JPH0741997A - 電着めっき装置及び電着めっき方法 - Google Patents

電着めっき装置及び電着めっき方法

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JPH0741997A
JPH0741997A JP20842093A JP20842093A JPH0741997A JP H0741997 A JPH0741997 A JP H0741997A JP 20842093 A JP20842093 A JP 20842093A JP 20842093 A JP20842093 A JP 20842093A JP H0741997 A JPH0741997 A JP H0741997A
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JP
Japan
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plating
plated
electrodeposition
thin film
stirring means
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP20842093A
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English (en)
Inventor
Kazutoshi Asada
和敏 麻田
Tetsuo Endo
哲雄 遠藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被めっき体である薄膜ウェハーに、めっき膜
厚及びめっき膜質がその表面上で均一となるように電着
めっきを施す。 【構成】 電着めっき装置を、めっき槽1と、このめっ
き槽1中のめっき浴に侵漬されて配置された陽極部2,
陰極部である薄膜ウェハー3,及びめっき液を攪拌する
ための攪拌手段4と、めっき槽1の外部に設けられた電
源5及び磁界発生手段6とから構成する。そして、この
攪拌手段4を、回転軸Lを中心として放射状に複数の回
転翼11を有し、上部及び下部に強度を補強するための
円盤12a及び12bが設けられた、いわゆる水車型形
状に形成して構成する。この攪拌手段4においては、そ
の高さHを薄膜ウェハー3の高さ方向の長さhよりも大
きく(H>h)形成する。そして、攪拌手段4は、めっ
き槽1のほぼ中央に配置され、攪拌手段4の上端の延長
線aと下端の延長線bとの間の領域に薄膜ウェハー3が
設置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電着反応によって、例
えば磁気ヘッド用の薄膜ウェハーにめっき層を形成する
電着めっき装置及び電着めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電着反応によって薄膜ウェハー
に電着めっきを施してこの薄膜ウェハーにめっき層を形
成する際、膜厚及び膜質を上記薄膜ウェハー面上で均一
にすることが重要である。
【0003】電着めっきのプロセスにおける主な制御要
素は、めっき浴の組成,陽極部の寸法、形状及び設置箇
所,被めっき体である陰極部の設置箇所,めっき温度,
めっき電流,めっき浴のpH,及び上記めっき浴の攪拌
である。この攪拌によって、上記めっき浴に流れが生
じ、上記陰極部における物質交換が促進される。
【0004】従来の、例えば磁気ヘッド用薄膜ウェハー
にパーマロイめっきを施すための電着めっき装置は、図
6に示すように、めっき槽101と、このめっき槽10
1中のめっき浴に浸漬された陽極部102,陰極部であ
る薄膜ウェハー103,及びめっき浴を攪拌するための
回転翼104と、めっき槽101の外部に設けられた電
源105及び磁界発生手段106とから構成されてい
る。
【0005】なお、攪拌手段として回転翼104を用い
るのは、以下の理由によるものである。即ち、パーマロ
イのめっきを施す際に、めっき膜に異方性をつける必要
性から、被めっき体に磁場を印加しなければならない。
従ってこの場合、通常の薄膜ウェハーのめっきのように
基板回転と空気攪拌との組合せが使用できないために、
攪拌手段として回転翼104を用いる。
【0006】電源105を用いて、陽極部102及び薄
