油はその由来する
生物はもちろん、化学構造も互いに明瞭に相違する化合
物である。
【0011】スクワラン、ホホバ油は化粧品原料として
広く使用され、酸化安定性に優れているばかりでなく、
皮膚に対する親和性、安全性にも優れており、アニオン
系界面活性剤乳化分散水溶液によく分散し、保湿効果と
してはスクワランは皮膚からの水分の喪失を防ぎ適量な
水分を保持する能力があり、これを用いて加工された繊
維製品に風合的にぬめり感を与えることとなり、ホホバ
油は優れた浸透性を有しており皮膚に対して吸収性が高
く油性感を与えず爽快感を残すためこれを用いて加工さ
れた繊維製品に風合的にドライ感を与える。従って両保
湿剤の混合により保湿性を具備させると共に両保湿剤の
混合比率を変更することにより加工した繊維製品の風合
いを希望するものを得ることが可能である。又、繊維製
品として経時変化(製品の色調変化)にも耐えるもので
ある。
【0012】併用するスクワランとホホバ油の量比は、
スクワレン:ホホバ油の重量比で1:10〜10:1の
範囲である。なお、本発明はスクワランとホホバ油を併
用することを必須とするが、本発明の効果を阻害しない
範囲で繊維用添加剤として公知の他の成分、例えばスク
ワレンなどを適宜に添加することができる。
【0013】本発明で用いられるカチオン系界面活性剤
乳化分散としては、従来より柔軟加工剤として用いられ
ているカチオン系界面活性剤で水分散可能であればいか
なるものでもよい。例示すれば、ポリアミン系、脂肪酸
または脂肪酸アミドから誘導された第三アミンまたは第
四ピリジニウム塩、第四アンモニウム塩等が挙げられる
がこれらに制限されない。
【0014】本発明で用いられるアニオン系界面活性剤
乳化分散水溶液としては、従来より柔軟加工剤として用
いられているアニオン系界面活性剤で水分散可能にし
て、かつ、スクワランとホホバ油をよく乳化分散可能な
ものであればいかなるものでもよい。例示すれば、硫酸
化高級アルコール、リン酸化高級アルコール、脂肪酸ま
たはその誘導体の硫化物、アルキルメチルタウリン酸
塩、ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステル塩
等が挙げられるが、これらに限定されるものでない。そ
して、アニオン系界面活性剤乳化分散水溶液を得るのに
保湿剤のスクワランとホホバ油が乳化分散させるのに非
イオン系の活性剤、例えばアルキルエーテルエチレンオ
キサイド系、アルキルエーテルエチレンオキサイド・プ
ロピレンオキサイド系等を用いて予め乳化分散させてか
らアニオン系界面活性剤に乳化分散させて水溶液とする
ことが好ましい。
【0015】本発明の繊維製品の加工方法は、繊維製品
を上述のカチオン系界面活性剤乳化分散水溶液中に浸漬
し、マングル等で所望の絞り率で絞り、繊維品に応じて
80℃〜160℃、60分〜20秒の乾燥処理をする。
次いで該繊維製品をスクワランとホホバ油が分散混合し
ているアニオン系界面活性剤乳化分散水溶液中に浸漬し
マングル等で所望の絞り率で絞り繊維製品に応じて80
℃〜160℃、60分〜20秒の乾燥処理する方法やチ
ーズ染色機などを用いて吸尽方法で加工することもでき
る。
【0016】特にカチオン系界面活性剤乳化水溶液の水
以外の薬剤量に対して、スクワランとホホバ油が分散混
合しているアニオン系界面活性剤乳化水溶液中の水以外
の薬剤量が重量比で1:1以上が好ましい。処理するカ
チオン系界面活性剤乳化分散水溶液であるカチオン系処
理液濃度は、通常0.1〜20g/Lであり、また処理
するアニオン系界面活性剤乳化分散水溶液であるアニオ
ン系処理液濃度は、スクワランやホホバ油を含むため比
較的高濃度であり、通常それは0.1〜200g/Lで
ある。この様にカチオン系とアニオン系の界面活性剤乳
化分散水溶液を夫々別工程としたことにより夫々の水溶
液の回収再使用が可能となり経済的にも優れている。
【0017】本発明の方法によるとスクワランとホホバ
油がよくアニオン系界面活性剤乳化分散水溶液に均一に
混合されており、この加工処理した繊維が衣料として皮
膚面に接する様使用されるので保湿効果が発揮される。
耐洗濯性に優れる現象については明らかではないが、繊
