JPH0741783A - 固形グリース充填転がり軸受 - Google Patents

固形グリース充填転がり軸受

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JPH0741783A
JPH0741783A JP19025393A JP19025393A JPH0741783A JP H0741783 A JPH0741783 A JP H0741783A JP 19025393 A JP19025393 A JP 19025393A JP 19025393 A JP19025393 A JP 19025393A JP H0741783 A JPH0741783 A JP H0741783A
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JP
Japan
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molecular weight
grease
rolling bearing
filled
bearing
Prior art date
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Pending
Application number
JP19025393A
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English (en)
Inventor
Tasuku Sato
佐 佐藤
Mitsunari Aso
光成 麻生
Tatsuya Suzuki
達也 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固形グリース充填転がり軸受を、過酷な運転
状態でも、軸受内に水分その他の不純物が侵入し難く、
すなわちシール効果の高いものとする。 【構成】 転がり軸受の内部表面に、平均分子量1×1
6 〜5×106 の超高分子量ポリオレフィンの融点よ
り低い融点を有するパラフィンワックスまたは40℃に
おける粘度が500cst程度の高粘度潤滑油またはグ
リースを被覆し、次いで転がり軸受の内部に潤滑グリー
ス5〜99重量%と、平均分子量1×106 〜5×10
6 の超高分子量ポリオレフィンの粉末95〜1重量%と
からなる混合物を、前記超高分子量ポリオレフィンのゲ
ル化点以上かつ前記潤滑グリースの滴点以下の温度で充
填し、その後冷却して前記混合物を固形状化して製造し
た固形グリース充填転がり軸受とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、転がり軸受の内部に
固形状のグリースを充填した固形グリース充填転がり軸
受およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、潤滑グリースに所定の超高分子量
ポリオレフィン粉末を配合し、これを加熱して流動状態
で転がり軸受内に充填し冷却固化すると、転がり軸受内
に固形状の潤滑グリースが形成される技術および軸受用
潤滑組成物が特公昭63−23239号公報により既に
知られている。
【0003】このような潤滑組成物を充填した転がり軸
受は、軸受回転中にグリースの流動性がないため、軸受
自身が遠心運動するような過酷な使用条件でもグリース
が飛散せず、良好な潤滑状態が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した固形
グリースを充填した従来の転がり軸受は、密封装置がな
くとも軸受外部からの侵入物に対して多少はシール効果
があるが、外気に曝された状態で過酷な運転条件では、
軸受内に水分その他の不純物が侵入してその軸受寿命を
縮める可能性があるという問題点がある。
【0005】そこで、この発明は、上記した問題点を解
決し、固形グリース充填転がり軸受を、過酷な運転状態
でも、軸受内に水分その他の不純物が侵入し難く、すな
わちシール効果の高いものとすることを課題としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては転がり軸受の内部表面に、平均
分子量1×106 〜5×106 の超高分子量ポリオレフ
ィンの融点より低い融点を有するパラフィンワックスま
たは高粘度潤滑油からなる被覆膜を形成し、転がり軸受
の内部にはこの被覆膜を介して下記の固形グリースを充
填してなる固形グリース充填転がり軸受としたのであ
る。
【0007】記 潤滑グリース5〜99重量%に、平均分子量1×106
〜5×106 の超高分子量ポリオレフィンの粉末95〜
1重量%を、前記超高分子量ポリオレフィンのゲル化点
以上かつ前記潤滑グリースの滴点以下の温度で分散させ
冷却固化した固形グリース。
【0008】上記した固形グリース充填転がり軸受は、
転がり軸受の内部表面に、平均分子量1×106 〜5×
106 の超高分子量ポリオレフィンの融点より低い融点
を有するパラフィンワックスまたは高粘度潤滑油を被覆
し、次いで転がり軸受の内部に潤滑グリース5〜99重
量%と、平均分子量1×106 〜5×106 の超高分子
量ポリオレフィンの粉末95〜1重量%とからなる混合
物を充填し、前記超高分子量ポリオレフィンのゲル化点
以上かつ前記潤滑グリースの滴点以下の温度で加熱し、
その後冷却して前記混合物を固形状化することにより製