膜ウェハー103に電流を流すと、めっき浴内で還元反
応が起こる。この薄膜ウェハー103における還元反応
は、以下の反応式で示される。
【0007】 M+ +me- →M (M:金属元素,e:電子,m:価数)・・・(1 ) 2H+ +2e- →H2 ↑ (H:水素) ・・・(2 )
【0008】この還元反応により、陰極部である薄膜ウ
ェハー103の表面に金属が析出し、めっき膜が形成さ
れる。なお、合金の電着めっきでは、複数の金属の
(1)式で示される析出反応が同時に生じている。
(1)式に示すように、薄膜ウェハー103の表面上及
びその近傍では陽イオン(金属イオン)が消費されるた
め、上記めっき浴中で陽イオンの濃度勾配が生じる。図
7に示すように、めっき浴中において陽イオンの濃度勾
配が生じている部分δは、陽イオンのめっき浴中の移動
度、即ち拡散により決定されるために、便宜的に拡散層
と称されている。
【0009】この電着めっきのプロセスの際に、上述の
還元反応の反応速度を増大させるために、回転翼104
により上記めっき浴を攪拌する。即ち、回転翼104を
軸Lを中心として例えば矢印Mの方向に回転させること
によって、上記めっき浴に液流が生じる。そのため、陰
極部である薄膜ウェハー103における物質交換が促進
され、めっき膜の形成速度が増大する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回転翼
104により上記めっき浴を攪拌することで上記めっき
浴に生じる液流の流速は、陰極部である薄膜ウェハー1
03の表面上の位置において、その中心部付近と上下両
端部付近とでは異なる値となる。この攪拌ムラに応じ
て、(1)式に示す上記陽イオンの反応速度も、薄膜ウ
ェハー103の表面上の位置によって異なる値となる。
従って、陽極部102における(2)式に示す反応の速
度も変化するため、金属の析出と水素の発生の速度比が
変わり、陰極部である薄膜ウェハー103に生じるめっ
き膜厚が不均一となる。また、合金の電着めっきでは、
めっき膜の成分金属比、即ちめっき膜質が不均一とな
る。
【0011】上述の薄膜ウェハー103の膜厚及び膜質
の不均一の原因となる要素としては、上記攪拌ムラと、
陽極部102及び薄膜ウェハー103に流れる電着めっ
き電流の密度分布の不均一とがある。この電着めっき電
流の密度分布の不均一の度合は、陽極部102及び薄膜
ウェハー103の形状、寸法及びめっき槽101内にお
ける配置でほぼ決定される。これらを制御することは比
較的容易であるため、さほど問題ではない。ところが、
上記攪拌ムラについては、この攪拌ムラの度合がめっき
槽101全体の形状に関わるために装置依存性が大きい
こと、及び攪拌状態の定量的評価が困難であることによ
り、未だ決定的な解決手法が得られていない。
【0012】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、被めっき体に、め
っき膜厚及びめっき膜質がその表面上で均一となるよう
に電着めっきを施すことができ、被めっき体の品質の信
頼性、及びその歩溜りを大幅に向上させることが可能と
なる電着めっき装置及び電着めっき方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、めっき槽1
と、該めっき槽1中のめっき浴内に薄膜ウェハー3、陽
極部2、及び攪拌手段4が浸漬され、薄膜ウェハー3と
陽極部2との電着反応によって、薄膜ウェハー3表面上
にめっき層を形成する電着めっき装置及び電着めっき方
法において、攪拌手段4を、短冊形状の回転翼を複数配
置することにより構成し、その高さ方向の長さが薄膜ウ
ェハー3の高さ方向の長さ以上に形成する。
【0014】この場合、攪拌手段4を、上記めっき槽中
で、上端の延長線と下端の延長線間に薄膜ウェハー3が
含まれる位置に設置してもよい。
【0015】またこの場合、攪拌手段を、その横方向の
長さが薄膜ウェハー3の横方向の長さ以上にしてもよ
い。
【0016】また、本発明は、攪拌手段4を薄膜ウェハ
ー3の左右に設置し、各攪拌手段4と薄膜ウェハー3の
周囲に複数の整流板を配置して構成してもよい。
【0017】この場合、攪拌手段4を薄膜ウェハー3の
左右に設置し、各攪拌手段4から薄膜ウェハー3に亘る
