JPH0741952A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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JPH0741952A
JPH0741952A JP18581893A JP18581893A JPH0741952A JP H0741952 A JPH0741952 A JP H0741952A JP 18581893 A JP18581893 A JP 18581893A JP 18581893 A JP18581893 A JP 18581893A JP H0741952 A JPH0741952 A JP H0741952A
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JP
Japan
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processed
plasma
discharge chamber
plasma processing
processing apparatus
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Application number
JP18581893A
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English (en)
Inventor
Satoshi Ichimura
智 市村
Kenichi Natsui
健一 夏井
Takashi Iga
尚 伊賀
Yasunori Ono
康則 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電極や放電室壁からの、被処理物に対する汚染
を低減させたバケット型プラズマ処理装置を提供する。 【構成】まず、放電室1を図示されていない排気系によ
り1×10-6Torr以下に排気する。そしてここに主ガス
導入系2から反応性ガスを導入し、放電室圧力を1×1
-5〜1×10-3Torrとしたところで、被処理物6の後
方かつ周囲に配置された陽極3と、被処理物6の前方中
央に置かれた陰極4との間に、直流電源5によって直流
電圧を30〜100V印加して放電させる。陰極4と被
処理物6の間には石英製の遮蔽物11が設置されてい
る。石英製の放電室壁8及び陽極の外側に配置された永
久磁石9によって放電室内部には、磁力線10で示され
るバケット型磁場が形成されていて、生成されたプラズ
マを閉じ込めており、支持台7上の被処理物6をエッチ
ングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラズマ処理装置及びプ
ラズマ処理方法に係り、特に高真空下で直流放電により
プラズマを生成,利用するバケット型のプラズマ処理装
置及びプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のプラズマ処理装置は、例え
ば、特開昭59−143330号公報に開示されたものがある。
これは、核融合における中性粒子ビーム加熱装置や宇宙
推進器用途に開発されていたバケット型イオン源を、そ
の構成を変更して、産業用のプラズマ処理装置としたも
のである。元となったイオン源は、高真空下で、実質的
に磁場のない広い領域に、均一な高密度プラズマを、高
効率に生成できることを特徴としているが、このイオン
源のビーム引出し電極を壁面に置き換え、放電室内に被
処理物を設置することでプラズマ処理を行う装置とした
のである。この装置では、放電室壁が金属製で、陽極の
役目を兼ねていた。本引例の元となったイオン源技術の
中には独立した陽極を有する例もみられるが、いずれの
例をとってもやはり放電室壁は金属製で、陰極電位また
は浮遊電位とされていた。そのためプラズマ処理装置
は、陽極や放電室壁から飛来してくる金属成分が、被処
理物表面を汚染するという問題があった。加えて、プラ
ズマ処理装置では多様なガスを使用する必要があるた
め、反応性ガスを使用した場合に熱陰極のフィラメント
が短時間で断線してしまうこと、重合性のガスを使用し
た場合に陽極表面に絶縁性の重合物が堆積し放電が不安
定になってしまうこと等の問題があり、従来装置では長
時間の安定動作ができなかった。更には、被処理物支持
台の裏面にまでプラズマが生成され、装置構成に制限を
加えていること、プラズマ生成効率の低いこと等の問題
があった。また、真空容器が放電室を兼ね、そこに永久
磁石が固定されているために、プラズマ閉じ込めの必要
