JPH08209539A - 繊維製品の加工方法 - Google Patents

繊維製品の加工方法

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JPH08209539A
JPH08209539A JP2881495A JP2881495A JPH08209539A JP H08209539 A JPH08209539 A JP H08209539A JP 2881495 A JP2881495 A JP 2881495A JP 2881495 A JP2881495 A JP 2881495A JP H08209539 A JPH08209539 A JP H08209539A
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JP
Japan
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squalane
textile product
product
aqueous solution
jojoba oil
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JP2881495A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kaiya
篤 海谷
Kazunori Sugiyama
和典 杉山
Kiichiro Yoshimura
喜一郎 吉村
Joji Sato
襄二 佐藤
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MATSURA KK
MATSUURA KK
TAKAMATSU YUSHI KK
Fuji Spinning Co Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
MATSURA KK
MATSUURA KK
TAKAMATSU YUSHI KK
Fuji Spinning Co Ltd
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 保湿効果、柔軟性、触感性が優れ、これらの
性能を持続させる耐選択性の高い繊維製品の加工方法を
提供する。 【構成】 繊維製品をアニオン系界面活性剤乳化分散水
溶液で処理乾燥し、次いで保湿剤スクワランとホホバ油
が分散混合しているカチオン界面活性剤乳化分散水溶液
で処理乾燥することを特徴とする繊維製品の加工方法に
より、目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維製品の加工方法に関
するものであり、更に詳しくは直接皮膚に接する衣料と
して用いたときに皮膚に対する保湿効果を与え、健康を
保持させると共に優れた柔軟性、風合いについて、その
耐洗濯性能を具備した繊維製品の加工方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より天然繊維や合成繊維よりなる紡
績糸、編織布帛、不織布等の繊維製品に柔軟性を付与さ
せるために柔軟仕上剤として、シリコン系油剤やアニオ
ン性、非イオン性、カチオン性或いは両性界面活性剤を
用いて処理することが提案されている。アニオン系界面
活性剤処理後にカチオン系界面活性剤処理をすることは
繊維製品に保湿効果を付与する目的ではあまり行われて
いない。
【0003】又衣料として皮膚に保湿性を付えために特
開平2−300301号公報に1種の保湿剤又はそのマ
イクロカプセルをバンイダーで衣料に付着させることが
開示されているが、バインダーを用いているために柔軟
性、耐洗濯性において劣る加工方法による衣料である。
そして保湿剤としてビタミンEとスクワラン成分をマイ
クロカプセル化し繊維に付与した商品(東邦レーヨン株
式会社製商品)が上市されているが、その加工方法は開
示されておらず、ビタミンEは日光等により劣化する傾
向が大きいので衣料を黄変させる懸念がある。
【0004】上述の状況下にあって、更に保湿効果、柔
軟性、触感性を具備し乍ら、その効果の持続性を発揮す
る耐洗濯性の高い繊維製品の加工方法の開発が要望され
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の処理法の上述の欠点を解決し、保湿効果、柔軟性、触
