JPH0741805B2 - 4輪駆動車のブレ−キ制御装置 - Google Patents

4輪駆動車のブレ−キ制御装置

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JPH0741805B2
JPH0741805B2 JP60184579A JP18457985A JPH0741805B2 JP H0741805 B2 JPH0741805 B2 JP H0741805B2 JP 60184579 A JP60184579 A JP 60184579A JP 18457985 A JP18457985 A JP 18457985A JP H0741805 B2 JPH0741805 B2 JP H0741805B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、前後輪をともに駆動することのできる4輪駆
動車であって、且つアンチスキッドブレーキシステム
(以下、ABSとも称する)を有する自動車に関するもの
である。
(従来技術) 自動車が走行中にブレーキ操作を行なった場合、ブレー
キ力が最大となるのは車輪スリップ率が20%程度近傍の
領域であることから、ブレーキ操作時におけるブレーキ
油圧を制御して車輪スリップ率があまり大きくならない
ようにして車輪のロックを防止し、ブレーキ力を最大近
くに保つようにしたアンチスキッドブレーキシステム
は、2輪駆動車においては従来から知られており実用化
されている。1例を挙げれば、特開昭57−7747号公報に
開示されているように、2輪駆動車において車輪速度の
減速度に応じてブレーキ油圧を制御し制動時における車
輪のロックを防止するようにしたものがある。しかしな
がら、4輪駆動車においてABSを用いたものは未だ実現
していない。
これは、ABSの作動が車輪のスリップ率を検出して行な
うため、スリップする車輪の速度と実車速とを測定する
に際して、現行では4つの車輪の回転をそれぞれ検出
し、スリップしている車輪の速度に対しスリップしてい
ない車輪の速度から算出した実車速を用いてスリップ率
を求めるようにしているためで、この方法のABSを4輪
駆動車に組み込んだ場合、例えばパートタイムの4輪駆
動状態やフルタイムのデフロック状態の時など4つの車
輪は全て機械的に直結しているので、4つの車輪が同時
にスリップすることになり、実車速の算出が難しいとい
う問題があるためである。なお、音波探知機等のセンサ
により実車速を検出することは技術的には可能である
が、コスト面等で現段階では実用化に問題がある。
このようなことから、4輪駆動車に、従来から2輪駆動
車に用いられているABSをそのまま装備し、ABS制御が行
なわれる状況、すなわちブレーキ作動時には4輪直結状
態を解除すること、例えばデフロック解除や、4輪駆動
を2輪駆動に切り換えるようにすることが考えられる。
この場合、プレーキ作動を検出する方法としては、ブレ
ーキペダルスイッチ、プレーキ液圧スイッチのON・OFF
の検出等種々の方法があるが、これらのスイッチがONに
なった場合に、常に前後輪直結状態から解除状態への切
換えを行なわせるようにしたのでは、ブレーキペダルを
軽く踏み込んだ場合や、何度も繰り返して踏んだ場合に
前後輪直結状態から解除状態への切換えが頻繁に行なわ
れることになり、走行性能上の面から好ましくない。
(発明の目的) 本発明は上記事情に鑑み、4輪駆動車においても従来か
ら2輪駆動車に用いられているABSをそのまま装備でき
るようにすべく、ブレーキ作動時に前後輪直結状態から
解除状態へ切り換えるようにした場合において、この切
換えに伴う車両走行性能への影響を少なくすることがで
きるブレーキ制御装置を提供することを目的とするもの
である。
(発明の構成) 本発明のブレーキ制御装置は、上記目的達成のため、ブ
レーキ作動が行われたとき即座に前後輪直結状態から解
除状態へ切り換えるのではなく、ABS制御が真に必要に
なったときにのみ上記切換えを行う構成としたものであ
る。すなわち、前後輪を駆動する4輪駆動装置と、差動
可能な車輪相互間の差動を制限する差動制限装置と、各
車輪をロックさせないようブレーキ作動圧を制御するア
ンチスキッドブレーキシステムとを備えた4輪駆動車の
ブレーキ制御装置であって、 ブレーキ作動時における車輪の回転減速度を検出する車
輪減速度検出手段と、 車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、 前記車輪速度検出手段からの出力信号が所定値を超えた
ときに、前記差動制限装置の作動を解除し、その後前記