周囲に第1の整流板7を配置し、各攪拌手段間に第2の
整流板8を配置してもよい。
【0018】またこの場合、陽極部2を、薄膜ウェハー
3の左右に設置された攪拌手段4の間に第2の整流板8
と共に配置してもよい。
【0019】また、本発明は、めっき槽1と、該めっき
槽1中のめっき浴内に薄膜ウェハー3、陽極部2、及び
攪拌手段4が浸漬され、薄膜ウェハー3と上記陽極部と
の電着反応によって、薄膜ウェハー3にめっき層を形成
する電着めっき方法において、攪拌手段として、短冊形
状の回転翼が複数配置され、その高さ方向の長さが薄膜
ウェハー3の高さ方向の長さ以上である攪拌手段4を用
いて、薄膜ウェハー3にめっき層を形成する。
【0020】この場合、攪拌手段4を、めっき槽1中
で、上端の延長線と下端の延長線間に薄膜ウェハー3が
含まれる位置に設置して、薄膜ウェハー3にめっき層を
形成してもよい。
【0021】またこの場合、攪拌手段として、その横方
向の長さが薄膜ウェハー3の横方向の長さ以上とされた
攪拌手段9を用いて、薄膜ウェハー3にめっき層を形成
してのよい。
【0022】また、本発明は、攪拌手段4を、薄膜ウェ
ハー3の左右に設置し、各攪拌手段4と薄膜ウェハー3
の周囲に複数の整流板が配置して、薄膜ウェハー3にめ
っき層を形成してもよい。
【0023】この場合、攪拌手段4を、薄膜ウェハー3
の左右に設置し、各攪拌手段4から薄膜ウェハー3に亘
る周囲に第1の整流板7を配置し、各攪拌手段4間に第
2の整流板8を配置して、薄膜ウェハー3にめっき層を
形成してもよい。
【0024】またこの場合、陽極部2を、薄膜ウェハー
3の左右に設置された攪拌手段4の間に上記第2の整流
板8と共に配置して、薄膜ウェハー3にめっき層を形成
してもよい。
【0025】
【作用】本発明に係る電着めっき装置及び電着めっき方
法においては、攪拌手段4を用いてめっき浴を攪拌する
ことで、めっき浴中の広い領域で流速が均一となる液流
が生じる。従って、この領域に薄膜ウェハー3を配置す
ることで、薄膜ウェハー3の表面上におけるめっき浴の
流速を、この薄膜ウェハー3の表面全体に亘って均一に
保ってめっき浴を攪拌しながら、この薄膜ウェハー3に
電着めっきを施すことが可能となる。
【0026】また、攪拌手段を、更にその横方向の長さ
が薄膜ウェハー3の横方向の長さ以上である攪拌手段9
とすることで、薄膜ウェハー3の表面上におけるめっき
浴の流速を、この薄膜ウェハー3の表面全体に亘って更
に均一に保ちながらめっき浴を攪拌することが可能とな
る。
【0027】更に、2基の攪拌手段4を設置し、各攪拌
手段4から薄膜ウェハー3に亘る周囲に第1の整流板7
を配置し、各攪拌手段4の近傍にそれぞれ第2の整流板
8を1枚づつ配置して、各攪拌手段4を用いてめっき浴
を攪拌することで、第1の整流板7によってめっき浴の
液流がよりスムーズとなる領域が生じ、更に第2の整流
板8によって上記領域における液流方向がより均一なも
のとなる。即ち、めっき浴中の上記領域で更に安定した
上記液流が生じることとなる。従って、この領域に薄膜
ウェハー3を設置することで、薄膜ウェハー3の表面上
におけるめっき浴の流速を、この薄膜ウェハー3の表面
全体に亘って更に均一に保ってめっき浴を攪拌しなが
ら、この薄膜ウェハー3に電着めっきを施すことが可能
となる。
【0028】またこの場合、陽極部2を、薄膜ウェハー
3の左右に設置された2基の攪拌手段4の間に第2の整
流板8と共に配置することで、2基の攪拌手段4間に、
第2の整流板8に沿っためっき浴の流路がほぼ完全に形
成される。従って、薄膜ウェハー3の表面上におけるめ
っき浴の流速を、この薄膜ウェハー3の表面全体に亘っ
て更に均一に保ちながらめっき浴を攪拌しながら、この
薄膜ウェハー3に電着めっきを施すことが可能となる。
【0029】
【実施例】以下、本発明に係る電着めっき装置及び電着
めっき方法をパーマロイのめっきに適用したいくつかの
実施例を図1〜5を参照しながら説明する。
【0030】まず、第1実施例に係る電着めっき装置
は、図1に示すように、めっき槽1と、このめっき槽1
中のめっき浴に浸漬されて配置された陽極部2,陰極部
である薄膜ウェハー3,及びめっき浴を攪拌するための
攪拌手段4と、めっき槽1の外部に設けられた電源5及
び磁界発生手段6とから構成されている。
【0031】この攪拌手段4においては、その高さHが