感性が従来よりも優れ、これらの性能を持続させる耐洗
濯性の高い繊維製品の加工方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
を解決すべく鋭意改善研究を重ねた結果、本発明を完成
した。本発明は繊維製品をアニオン系界面活性剤乳化分
散水溶液で処理し乾燥後、次いで少なくとも保湿剤スク
ワランとホホバ油が分散混合しているカチオン系界面活
性剤乳化分散水溶液で処理し乾燥することを特徴とする
繊維製品の加工方法である。
【0007】本発明で用いられる繊維製品とは、絹、木
綿、麻、羊毛及びポリアミド、ポリエステル、ポリアク
リルニトリル、ポリウレタン、ポリビニールアルコール
等及びそれ等を基本とする共重合ポリマーからなる合成
繊維、ビスコースレーヨン、アセテート等のあらゆる繊
維素材からなる単独または混合繊維の紡績糸、編織布
帛、不織布等である。
【0008】特に、これらの繊維製品を直接皮膚に接し
て着用される、ランジェリー、肌着、ブラジャー、ボデ
ィースーツ、和装用肌着類、パンティーストッキング、
ガードル、腹巻き、靴下、手袋等に供される繊維製品の
加工の優れた効果を発揮する。
【0009】保湿剤としては、特開平2−300301
号公報に開示されている以外に、ソルビトール、ヒアル
ロン酸ナトリウム、ホホバ油やオリーブ油及びヤシ油な
どの天然油脂、流動パラフィン、流動イソパラフィン、
ポリブテン、水素添加ポリブテンなどの液状高分子炭化
水素、コラーゲン、月見草油、ミンク油及びこれらの誘
導体が挙げられる。
【0010】しかし、本発明の目的からすれば保湿剤と
して人間に対する安全性、皮膚への親和性、酸化安定性
が高く繊維製品に対して劣化、黄変等の影響のないもの
及びカチオン系界面活性剤乳化分散水溶液に支障なく分
散混合する性能を具備しているものが選択されることが
重要である。
【0011】本発明者等は、従来1種類の保湿剤を用い
ることより相乗効果に加えて違った保湿効果の組合せで
より高い保湿性能を発揮する組合せについて鋭意検討の
結果、後述の実施例で具体的に開示している如くスクワ
ランとホホバ油の組合せが優れていることを見出した。
【0012】スクワランとしては鮫肝油、オリーブ油由
来のスクワランの部分水素添加物および完全水素添加物
あるいはイソプレンを出発原料として製造される合成ス
クワランが用いられる。
【0013】一方、ホホバ油としては、ホホバ(sim
mondsia chinensis)の種子を圧搾し
て得られる油の金属ナトリウムによる還元により得られ
るホホバアルコール、圧搾油の精製油、脱臭油および水
素添加油、さらにホホバワックスなどが挙げられる。ス
クワラン、ホホバ油またはその混合物はシクロデキスト
リン包接化合物の形でも使用することができる。なお、
いずれにしろスクワランとホホバ油はその由来する生物
は勿論、化学構造も明瞭に相違する化合物である。
【0014】スクワラン、ホホバ油は化粧品原料として
広く使用され、酸化安定性に優れているばかりでなく、
皮膚に対する親和性、安全性にも優れており、カチオン
系界面活性剤乳化分散水溶液によく分散し、保湿効果と
してはスクワランは皮膚からの水分の喪失を防ぎ適量な
水分を保持する能力があり、これを用いて加工された繊
維製品に風合的にぬめり感を与えることとなり、ホホバ
油は優れた滲透性を有しており皮膚に対して吸収性が高
く油性感を与えず爽快感を残すためこれを用いて加工さ
れた繊維製品に風合的にドライ感を与える。
【0015】従って両保湿剤の混合により保湿性を具備
させると共に両保湿剤の混合比率を変更することにより
加工した繊維製品の風合いを希望する風合いにすること
が可能である。又、繊維製品として経時変化(製品の色
調変化)にも耐えるものである。併用するスクワランと
ホホバ油の量比は、スクワラン:ホホバ油の重量比で
1:10〜10:1の範囲である。
【0016】なお、本発明はスクワランとホホバ油を併
用することを必須とするが本発明の効果を阻害しない範
囲で繊維用添加剤として公知の他の成分、例えばスクワ
レンなどを適宜に添加することができる。
【0017】本発明で用いられるアニオン系界面活性剤
乳化分散液としては、従来より柔軟加工剤として用いら
れているアニオン系界面活性剤で水分散可能であればい
かなるものでもよい。
【0018】例示すれば、硫酸化高級アルコール、リン