アンチスキッドブレーキシステムの作動条件を満足する
とき該作動を許可する許可手段とを備え、 前記所定値を車両の走行速度に応じて設定するようにし
たこと、 あるいは、前後輪を駆動する4輪駆動装置と、差動可能
な車輪相互間の差動を制限する差動制限装置と、各車輪
をロックさせないようブレーキ作動圧を制御するアンチ
スキッドブレーキシステムとを備えた4輪駆動車のブレ
ーキ制御装置であって、 ブレーキ作動時における車体の減速度を検出する車体減
速度検出手段と、 ブレーキ作動時における車輪の回転減速度を検出する車
輪減速度検出手段と、 車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、 前記車体減速度検出手段および前記車輪減速度検出手段
からの出力信号を比較して該出力信号の差が所定値を超
えたときに、前記差動制限装置の作動を解除し、その後
前記アンチスキッドブレーキシステムの作動条件を満足
するとき該作動を許可する手段とを備え、 前記所定値を車両の走行速度に応じて設定するようにし
たことを特徴とするものである。
(実施例) 以下、図面により本発明の好ましい実施例について説明
する。
第1図は本発明のブレーキ制御装置を備えた4輪駆動自
動車の駆動系およびABS制御系を示す概略図である。エ
ンジン9の駆動力はトランスミッション10において変速
された後、トランスファ20に伝達される。トランスファ
20においては、2−4輪切換えクラッチ45が設けられて
おり、この2−4輪切換えクラッチ45により、2輪駆動
が選択されると、トランスミッション10を介してトラン
スファ20に伝達されたエンジン9の駆動力は後プロペラ
シャフト8に出力され、後輪デフ5および左右の後アク
スルシャフト6a,6bを介して後輪4a,4bに伝達され、後輪
4a,4bを駆動する。このとき前プロペラシャフト7への
動力伝達はなく、前輪1a,1bは自由回転できる状態にあ
る。
一方、2−4輪切換えクラッチ45により、4輪駆動が選
択されると、2−4輪切換えクラッチ45が作動して前プ
ロペラシャフト7をトランスファ20の入力軸と直結させ
る。これにより、トランスファ20に伝達されるエンジン
9の駆動力は前および後プロペラシャフト7,8に分けて
伝えられるとともに、前輪および後輪デフ2,5ならびに
前および後アクスルシャフト3a,3b,6a,6bをそれぞれ介
して前輪1a,1bおよび後輪4a,4bに伝達され、前輪1a,1b
および後輪4a,4bがともに駆動される。
以上のようにして、2輪駆動状態もしくは4輪駆動状態
が選択できるのであるが、この2−4輪切換クラッチ45
の作動は、直結解除モジュレータ13によって行なわれ、
この直結解除モジュレータ13の作動制御は直結解除コン
トローラ12により行なわれる。
また、この自動車にはABSが組み込まれている。このABS
は、各車輪の回転速度を検出する速度センサ56a,56b,57
a,57bからの信号に基づいてABSコントローラ14において
各車輪のスリップ率を算出し、ABSモジュレータ15に作
動信号を出力して各車輪のブレーキ圧を調整し、スリッ
プ率が所定値を超えないように制御するものである。し
かしながら、2−4輪切換クラッチ45により4輪駆動が
選択されているときは、各車輪は直結状態にありスリッ
プ率の算出が正確でなくなる。そこで、この自動車にお
いては、直結解除コントローラ12へ、ライン14aを介し
て車輪回転減度速信号が、ライン16aを介して車体減速
度信号16が、ライン17aを介してブレーキスイッチ操作
信号17が、ライン18aを介して車速信号18がそれぞれ入
力され、ブレーキ操作がなされた場合であっても、車輪
回転減速度(Ba)もしくは車輪回転減速度(Ba)と車体
減速度(Bb)との差(Ba−Bb)が走行速度(V)に応じ
て定まる所定値(Bn)より大きくなった場合には、まず
直結解除コントローラ12により直結解除モジュレータ13
を作動させて、2輪駆動に切り換え、その後ABSコント
ローラ14およびABSモジョレータ15によるABSの作動を行
なうようにしている。なお、上記所定値(Bn)は走行速
度(V)が低いときは小さく、走行速度(V)が高いと
きは大きく設定され、これにより走行速度(V)が低く
てブレーキ操作がなされたときには、車輪回転がロック
するまでの減速の余裕が小さく車輪のロックが生じやす
いため、車体減速度が比較的小さいときでも2輪駆動に
移行してABS制御を行なわせるようにしている。このた
め、ブレーキ操作時に車輪が完全にロックしてしまうこ
とを防止できるとともに、走行速度(V)状態に応じて