維がアニオン性基を有するものは積極的なカチオン系界
面活性剤との反応ではないが若干のイオン結合が生じ剥
離しにくくなり、繊維がカチオン性基を有するものはア
ニオン系界面活性剤がカチオン系界面活性剤を通じてイ
オン結合が生じるのではないかと推測され、カチオン系
界面活性剤からなる層とアニオン系界面活性剤からなる
層とはお互いにイオン結合が強固に生じ1体化されるの
でないかと推測される。
【0018】本発明の方法により繊維製品を得るのに、
本発明の加工方法による処理後、繊維製品を染色するこ
とは困難となるので、染色、プリント加工品の繊維製品
を得るためには、本発明の加工を行う以前に繊維製品を
予め処理しておくことが望ましい。
【0019】
【実施例】以下本発明の繊維製品の加工方法を実施例に
より具体的に説明するが、本発明はこの範囲に限定され
るものではない。尚、実施例で示した各測定値は次の試
験法に従った。 1.皮膚水分量 20〜40才の女性パネラー5名を、20℃、湿度60
%の室内で2時間在室し、上腕部内側皮膚の水分量を皮
膚角質層水分量測定機(フラージ・カザカ(西独)製、
商品名コーネオメーターCM−820)で測定し、メー
ターの表示値から5名の平均値で試験前のデータとして
表示し、次いで各試料を各パネラーの上述の測定部位に
幅10cmで1重に巻き、同室内で3時間後各試料をはず
し試験前のデータを測定した皮膚部位の水分量を測定
し、平均値で表した。
【0020】2.水分量増加率(%) 上記1.の測定値の結果から次式で求めた。
【0021】3.洗濯法は、各試料をJIS L104
2「織物の収縮率試験方法」記載のF−1法により0.
1%粉石けん液で40℃,15分間洗濯,脱水,乾燥を
10回及び30回。
【0022】4.柔軟性 (1)剛軟度 JIS L1096「一般織物試験方法」記載のB法
(スライド法)で各試料を測定し、未加工試料1の剛軟
度を100として比較表示した。 (2)風合 各試料を5名のパネラーが未加工試料1の風合と比較し
て次の基準で評価し平均値で表示した。 1:非常に柔らかい 2:柔らかい 3:やや柔らかい 4:変らない 5:やや硬い 6:硬い
【0023】5.触感性 各試料を5名のパネラーが未加工品のぬめり感(しめっ
た感じを有し乍らしなやかな感じ) とドライ感( さらり
感を有し乍らしなやかな感じ) を未加工試料と比較して
次の基準で評価し平均値で表示した。
【0024】6.経時変化 デシケーターの下部に水を満たして、中板の上に10c
m×10cmの大きさの試料及び未加工試料をガラス製
架台に掛け、デシケーターの蓋をした後、60℃の恒温
装置内に7日間放置して、夫々の試料を取出しJIS0
805「汚染用グレースケール」に基づき、未加工処理
試料と比較し評価して表した。
【0025】〔実施例1〕50番手単糸の綿紡績糸を用
いて、経285本/5cm、緯165本/cmの密度、目付
100g/m2 の綿ブロード織物を織成し、常法により
毛焼、糊抜き、精練、漂白、マーセル加工、乾燥を行っ
て綿ブロード織物の繊維製品を得た(未加工品試料
1)。得られた綿ブロード織物をポリアミン系カチオン
界面活性剤(高松油脂(株)製,商品名ハイソフナーF
C)の3.8g/L含有カチオン系界面活性剤乳化分散
水溶液中(以下カチオン系処理液と云う)に1.5秒間
浸漬処理し、絞り率80%で絞った後、140℃で30
秒間の乾燥処理をした。次いで、スクワランとホホバ油
を非イオン系活性剤であるアルキルエーテルエチレンオ
キサイド付加物とアルキルエーテルエチレンオキサイド
・プロピレンオキサイド付加物に乳化分散し更にアニオ
ン系界面活性剤であるアルキル・メチルタウリン酸塩を
混入乳化分散した後水を加えアニオン系界面活性剤乳化
分散水溶液を調整製造する。
【0026】この時のスクワラン、ホホバ油、アルキル
エーテルエチレンオキサイド付加物、アルキルエーテル
エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物とア
ルキルメチルタウリン酸塩濃度が表1に示す如く配合し
6.0g/L,12.0g/L,18g/L,24g/
L,30g/Lになる様に、即ちカチオン系界面活性剤
濃度との比が1:1.6, 1:3.2, 1:4.