酸化高級アルコール、脂肪酸またはその誘導体の硫化
物、アルキルメチルタウリン酸塩、ポリエチレングリコ
ールエーテルの硫酸エステル塩等が挙げられるがこれら
に制限されない。
【0019】本発明で用いられるカチオン系界面活性剤
乳化分散水溶液としては、従来より柔軟加工剤として用
いられているカチオン系界面活性剤で水分散可能にし
て、かつ、スクワランとホホバ油をよく乳化分散可能な
ものであれば、いかなるものでもよい。例示すれば、ポ
リアミン系、脂肪酸または脂肪酸アミドから誘導された
第三アミンまたは第四ピリジュウム塩、第四アンモニウ
ム塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0020】そして、カチオン系界面活性剤乳化分散水
溶液を得るのに保湿剤のスクワランとホホバ油を乳化分
散させるのに非イオン系の活性剤、例えばアルキルエー
テルエチレンオキサイド系、アルキルエーテルエチレン
オキサイド・プロピレンオキサイド系等を用いて予め乳
化分散させてからカチオン系界面活性剤に乳化分散させ
て水溶液とすることが好ましい。
【0021】本発明の繊維製品の加工方法は、繊維製品
を上述のアニオン系界面活性剤乳化分散水溶液中に浸漬
し、マングル等で所望の絞り率で絞り、繊維品に応じて
80℃〜160℃、60分〜20秒の乾燥処理をする。
次いで該繊維製品をスクワランとホホバ油が分散混合し
ているカチオン系界面活性剤乳化分散水溶液中に浸漬
し、マングル等で所望の絞り率で絞り繊維製品に応じて
80℃〜160℃、60分〜20秒の乾燥処理する方法
やチーズ染色機などを用いて吸尽方法で加工することも
できる。
【0022】特にアニオン系界面活性剤乳化水溶液の水
以外の薬剤量に対してスクワランとホホバ油が分散混合
しているカチオン系界面活性剤乳化水溶液中の水以外の
薬剤量が重量比で1:1以上が好ましい。処理するアニ
オン系界面活性剤乳化分散水溶液であるアニオン系処理
液濃度は通常0.1〜20g/lであり、また、処理す
るカチオン系界面活性剤乳化分散水溶液であるカチオン
系処理液濃度は、スクワランやホホバ油を含むため比較
的高濃度であり、通常それは0.1〜200g/lであ
る。
【0023】本発明の方法はこの様にアニオン系とカチ
オン系の界面活性剤乳化分散水溶液を夫々別工程とした
ことにより夫々の水溶液の回収再使用が可能となり経済
的にも優れている。
【0024】本発明の方法によるとスクワランとホホバ
油がよくカチオン系界面活性剤乳化分散水溶液に均一に
混合されており、この加工処理した繊維が衣料として皮
膚面に接する様使用されるので保湿効果が発揮される。
【0025】耐洗濯性に優れる現象については明らかで
はないが、繊維がアニオン性基を有するものは積極的な
カチオン系界面活性剤との反応ではないが若干のイオン
結合が生じ剥離しにくくなり、繊維がカチオン性基を有
するものはアニオン系界面活性剤がカチオン系界面活性
剤を通じてイオン結合が生じるのではないかと推測さ
れ、カチオン系界面活性剤からなる層とアニオン系界面
活性剤からなる層とはお互いにイオン結合が強固に生じ
一体化されるのではないかと推測される。
【0026】本発明の方法により繊維製品を得るのに、
本発明の加工方法による処理後、繊維製品を染色するこ
とは困難となるので、染色、プリント加工品の繊維製品
を得るためには、本発明の加工を行う以前に繊維製品を
予め処理しておくことが望ましい。
【0027】
【実施例】以下本発明の繊維製品の加工方法を実施例に
より具体的に説明するが、本発明はこの範囲に限定され
るものではない。尚、実施例で示した各測定値は次の試
験法に従った。
【0028】1.皮膚水分量 20〜40才の女性パネラー5名を、20℃、湿度60
%の室内で2時間在室し、上腕部内側皮膚の水分量を皮
膚角質層水分量測定機[フラージ・カザカ(西独)製、
商品名コーネオメーターCM−820]で測定し、メー
ターの表示値から5名の平均値で試験前のデータとして
表示し、次いで各試料を各パネラーの上述の測定部位に
幅10cmで1重に巻き、同室内で3時間後各試料をは
ずし試験前のデータを測定した皮膚部位の水分量を測定
し、平均値で表した。
【0029】2.水分量増加率(%) 上記1の測定値の結果から次式で求めた。
【0030】3.洗濯法は、各試料をJIS L104
2「織物の収縮率試験方法」記載のF−1法により0.