真にABS制御を必要とする場合にのみ2輪駆動に切り換
えてABS制御を行なわせることができ、いわゆるブレー
キペダルの“ちょい踏み”や繰り返し踏み等の場合に不
必要に2−4輪切換えが行なわれるのを防止し、走行性
能への影響も小さくすることができる。
なお、ブレーキ作動状態の検出は、ブレーキペダルの操
作の検出、プレーキペダルスイッチのON・OFFの検出、
ブレーキ液圧スイッチのON・OFFの検出などにより行な
う。また、ライン14aを介して入力される車輪回転減速
度信号は、ABSコントローラ14において速度センサ56a,5
6b,57a,57bからの各車輪の回転速度を微分して得られる
ものであり、車体減速度信号16は車体に取り付けられた
Gセンサにより検出されるものである。
次に、上記直結解除コントローラ12およびABSコントロ
ーラ14における制御内容を第2図のフローチャートによ
り説明する。
ステップS1から開始する本フローは、ステップS2におい
て2−4輪切換クラッチ45の作動の有無、すなわちこの
クラッチ45が作動して前後プロペラシャフト7,8が直結
となり、4輪駆動状態となっているか否かを検出する。
直結でないとき、すなわち2輪駆動状態のときはステッ
プS3に進み本フローは終了する。但し、このときにブレ
ーキが作動された場合には、ABSが直ちに作動するよう
になっている。
直結のとき、すなわち4輪駆動状態のときはステップS4
に進み、ブレーキ作動状態検出手段11によりブレーキス
イッチがONか否か検出し、これがOFFのときはステップS
5に進んでこのままフローを終了する。ブレーキスイッ
チがONのときはステップS6に進み、走行速度(V)を検
出し、次いでこの走行速度(V)に応じて所定値(Bn)
を設定する。このとき、走行速度(V)が高ければ所定
値(Bn)は大きく、走行速度(V)が低ければ所定値
(Bn)は小さく設定される。次に、この所定値(Bn)お
よびステップS8で検出した車輪減速度(Ba)が比較され
(ステップS9)、Ba<Bnのときは、テップS10に進んで
ブレーキスイッチがOFFか否か判断する。ブレーキスイ
ッチがOFFであればステップS11に進んで本フローを終了
し、ONのときはステップS6に戻る。これにより、ブレー
キペダルが踏まれたときであっても、車輪減速度(Ba)
が所定値(Bn)より小さく、ABS制御が不要なときは、
4輪駆動をそのまま保持する。ステップS9においてBa≧
Bnであると判定されると、ステップS12に進み、直結解
除コントローラ12から直結解除モジュレータ13に解除信
号を出力し、2−4輪切換クラッチ45を作動させて2輪
駆動に切り換える(ステップS13)。ステップS14におい
て直結解除が完了して、2輪駆動に切り換わったことが
確認されると、ステップS15〜S17に進んで、ABS作動を
行なう。
ABSは、各車輪の速度センサ56a,56b,57a,57bからの速度
信号から車輪のスリップ率を算出し、このスリップ率が
所定値を超えたときに作動信号を発するもので、ステッ
プS15において作動信号がONになると、ステップS16に進
んでABSを作動させABSモジュレータ15によりスリップ率
の大きい車輪に作用するブレーキ液圧を低下させスリッ
プ率を適正な値に保ってブレーキ力が常に最大となるよ
うにする。次いで、スリップ率が低下し、ABS作動信号
がOFFになったことを検出すると(ステップS17)、ステ
ップS15に戻る。ステップS15において、ABS作動信号がO
NでないときはステップS18に進んでブレーキスイッチが
OFFか否かを判断し、これがONのときは再びステップS15
に戻りABS作動を行なわせる。
ブレーキスイッチがOFFになると、ステップS19〜S20に
進んで直結信号をOFFにして再び2−4輪切換クラッチ4
5により前後プロペラシャフト7,8を直結させ、4輪駆動
に戻したのち、ステップS21に進んで本フローを終了す
る。
なお、第2図のフローチャートでは、車輪の減速度(B
a)が所定値(Bn)より大きいか否かを判断して、2輪
駆動への切換え(直結解除)およびABS作動を行なわせ
ていたが、ABS作動制御が必要か否かはスリップ率の大
小により定まるものゆえ、車輪減速度(Ba)のみならず
車体減速度(Bb)も求め、両者の差(Ba−Bb)が走行速
度(V)に応じて定まる所定値(Bn)より大きいか否か
で直結解除を行なわせるようにしてもよい。この場合の
制御を示すのが第3図のフローチャートである。なお、
このフローの第2図のフローとステップS38〜S40以外は
同じであり、その説明は省略する。
次に、第4図によりトランスファ20の構造を示し、2−