造することができる。以下に、その詳細を述べる。
【0009】この発明に用いる転がり軸受は、特にその
構造を限定されたものでなく、ラジアル軸受、スラスト
軸受のいずれであってもよく、また、玉軸受、ころ軸受
であってもよい。
【0010】この発明における超高分子量ポリオレフィ
ン粉末は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
もしくはこれらの共重合体からなる粉末またはそれぞれ
単独の粉末を配合した混合粉末であってよく、各粉末の
分子量は、粘度法により測定される平均分子量が1×1
6 〜5×106 である。このような平均分子量の範囲
にあるポリオレフィンは、剛性及び保油性において低分
子量のポリオレフィンより優れ、高温に加熱してもほと
んど流動することがない。このような超高分子量ポリオ
レフィンの潤滑組成物中の配合割合は95〜1重量%で
あり、その量は組成物の所望の離油度、粘り強さおよび
硬さに依存する。したがって、超高分子量ポリオレフィ
ンの配合量が多い程、所定温度で分散保持させた後のゲ
ルの硬さが大きくなる。
【0011】このような超高分子量ポリオレフィンの融
点は、前記平均分子量に対応して変化するため、一定で
はないが、例えば粘度法による平均分子量が2×106
のものの融点は136℃である。同平均分子量の市販品
としては、三井石油化学工業社製:ミペロン(登録商
標)XM−220などがある。
【0012】この発明に用いるパラフィンワックスは、
上記した超高分子量ポリオレフィンの融点より低い融点
を有するものであり、具体例としては、カルナバロウ、
カンデリナロウ等の植物性ワックス、ミツロウ、虫白ロ
ウ等の動物性ワックス、またはパラフィンロウなどの石
油系ワックスが挙げられ、これらのうち前記所定の融点
のものを選択して使用する。
【0013】また、この発明に用いる高粘度潤滑油と
は、高粘度の液体潤滑油または高稠度のグリースをい
い、前者の40℃における粘度は、100cst以上の
ものである。また、後者のグリースの場合は、NLGI
(National Lubricating Gre
ase Institute)稠度のNo.0以下のグ
リースを用いる。なぜなら、上記範囲外の低粘度の潤滑
油では、転がり軸受の内部表面に被覆膜が形成されない
ためであり、NLGIのNo.0を越えるグリースで
は、硬いために軸受内部表面を均一に被覆できず好まし
くないからである。
【0014】パラフィンワックスを転がり軸受の内部表
面に膜状に被覆するには、パラフィンワックスを加熱し
て液状化し、これを塗布するかまたは液状としたパラフ
ィンワックスに転がり軸受を浸漬すればよい。高粘度潤
滑油の場合は、特に加熱して液状化する必要はない。
【0015】また、この発明に用いる固形グリースに配
合する潤滑グリースは、特に限定されるものでなく、石
けんまたは非石けんで増稠した潤滑グリースとして、リ
チウム石けん−ジエステル系、リチウム石けん−鉱油
系、ナトリウム石けん−鉱油系、アルミニウム石けん−
鉱油系、リチウム石けん−ジエステル鉱油系、非石けん
−ジエステル系、非石けん−鉱油系、非石けん−ポリオ
ールエステル系、リチウム石けん−ポリオールエステル
系等のグリースが挙げられる。
【0016】上記した潤滑グリースに、超高分子量ポリ
オレフィンを分散保持させるには、上記した材料を混合
した後、超高分子量ポリオレフィンがゲル化を起す温度
以上であり、しかも潤滑グリースの滴点未満の温度、た
とえば150〜200℃に加熱し、その後、冷却して固
形化させ、油性面すなわち油が滲み出る面のある固形グ
リースとする。
【0017】
【作用】この発明に係る固形グリース充填転がり軸受
は、転がり軸受内部表面に被覆した高粘度潤滑油または
パラフィンワックスが、固形グリースに配合された超高
分子量ポリオレフィンによって保持され難く、すなわち
超高分子量ポリオレフィンの吸油作用を受け難いので、
充填された固形グリースの油性成分に軸受の内部表面に
近い固形グリースほど遊離した油性成分を多く含むとい
った濃度傾斜が生じる。
【0018】したがって、油性成分を多く含み軟質の固
形グリース部分は、被熱処理による体積収縮率が小さい
ので、固形グリースを熱処理を伴って充填する時に、こ
のものと転がり軸受との体積収縮率の差は小さくなり、
すなわち隙間が小さくなって軸受のシール性が向上す
る。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕融点110℃の石油系ワックスを融点を若
干越える温度に加熱して液化し、この液中に予め110
℃に加熱しておいたラジアル玉軸受(軸受6204)を
2〜3秒浸漬した後、取り出して室温まで冷却した。
【0020】次に、超高分子量ポリオレフィン(三井石
油化学工業社製:ミペロン)20重量%、低分子量ポリ
オレフィンを含有する固形ワックス(三井化成社製:サ
ンワックスと精工化学社製:サンタイトSの混合物)1
6重量%および潤滑グリース(リチウム石けん−鉱油
系)64重量%からなる混合物を軸受6302に内部空
間一杯に充填し、この軸受を150℃まで加熱した後、
室温まで冷却して固形グリース充填の転がり軸受を製造
した。
【0021】得られた軸受のシール性能を調べるため、
JIS K2220 5.12に規定する水洗耐水度試
験(38℃、1時間)を行ない、潤滑剤の流出量(重量
%)および軸受レース面への水の侵入状況を目視によっ