性から定まる磁石列間隔以上に排気孔を大きくすること
ができないので、ガス流量を大きくとれず、そのため処
理速度が制限されるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、電極や放電室壁から発生する粒子による被処理物へ
の汚染を低減し、かつ、良好なプラズマ生成を実現した
バケット型プラズマ処理装置を提供することにある。
【0004】本発明の他の目的は、電極の劣化が原因と
なる動作時間の制限を解消し、生産性を向上させたバケ
ット型プラズマ処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的は、1)
電極を被処理物の被処理面から見込まれない空間領域に
配置すること、2)電極を被処理物を取り囲む様に配置
すること、3)電極と極性の異なる電極を該被処理物の
被処理面側に配置すること、4)放電室壁を被処理物に
とって無害な材料で作製することで達成される。また、
5)放電室の外側に設けたプラズマ生成室でプラズマを
生成し、ここから放電室壁に開いた小孔を通じて放電室
に一次電子を供給する構造の陰極を採用し、小孔と被処
理物との間に遮蔽物を置くことで達成される。
【0006】他の一つの目的は、6)電極を、真空を保
持した状態で搬送,交換する手段を備えること、7)電
極が陽極である場合、陽極を加熱する手段を備えること
で達成される。
【0007】
【作用】前記1)または5)の手段を用いれば、電極か
ら発生する粒子が直接被処理面に到達することがなくな
り、また、4)の手段を用いれば、放電室壁から発生す
る粒子が被処理物に到達しても影響が無くなるので、電
極や壁から被処理物への汚染が低減される。2)及び
3)の手段を用いれば、プラズマが被処理物の被処理面
側に限定して一様に生成されるので、プラズマ処理装置
として良好なプラズマ生成と呼べる。以上の作用によっ
て、汚染を低減し、かつ、良好なプラズマ生成を実現し
たバケット型プラズマ処理装置を提供することができ
る。
【0008】更に、6)の手段を用いれば、劣化した電
極を交換、或いは再生でき、また、7)の手段を用いれ
ば、陽極の劣化を防止できることから、電極の劣化が原
因となる動作時間の制限を解消し、生産性を向上させた
バケット型プラズマ処理装置を提供することができる。
【0009】以下、課題を解決するために前記手段を取
るに至った技術的背景と、その作用を更に詳しく説明す
る。その際、被処理物に対する相対位置を示すにあたっ
て、被処理物の被処理面から見込まれない側を後方、被
処理面側を前方と呼ぶことにする。
【0010】バケット型プラズマ処理装置は、中性粒子
の平均自由行程が装置の代表的長さ程度となる高真空下
で動作させることが多く、このとき被処理物の前方の場
所から発した粒子は直接被処理面に飛来してくることに
なる。特に被処理物が半導体の場合、金属粒子は不純物
として嫌われることが多い。一方、この種の装置は直流
放電によってプラズマ生成を行うので、交流放電とは異
なり、電極の導電体部分をプラズマと接触させる必要が
ある。そして、通常、導電体には金属材料が使われる。
特に陽極は安定放電のために大面積でプラズマに接する
必要がある。このため材料として金属を使用し、かつ被
処理物前方に放電室壁を兼ねて置かれた陽極から、被処
理物へ金属不純物が飛来してくることを防ぐ手段とし
て、陽極と被処理物との間に遮蔽物を置くことは、バケ
ット型の長所である良好なプラズマ生成を阻害すること
になり、この点で良好な結果を得られない。もう一つの
汚染防止手段として、被処理物と同じ半導体材料で陽極
を作製することが挙げられるが、これは、半導体の抵抗
が大きく発熱すること、脆く取扱いが難しいこと、酸化
性のガスの使用により絶縁物化し放電が維持できなくな
ること等の問題で実用的でないのである。一方、本発明
の一形態のように、陽極を被処理物の後方に配置する手
段をとれば、陽極として必要な面積を確保し、かつ、陽
極として最適な金属材料を使用しながらも、ここからの
汚染を低減することができる。このとき陽極と放電室壁
が分離されるので、汚染低減のために放電室壁を陽極と
異なる材料でつくることが有意義となる。そして放電室
壁が陽極を兼ねていないので、放電室壁材料として絶縁
物の使用が可能となる。絶縁物は、石英に代表される様
に耐スパッタ性に優れ、また、多種の被処理物に対して
無害な材料が多いため、これを放電室壁材料に使用する
ことで汎用性の高い装置にすることができる。ところ
で、陽極が安定放電のためにある程度大きな面積を確保
する必要があるのに対し、陰極は、ホローカソードに代
表されるプラズマブリッジ型陰極のように、一次電子供
給のための微小孔を介して放電室プラズマとつながって