7, 1:6.3, 1:7.9になる如くスクワラ
ン、ホホバ油を含むアニオン系界面活性剤乳化分散水溶
液(以下アニオン系処理液と云う)を準備した。
【0027】カチオン系処理液で加工処理して得た、綿
ブロード織物を上述の夫々の濃度からなるアニオン系処
理液中に1.5秒間夫々浸漬処理し、絞り率80%で絞
った後、140℃で30秒間乾燥処理し本発明の加工処
理試料2,3,4,5,6を得た。各1〜6の試料につ
いて皮膚水分量、柔軟性、触感性及び経時変化の結果を
表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】表1から明らかな如くスクワランとホホバ
油の混合比率を1:1とし、カチオン系処理液濃度とア
ニオン系処理液濃度比を変化させると濃度比が増加する
に従って皮膚水分量増加率が増加即ち保湿効果が向上
し、柔軟性も向上する。そして、触感性は変化なく、経
時変化(試料の色調変化)は全く影響がない。
【0030】〔実施例2〕実施例1と同様にして得られ
た綿ブロード織物(試料1)を用いて、実施例1で用い
た濃度38g/Lのカチオン系処理液中に1.5秒間浸
漬処理し、絞り率80%で絞った後、140℃で30秒
間の乾燥処理をした。次いで、表2に示す如くスクワラ
ンとホホバ油の混合比を、1:4,3:7,7:3及び
4:1と変更しアニオン系処理液中の全濃度18g/L
の液を調整製造し夫々のアニオン系処理液中に1.5秒
間浸漬処理し、絞り率80%で絞った後140℃で30
秒間乾燥処理し本発明の加工処理試料7,8,9,10
を得た。各7〜10試料について皮膚水分量、柔軟性、
触感性及び経時変化の結果及び実施例1の試料1と4の
結果も表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】表2の結果より、カチオン系処理液濃度と
アニオン系処理液濃度比を同一にしてスクワランとホホ
バ油を混合比を変えても保湿性には影響なく効果があ
り、スクワランの割合を増やすと剛柔度及び風合が低下
し、触感性のぬめり感が増加しドライ感は低下する。こ
れに対し、ホホバ油の割合がスクワランに比べ多いと剛
柔度及び風合が向上し、触感性のぬめり感は低下し、ド
ライ感が向上していることが明らかであり、所望の柔軟
性、風合等をスクワランとホホバ油の混合割合を変える
ことにより自由に加工できる。尚、この時も経時変化に
は全く影響はない。
【0033】〔比較例〕 (1)実施例1と同様にして得られた綿ブロード織物
(試料1)を用いて実施例1で用いた濃度3.8g/L
のカチオン系処理液中に1.5秒間浸漬処理し、絞り率
80%で絞った後、140℃で30秒間の乾燥処理をし
た。次いで保湿剤としてスクワランのみを乳化分散させ
た表3に示す濃度のアニオン系界面活性剤乳化分散水溶
液中に1.5秒間浸漬処理し、絞り率80%で絞った後
140℃で30秒間の乾燥処理をし、加工処理試料11
を得た。 (2)上述の保湿剤スクワランの代りにホホバ油のみを
分散させた表3に示す配合濃度のアニオン系界面活性剤
分散水溶液を用いて上述の(1)同様の操作で加工処理
試料12を得た。 (3)綿ブロード織物(試料1)をカチオン系処理液で
加工処理を行わずに、スクワランとホホバ油の濃度比が
1:1で表3に示す配合濃度のアニオン系処理液中に浸
漬処理を実施例1同様に行い加工処理試料13,14を
得た。各11〜14試料について皮膚水分量、柔軟性、
触感性及び経時変化の、結果及び実施例の試料1,2,
4の結果を表3に示した。
【0034】
【表3】
【0035】表3から明らかな如く、 (1)アニオン系処理液中にホホバ油を入れずスクワラ
ン単独配合の時は水分量増加率が両保湿剤を混合した時
に比較し低下していることが明らかで、剛軟度及び風合
も低下しているがぬめり感は向上するもドライ感は低下
している。 (2)アニオン系処理液中にスクワランを入れずホホバ
油単独配合の時は水分増加率は若干向上し、剛軟度及び
風合も若干向上しているがぬめり感が低下しドライ感が
向上している。 (3)カチオン系処理液で加工せずアニオン系処理液で
加工処理した時は試料2と13、及び試料4と14の結
果より水分量増加率は著しく低下し、耐洗濯性能も低下
している。柔軟性も低下しぬめり感、ドライ感共に低下