1%粉石鹸液で40℃、15分洗濯、脱水、乾燥を10
回及び30回繰返した。
【0031】4.柔軟性 (1)剛軟度 JIS L1096「一般織物試験方法」記載のB法
(スライド法)で各試料を測定し、未加工試料1の剛軟
度を100として比較表示した。 (2)風合 各試験を5名のパネラーが未加工試料1の風合と比較し
て次の基準で評価し平均値で表示した。 1:非常に柔らかい、2:柔らかい、3:やや柔らか
い、4:変わらない、5:やや硬い、6:硬い
【0032】5.触感性 各試料を5名のパネラーが加工品のぬめり感(湿った感
じを有し乍らしなやかな感じ)とドライ感(さらり感を
有し乍らしなやかな感じ)を未加工試料と比較して次の
基準で評価し平均値で表示した。
【0033】
【0034】6.経時変化 デシケーターの下部に水を満たして、中板の上に10c
m×10cmの大きさの試料及び未加工試料をガラス製
架台に掛け、デシケーターの蓋をした後、60℃の恒温
装置内に7日間放置して、夫々の試料を取出しJIS0
805「汚染用グレースケール」に基づき、未加工試料
に比較し評価しを表した。
【0035】(実施例1)50番手単糸の綿紡績糸を用
いて、経285本/5cm、緯165本/5cmの密
度、目付100g/m2 の綿ブロード織物を織成し、常
法により毛焼、糊抜き、精練、漂泊、マーセル加工、乾
燥し、綿ブロードの繊維製品を得た(未加工試料1)
【0036】得られた綿ブロード織物を高級アルコール
硫酸エステル塩アニオン界面活性剤[高松油脂(株)
製、商品名;ハイソフナーOS−K]4.0g/l含有
アニオン系界面活性剤乳化分散水溶液中(以下アニオン
系処理液と云う)に2秒間浸漬し、絞り率80%で絞っ
た後、145℃で35秒乾燥した。次いで、スクワラン
とホホバ油を非イオン系活性剤の(アルキルエーテルエ
チレンオキサイド付加物)と(アルキルエーテルエチレ
ンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物)に乳化分
散し、更にカチオン系界面活性剤である脂肪酸アミドを
混入、乳化分散した後(重量比1:1:1)、水を加え
カチオン系界面活性剤乳化分散水溶液を調整した。
【0037】この時のスクワラン、ホホバ油、アルキル
エーテルエチレンオキサイド付加物、アルキルエーテル
エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物と脂
肪酸アミドの濃度が表1に示す如く配合し、6g/l、
12g/l、18g/l、24g/l、30g/lにな
る様に、即ちアニオン系界面活性剤濃度との比が1:
1.5、1:3.0、1:4.5、1:6.0、1:
7.5になる如くスクワラン、ホホバ油を含むカチオン
系界面活性剤乳化分散水溶液(以下カチオン系処理液と
云う)を準備した。
【0038】アニオン系処理液で加工処理して得た綿ブ
ロード織物を上述の夫々の濃度からなるカチオン系処理
液中に2秒夫々浸漬処理し、絞り率80%で絞った後、
145℃で35秒乾燥し(本発明の加工処理試料)2、
3、4、5、6を得た。各1〜6の試料について皮膚水
分量、柔軟性、触感性及び経時変化の測定結果を表1に
示した。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかな如くスクワランとホホバ
油の混合比率を1:1とし、アニオン系処理液濃度とカ
チオン系処理液濃度比を変化させると濃度比が増加する
に従って皮膚水分量増加率即ち、保湿効果が向上し、ま
た柔軟性も向上している。そして、触感性はあまり変り
なく、経時変化(試料の色調変化)は全く影響がなかっ
た。
【0041】(実施例2)実施例1と同様にして得られ
た綿ブロード織物(試料1)を用いて実施例1で用いた
濃度4.0g/lのアニオン系処理液中に2秒浸漬し、
絞り率80%で絞った後、145℃で35秒の乾燥し
た。次いで表2に示す如くスクワランとホホバ油の混合
比1:4、3:7、7:3及び4:1と変更し、カチオ
ン系処理液中の全濃度18g/lの液を調整し、夫々の
カチオン系処理液中に、2秒浸漬し、絞り率80%で絞
った後、145℃で35秒乾燥し、本発明の加工処理試
料7、8、9、10を得た。
【0042】各7〜10試料について皮膚水分量、柔軟
性、触感性及び経時変化の測定結果及び実施例1の試料
1と4の結果も表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】表2の結果より、アニオン系処理液濃度と