いれば、放電を維持できる。そこで、この種の陰極を使
用すれば被処理物前方に配置した場合でも、プラズマ生
成を阻害することなく、比較的小さな遮蔽物によって被
処理面への汚染を防ぐことができる。以上、汚染低減の
観点から本発明の作用を説明したが、次にプラズマ処理
装置の生産性向上の観点から本発明の作用を説明する。
【0011】直流放電でプラズマを生成しているバケッ
ト型プラズマ処理装置では、電極が長時間安定動作を阻
害する要因となることは従来の技術の項で記した。即
ち、反応性ガス使用時には陰極が、重合性ガス使用時に
は陽極が、それぞれ装置動作時間の制限要因となるので
ある。生産性向上のためには、この問題を解決しなけれ
ばならないが、そのためには陰極や陽極に対して何らか
の技術的対策をとる必要がある。そしてその対策として
は、主に二つの方針が挙げられる。一つは電極自身を改
良してその単体寿命を伸ばすというものであり、もう一
つは真空を破ることなく電極を搬送または交換する機構
を取り付け、最低1回の処理時間だけ電極がもてばよい
ようにする。前者として、例えば陽極表面に重合物が堆
積することを抑制するため陽極を加熱する機構を備えた
場合、陽極を高温に保持するための熱絶縁距離を如何に
確保するか、また、陽極から被処理物への輻射熱を如何
に回避するかが問題となる。後者については可動部を有
する複雑な機構となるため場所をとること、更に可動部
は発塵しやすく被処理物を汚染する恐れがあることが問
題となる。これら問題点は本発明の様に電極を被処理物
を後方に配置することにより解決できる。つまり一つに
は電極を被処理面から見込まれない位置におくことで当
該電極機構からの塵や熱輻射を避けられるのである。も
う一つには、プラズマ処理装置には、被処理物交換機構
を備え、更に場合によって被処理物の冷却装置または加
熱装置を付ける必要があることから、被処理物後方に空
間が確保されており、ここに電極関連の機構も配置する
ことで空間の効率的使用ができ、メンテナンスも容易と
なるのである。特に被処理物交換機構に電極交換機構を
兼ねさせれば、装置簡略化の効果は大きくなる。
【0012】最後に良好なプラズマ生成の観点から本発
明の作用を説明する。前記までに陽極、或いは、陰極を
被処理物後方に配置することの効果が大きいことを示し
たのであるが、この電極の後方配置によって、被処理面
上での一様かつ高効率なプラズマ生成というバケット型
プラズマ処理装置の長所が阻害されることがあっては元
も子もない。この意味で、陽極,陰極を共に被処理物後
方に配置することは実用から程遠く、採用できない。一
方、後方配置によるメリットが大きい方の電極を被処理
物の後方に配置するにあたり、電極が被処理物の周囲を
取り囲むように配置して、他方の電極を被処理物前方の
適切な位置に配置すれば、被処理面上で一様な、かつ、
被処理面側に限定された、良好なプラズマ生成が実現で
きる。そして支持台裏面など不用な領域でプラズマが生
成されないので装置の小型化と、消費電力の削減による
電源能力,冷却能力の低減化とが実現される。更に、被
処理物後方に配置される加熱冷却機構や可動機構はプラ
ズマ照射を受けないので、構造を簡単にすることができ
る。
【0013】
【実施例】図1(a)は、本発明の第一の実施例を示す
断面図であり、図1(b)は図1(a)のB−B断面図で
ある。これは本発明を半導体用エッチング装置として使
用した例である。まず、放電室1を図示されていない排
気系により1×10-6Torr以下に排気する。そしてここ
に主ガス導入系2からエッチングガスを導入し、放電室
圧力を1×10-5〜1×10-3Torrとしたところで、被
処理物6(400×300mm,矩形基板)の後方かつ周
囲に置かれた陽極3と、被処理物の前方中央に置かれ、
予め電子を放出する準備のしてある陰極4の間に、直流
電源5によって直流電圧を30〜100V印加して放電
させる。放電室壁8及び陽極3の外側に配置された複数
の永久磁石列9(サマリウムコバルト,断面寸法30×
8mm,周長さ3m,磁石列間隔5〜8cm)によって放電
室内部には、N極とS極とが交互に現れる、いわゆる、
バケット型磁場が形成されている。符号10はこのバケ
ット型磁場を表す磁力線である。各磁石列は、図1
(b)に示されている永久磁石列9aの様に、いずれも
リングカスプを形成している。このバケット型磁場によ
って、陰極から放出された一次電子及びこの一次電子の
衝突電離により生成されるプラズマを閉じ込めており、
被処理物6の被処理面側の、ほぼ磁場のない広い領域
に、電子密度で1×1010〜1×1012cm-3の高密度プ
ラズマが一様に生成される。このプラズマ及び付随して