4輪駆動切換について説明する。
このトランスファ20の入力軸21と出力軸22とは同軸上に
分離して配置され、入力軸21には低速用クラッチ23と、
高速用クラッチ24が設けられ、高速用クラッチ24の出力
軸は、出力軸22の内側軸端に連設された入力ギヤ25の内
側面に形成され、この高速用クラッチ24がON操作される
ことで、入力軸21の出力が直接出力軸22に伝達される。
前述の低速用クラッチ23の出力側には出力ギヤ26が形成
されて、入力軸21の軸上に軸受を介して軸支され、この
出力ギヤ26は減速ギヤ27,28の入力側27と噛合し、その
出力側28は前述の入力ギヤ25と噛合し、また減速ギヤ2
7,28はケース29に架設された支軸30に軸受を介して軸支
されている。
前述の出力軸22には2−4輪駆動切換用クラッチ45が設
けられ、このクラッチ45の出力側には、フロント駆動用
の出力スプロケット31が形成されて、出力軸22の軸上に
軸受を介して軸支されている。上述のケース29の下方部
にはフロント駆動用の入力スプロケット32が軸受を介し
て軸支され、前述の出力スプロケット31との間にチェー
ン33が架けられている。上述の駆動系によれば、低速用
クラッチ23をON操作すると、出力ギヤ26、減速ギヤ27,2
8、入力ギヤ25を介して出力軸22が駆動され、高速用ク
ラッチ24がON操作されると、直接出力軸22が駆動され
る。また2−4輪駆動切換用クラッチ45がON操作される
と、出力軸22の駆動力は出力スプロケット31、チェーン
33を介して入力スプロケット32に伝達される。
そして、出力軸22の外端に固定されたフランジ34は、前
述の後プロペラシャフト8に連結されて後輪4a,4bを駆
動し、また入力スプロケット32の出力側に連設されたフ
ランジ35は、前プロペラシャフト7に連結されて前輪1
a,1bを駆動する。
前述のケース29の上部には、プレッシャレギュレータバ
ルブ36、マニュアルバルブ37,シフトバルブ38が設けら
れている。
上述のプレッシャレギュレータバルブ36は、入力軸21の
入力側に設けられた油圧ポンプ39のポンプ吐出圧を一定
の圧力に制御する。
またマニュアルバルブ37は、操作レバー40をドライバが
操作することで、これに連動して2−4輪切換用クラッ
チ45が操作されて、2輪駆動と4輪駆動とに切り換えら
れる。
またシフトバルブ38は、直結解除コントローラ12によ
り、直結解除モジュレータ13が操作されることで、2−
4輪切換用クラッチ45が操作されて、2輪駆動と4輪駆
動とに切り換えられる。
なお、シフトバルブ38からの油路42は、2−4輪切換用
クラッチ45のピストン43の背面側に接続され、圧油がこ
れに供給されることによって、ピストン43が動き、クラ
ッチがON操作される。なお、低速用および高速用のクラ
ッチ23,24も同様に構成されている。
第6図は操作レバー40の操作位置を示し、Aはオート位
置であって、この場合の4輪駆動は高速用クラッチ24が
ONされて、高速駆動のみに設定されている。
B,C,Dはドライバによるマニュアル操作の位置であり、
B位置は2輪駆動の操作位置であり、2−4輪駆動切換
用クラッチ45はOFFの操作される。C位置は高速4輪駆
動の位置であり、高速用クラッチ24、2−4輪駆動切換
用クラッチ45がON操作される。D位置は低速4輪駆動の
位置であり、低速用クラッチ23、2−4輪駆動切換用ク
ラッチ45がON操作される。ブレーキ作動時の前後輪直結
状態から解除状態への切換えは、レバー位置に関係なく
A,C,Dのどの位置でも前後輪直結、解除切換が別途設け
られたコントローラにより制御されて走行条件に応じて
自動的に行なわれる。
以上においては、いわゆるパートタイムタイプの4輪駆
動車の場合について説明したが、フルタイムタイプの4
輪駆動車についても同様であり、フルタイムタイプの場
合のトランスファ60を第6図に示し、この構造および作
動を以下に説明する。
このトランスファ60においては、一端にドライブギヤ61
aを有するトランスミッション出力軸61が車幅方向に伸
びて配されている。そして、このドライブギヤ61aが車
軸間差動装置70におけるリングギヤ71の外周に一体形成
された大径の入力ギヤ71aに噛合している。
この車軸間差動装置70は、上記リングギヤ71と、これに
同芯に配されたサンギヤ72と、該リングギヤ71およびサ
ンギヤ72に噛合する複数のピニオン73…73と、これらの
ピニオン73…73をピン74…74を介して担持するピニオン
キャリア75とからなる遊星歯車機構によって構成されて
いる。ここで、第7図に示すように、該車軸間差動装置