カチオン系処理液濃度比を同一にして、保湿剤スクワラ
ンとホホバ油の混合比を変え、スクワランの割合を増や
すと保湿性、剛軟度及び風合が低下し、触感性のぬめり
感が増加するがドライ感は変わらない。これに対し、ホ
ホバ油の割合がスクワランに比べ高いと、保湿性、剛軟
度及び風合が向上し、触感性のぬめり感は低下するが、
ドライ感は変わらないことが明らかであり、所望の柔軟
性、風合及び保湿性等を保湿剤スクワランとホホバ油の
混合割合を変えることにより自由に処理できる。尚、こ
の時も経時変化には全く影響はなかった。
【0045】(比較例) (1)実施例1と同様にして得られた綿ブロード織物
(試料1)を用いて実施例1で用いた濃度4.0g/l
のアニオン系処理液中に2秒浸漬し、絞り率80%で絞
った後、145℃で35秒乾燥した。次いで保湿剤のス
クワランのみを乳化分散させた表3に示す濃度のカチオ
ン系界面活性剤乳化分散水溶液中に2秒浸漬し、絞り率
80%で絞った後、145℃で35秒乾燥し加工処理試
料11を得た。
【0046】(2)上述の保湿剤スクワランの代わりに
ホホバ油のみを分散させた表3に示す配合濃度のカチオ
ン系界面活性剤分散水溶液を用いて、上述(1)同様の
操作で加工処理試料12を得た。
【0047】(3)綿ブロード織物(試料1)をアニオ
ン系処理液で加工処理を行わずに、保湿剤スクワランと
ホホバ油の濃度比が1:1で表3に示す配合濃度のカチ
オン系処理液中に浸漬し、実施例1と同一処理をして加
工処理試料13、14を得た。各11〜14試料につい
て皮膚水分量、柔軟性、触感性及び経時変化の測定結果
及び実施例の試料1、2、4の結果も表3に示した。
【0048】
【表3】
【0049】表3から明らかな如く、(1)カチオン系
処理液中にホホバ油を入れずスクワラン単独配合の時は
水分量増加率が両保湿剤を混合した時に比較し低下して
いることが明らかで、剛軟度風合も低下しているがぬめ
り感は向上し、ドライ感は変化がなかった。
【0050】(2)カチオン系処理液中にスクワランを
入れずにホホバ油単独配合の時は水分増加率は若干向上
し、剛軟度及び風合も若干向上しているがぬめり感は低
下し、ドライ感は変化がなかった。
【0051】(3)アニオン系処理液で加工せずカチオ
ン系処理液で加工処理した時は、試料2と13、及び試
料4と14の結果より水分量増加率は著しく低下し、耐
洗濯性能、柔軟性、ぬめり感、ドライ感共に低下してい
る。このことから保湿剤スクワラン単独又はホホバ油単
独のカチオン系処理液で処理するより、又アニオン系処
理液で加工処理しない場合に比べ本発明の加工方法があ
らゆる点で優れていることが明らかである。
【0052】(実施例3) (1)単糸5デニールのポリエステルフィラメントを2
本合撚した糸を経糸に用い、単糸3.12デニールのポ
リエステルフィラメントを2本合撚した糸を緯糸に用い
て経67本/インチ、緯68本/インチの目付180g
/m2 のポリエステル織物を織成した。これを通常の方
法で精練、漂泊、乾燥しポリエステル織物の繊維製品を
得た(未加工品試料15)。
【0053】得られたポリエステル織物を実施例1と同
様に4.0g/lのアニオン系処理液中に2秒浸漬し、
絞り率25%で絞った後、150℃で20秒乾燥した。
次いで実施例1の試料4を得た時に用いたカチオン系処
理液中に2秒浸漬し、絞り率25%で絞った後、150
℃で20秒乾燥し本発明の加工処理試料16を得た。
【0054】(2)280デニールのポリウレタン弾性
糸(富士紡績株式会社製、商品名フジボウスパンデック
ス)と70デニールのセミダブルナイロンフィラメント
糸を用い、ナイロン糸80%(重量)、ポリウレタン弾
性糸20%(重量)の目付180g/m2 のサテン調パ
ワーネットを経編機で編成した。この各編地を通常のス
チームリラックスプレヒートセット、精練、漂泊、乾燥
し、パワーネット編地の繊維製品を得た(未加工品試料
17)。
【0055】得られたパワーネット編地を実施例1と同
様の4.0g/lのアニオン系処理液中に2秒間浸漬
し、絞り率98%で絞った後、160℃で45秒乾燥し
た。次いで、実施例1の試料4を得た時に用いたカチオ
ン系処理液中に2秒浸漬し、絞り率98%で絞った後、
160℃で45秒乾燥し本発明の加工処理試料18を得
た。
【0056】(3)マーセル化加工をした60番手双糸
の綿紡績糸を用いて丸編機で目付130g/m2 の天笠
丸編地を編成し、通常の精練、漂泊、乾燥後開反し、綿