生成されたラジカルによって支持台7上でバイアス電源
12によって交流或いは直流バイアスされた被処理物6
をエッチングする。磁場のほとんどない領域で生成され
たプラズマ中には電位分布もほとんど無く、高真空下の
ため、無衝突で被処理物表面のプラズマシースで数十V
に加速された指向性の良いイオンによって、無バイアス
の場合でも異方性の優れたエッチングができる。
【0014】陽極3は、酸化性ガスの使用時にはその表
面が酸化されるので、安定放電のために材料として酸化
物が導電性を持つTi等の金属或いは金属化合物を使用
している。これら金属成分は半導体に悪影響を与える要
因となるが、陽極3が被処理物6の後方に配置され、被
処理面から見込まれない位置にあるため、陽極材料成分
が直接被処理面に飛来して汚染することがない。放電室
壁8は、陽極3と独立しているので、陽極3とは異なっ
た材料で作成可能となっている。例えば、被処理物6の
被処理面がポリシリコン膜の場合、放電室壁材料とし
て、被処理物に対して無害であることはもちろん、耐ス
パッタ性,取扱い性も良いことから石英を使用するのが
良い。石英は絶縁物であるが、放電室壁で電流をとる必
要がないので使用できる。この様に被処理物に対して最
適な放電室材料が選べるため、従来装置の様に放電室壁
材料が被処理物を汚染するということが無い。また、陰
極4としてマイクロ波放電プラズマを電子伝導媒体とし
たプラズマブリッジ型陰極を使用している。同軸ケーブ
ル13によって導入されたマイクロ波によって、永久磁
石列9bで磁場が形成されている陰極室内で、ECR放
電によって陰極プラズマが生成される。この陰極プラズ
マが放電室壁に開口した小孔(φ2mm)を通じて放電室
プラズマとコンタクトし、陰極室内面から放出された熱
電子を一次電子として放電室に供給している。この小孔
を図示されない部材で支持された遮蔽物11(通常、石
英板)によって被処理面から見込まれないように遮蔽
し、陰極材料成分が被処理物に飛来してくるのを防いで
いる。
【0015】本実施例では陽極3が被処理物6の周囲に
配置され、陰極4が被処理物6の前方中央に配置されて
いるので、主要なプラズマ生成部が被処理面側に限定さ
れ、支持台裏面など不用な領域でプラズマが生成されな
い。そのため従来装置と比較して、装置の小型化と、消
費電力の削減による電源能力,冷却能力の低減化とが実
現されている。更に、被処理物後方に配置される加熱冷
却機構や可動機構は、プラズマ照射を受けないので耐プ
ラズマ性を必要としない。この様な本発明の効果は、後
出の全ての実施例において存在する。つまり、図3に示
す後出の実施例のように、本実施例とは陽極と陰極の配
置を交換した場合でも同じく存在するものである。とこ
ろでバケット型プラズマ処理装置において、高効率プラ
ズマ生成を実現するには一次電子の閉じ込めが重要であ
る。本発明の装置では、バケット型磁場のみならず、被
処理物や支持台表面に形成されるプラズマシースによっ
ても、一次電子の閉じ込めを行っている。そのため実
験、或いは一次電子軌道の数値シミュレーションによっ
て、一次電子閉じ込めに寄与するカスプ磁場が支持台に
懸かるような配置をとるのが良い。そうすることで磁場
とプラズマシースによる閉じ込めを連続的に結合し、一
次電子の損失を抑制することができる。本実施例では支
持台7の側面を広くとっているので、被処理物6上での
磁場強度を小さく抑えながらも、一次電子が放電室外へ
損失するのを抑制し、プラズマ生成効率の向上を実現し
ている。
【0016】図2は、本発明の第二の実施例を示す断面
図である。これは本発明を硬質炭素皮膜形成用CVD装
置として使用した例である。陰極4は汚染や寿命の問題
が特にないので、熱フィラメントを使用している。図示
されていないバイアス電源によってバイアスされ、ヒー
タ16で高温に加熱された被処理物6の表面には硬質炭
素皮膜が形成される。一方、陽極3が低温の場合には比
較的低エネルギーイオンによって絶縁性重合物が形成さ
れてしまい、長時間安定に放電を維持することができな
い。これを防止するためにヒータ17によって積極的に
陽極を加熱して、重合物を分解させている。これにより
主ガスとしてCH4 を含む重合性ガスを使用しても長時
間安定に装置を作動させることができる。そして、陽極
3やヒータ17が被処理物6から見込まれない位置に配
置されているので、これらからの熱輻射が被処理物6に
至らず、被処理物6の温度をヒータ16によって独立的
に制御することができる。また、ヒータ16とヒータ1
7を放電室1の同じ側面にまとめて配置しているので、
空間の効率的使用ができ、装置のメンテナンスも容易と
なっている。
【0017】図3は、本発明の第三の実施例を示す断面