薄膜ウェハー3の高さ方向の長さhよりも大きく(H>
h)形成されている。そして、攪拌手段4は、めっき槽
1のほぼ中央に配置され、攪拌手段4の上端の延長線a
と下端の延長線bとの間の領域に薄膜ウェハー3が設置
される。また、陽極部2は、攪拌手段4に対して薄膜ウ
ェハー3のほぼ対称な位置に配置される。
【0032】攪拌手段4は、図2に示すように、回転軸
Lを中心として放射状に複数(図示の例では4枚)の回
転翼11を有し、上部及び下部に強度を補強するための
円盤12a及び12bが設けられた、いわゆる水車型形
状に形成されて構成されている。
【0033】上記第1実施例に係る電着めっき方法にお
いては、先ず電源5を用いて、陽極部2及び薄膜ウェハ
ー3に電流を流すことにより、めっき浴内で還元反応が
起こり、薄膜ウェハー3の表面にパーマロイが析出す
る。またそれと同時に、磁界発生手段6を用いて、薄膜
ウェハー3に磁場を印加することによって、薄膜ウェハ
ー3の表面に析出したパーマロイに磁気的異方性が与え
られる。このようにして、薄膜ウェハー3の表面に、磁
気的異方性を有するパーマロイのめっき膜が形成され
る。
【0034】この電着めっきのプロセスの際に、上述の
還元反応の反応速度を増大させるために、攪拌手段4に
より上記めっき浴を攪拌する。即ち、攪拌手段4を軸L
を中心として例えば矢印Mの方向に回転させることによ
って、上記めっき浴に液流が生じる。そのため、陰極部
である薄膜ウェハー3における物質交換が促進され、め
っき膜の形成速度が増大する。
【0035】上記第1実施例に係る電着めっき装置及び
電着めっき方法においては、攪拌手段4を用いてめっき
浴を攪拌することで、めっき浴中の広い領域で流速が均
一となる液流が生じる。従って、この領域に薄膜ウェハ
ー3を配置することで、薄膜ウェハー3の表面上におけ
るめっき浴の流速を、この薄膜ウェハー3の表面全体に
亘って均一に保ってめっき浴を攪拌しながら、この薄膜
ウェハー3に電着めっきを施すことが可能となる。
【0036】従って、薄膜ウェハー3の表面上における
パーマロイの析出と陽極部2における水素の発生の速度
比が一定となり、薄膜ウェハー3の表面全体に亘って更
に均一な膜厚を有するめっき膜が形成される。更に、上
記めっき浴の流速が均一な領域では、そのめっき浴の成
分比も一定となっている。従って、上述のように形成さ
れためっき膜は、その膜質も薄膜ウェハー3の表面全体
に亘って均一となる。即ち、上記第1実施例に係る電着
めっき装置を用いて薄膜ウェハー3に電着めっきを施す
ことによって、薄膜ウェハー3の表面全体に亘って均一
な膜厚及び膜質を有するめっき膜を形成することが可能
となる。
【0037】ここで、一つの実験例を示す。この実験例
は、従来例及び上記第1実施例に係る電着めっき装置及
び電着めっき方法(以下、単に従来例及び上記第1実施
例と記す)によって薄膜ウェハーにパーマロイめっきを
施した際の、上記薄膜ウェハーの表面に形成されたパー
マロイのめっき膜中のフェライトの含有量の最大値(以
下、Mと記す)及び最小値(以下、mと記す)をモル%
を単位として測定したものである。
【0038】この実験例によれば、従来例では、M=2
2.18,m=16.63であり、ばらつきを示す値S
を、S=M−mで定義すると、S=5.55であった。
また、上記第1実施例では、M=18.37,m=1
6.20であり、S=2.17であった。従来例と上記
第1実施例とを比較すると、ばらつきを示す値Sは、上
記第1実施例では従来例の半分以下となっている。即
ち、上記第1実施例によって上記薄膜ウェハーの表面に
形成されたパーマロイのめっき膜の膜質は、従来例のそ
れに比べて2倍以上の向上を示すことがわかる。
【0039】次に、上記第1実施例の変形例Aを、図3
を参照しながら説明する。なお、図1及び図2と対応す
るものについては同符号を記す。
【0040】この変形例Aは、上記第1実施例とほぼ同
様の構成を有するが、図3に示すように、攪拌手段を、
更にその横方向の長さが薄膜ウェハー3の横方向の長さ
以上である攪拌手段9とする点で異なる。
【0041】この変形例Aにおいては、薄膜ウェハー3
の表面上におけるめっき浴の流速を、この薄膜ウェハー
3の表面全体に亘って更に均一に保ちながらめっき浴を
攪拌することが可能となる。