70におけるリングギヤ71とサンギヤ72との間の複数のピ
ニオン73…73は、それぞれリングギヤ71に噛合するピニ
オン73aと、該ピニオン73aおよびサンギヤ72に噛合する
ピニオン73bとからなるダブルピニオンとされている。
また、該車軸間差動装置70の一側方(図中、右方)に
は、デフケース76と該ケース76に両端部を支持された半
径方向のピン77に回転自在に嵌合された一対のピニオン
78,78と、両ピニオン78,78に噛合する左右一対の傘歯車
79,79とから構成される前輪差動装置80が配置されてい
る。該前輪差動装置80における上記傘歯車79,79には、
左右方向に延びる左前輪駆動軸81および右前輪駆動軸82
がそれぞれ結合され、左前輪駆動軸81は上記車軸間差動
装置70の中心部を貫通して、左前輪に至り、また、右前
輪駆動軸82は右前輪に至る。
上記車軸間差動装置70におけるピニオンキャリア75と、
その側方に位置する前輪差動装置80におけるデフケース
76とは同一部品として一体化されている。また、該車軸
間差動装置70におけるリングギヤ71とピニオンキャリア
75(デフケース76)は、前輪差動装置80を越えて図中右
方に延長され、その延長部外周に隣接して形成された同
形のスプライン85,86と、その一方に嵌合された状態か
ら両者に跨って嵌合された状態にスライド可能とされた
スライダ87とにより、車軸間差動装置70におけるリング
ギヤ71とピニオンキャリア75とを結合しあるいは分離す
るデフロック機構88が構成されている。このようにし
て、車軸間差動装置70と、前輪差動装置80と、車軸間差
動装置70のデフロック機構88とが、前輪差動装置80を中
央として同軸上に配置されている。
一方、車軸間差動装置70や前輪差動装置80の軸心から一
定の間隔を隔てて中間軸89が平行に配設されている。そ
して、該中間軸89に一体形成されたギヤ90が車軸間差動
装置70におけるサンギヤ72に一体形成されたギヤ91に噛
合されているとともに、該中間軸89の延長上に第2中間
軸92が配設され、両中間軸89,92の隣接端部に形成され
たスブライン93,94にスライダ95が嵌合されて、該スラ
イダ95のスライドによって両中間軸89,92が接続または
分離される構成とされている。また、第2中間軸92には
出力ギヤ96が設けられ、該ギヤ96に車体前後方向に伸び
る推進軸97に一体の傘歯車98が噛合されている。この推
進軸97は、後輪差動装置に至り、該装置から左右に伸び
る左および右後輪駆動軸を介して左右の後輪を駆動す
る。
上記の構成によれば、エンジンにおけるクランク軸の回
転は、トランスミッションに入力されるとともに、該ト
ランスミッションにおいて減速比を選択された上で、出
力軸61上のドライブギヤ61aから入力ギヤ71aを介して車
軸間差動装置70におけるリングギヤ71に入力される。そ
して、リングギヤ71に入力された動力は、該車軸間差動
装置60において分割されて、ピニオンキャリア75とサン
ギヤ72とからそれぞれ出力され、ピニオンキャリア75か
らの出力は前輪差動装置80を介して左右の前輪駆動軸8
1,82ないし左右の前輪を駆動する。また、サンギヤ72か
らの出力は、ギヤ91,90、中間軸89,92および出力ギヤ96
を介して推進軸97を駆動し、さらに後輪差動装置を介し
て左右の後輪駆動軸ないし後輪を駆動する。両中間軸8
9,92を結合した状態、すなわち4輪駆動状態において、
車軸間差動装置70のデフロック機構88におけるスライダ
87を鎖線xで示すようにスライドさせて、リングギヤお
よびピニオンキャリア75におけるスプライン85,86に跨
って嵌合させれば、該リングギヤ71とピニオンキャリア
75とが結合されることによって車軸間差動装置70の差動
機能が消失され、デフロックを行なわせることができる
ようになっている。スライダ87の操作により前後輪の直
結および解除ができ、これにより必要に応じて直結解除
を行ない、ABSの作動を行なわせることができる。また
第5図で示すように、中間軸89と第2中間軸92のスプラ
イン93,94に跨って嵌合されたスライダ95を第6図の鎖
線yの位置にスライドさせて両中間軸89,92を分断すれ
ば、エンジンの出力は前輪のみに伝達されることにな
る。すなわち、スライダ95の操作により2輪駆動および
4輪駆動の切換えができ、これにより必要に応じて2輪
駆動にしてABSの作動を行なわせることもできる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、車輪がロックし