している。このことからスクワラン単独又はホホバ油単
独のアニオン系処理液で処理するより、又、カチオン系
処理液で加工処理しない場合に比べ本発明の加工方法が
凡ゆる点で優れていることが明らかである。
【0036】〔実施例3〕 (1)75デニールのポリエステルフィラメント糸を用
いて経210本/5cm、緯191本/5cmの目付70g
/m2 のポリエステル織物を織成した。これを通常の方
法で精練、漂白、乾燥しポリエステル織物の繊維製品を
得た(未加工品試料15)。得られたポリエステル織物
を実施例1と同一の3.8g/Lのカチオン系処理液中
に1.5秒間浸漬処理し、絞り率25%で絞った後、1
40℃で20秒間の乾燥処理をした。次いで実施例1の
試料4を得た時に用いたアニオン系処理液中に1.5秒
間浸漬処理し、絞り率25%で絞った後、140℃で2
0秒間の乾燥処理をし本発明の加工処理試料16を得
た。
【0037】(2)70デニールのナイロンフィラメン
ト糸を用いて経214本/5cm、緯150本/5cmの目
付70g/cm2のナイロン織物を織成した。これを通常
の方法で精練、漂白、乾燥し、ナイロン織物の繊維製品
を得た(未加工品試料17)。得られたナイロン織物を
実施例1と同一の3.8g/Lのカチオン系処理液中に
1.5秒間浸漬処理し、絞り率34%で絞った後、14
0℃で20秒間乾燥処理をした。次いで、実施例1の試
料4を得た時に用いたアニオン系処理液中に1.5秒間
浸漬処理し、絞り率34%で絞った後、140℃で20
秒間の乾燥処理をし本発明の加工処理試料18を得た。
【0038】(3)梳紡番手64番単糸のポリアクリル
ニトリル紡績糸を用いて、経149本/5cm、緯139
本/5cm、目付95g/m2 のアクリル織物を織成し
た。これを通常の方法で精練、漂白、乾燥しアクリル織
物の繊維製品を得た(未加工品試料19)。得られたア
クリル織物を実施例1と同一の3.8g/Lのカチオン
系処理液中に1.5秒間浸漬処理し、絞り率106%で
絞った後、140℃で20秒間乾燥処理をした。次い
で、実施例1の試料4を得た時に用いたアニオン系処理
液中に1.5秒間浸漬処理し、絞り率106%で絞った
後、140℃で20秒間乾燥処理をし本発明の加工処理
試料20を得た。
【0039】(4)280デニールのポリウレタン弾性
糸(富士紡績(株)製,商品名フジボウスパンデック
ス)と70デニールのポリアミドセミダル糸を用い、ポ
リアミド糸80%(重量)、ポリウレタン弾性糸20%
(重量)の目付180g/m2のサテン調パワーネット
を経編機で編成した。この各織地を通常のスチームリラ
ックス、プレヒートセット、精練、漂白、乾燥しパワー
ネット編地の繊維製品を得た(未加工品試料21)。得
られたパワーネット編地を実施例1と同一の3.8g/
Lのカチオン系処理液中に1.5秒間浸漬し、絞り率9
8%で絞った後、160℃で43秒間乾燥処理をした。
次いで、実施例1の試料4を得た時に用いたアニオン系
処理液中に1.5秒間浸漬処理し、絞り率98%で絞っ
た後、160℃で43秒間乾燥処理をし本発明の加工処
理試料22を得た。
【0040】(5)21デニールの絹糸を3本引き揃え
た絹糸を用いて、経264本/5cm、緯190本/5cm
の目付50g/m2 の絹織物を織成し通常の精練、漂
白、乾燥を行い絹織物の繊維製品を得た(未加工試料2
3)。得られた絹織物を実施例1と同一の3.8g/L
のカチオン系処理液中に1.5秒間浸漬し絞り率100
%で絞った後、140℃で30秒間乾燥処理をした。次
いで、実施例1の試料4を得た時に用いたアニオン系処
理液中に1.5秒間浸漬処理し、絞り率100%で絞っ
た後、140℃で30秒間乾燥処理をし本発明の加工処
理試料24を得た。
【0041】(6)マーセル化加工をした60番手双子
の綿紡績糸を用いて28本/2.5cmゲージの丸編機で
目付130g/m2 の天竺丸編地を編成し通常の精練、
漂白、乾燥後開放し、綿編物の繊維製品を得た(未加工
試料25)。得られた綿編地を実施例1と同一の3.8
g/Lのカチオン系処理液中に15秒間浸漬し、絞り率
90%で絞った後、100℃で45秒間乾燥した。次い
で、実施例1の試料4を得た時に用いたアニオン系処理
液中に15秒間浸漬処理し、絞り率90%で絞った後、