【0042】従って、薄膜ウェハー3の表面上における
パーマロイの析出と陽極2における水素の発生の速度比
が一定となり、薄膜ウェハー3の表面全体に亘って更に
均一な膜厚を有するめっき膜が形成される。更に、上記
めっき浴の流速が均一な領域では、そのめっき浴の成分
比も一定となっている。従って、上述のように形成され
ためっき膜は、その膜質も薄膜ウェハー3の表面全体に
亘って均一となる。即ち、上記変形例Aに係る電着めっ
き装置を用いて薄膜ウェハー3に電着めっきを施すこと
によって、薄膜ウェハー3の表面全体に亘って更に均一
な膜厚及び膜質を有するめっき膜を形成することが可能
となる。
【0043】次に、第2実施例に係る電着めっき装置及
び電着めっき方法について、図4を参照しながら説明す
る。なお、図1と対応するものについては同符号を記
す。
【0044】この第2実施例に係る電着めっき装置は、
上記第1実施例とほぼ同様の構成を有するが、図4に示
すように、めっき槽1中のめっき浴に浸漬されて配置さ
れた攪拌手段4が2基である点と、めっき槽1中に第1
及び第2の整流板7及び8が設置されている点とで異な
る。
【0045】めっき槽1中で、2基の攪拌手段4は、図
中で左右上方に設置され、第1の整流板7は、各攪拌手
段4から薄膜ウェハー3に亘る周囲に配置され、第2の
整流板8は、各攪拌手段4の近傍にそれぞれ1枚づつ配
置され、陽極部2は、図中で下方中央に設置されてい
る。薄膜ウェハー3は、図中で上方中央に、第1の整流
板7に片面(めっきを施さない面)を対向させて設置さ
れている。
【0046】そして、上記第2実施例に係る電着めっき
方法においては、上記第1実施例と同様にして、薄膜ウ
ェハー3の表面に、磁気的異方性を有するパーマロイの
めっき膜が形成される。
【0047】上記第2実施例に係る電着めっき装置及び
電着めっき方法においては、各攪拌手段4を用いてめっ
き浴を攪拌することで、第1の整流板7によってめっき
浴の液流がよりスムーズとなる領域が生じ、更に第2の
整流板8によって上記領域における液流方向がより均一
なものとなる。即ち、めっき浴中の上記領域で更に安定
した上記液流が生じることとなる。従って、この領域に
薄膜ウェハー3を設置することで、薄膜ウェハー3の表
面上におけるめっき浴の流速を、この薄膜ウェハー3の
表面全体に亘って更に均一に保ってめっき浴を攪拌しな
がら、この薄膜ウェハー3に電着めっきを施すことが可
能となる。
【0048】このことから、薄膜ウェハー3の表面上に
おけるパーマロイの析出と陽極2における水素の発生の
速度比が一定となり、薄膜ウェハー3の表面全体に亘っ
て更に均一な膜厚を有するめっき膜が形成される。更
に、上記めっき浴の流速が均一な領域では、そのめっき
浴の成分比も一定となっている。その結果、上述のよう
に形成されためっき膜は、その膜質も薄膜ウェハー3の
表面全体に亘って均一となる。即ち、上記第2実施例に
係る電着めっき装置を用いて薄膜ウェハー3に電着めっ
きを施すことによって、薄膜ウェハー3の表面全体に亘
って更に均一な膜厚及び膜質を有するめっき膜を形成す
ることが可能となる。
【0049】ここで、上記第1実施例で示した実験例と
同じ実験例を、上記第2実施例に係る電着めっき装置及
び電着めっき方法(以下、単に上記第2実施例と記す)
によって行った際の測定結果は、M=19.44,m=
18.78であり、S=0.66であった。従来例(M
=22.18,m=16.63,S=5.55)と上記
第2実施例とを比較すると、ばらつきを示す値Sは、上
記第2実施例では従来例の1/8以下となっている。即
ち、上記第2実施例によって上記薄膜ウェハーの表面に
形成されたパーマロイのめっき膜の膜質は、従来例のそ
れに比べて8倍以上の向上を示すことがわかる。
【0050】次に、上記第2実施例の変形例Bを、図5
を参照しながら説明する。なお、図4と対応するものに
ついては同符号を記す。
【0051】この変形例Bは、上記第2実施例とほぼ同
様の構成を有するが、めっき槽1中で、2基の攪拌手段
4の間をほぼ閉塞するように第2の整流板8が設置され
ている点と、陽極部2が、この第2の整流板8に片面を
対向させて設置されている点とで異なる。
【0052】この変形例Bにおいては、2基の攪拌手段
4間に、整流板8に沿ってめっき浴の流路がほぼ完全に