て観察し、この結果を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】〔実施例2〕実施例1において、石油系ワ
ックスに代えて40℃における粘度が500cstの鉱
油系潤滑油を用いた以外は、実施例1と全く同様にして
固形グリース充填の転がり軸受を製造した。
【0024】また、実施例1と全く同様のシール性能試
験を行ない、この結果を表1中に併記した。
【0025】〔実施例3〕実施例1において、石油系ワ
ックスに代えてNLGI稠度No.0のリチウム石けん
系グリースを用い、これを転がり軸受の内部表面に塗布
したこと以外は、実施例1と全く同様にして固形グリー
ス充填の転がり軸受を製造した。
【0026】また、実施例1と全く同様のシール性能試
験を行ない、この結果を表1中に併記した。
【0027】〔比較例〕実施例1において、石油系ワッ
クスを用いた軸受の表面処理を行わなかったこと以外
は、実施例1と全く同様にして固形グリース充填の転が
り軸受を製造した。
【0028】また、実施例1と全く同様のシール性能試
験を行ない、この結果を表1中に併記した。
【0029】表1の結果からも明らかなように、実施例
1〜3は、潤滑剤の流出量が1.0〜1.5重量%と少
なく、水滴の侵入も極めて少ないことがわかる。
【0030】これに対して、所定の前処理を行わずに固
形グリースを充填した比較例は、潤滑剤の流出量が3.
4重量%と実施例の2倍以上あり、水滴の侵入も少し認
められた。
【0031】
【効果】この発明は、以上説明したように、転がり軸受
内部表面に高粘度潤滑油またはパラフィンワックスを被
覆し、この被覆膜を介して潤滑グリースおよび所定の平
均分子量の超高分子量ポリオレフィンからなる固形グリ
ースを充填した転がり軸受としたので、過酷な運転状態
でも潤滑剤が流出せず、また軸受内に水分その他の不純
物が侵入し難く、すなわちシール効果の高い固形グリー
ス充填転がり軸受を提供することができる利点がある
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C10N 20:04 30:04 30:06 40:02 50:10 80:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受の内部表面に、平均分子量1
    ×106 〜5×106 の超高分子量ポリオレフィンの融
    点より低い融点を有するパラフィンワックスまたは高粘
    度潤滑油からなる被覆膜を形成し、転がり軸受の内部に
    はこの被覆膜を介して下記の固形グリースを充填してな
    る固形グリース充填転がり軸受。 記 潤滑グリース5〜99重量%に、平均分子量1×106
    〜5×106 の超高分子量ポリオレフィンの粉末95〜
    1重量%を、前記超高分子量ポリオレフィンのゲル化点
    以上かつ前記潤滑グリースの滴点以下の温度で分散させ
    冷却固化した固形グリース。
  2. 【請求項2】 転がり軸受の内部表面に、平均分子量1
    ×106 〜5×106 の超高分子量ポリオレフィンの融
    点より低い融点を有するパラフィンワックスまたは高粘
    度潤滑油を被覆し、次いで転がり軸受の内部に潤滑グリ
    ース5〜99重量%と、平均分子量1×106 〜5×1
    6 の超高分子量ポリオレフィンの粉末95〜1重量%
    とからなる混合物を充填し、前記超高分子量ポリオレフ
    ィンのゲル化点以上かつ前記潤滑グリースの滴点以下の
    温度で加熱し、その後冷却して前記混合物を固形状化す
    る固形グリース充填転がり軸受の製造方法。
JP19025393A 1993-07-30 1993-07-30 固形グリース充填転がり軸受 Pending JPH0741783A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7008115B2 (en) 2001-05-22 2006-03-07 Koyo Seiko Co., Ltd. Polymeric lubricant packed bearing and method of producing the same
US7434238B2 (en) 2005-10-11 2008-10-07 Hitachi-Lg Data Storage, Inc. Optical disc apparatus
JP2012229366A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Nsk Ltd 潤滑剤供給体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7008115B2 (en) 2001-05-22 2006-03-07 Koyo Seiko Co., Ltd. Polymeric lubricant packed bearing and method of producing the same
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JP2012229366A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Nsk Ltd 潤滑剤供給体

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