図である。これは本発明を金属配線加工用のエッチング
装置として使用した例である。この場合、陽極材料は特
に汚染を考慮する必要がないことが多く、使用する反応
性ガスへの耐性の強い金属材料を使う。被処理物の周囲
4カ所に配置された熱陰極フィラメント4をリール20
で巻き取り、真空を破ることなく交換できるので反応性
ガス中においても長時間の作動が可能となっている。リ
ール20は摺動部分があるため発塵しやすいのである
が、被処理面から見込まれない位置にあるためここから
発した塵が被処理面に付着することが少ないという効果
がある。また、フィラメント4が被処理物を見込むこと
がないので、ここから被処理物への不純物汚染や熱輻射
がないという効果がある。22は永久磁石への熱流入を
防ぐ熱シールドである。
【0018】図4(a)は、本発明の第四の実施例を示
す断面図であり、図4(b)は図4(a)のB−B断面
図である。本装置では、陽極3は被処理物支持台7に固
定され、被処理物6と共に無限軌道装置24によって搬
送される構造となっている。無限軌道装置24はレール
25によって支持されている。この装置で、主ガスとし
てCF4 を使用したエッチング処理が終了した被処理物
6は、陽極3と共に真空を保持したまま搬送され、搬送
先でのアッシング処理によって被処理物表面のレジスト
を除去される。このとき同時に先のエッチング処理時に
陽極3の表面に堆積した絶縁性重合物も除去される。こ
れにより、その後、被処理物6を交換して再びエッチン
グ処理,アッシング処理を繰り返すことができ、装置の
生産性が向上している。
【0019】図5(a)は、本発明の第一の実施例の変形
例を示す断面図であり、図5(b)は図5(a)のB−
B断面図である。これは磁石列支持を真空中においた支
持部材によって行うことで、排気コンダクタンスを大き
くとったものである。
【0020】プラズマ処理装置には、大面積に一様な処
理ができることの他に、処理速度が速いことが要求され
る。バケット型の装置は前者の要求に対しては、元とな
ったイオン源と同様に容易に答えられるものの、後者に
関しては放電環境の相違から不利な点を有している。そ
れはプラズマ処理装置では、イオン源と異なり放電室が
処理室を兼ねているため、当初の導入ガス種がイオン
化,活性化されるだけでなく、不用なガス種も同様にイ
オン化,活性化されてしまうという点である。つまり、
エッチング装置では反応生成物種,CVD装置では皮膜
成分を分離した解離種,ドーピング装置ではドーパント
を分離した解離種、当初の導入ガス種に加えてイオン
化,活性化されるのである。そのため、当初の導入ガス
種のイオン化,活性化の割合が同型のイオン源プラズマ
に比較して相当小さくなる。そこで処理速度向上の為に
は、イオン源と比較して導入ガス流量を大にして、プラ
ズマ中における導入ガス由来のイオンの割合を大きくす
る必要がある。実用的な処理速度を得るために、同じイ
オン生成規模のイオン源と比較して、ガス流量を数倍程
度とることが必要である。ガス流量を増やしてなお、バ
ケット型プラズマ処理装置の特徴を生かして高真空プラ
ズマ処理をするためには、装置の排気速度を大きくしな
ければならない。この要求は、永久磁石列の支持を真空
中においた支持部材によって行い、装置の排気コンダク
タンスを大きくとることで実現できる。
【0021】図1に示したプラズマ生成規模のバケット
型プラズマ処理装置では、必要な処理速度を得るために
場合によってガス流量100sccmを流す必要がある。こ
のガス流量に対して、例えば、プロセス条件として放電
室圧力2.5×10-4Torr を実現するためには排気速度
が約5000l/s必要である。解離のため排気ガス流
量は導入ガス流量の数倍となること、排気装置までの排
気抵抗も加わることを考え、放電室出口で30000l
/sの排気コンダクタンスを実現しようとすれば、必要
な放電室出口の排気面積は0.3m2となる。これは、磁
石列周長さ3m、磁石列間隔5cmの場合の、磁石列間の
帯面積二つ分に相当する。プロセス条件を実現するため
に、図5に示した変形例では、永久磁石列9aを磁性体
でできた枠組21に取り付け、被処理物を汚染しない材
料でつくられた熱シールド22で覆い、この枠組を8本
の支持棒23によって真空中に支持することで、二つの
磁石列間から排気を行う構造になっている。磁場発生手
段としての永久磁石はコイルと比較してコンパクト、か
つ、自己発熱がなく冷却が容易なので、この支持は容易
に行うことができる。ちなみに主ガスとして反応性ガス
を使用する場合、陰極4には陰極ガス導入系14により
希ガスを導入することで陰極寿命を延ばすことが可能で
ある。この時、主ガス流量100sccmに対して陰極への