形成される。従って、薄膜ウェハー3の表面上における
めっき浴の流速を、この薄膜ウェハー3の表面全体に亘
って更に均一に保ちながらめっき浴を攪拌しながら、こ
の薄膜ウェハー3に電着めっきを施すことが可能とな
る。
【0053】このことから、薄膜ウェハー3の表面上に
おけるパーマロイの析出と陽極2における水素の発生の
速度比が一定となり、薄膜ウェハー3の表面全体に亘っ
て更に均一な膜厚を有するめっき膜が形成される。更
に、上記めっき浴の流速が均一な領域では、そのめっき
浴の成分比も一定となっている。その結果、上述のよう
に形成されためっき膜は、その膜質も薄膜ウェハー3の
表面全体に亘って均一となる。即ち、上記変形例Bに係
る電着めっき装置を用いて薄膜ウェハー3に電着めっき
を施すことによって、薄膜ウェハー3の表面全体に亘っ
て更に均一な膜厚及び膜質を有するめっき膜を形成する
ことが可能となる。
【0054】なお、本発明に係る電着めっき装置及び電
着めっき方法は、上記第1及び第2実施例のようにパー
マロイの電着めっきのみに適用が限定されることはな
く、その電着機構から、他のあらゆる電着めっきにも応
用可能である。
【0055】
【発明の効果】本発明に係る電着めっき装置によれば、
めっき槽と、該めっき槽中のめっき浴内に被めっき体、
陽極部、及び攪拌手段が浸漬され、上記被めっき体と上
記陽極部との電着反応によって、上記被めっき体にめっ
き層を形成する電着めっき装置において、上記攪拌手段
を、短冊形状の回転翼を複数配置し、その高さ方向の長
さが上記被めっき体の高さ方向の長さ以上にしたので、
上記被めっき体にめっき膜厚及びめっき膜質がその表面
上で均一となるように電着めっきを施すことができ、上
記被めっき体の品質の信頼性、及びその歩溜りを大幅に
向上させることが可能となる。
【0056】また、本発明に係る電着めっき装置によれ
ば、上記攪拌手段を上記被めっき体の左右に設置し、各
攪拌手段と上記被めっき体の周囲に複数の整流板を配置
したので、上記被めっき体にめっき膜厚及びめっき膜質
がその表面上で更に均一となるように電着めっきを施す
ことができ、上記被めっき体の品質の信頼性、及びその
歩溜りを更に大幅に向上させることが可能となる。
【0057】本発明に係る電着めっき方法によれば、め
っき槽と、該めっき槽中のめっき浴内に被めっき体、陽
極部、及び攪拌手段が浸漬され、上記被めっき体と上記
陽極部との電着反応によって、上記被めっき体にめっき
層を形成する電着めっき方法において、上記攪拌手段
を、短冊形状の回転翼を複数配置し、その高さ方向の長
さが上記被めっき体の高さ方向の長さ以上にして、この
攪拌手段を用いて、上記被めっき体にめっき層を形成す
るので、上記被めっき体にめっき膜厚及びめっき膜質が
その表面上で均一となるように電着めっきを施すことが
でき、上記被めっき体の品質の信頼性、及びその歩溜り
を大幅に向上させることが可能となる。
【0058】また、本発明に係る電着めっき方法によれ
ば、上記攪拌手段を上記被めっき体の左右に設置し、各
攪拌手段と上記被めっき体の周囲に複数の整流板を配置
して、上記被めっき体にめっき層を形成するので、上記
被めっき体にめっき膜厚及びめっき膜質がその表面上で
更に均一となるように電着めっきを施すことができ、上
記被めっき体の品質の信頼性、及びその歩溜りを更に大
幅に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る電着めっき装置を模式的に示
す正面図である。
【図2】第1実施例に係る電着めっき装置の攪拌手段を
模式的に示す正面図及び平面図である。
【図3】第1実施例に係る電着めっき装置の変形例Aの
攪拌手段を模式的に示す平面図である。
【図4】第2実施例に係る電着めっき装置を模式的に示
す平面図である。
【図5】第2実施例に係る電着めっき装置の変形例Bを
模式的に示す平面図である。
【図6】従来例に係る電着めっき装置を模式的に示す正
面図である。
【図7】被めっき体に電着めっきを施す際の、該被めっ
き体からの距離とその場における陽イオン濃度との関係
を示す特性図である。
【符号の説明】
1・・・めっき槽 2・・・陽極部 3・・・薄膜ウェハー 4,9・・・攪拌手段 5・・・電源 6・・・磁界発生手段 7,8・・・整流板

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき槽と、該めっき槽中のめっき浴内