編物の繊維製品を得た(未加工試料19)。得られた綿
編地を実施例1と同様の4.0g/lのアニオン系処理
液中に15秒浸漬し、絞り率90%で絞った後、100
℃で45秒乾燥した。次いで、実施例1の試料4を得た
時に用いたカチオン系処理液中に15秒浸漬し、絞り率
90%で絞った後、100℃で45秒乾燥して本発明の
加工処理試料20を得た。上述の如くして得られた試料
15〜20について皮膚水分量、柔軟性、触感性及び経
時変化の測定結果を表4に示した。
【0057】
【表4】
【0058】表4から明らかな如く各種繊維素材からな
る繊維製品にも本発明の加工方法で処理すれば保湿性、
柔軟性、触感性に向上効果が得られることは明らかであ
る。
【0059】(実施例4)マーセル化加工された65番
手双糸の綿紡績糸の単量1kgの49チーズをチーズ染
色機に充填し通常の方法による精練、漂泊、乾燥をし
た。次いでチーズ染色機に充填し下記の染色条件で青色
に染色し、水洗、脱水後、乾燥し、染色された綿糸の繊
維製品を得た(未加工試料21)。
【0060】染色条件: スミフィクッススプラブルーBRF[住友化学工業
(株)]2.44%o.w.f スミフィクッススプラレッドBSF[住友化学工業
(株)]0.33%o.w.f スミフィクッススプライエロー3RF[住友化学工業
(株)]0.33%o.w.f 芒硝 50g/l ソーダ灰 20g/l 浴比 1:15 温度×時間 60℃×60分
【0061】得られた染色綿糸をチーズ染色機に充填
し、実施例1と同じ薬品でアニオン活性剤濃度0.4g
/lのアニオン系処理液を染色機に注入、ポンプ流量2
000l/分で循環させ、浴比1:15で50℃、20
分浸漬し、該処理液を排出し脱水率200%で脱水後、
該糸を90℃で60分間乾燥した。次いで、これらの処
理糸を再びチーズ染色機に充填し、保湿剤スクワラン
0.6g/l、ホホバ油0.6g/lを実施例1で用い
た同一の非イオン活性剤とカチオン活性剤の合計が0.
6g/lのカチオン系処理液でチーズ染色機に注入し、
ポンプ流量2000l/分で循環させて浴比1:15、
50℃で20分間処理した後、処理液を排出し、脱水率
200%で脱水した。処理された糸をチーズ乾燥機に移
し90℃で60分間乾燥し加工染色綿糸を得た。得られ
た未加工綿糸と加工染色綿糸を用いて夫々実施例3
(3)と同様に天笠編地を編成し、編地試料21と22
を得た。得られた試料21、22について皮膚水分量、
柔軟性、触感性及び経時変化の測定結果を表5に示し
た。
【0062】
【表5】
【0063】表5より、アニオン系処理液とカチオン系
処理液の処理方法が実施例1〜3と異なった浸漬法では
なく吸尽法であっても又染色された繊維製品においても
本発明の効果は変わりがないことが明らかである。
【0064】
【発明の効果】本発明は、上述の如き加工方法で繊維製
品を処理する結果、保湿性、柔軟性、触感性に優れ、こ
れらの性能が洗濯を繰り返しても継続的に保持出来る効
果も発揮する。
フロントページの続き (71)出願人 000187459 松浦株式会社 大阪市中央区久太郎町一丁目九番二八号 (72)発明者 海谷 篤 神奈川県川崎市麻生区上麻生2−4−7 (72)発明者 杉山 和典 静岡県駿東郡小山町小山129−1 (72)発明者 吉村 喜一郎 福井県坂井郡金津町矢地12番地8−1 (72)発明者 佐藤 襄二 大阪府豊能郡豊能町ときわ台6丁目15番8 号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維製品をアニオン系界面活性剤乳化分
    散水溶液で処理し乾燥後、次いで保湿剤スクワランとホ
    ホバ油が分散混合しているカチオン系界面活性剤乳化分
    散水溶液で処理し乾燥することを特徴とする繊維製品の
    加工方法。
JP2881495A 1995-01-25 1995-01-25 繊維製品の加工方法 Pending JPH08209539A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110306338A (zh) * 2019-07-09 2019-10-08 青岛雪达集团有限公司 一种具有保湿功能的纺织面料及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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