Arガス流量は多くても10sccm程度であるので、プロ
セス条件の設定に対する希ガス混入の影響は十分小さ
い。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、被処理物に対する電極
や放電室壁からの汚染を低減し、かつ、良好なプラズマ
生成を実現したバケット型プラズマ処理装置を提供する
ことができる。
【0023】また、電極の劣化が原因となる動作時間の
制限を解消し、生産性を向上させたバケット型プラズマ
処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す断面図。
【図2】本発明の第二の実施例を示す断面図。
【図3】本発明の第三の実施例を示す断面図。
【図4】本発明の第四の実施例を示す断面図。
【図5】第一の実施例の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
1…放電室、2…ガス導入系、3…陽極、4…陰極、6
…被処理物、7…被処理物支持台、8…放電室壁、9…
永久磁石列、10…磁力線、20…陰極フィラメント交
換リール、24…被処理物搬送用無限軌道、25…無限
軌道支持レール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 康則 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスを導入する手段及び排出する手段を備
    えた放電室と、前記放電室内において直流放電を行う陽
    極及び陰極と、前記直流放電により生成されるプラズマ
    を磁気的に閉じ込める手段と、前記プラズマに面して被
    処理物を保持する手段とを有するプラズマ処理装置であ
    って、前記プラズマを磁気的に閉じ込める手段として前
    記放電室の内または外に複数の永久磁石列を備え、前記
    放電室内にバケット型磁場配位を形成しているプラズマ
    処理装置において、陽極或いは陰極のどちらか一方の電
    極を、前記被処理物の被処理面から見込まれない空間領
    域内かつ前記被処理物の周囲に配置し、他方の電極を被
    処理面側に配置したことを特徴とするプラズマ処理装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記被処理物の被処理
    面から見込まれない空間領域内に配置した電極が陽極で
    あるプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記放電室の壁材料と
    して絶縁物を使用したプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】請求項2または3において、前記放電室の
    外側に別途設けたプラズマ生成室で、直流或いは交流電
    磁界によってプラズマを生成し、前記プラズマ或いは前
    記プラズマに面した熱電子放出材料から、前記放電室の
    壁に開いた小孔を通じて前記放電室に一次電子を供給す
    る構造を陰極構造として採用し、小孔と被処理物との間
    に遮蔽物を置いたプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】請求項2,3または4において、前記陽極
    を加熱する手段を備えたプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3または4において、前記
    被処理面を見込まない空間領域に配置した電極を、真空
    を保持した状態で搬送または交換する手段を備えたプラ
    ズマ処理装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記被処理物を搬送,
    交換する手段の一部あるいはその全部が、被処理物を見
    込まない空間領域に配置した電極を搬送,交換する手段
    の一部あるいは全部を兼ねたプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3,4,5,6または7に
    おいて、前記被処理物の表面処理を行うプラズマ処理方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014025115A (ja) * 2012-07-27 2014-02-06 Yuutekku:Kk プラズマcvd装置及び磁気記録媒体の製造方法

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