100℃で45秒間乾燥して本発明の加工処理試料26
を得た。上述の如くして得られた試料15〜26につい
て皮膚水分量、柔軟性、触感性及び経時変化の結果を表
4に示した。
【0042】
【表4】
【0043】表4から明らかな如く、各繊維素材からな
る繊維製品に本発明の加工方法で加工すればその効果が
あることが明らかである。
【0044】〔実施例4〕マーセル化加工された65番
手双糸の綿紡績糸をトラバース幅155mmで1kg巻
きの49個のコーシ巻きとし、これらの49チーズをチ
ーズ染色機に充填し通常の方法により精練、漂泊をし取
出しチーズ乾燥機で90℃で60分間の乾燥処理をし
た。次に再びチーズ染色機に充填し下記の染色条件で青
色に染色し、水洗、脱液後チーズ乾燥機で乾燥し染色し
た綿糸の繊維製品を得た(未加工試料27)。 染色条件 シバクロンブルー TR−E(チバガイギー社製)0.011% o.w.f 芒硝 20g/L ソーダ灰 10g/L 浴比 1:15 温度×時間 80℃×30分
【0045】得られた染色した綿糸のコーン巻きを同様
にチーズ染色機に充填し実施例1で用いた同一の薬品で
カチオン活性剤濃度0.38g/Lのカチオン系処理液
を染色機に注入し、ポンプで流量2205L/分で循環
させ、浴比1:15で50℃、15分間浸漬処理し、該
処理液を排出し、脱硫率200%で脱液後、該ローン巻
き糸を取出しチーズ乾燥機に移し90℃で60分間乾燥
した。次いで、これらの処理コーン巻き糸を再びチーズ
染色機に充填し、スクワラン0.6g/L、ホホバ油
0.6g/L、実施例1と同一の薬品の非イオン活性剤
とアニオン活性剤の合計が0.6g/Lのアニオン系処
理液をチーズ染色機に注入し、ポンプで流量2205L
/分で循環させて浴比1:15、50℃で20分間処理
した後、処理液を排出し脱液中200%で脱液した。各
加工処理されたコーン巻1本をチーズ乾燥機に移し90
℃で60分間乾燥し本発明の加工染色綿糸試料28を得
た。得られた未加工試料27と加工染色綿糸試料28を
用いて夫々実施例3(6)と同様に天竺丸編地を編成
し、編地試料29と30を得た。得られた試料29,3
0について皮膚水分量、柔軟性、触感性及び経持変化の
結果を表5に示した。
【0046】
【表5】
【0047】第5表より、カチオン系処理液とアニオン
系処理液の処理方法が実施例1〜3と異なった浸漬法で
はなく吸尽法であっても又染色された繊維製品でも、本
発明の効果には変わりがないことが明らかである。
【0048】
【発明の効果】本発明は、上述の如き加工方法で繊維製
品を処理する結果より保湿性、柔軟性、触感性に優れこ
れらの性能が洗濯を繰返しても継続的に保持出来る効果
を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000187459 松浦株式会社 大阪市中央区久太郎町一丁目九番二八号 (72)発明者 海谷 篤 神奈川県川崎市麻生区上麻生2−4−7 (72)発明者 江原 郁四郎 神奈川県川崎市麻生区王禅寺2065番地60 (72)発明者 吉村 喜一郎 福井県坂井郡金津町矢地12番地8−1 (72)発明者 佐藤 襄二 大阪府豊能郡豊能町ときわ台6丁目15番8 号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維製品をカチオン系界面活性剤乳化分
    散水溶液で処理後乾燥し、次いで保湿剤スクワランとホ
    ホバ油が分散混合しているアニオン系界面活性剤乳化分
    散水溶液で処理後乾燥することを特徴とする繊維製品の
    加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001034896A1 (en) * 1999-11-09 2001-05-17 Unilever Plc Improving the crease recovery of fabrics
JP4879273B2 (ja) * 2005-10-15 2012-02-22 コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 繊維製品の仕上げ

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