    に被めっき体、陽極部、及び攪拌手段が浸漬され、上記
    被めっき体と上記陽極部との電着反応によって、上記被
    めっき体にめっき層を形成する電着めっき装置におい
    て、 上記攪拌手段は、短冊形状の回転翼が複数配置されてな
    り、その高さ方向の長さが上記被めっき体の高さ方向の
    長さ以上であることを特徴とする電着めっき装置。
  2. 【請求項2】 上記攪拌手段は、上記めっき浴内で、上
    端の延長線と下端の延長線間に上記被めっき体が含まれ
    る位置に設置されていることを特徴とする請求項1記載
    の電着めっき装置。
  3. 【請求項3】 上記攪拌手段は、その横方向の長さが上
    記被めっき体の横方向の長さ以上とされていることを特
    徴とする請求項1又は2記載の電着めっき装置。
  4. 【請求項4】 上記攪拌手段は、上記被めっき体の左右
    に設置され、各攪拌手段と上記被めっき体の周囲に複数
    の整流板が配置されていることを特徴とする請求項1又
    は2記載の電着めっき装置。
  5. 【請求項5】 上記攪拌手段は、上記被めっき体の左右
    に設置され、各攪拌手段から上記被めっき体に亘る周囲
    に第1の整流板が配置され、各攪拌手段相間に第2の整
    流板が配置されていることを特徴とする請求項1,2又
    は4記載の電着めっき装置。
  6. 【請求項6】 上記陽極部は、上記被めっき体の左右に
    設置された上記攪拌手段の間に上記第2の整流板と共に
    配置されていることを特徴とする請求項1,2,4又は
    5記載の電着めっき装置。
  7. 【請求項7】 めっき槽と、該めっき槽中のめっき浴内
    に被めっき体、陽極部、及び攪拌手段が浸漬され、上記
    被めっき体と上記陽極部との電着反応によって、上記被
    めっき体にめっき層を形成する電着めっき方法におい
    て、 上記攪拌手段として、短冊形状の回転翼が複数配置さ
    れ、その高さ方向の長さが上記被めっき体の高さ方向の
    長さ以上である攪拌手段を用いて、上記被めっき体にめ
    っき層を形成することを特徴とする電着めっき方法。
  8. 【請求項8】 上記攪拌手段を、上記めっき槽中で、上
    端の延長線と下端の延長線間に上記被めっき体が含まれ
    る位置に設置して、上記被めっき体にめっき層を形成す
    ることを特徴とする請求項7記載の電着めっき方法。
  9. 【請求項9】 上記攪拌手段として、その横方向の長さ
    が上記被めっき体の横方向の長さ以上とされた攪拌手段
    を用いて、上記被めっき体にめっき層を形成することを
    特徴とする請求項7又は8記載の電着めっき方法。
  10. 【請求項10】 上記攪拌手段を、上記被めっき体の左
    右に設置し、各攪拌手段と上記被めっき体の周囲に複数
    の整流板が配置して、上記被めっき体にめっき層を形成
    することを特徴とする請求項7又は8記載の電着めっき
    方法。
  11. 【請求項11】 上記攪拌手段を、上記被めっき体の左
    右に設置し、各攪拌手段から上記被めっき体に亘る周囲
    に第1の整流板を配置し、各攪拌手段間に第2の整流板
    を配置して、上記被めっき体にめっき層を形成すること
    を特徴とする請求項7,8又は10記載の電着めっき方
    法。
  12. 【請求項12】 上記陽極部を、上記被めっき体の左右
    に設置された上記攪拌手段の間に上記第2の整流板と共
    に配置して、上記被めっき体にめっき層を形成すること
    を特徴とする請求項7,8,10又は11記載の電着め
    っき方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014185160A1 (ja) * 2013-05-13 2014-11-20 株式会社Jcu 基板めっき装置
CN109097804A (zh) * 2018-10-22 2018-12-28 南京航空航天大学 磁场诱导扫描电沉积制备超疏水镀层的装置和方法

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