そうになったとき(つまり車輪をロックさせないようブ
レーキ作動圧を制御するABSの作動が必要となるとき)
には車輪の回転減速度あるいは車体の減速度と車輪の回
転減速度との差が大きくなること、および車輪のロック
しやすさの程度は車両の走行速度により変化することに
鑑み、ブレーキ作動時における車輪の回転減速度あるい
は車体の減速度と車輪の回転減速度との差が所定値を超
えたときに、前後輪を直結状態としている差動制限装置
の作動を解除し、その後ABSの作動条件を満足するとき
該作動を許可する構成となっているので、真にABS制御
が必要となるタイミングを捕らえてABSの作動許可を行
うことができ、これによりABS非作動領域での不必要な
差動制限解除による車両走行性能への影響を少なくする
ことができる。また、差動制限が解除された後でも、AB
S作動条件を満たしていないとABS制御が開始されないの
で、ABSの制御性を向上させることができる。しかもそ
の際、上記所定値すなわち差動制限装置の作動解除のた
めのしきい値を車両の走行速度に応じて設定するように
なっているので、上記タイミングをより正確に捕らえる
ことができる。また、当然ながら、ABSの作動は常に差
動制限装置の作動が解除された状態で行われるため、2
輪駆動車に用いられているABSをそのまま装備した場合
においても所期のABS制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のブレーキ制御装置を備えた4輪駆動車
の駆動系およびABS制御系を示す概略図、 第2図および第3図はABS制御の内容を示すフローチャ
ート、 第4図はパートタイム4輪駆動車のトランスファを示す
断面図、 第5図は2−4輪切換操作レバーを示す正面図、 第6図はフルタイム4輪駆動車のトランスファを示す断
面図、 第7図は第6図の矢印III−IIIに沿った断面図である。 7,8……プロペラシャフト 10……トランスミッション 14……ABSコントローラ 15……ABSモジュレータ 16……車体減速度 20……トランスファ、23……低速用クラッチ 24……高速用クラッチ、31……スプロケット 33……チューン、40……操作レバー 45……2−4輪駆動切換用クラッチ 70……車軸間差動装置、71……リングギヤ 72……サンギヤ、73……ピニオン 75……ピニオンキャリア

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前後輪を駆動する4輪駆動装置と、差動可
    能な車輪相互間の差動を制限する差動制限装置と、各車
    輪をロックさせないようブレーキ作動圧を制御するアン
    チスキッドブレーキシステムとを備えた4輪駆動車のブ
    レーキ制御装置であって、 ブレーキ作動時における車輪の回転減速度を検出する車
    輪減速度検出手段と、 車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、 前記車輪減速度検出手段からの出力信号が所定値を超え
    たときに、前記差動制限装置の作動を解除し、その後前
    記アンチスキッドブレーキシステムの作動条件を満足す
    るとき該作動を許可する許可手段とを備え、 前記所定値を車両の走行速度に応じて設定するようにし
    たことを特徴とする4輪駆動車のブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】前後輪を駆動する4輪駆動装置と、差動可
    能な車輪相互間の差動を制限する差動制限装置と、各車
    輪をロックさせないようブレーキ作動圧を制御するアン
    チスキッドブレーキシステムとを備えた4輪駆動車のブ
    レーキ制御装置であって、 ブレーキ作動時における車体の減速度を検出する車体減
    速度検出手段と、 ブレーキ作動時における車輪の回転減速度を検出する車
    輪減速度検出手段と、 車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、 前記車体減速度検出手段および前記車輪減速度検出手段
    からの出力信号を比較して該出力信号の差が所定値を超
    えたときに、前記差動制限装置の作動を解除し、その後
    前記アンチスキッドブレーキシステムの作動条件を満足
    するとき該作動を許可する許可手段とを備え、 前記所定値を車両の走行速度に応じて設定するようにし
    たことを特徴とする4輪駆動車のブレーキ制御装置。
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